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軍艦を空母に改造するとしたらどのぐらい時間がかかりますか? ちはや |
- 個別の例は色々ありますが、同時期同条件での見積もりとしてならば、昭和17年8月の航空本部「空母に改装可能艦船並に所見」にある最上級6隻、妙高級8隻をフラッシュ型に改装=9ヶ月以内。金剛級4隻をアイランド型に改装=1年6ヶ月以内という数値が参考になるでしょう。そしてそれぞれ同型艦となる第二艦以降の工事期間は短縮されるだろう、としています。
BUN
- ↑その見積もりは正しいのか? 初めから改造を考慮してある設計の千歳も千代田も約11か月かかっている。祥鳳12か月、龍鳳12か月(ただし途中で小破している)。元は軍艦ではないが、大鷹10か月、海鷹11か月、神鷹14か月。本当に9か月でつくってみろ、と言いたい。
uni
- 上に書いた通り、同条件で同時期に見積った例としては上記計画時のものが参考になるという事です。知っている方は知っていると思いますが、これはミッドウェー後の空母急速補充計画ですので、開戦前の計画艦と同じ艤装が施されていたかどうか、そして工事の優先度等が期間を大きく左右している事でしょう。一般に航空本部の母艦計画は戦時においては簡素なものを求める傾向があります。例えば浅間丸級の空母改造案には開放格納庫、エレベーター1基に削減等を盛り込んだ戦時案があるように、です。この改造計画は言わば航本流の見積りと見ても良いでしょうが、母艦における航空関係の艤装は航本の管轄ですから、こと戦時の既存艦改造計画についてはこちらの方がむしろ本流と言っても良いかもしれません。何か条件を付加するならば艦種別の工事期間の比率を参考に増減させて考えれば良いことだと思います。
そして、同時期に実際に行われた改造について述べるならば、ミッドウェー海戦直後のパニック状態が落ち着いた後、海軍は空母建造に対して消極的な姿勢を取るようになりますから実艦の工事期間もまたこれを反映していると見るべきでしょう。
といった事で、日本に限って考えても色々な要因が絡んで来ますので、実際に存在した見積りを提示いたしました。見積りにはそれなりの条件がある訳ですし、実艦の工事期間は個々の艦の置かれた環境を反映しているのですから、見積り上の工事期間が正しいか間違っているかはまた別の議論となるでしょう。
BUN
- ごみレス
>千代田で11ヶ月も改装にかかっている
1.などで述べられた条件には、
1)格納庫と飛行甲板を設置するだけの基本改装であり、
2)ディーゼルからタービンへの機関交換を考慮せず、
3)戦訓による防火・防水装置の再検討機関を別とし、
4)改装に必要な機材が事前に準備されている
ことなどを前提としていることを考慮しなければならないでしょう。
極論すれば、「事前の計画は3ヶ月での改装」でも、機関交換と建造中の計画変更を考慮すれば10ヶ月程度かかるのはやむをえないと考えます。
能登
- ↑うむ。4)改装に必要な機材が事前に準備されている、なんていうことがあり得たのか帝国海軍。9か月でできないときのための予防線か...。
uni
- 予定は17年6月末の見込み
艦名:着手/竣工予定/実際の竣工:備考
龍鳳:16年12月/17年10月/17年11月:機関換装
千歳:17年11月/18年8月/18年9月:
千代田:18年1月/18年12月/18年12月:
以下は商船から
海鷹:17年10月/18年7月/18年11月:機関換装
冲鷹:17年6月/17年11月/17年11月:
神鷹:17年10月/18年7月/18年12月:シャルンホルスト丸改造、その後機関換装を行い実際の可動は19年6月頃
雲鷹は昭和16年11月〜17年5月で改造。
当初見込みより期間が長くなるのは、なにか理由があるものが多いですね。
川崎まなぶ
- 毎回貴重な情報を有難う御座います。
ところで、金剛級の改装プランですが、性能的にどの程度だったんでしょうか?
また、伊勢級を完全空母型にすればどの程度の性能だったんでしょうか?
ちはや
- ↑過去ログにあります。
探してみましょう♪
勝井