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8万トンクラスのタンカーを改装することによって、米海軍の通常動力空母(キティーホーク級)並みの性能を持つ航空母艦に仕立てることは出来るでしょうか? 架空戦記などで『タンカー改装空母』などが出てきますが、実際のところ航空機のプラットフォームとして運用できるのかどうか知りたいです。 よろしくお願いいたします 閃空 |
- 素人なんですが、おもしろそうなので
フォークランド紛争のとき、コンテナ船を擬似VTOL空母として使ってましたから
ハリアーなら運用できるでしょう
でも正規の航空機を運用するとなると、離着陸に耐えるだけの甲板強度が要ります
鉄板を敷いたら、中央でたわみそうです
蒸気カタパルトを積むなら、大型のボイラーが要ります
空母なら蒸気機関(原子力含む)のスチームが使えるけど
最近のタンカーはディーゼルだから別に積まねばなりません
そこに飛行機用エレベーター、格納庫、レーダーetc
新造した方が安くつくかも
そこで
甲板をアスファルトで厚く舗装して臨時滑走路にする
搭載機はSTOL性の高いスカイホークやA10のみ
自力で離着陸(300mあればなんとかなる)
もちろん、露天駐機という
青空空母にしてはどうでしょう
はなぶさ
- タンカーと空母では、根本的に構造が別モノです。改装では、どうやってもキティホーク級と同等の性能を持たせることは不可能でしょう。
仮に改装して、どうにか艦載機を運用できるような船にしたとしても、その運用性能はとても改装費とつりあうものにはならないはずです。
つね
- タンカーを通常型空母に改装するとしたら、アングルド・デッキ式にしないとしても、艦の中央部にある艦橋を外して空母用の艦橋を新設したり、艦内の石油タンクの間の仕切りを取っ払って艦載機格納庫にするなど、大型旅客船以上の改装が必要ではないかな。
タンカーは、一つのタンクから石油が漏れたりしても被害を最小限に押さえられるよう、できるだけタンクを細かく仕切るような構造になっているしね。仕切りといっても結構、頑丈なものなんだろうし。
アリエフ
- 何をもって、キティホーク級並みと考えるかで、元のタンカーをどこまで
利用できるかが全然違ってくるかと思います。元の船体機関を出来るだけ
残そうとすると、まともな空母には成り様がありません。逆に満足の行く
空母に仕上げると、キールも残りません。
なぜなら、速力が全然違いますし、基本構造も全く異なるので、被弾時の
耐久性も比較にならないでしょう。
また、タンカーで8万トンクラスというと、普通は載貨重量で8万トンの
ことですから、全長にすると200mそこそこです。300m超の空母と
同等の性能は、どう転んでも無理でしょう。
露西亜艦まにあ
- むか〜し 100万トンタンカーというものを見聞した事があります
全長は700m位だったと思いますが これを第2次大戦当時の米護衛空母並みの艤装を施すとしたら 一体どのような感じになるのでしょうか
セミララ
- 皆様とても勉強になるご意見ありがとうございます!
となると、搭載排水量(?)ではなく排水量8万重量トンのタンカーだとしても、やはり空母としては改造運用は出来ないのでしょうか?
架空戦記(青き波濤や世界最終戦争シリーズ)で見かけるタンカーやコンテナ船を改装して空母にするというのは実現が難しいのでしょうか?
どちらも面白い作品だと思うのですが・・・・・
閃空
- 大型船に対する誤解があるようなのでちょこっと補足しておきます。
二次大戦直後までならともかく、現用の大型タンカー(VLCC)は船体が長大だからといって船体が頑丈であるとは言えません。(無論、油満載時で必要な強度は持っていますが)ですが、必要の無い強度=贅肉として考え、船殻の軽量化を進めている現用のVLCC等は固定翼機の発着艦に耐えれるほどの甲板強度は抱えていないと思います。
また、船体中央断面の水線下での船体比率は0.95〜という肥大船型は石油輸送時においてのみ許容されるほどの燃費が悪いので、上部構造にウエイトを置く空母等への転用は難しいのではないでしょうか?
ちなみに既出のフォークランド紛争時の改装コンテナ船は、事前に準備されていたVTOL展開用キットを甲板上に設置した「ヘリ空母」として理解するべき程度の性能であると愚考しております。
端折った突っ込みになりましたが、『専用に特化した現用の商船(大型船)は、空母等への転用は難しいのではないか』とううのが私の感想です。
皆様の突っ込みをお待ちしております。
能登
- ずいぶん話が長くなってしまいますが、背景からいきましょう。
それは「巨大タンカー」というものが持つイメージの問題です。
高度成長期からバブル期のはしりくらいまで、巨大タンカーと言えば、
戦後日本の国力と技術力の象徴でした。まだ、鉄鋼と造船に力の有った
時代のお話です。「世界最大のタンカー」が日本の造船所の手によって
作られ、その記録は、やはり、日本で塗り替えられる。そんなことが、
当たり前のことだった時代がありました。そうしたニュースは、新聞や
雑誌にも掲載され、少年漫画や、ときには少女漫画にも影響を及ぼして
いました。(強大な秘密結社の本拠地が、実は巨大タンカーの中だとか)
そんな当時に、青少年期を過ごした日本人には、巨大タンカーには造船
日本の力の象徴としての強い印象が根付いています。
(当人がどれほど意識しているかは別にして)
そんなわけで、戦後日本の力の象徴である巨大タンカーが、アメリカの力の
象徴である空母のお株を奪って大活躍するとなれば、仮想戦記ネタとしては、
もうこの上もなくオイシイのです。
ですが、タンカーはやはりタンカーであって空母とは造りが違います。
現実には、そうそう美味くはいきません。
>> 5
その「むか〜し」というのは、ひょっとして二十年くらい前でしょうか?
100万トンタンカーなるものは、たしかにその当時計画されていました。
しかし、現実に作られた最大のタンカーは、載荷56万トンのモノです。
他にも幾つか50万トン超級のタンカーが建造されましたが、それらは、
いずれも1970年代から80年代初頭に作られたもので、生き残りも程無く
リタイアします。
現在のタンカーは大きいものでも30万トンくらいです。
>> 6
この場合のトンは、載荷重量トン(DWT)と言います。
排水量で大きさを測るのは軍艦くらいです。商船は、船の大きさがどうで
あろうと荷物さえ積めれば問題無いので、直接的に比較できる様な尺度が
有りません。
満載排水量は、燃料や弾薬などを一杯に搭載した時に水を押しのける量、
すなわち、全部込みでの自重ですから、一見して、排水量8万トンよりも、
8万トンのモノを積めるタンカーの方がむしろ大きい様にすら思えますが、
実際には、船体の容積に占めるタンクの割合などが全く違いますので、
比較できません。その他の測り方にしても、軍艦と商船の用途の違いが
大きいため、同じ土俵に乗せて比較するのに適切とは言えません。
>> 7
私は全長で比較してすら小さいと書いたのであって、全長が十分なら使える
などと書いたおぼえは有りませんが・・・。
まあ、それはともかく、タンカーの空母としての適性に関しては、ほぼ、
同じような意見を持っております。
現行で最大級の30万トン級ダブルハルタンカーは、全長こそ米空母並みでは
ありますが、船体構造から言っても、速力から言っても、空母として適して
いるとは言えないでしょう。
(線図もフレーム数も全然違う。キールも残らないと言った意味です)
ただ、元来空母に適していないという意味では、大戦中のMACシップにしても
大して違いは無いわけで、結局はどこまで贅沢を言うかだと考えます。
ハリアーが積めれば良いとか、とりあえず発艦だけ出来ればそれで良いとか、
妥協の仕方は置かれている状況によって大きく異なってくるかと思います。
無論、そんな代物をキティホーク並みなどと呼ぼうものなら、米艦マニアに
張り倒されるでしょうが。
英国では、ハリアーを運用するために商船の改装キットが開発されたことが
有ります。着艦パッドだけの簡単なものから、本来の船体の上に飛行甲板を
新規に造る大規模な改装まで、数多くのプランが当時提案されていましたが、
その主なターゲットはタンカーではなく高速コンテナ船でした。
やはり、護衛空母への改装を考えるならば、VLCCよりは元来高速で水線下の
形状も幾分スマートなコンテナ船の方が適しているかと思います。
小説が、無理にでも巨大タンカーを登場させる意味は、やはり、イメージの
問題ではないでしょうか。
露西亜艦まにあ
- >閃空殿
排水量と重量トンについても誤解があるようなのでちょっと簡単に説明を。
・載荷重量トン=その船が搭載できる積載物の量を英トン(1英トン=1016kg)で示したもので、貨物船やタンカーなどに使われます。
・排水量=船を水面に浮かべたときに、その船が押しのける水の量=その船自体の重量です。当然、船の状態(燃料や弾薬の搭載量など)によって変化する数字なので、さらに細かく基準排水量・常備排水量・満載排水量・軽荷排水量・公試排水量などに分けられます。
・総トン数=船の容積(壁に囲まれた部分、上部構造も含む)から、バラストタンクや調理室など規定された施設の容積を引き、残った容積を2.83立方メートル=1トンとして計算したもの。
従って、「重量トン」と「総トン」は、その船自体の重量とは直接関係ありません。ただし、それぞれの計測方法には、実際には法律などで細かな規定がありますので、上記の説明は、基本的な大筋だけと思ってください。
つね
- 本格的な空母を目指すのか、それとも前線までの航空機輸送用のプラットフォームとして考えるのかによっても異なるんだろうな。コンテナ船改装の場合も後者であったわけで主力空母として使えるようなものではない。
結論はもう出ているが、現実的ではないものの、とにかく空母らしい艦艇が必要でタンカー以外に改造して使えそうな船が無いということであれば、背に腹は変えられないということになる。そして最小限の改装で済ませたいのであれば、タンカーの構造強度が持てばの話だが、船体はそのままとし甲板の上に航空機格納庫を置き、その上に全通型の飛行甲板を置くというスタイルも考えられる。
日本海軍の戦艦から改造した空母のような形状になるわけだが、飛行甲板が相当高くなり船全体の重心バランスも悪くなりそう。どう考えても空母としてはまともに使えそうに無い。
アリエフ
- ハリアー展開用改装キットといえば、スカイフック式。どこも買わんかったけど。
陸上実験でいいから巨大マニュピレーターがハリアーを掴むところが見たかった。
strafe
- 大型タンカーの船体は殆どがタンクであり、強度ぎりぎりの薄板で作られているため「ふにゃんふにゃん」で、時化のときなど船体がくねるのがブリッジから見てはっきりわかるそうです。FA-18 や E-2 などの高性能軍用機の発着艦に耐える甲板はそれなりに分厚いものになると思いますが、船体側にそれを支えるだけの強度がないのではないでしょうか?甲板に合わせて船体強度も補強するとなれば大工事で、そこまで手間をかけて低速鈍重凌波性極悪の代用空母を作る意味はあまり無いと思います。
ささき
- 皆さんが色々と意見の述べられているので何ですが(笑)
むしろ超大型高速コンテナ船の方が可能性が高いと思いますよ。
5万トンクラスで25ノット巡航が普通のようです。
フランスの原子力空母と同じ程度の速度ですしねー(笑)
もうひとつが、ウエーブピアサータイプの大型高速客船です。
これは40ノットで巡航する能力(世界クルーズ)を持ってますよ。
第一に、米海兵隊の次期支援船(輸送艦・LHDじゃありません)
がこの構想らしく、JSFの運用を考えています・・ほとんど空母みたい。
fanfan