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変な質問ですがお願いします。漫画「沈黙の艦隊」を見ていて、最後の方なのですが、浮上している潜水艦にバルカン・ファランクスを発砲するシーンがありますが、果たしてどの程度の効果があるのでしょうか。 ベルデハ戦車 |
- どの程度の効果があるかについてはわかりませんが、現用のCIWSは水上目標への対処能力はありません。最新型では、たしか銃身長を長くして(これ自体は水上目標対処ではなく対空目標に対する対処能力向上のため)、赤外線センサーを追加しているため、高速艇などにも対処可能です。でもよく考えたら船体自体には影響なかったとしても、潜舵の基部に命中して操舵が困難になったり、潜望鏡やESMに命中したらかなりの影響があるでしょう。
そういえば、フォークランド紛争の時にアルゼンチン側の209型潜水艦が機銃掃射を受けたというような話を読んだことがあった気がするけどどうなったんだろう?
RGS
- とりあえず船体に貼ってある遮音タイルは損傷、又は剥がれるでしょうね。
複殻式潜水艦の外殻に傷が入った位では・・・・あれ?シーバットって複殻式でしたっけ?
507
- ↑
複殻です。第97話で、
「(前略)15:00より内殻各区の検査を行う!」
と海江田さんがいっています。
名無しさん
- バルカン・ファランクスはAPDSを使いますから結構な貫徹力があると思うので外殻は穴だらけになるんじゃないですかね>当たるなら
SUDO
- 1)複殻式でも、単殻式でも、現在の潜水艦のメイン・バラスト・タンクは耐圧殻の外部にあります。
2)現在の潜水艦(大戦末期の米艦隊型潜水艦も)は、MBT下部のフラッド・ポートにはバルブはなく、開けっ放しです。これは、MBTをブローして行う水上戦闘を全く考慮に入れていないからです。
3)SUDOさま>外殻は穴だらけになるんじゃないですかね:現在の潜水艦は外殻が無傷でも、MBTの薄い外壁に、喫水線上であっても小さな穴があけば、その区画はすぐに浸水してしまいます。低圧ブローによる排水にも限りがあるでしょう。
4)予備浮力のほとんどない現在の潜水艦は、多数のMBTに小さな穴でもあけられてしまったら、耐圧殻である外殻に全く損傷をうけなくても簡単に沈没してしまうはずです。
5)現在の潜水艦にとっては、浮上中に戦闘行為に巻き込まれた時点で、もうすでに完敗です。
豪腕少年タイフーン
- シーバット級の外殻の厚さは知りません(笑)が、ソ連の949号計画”Granit” (Oscar I)の外殻の厚さは、40mmだそうです。
・949号計画”Granit” (Oscar I)
http://www.steel.sakura.ne.jp/ensub/contents/ru/data/ru_data_949.html
潜水艦の船殻の材質の機械的性質は、とても高いです。
例えば、米国の潜水艦の耐殻船殻以外の2次部材に使われているHSLA-100の機械的性質は、以下の通り。
引張強さ:1000(MPa)=約100(kg/mm^2)
耐力:700(MPa)=約70(kg/mm^2)
吸収エネルギー:250(J)=約25(kgf・m/cm^2)
参考として、WW2の日本の戦艦の多くに使用されていたVH装甲鋼板の機械的性質は以下の通り(なお、厚さ75〜180mmにおいて、裏面の規格値)。
引張強さ:785(MPa)=80(kg/mm^2)
耐力:441(MPa)=45(kg/mm^2)
吸収エネルギー:38(J)=約4(kgf・m/cm^2)
・潜水艦用鋼材の動向(耐力)
http://www.jda-trdi.go.jp/doukou/04a/04a-03a.gif
・潜水艦用鋼材の動向(靭性)
http://www.jda-trdi.go.jp/doukou/04a/04a-04a.gif
・装甲鋼板データ
http://users.hoops.ne.jp/sus304l/arm_var/arm_data.htm
耐弾性能もRHAと、そんなに見劣りしないかもしれません。
ファランクスの20mmAPDSの貫徹能力はわかりませんでした。
・MK149-4 Phalanx
http://www.atk.com/defense/descriptions/products/munitioncards/phalanx.htm
一方、M61系用に使用可能な徹甲弾のM53APIの貫徹能力は、射距離1000mにおいて、直立したRHAに対して、6.3mm程度だそうです。
ファランクスはAPDSなんで、これよりだいぶ貫徹能力があるかと思われますが
常識的に見て、2倍までは行かないと思われます。
以上のデータから推測するに、相当至近距離でも、案外貫通されないかもしれません。
ただし、外殻に疵がつきますので、潜航性能等に影響することは、多分に推測されます。
ある
- 蛇足。
近年、小〜大口径まで、弾の貫通能力の向上は凄い物です。
残念ながら、”Phalanx”用20mmX102弾ではなく、一回り上の25mm弾ですが、
DU弾でなくとも、貫通力は ”25mm RHA @ 60º is 1300m” だそうです。
http://weapons.travellercentral.com/ammo/m791.html
これ、表示が20mmになっていますが、 25mmX137弾のマチガイでしょう!!
RHA: Rolled Homogeneous Armor plate
軌跡の発動機?誉
- 7>
私も「20mm APDS」で検索して、最初にこれに当りました(笑)。
確かに、これ25mm砲弾ですね。
では、この弾とファランクスの弾を比較してみましょう。
この弾の初速が1345m/secです。
一方、ファランクスの弾は1130m/secです。
弾頭重量は、書いてないので口径から推定するに、
20mm:25mm=20^3:25^3=8000:15625=1:2です。
砲口エネルギーは、
20mm:25mm=1×1345^2:2×1130^2=1:2.8なんです。
この25mm砲弾の運動エネルギーは、20mmファランクスの3倍近く
あることになります。
次に、25mm砲弾の貫徹能力ですが、「25mmRHA@60°is1300m」は、
「1300mの距離で、直立から60°傾けた25mmRHAを貫通」と読みますと、
見かけ厚さは、
25mm/sin(60°)=50mm
なんですが、実際の侵徹パスは下記URLの図のように屈折しますので、
これほどでもないです。
http://users.hoops.ne.jp/sus304l/armor_brake/30apfsds_00.gif
まあ、せいぜい「40mmRHA@0°is1300m」と言ったところでしょう。
よって、この弾でも1300mの距離で、潜水艦の外殻を貫徹できない
可能性が高いです。
ただし、弾丸の貫徹能力は、運動エネルギーでのみ語れるものではないですし、小口径弾は、弾丸重量が軽いので、1000mぐらいの距離でも存速が大きく減少します。よって、至近距離ならばより大きな貫徹能力を持つことを理解しておく必要はありますね。
まあ、最終的には、やってみなくちゃ判らないという結論になるのでしょうか(笑)。
ある