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重さのナゾについてお伺いします。空母「大鷹型」は基準排水量17,300t、水線長173.7m、最大幅22.5mが一般的なスペックですよね。彼女の排水量なら2まわり程大柄の「飛龍」「雲龍型」とほぼ同じ【「蒼龍」に至っては16,000t級で、より軽い!】なんですが、商船改装空母ってそんなに腹の中が重たいのでしょうか?単純計算なら、ほぼ同サイズの「千歳型」に初期の軽巡を加えたくらいの重さなんですが…。 同じく「飛鷹型」は24,000t級で相当能力艦として対比される「飛龍」より遥かに重く、充分な装甲を持つ「翔鶴型」にも迫る重さです。 商船当時の「総トン数」と艦艇に使われる「排水量」とのマジックなのでしょうか?それとも機関部重量とかの関係なのでしょうか? リリー・マルレーン |
- スリムな軍艦とデブッチョの商船の差でしょう。
商船は何のために作られるか?
そうモノを運ぶためですね。
であるなら、艦内容積は大きければ大きいほど都合が良いわけです。
勝井
- ほぼ同装備でありながらドックの都合で全長を短縮した戦艦エリンと原型旧KGVで幅0.8m追加で全長12m短縮が為されてます。
軍艦における幅って大きな影響を齎すんですよ。特に空母や商船は船体高さが大きいので、それが1割増えたら、排水量も1割近く大きくなるのです。
また高速軍艦は船体の前後を絞って伸ばしています。言い換えるなら排水量には余り寄与していません。
粘土の塊を適当な楕円形の塊にするのと、それから前後を痩せさせて伸ばしてみてください。結構変わるもんです。
空母のような船は武装や装甲は小さく、機関重量はまあそれなりですが、殆ど全て船体構造の重量みたいなもんです。よってそれを余裕ある浮力(積載能力)に費やした商船とはちょっと毛色が変わってきてしまうのです。
SUDO
- お答えいただきありがとうございました。・・・ところでSUDOサン。
>ほぼ同装備でありながらドックの都合で全長を短縮した戦艦エリンと
>原型旧KGVで幅0.8m追加で全長12m短縮が為されてます。
↑なんですが、「戦艦エリン」とは英国の戦艦ですか?また、KGV比で幅+0.8m、全長−12mという事だそうですが排水量はどれくらい変わりましたか?
リリー・マルレーン
- >3
今調べましたが、両艦の武装や満載排水量はほぼ同じです。
あと、「エリン」は一応イギリスの戦艦です。
トルコ向けにもともと建造されていましたが、第一次世界大戦勃発とともに、英国に買収?されて使用された艦です。
zono
- >3
エリンとはトルコがヴィッカース社に発注した戦艦レシャディ・ハミスで、第一次大戦勃発に伴い英国に接収されてHMSエリンとなりました。
原型はKGV級戦艦です
サイズスペック(右側がKGV)
全長 170.5m/182.1m
全幅 27.9m/27.1m
常備排水量 22780/23000
燃料 2830/約3500〜4000(どちらも石炭+重油の合計量)
副砲や装甲要領が多少異なるのですが、概ね同等の戦力を持っています。
ちなみにエリンの方が燃料搭載量が少ないので基準排水量換算にしたらエリンのほうが多少重たいかもと思います。
SUDO
- これまた詳しいご説明ありがとうございました。<戦艦エリン
私はてっきりWWIIの四連装主砲の戦艦「KGV」ベースかと思っていました(^^;。WWI前の34cm連装×5の「KGV」だったんですね。
・・・ところで、「大鷹型」の重さの謎の事なんですが、新謎が急浮上!…全長で18m、全幅で3m程度もデカい「神鷹」と「大鷹型」の排水量がこれまたほぼ同じなんです。同じ商船改装空母なだけに“幅と容積”の条件が同じだと思うんですが、これについてはどうなんでしょう。まさか外板の厚みの差とか!?
リリー・マルレーン
- >6
神鷹って本当にその排水量なのかねえ・・・。
実は吃水も神鷹の方が深いんですよね>大鷹8:神鷹8.18
なんかよっぽど妙な船体形状してるのか、どっかで何か記載ミスがあったのかとか思う今日この頃
SUDO
- 写真も左舷の姿1枚しか存在していないから案外右舷は徹底した軽量化をしていたりして・・・(違)。 <なんかよっぽど妙な船体形状してるのか
スビクマル
- >6
大鷹と神鷹だと基準排水量で約3000tほど違いますね。
恐らく基準排水量と満載排水量で比較してしまったのだと思いますが。
http://warships1.com/JAPcve03_Shinyo_specs.htm
http://warships1.com/JAPcve02_Kaiyo_specs.htm
ルージュ
- 「雲鷹」の公試時における排水量が約一万九千トン、「神鷹」のそれが約二万一千トンですから、ぱっと見不思議なんですが。上から見ると、神鷹は艦首部分がかなりスリムなんですね。あと、神鷹にはバルジが付いてて全幅サバ読んでますが、大鷹型にはありません。
というわけで、両者は相似形ではないですから、寸法が小さい大鷹型の排水量が大きかったんじゃないかな、と・・・ま、60年も昔のハナシですから、あちらの女性の方がプロポーションが良かったんでしょう。。
tackow
- 皆様大感謝! 「雲鷹」の公試排水量が19,000tですか!重いですネ(^^;。
それでいて装甲らしい装甲が無いとは・・・。
リリー・マルレーン
- 10番の文章、日本語になってません。ごめんなさい。
大鷹型は神鷹に比べてちいさいけれどその割には重い、的に考えてください。単純に相似型で一割大きければ3割位重くなるんで(神鷹は中身も軽いらしんですが)・・・
tackow
- 寝ぼけて大鷹じゃなく海鷹のデータ見てました(鬱)
神鷹は元々の機関が不調で換装したり復元性向上の為バルジ付けたりと
結構大掛かりな改装を行っていて工期が1年3ヶ月と他の特空母に比べて
3倍以上長くなっていますので、その分艦内も手が加えられているのでは?
復元性回復の工事まで行っていますので軽量化なども実施していたのでは無いかと
思ったのですが。
ルージュ
- 福井静夫氏によれば、神鷹の居住区には「捲肌」というブリキの様な軽量材を使ったみたいですね。また、工事自体も簡略化したのでかなり軽量に出来、そのため、復元性維持のため、バラストやバルジが必要になった様です。
tackow
- >14
回答有難うございます。
逆に言うと他の特空母はそこまでの工事はやって無いから排水量も多いのでしょうね。
ルージュ
- ちょっとだけ気付いたことを。
商船時代の「シャルンホルスト」と「新田丸」を比較すると、「新田丸」の方が重量トンで、1800トン程度重くなります。
この1800トンもの差は、
1)電気溶接による建造で、リベット相当の900トンの軽量化に成功した
2)「新田丸」他が空母改装を前提とした強固な船殻を持っていた
ことが考えられます。(あくまでも推察にすぎませんが)
また、「神鷹」への改装に長時間かかったのは、建造図面が無いために、各部の図面を作るのに手間取り、改装計画の立案が遅れたことが大きな影響を与えています。
能登