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日米の空母なんですが、日本の空母にはアメリカの空母みたいにカタパルトが装備されていないのは何故でしょうか? タケ |
- 日本の空母は空気式とフライホイール式の二種のカタパルトを研究していましたが、これらの実艦での実験が開戦によりほぼ中断され、その後、ロケットによる艦発促進デバイスの開発にシフトして19年にほぼ実用化します。
米空母は早くからカタパルトの装備実績がありますが、カタパルトは万能ではなく、「取り扱いが煩雑」「通常発艦に比べ、発艦間隔が増大して何時まで経っても飛行隊を飛ばし切れない」等の欠点が嫌われ、実際に評価を受けるのは大戦勃発後、簡易空母での実績が確認されて以降になります。
BUN
- ↑通常の場合CVEはTBFを飛ばすときだけ使用してますしねぇ。更に1943以降のCVは夜間の発艦と
全力出撃の際、十分な発艦スペースが開くまでカタパルトを使うだけですし。
WWIIでカタパルト発艦を常時バシバシやるつもりで、実際にやったのは英海軍だけでしょう。
桜井家の客人
- >BUN様
ロケットによる発艦促進システムですが、これを用いるとどの程度のメリットを得られたのでしょうか?(通常50m必要な滑走距離が30mに短縮される、など)
また、実用化されたのが昭和19年ごろということですが、実戦で使用されたことはあるのでしょうか?
satoski
- おっと、
発艦>艦発
ですね。みまちがえていました。
(これは軍隊によくある言葉の上下を逆さにした言い方でしょうか)
satoski
- >どのようなメリット・・・
満載状態の彩雲、雷装の天山、流星などが中型以下の母艦から何とか発進できる程度の効果だったようです。19年に実験終了していますが、ロケットに不良が発見され回収されるなどの具合を対策中に空母作戦が無くなりそのまま終戦となっています。
BUN
- 便乗質問申し訳ありません
この日本海軍のRATOのような物ですが 噴煙や閃光の問題は解決を見たのでしょうか
特に夜間発艦の時 閃光はまずいのではないでしょうか
それとも夜間はRATOを使わないということなのでしょうか
セミララ
- >2、桜井家の客人さま。
>WWIIでカタパルト発艦を常時バシバシやるつもりで、実際にやったのは英海軍だけでしょう。
英海軍がカタパルトを活用したのは、米海軍のブライドルとホールド・バックで引張る面倒な構造ではなく、スプールとスリンジング・ポイントで押し出す英海軍式のカタパルトの方が簡便で射出間隔も短かったからなのでしょうか?自分でも調べているのですが、さっぱりわかりません。
カタパルト本体の駆動機構(油圧・火薬・空気圧・スチームetc)もさることながら、カタパルトに艦上機をどのように装着するかのメカニズムも非常に重要だと存じております。英国式のカタパルトは戦後に絶滅しましたが、米国海軍のブライドルもほぼなくなりました。
大戦期の英国空母のカタパルトの大活躍は、単なる運用上の問題だったのでしょうか?それとも、英国式のカタパルトの方が、技術的に勝っていたのでしょうか?カタパルト・フリークの端くれとして、とても気になっております。
豪腕少年タイフーン
- ↑ 先日某所で英空母の話をする羽目になったので調べたのですが(ああ、正体が
ばれる(^^;)、第二次大戦において英空母がカタパルト射出を多用できたのは
カタパルトの性能もありますし、明確な運用方針を考えていたという点からだと
思います。元々英空母のカタパルトはフュリアスやカレイジャス級といった改装艦隊型
空母の飛行甲板長が短いことを補うためのものであり、このためかなりの優先度を
もって開発が行われています。この後艦載機の急速収容を含めた同時発着艦作業実施を
念頭に置いたと考えられる新造空母アーク・ロイヤルが装備したカタパルトは、1938年の
時点で満載重量のソードフィッシュを発艦させることが可能であり、また40秒毎の射出を
行うことも可能という優秀なものでしたし、着艦させながら発艦させる場合には
カタパルトを使用せざるを得ないですからね。また防空戦において、戦闘機の急速発艦
等に使用する事も戦前から考慮されています。
まあ米海軍みたいに途中までカタパルトは不要と考えていたのと違い、そんなこんなで
ノウハウが蓄積されていたことが、大戦中にカタパルトを有効に使用する結果と
なったのだと思います。
桜井家の客人
- 桜井家の客人さま
さっそく、詳しくご回答いただき、有難うございました。
もしよろしければ、素人でも手に入りやすい、英国海軍空母のカタパルトについてわかりやすく解説した「本」などあれば、おすすめを教えていただきたくお願い致します。言語は日本語と英語に限定してください(1次資料などは求めておりません)。何卒よろしくお願い申し上げます。
少年タイフーン
- >6、セミララさま。「どっち」で英海軍のRATOG(rocket-assisted take-off gear)を調べてみました。夜間にRATOGを使用する際には、後方で待機してい僚機のパイロットは、発艦後約5秒間は目に光が入らないようにしていたそうです。でないと先に発艦したRATOGの閃光でしばらく視力がなくなるそうです。
第二次大戦中(米国から多数のCVEが届く前?)には、RATOGを左右均等に発火させたり、同時に投棄できなくて使い物にならなかったそうですが、朝鮮戦争の英国海軍では、SeafireやSea Furyなどで、RATOGをバシバシ実戦に使ったそうです。
豪腕少年タイフーン
- ↑やっとさがしだした、1951年朝鮮戦争にてHMS GLORYからRATOGで発艦する写真です:
http://www.hms-glory-assoc.org.uk/images/Rato.jpg
想像していたよりも、あんまりたいしたことはないみたいです。
豪腕少年タイフーン
- 完全に無視されていると思っていたのですが...
返答 ありがとうございました うれしいです
件の写真を見てみると あまり閃光や煙は出ていないようですが
Lockheed P2V(のちP-2)やBoeing B-29のRATOは煙モクモクだったので 国によってかなり違うようですね
セミララ