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映画等を見ると 原潜等は回頭時 飛行機のようにバンクしますが これは一体どういうわけなのでしょうか 飛行機は旋回時 バンクしなければならないですし そのための操舵を行うことは分かっている(つもり)のですが 潜水艦の場合は分かりません セミララ |
- 1)現代の潜水艦は、3軸とも姿勢制御装置が管理していますので、高速で急旋回しても、ロール軸は変化しません(別にさせる必要がありません)。
2)昔の潜水艦では、旋回の際に内側にバンクしましたので、傾いたラダーのために艦首が下向き深度が保てなくなります。深深度でのこの現象は、非常に危険でした。
3)潜水艦自体のロール軸は変化しなくても、乗っているクルーには旋回の外側に向かって強い遠心力がかかります。一種の感覚失調が生じて、高速で急旋回した際の潜水艦のクルーは、水上艦と同じく外に向かって強く傾いているように感じるそうです。もちろんクルーは危険ですので、高速急旋回の際には、外側に向かって振り回されないように、自分を固定するように警報がながされます。
豪腕少年タイフーン
- >2
昔の潜水艦はどうして旋回時にバンクするのでしょうか?
飛行機がラダー使うとバンクするのはわかるのですが・・・
D.D
- >2
想像ですが、慣性では無いでしょうか?
潜水艦といえども重心は船体の下側にありますから、船体の上下では上が軽いわけで
重たいものほど外側に膨らもうとしますので、結果的に内側に傾くように見えるのではないかと
SUDO
- >2、3:昔の潜水艦の旋回時の内側への傾斜
これは、かんたんなモーメントの問題です。昔の潜水艦(可潜艦)のラダーはスクリューと同じく、艦の浮力中心よりかなり下側に装備されていますから、ラダーをきると横向きの力がかかり、浮力中心とのズレから内側にバンクするモーメントが働きます。バンク自体はそんなに問題は無いのですが、潜水艦はバンクにともなって艦首を下げて急速に潜っていきますので、油断すると安全深度を超えてしまいかねません。
つまり、同じ滑走艇でも、舵とスクリューが滑走面より下についているモーター・ボートは、旋回時に内側にバンクしますが、プロペラ艇のように滑走面より上に舵がついていれば、通状の排水式の船と同じく、旋回時には外側に傾きます。ウォータージェットのように、滑走面ぎりぎりに舵がある船は、高速での急旋回の際にも、内外、どちらにもあまりバンクはしないはずです(でも、クルーたちはとんでもない遠心力で、ひどい目にあっていると想像します)
豪腕少年タイフーン
- >4
なるほど、そうか、舵の位置でしたか、目からうろこです。
SUDO
- 排水型の水上船も、旋回当初は舵力で旋回内側にやや
傾斜するのだそうですが、船体下部が抵抗の強い水中に
入っているので遠心力で大きく旋回外側に傾斜する
のだそうです。
SAW
- >3>4
ありがとうございます。
D.D
- 映画の中で原潜がバンクするのは、たぶん迫力を出すためじゃないでしょうか。
本物の原潜が高速航行時に大きく舵を切るとバンクする現象は「スナップロール」と呼ばれるものです。これは断面が円形の船体と、その上にセイルを載せてるという潜水艦の船体形状が原因です。
右舵を切るとします。船体は船首を右、船尾を左にした姿勢で水中を横滑りし始めます。この時、円形の主船体には回転モーメントは発生しません。しかし、左前方から水流が当たるセイルには右方向の揚力が発生します。結果は右舷側へのローリングです。
豪腕少年タイフーンさんが言われているように、このようなローリングが起きると、縦舵が水平舵の働きをして船尾を持ち上げ、そうなるとセイルもダイブプレーンとなってさらに船首を下げ、船をディープな所へ持って行くことに相成ります。
スナップロール
- みなさん 回答ありがとうございました
セミララ
- >8, スナップロールさま(いつもお世話になっている先生でしょうか?)
潜水艦のクルーが高速航行時の急旋回の際の状況を「スナップロール」と呼ぶようになったのは、まず涙滴型のディーゼル潜水艦が作られて、水中で30ノット以上での急旋回ができるようになったときに、初めて経験するとんでもなく強い急激な遠心力により、強く外向きに振り回されたサブマリナーが名づけたみたいです。
>これは断面が円形の船体と、その上にセイルを載せてるという潜水艦の船体形状が原因です。
ラジコン潜水艦も同じ原理で内側にロールし、これを「スナップロール」とよぶようですが、最初にサブマリナーが「スナップロール」とよんで恐れたのは、旋回の外側向きの遠心力であって、内側へのロールをクルーが感じたのではないと思いますが、いかがでしょうか?
豪腕少年タイフーン