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WW2時日米の空母は、どの様な戦略目的で海軍側で運用されていたのでしょうか? タケ |
- またまた質問してすいませんん。一定の海域に留まる事って、陸上基地みたいに戦力を維持する事は無理でしょうか?
タケ
- >1
それをやったガダルカナルの米空母は潜水艦に痛い目を見せられました。
空母の目的は、敵味方上空の制空権確保にあったと言えます。(味方上空の防空と敵上空に攻撃隊を送り込む)
そういう観点では、艦隊戦・対地攻撃等における戦艦の亜種だと言っても良いでしょう(大攻警報の火力ではなく搭載機の戦力を艦隊戦力に加えるというもの)
実際、戦艦の射程が長くなったものでしかなかったとも言えます(航空戦力そのものが持つ意味や意義はともかくとして航空母艦という艦艇が持つ能力としてはそんなもんでしょう)
つまり日米に限っていうならば、それは艦隊決戦の有力な駒であった。それだけのことです。
SUDO
- SUDOさん、戦艦の亜種なんてとんでもない。
日米の航空母艦は航空機の輸送という戦艦には真似の出来ない重要な任務を果たしています。これが無ければ太平洋の航空戦は実に地味な物になっていた事でしょう(笑)。真面目な話、母艦の航空機輸送任務というものは臨時の任務ではありません。
BUN
- ↑じゃあ、航空機輸送専門の空母がすごく少ないのは何故?
uni
- 輸送「にも」使えるから専用の奴は少ないんでしょう。ユニコーンとかコロッサス型の一部は専用ですし、我が空母の一部には生涯の大半あるいは全てを「輸送」に費やしたのもありますが。
tackow
- 余談が拡大してしまいましたが、続けます。
日米の正規空母でさえ航空機輸送を行っています。航空機輸送は重要任務なんですよ。
例えば開戦後に、日本海軍内では将来航空母艦は不要になるので建造を抑制しようという議論が起きますがその建造抑制案の中にも「航空機輸送用空母」の建造はちゃんと盛り込まれている等、航空機の効率的な輸送が行えるという点で航空母艦の利用価値は高かったのです。輸送任務に就く空母の重要性は確実に認識されていたということですね。
BUN
- 上記で書かれている「航空機輸送」の中には、純粋に機材の輸送をさすものと、航空部隊を前線へ展開させるの為の輸送との二通りがあるものと邪推します。
>1のように、空母を陸上基地的に運用するのであればそれは陸上基地に航空機を送り込むのと相違なく、日本海軍がしばしば行った空母搭載機の陸上基地転用についても、当時空地分離が進められつつあったことなどを見ると、決して泥縄に考え付かれた物ではなく以前よりその考えは存在していたのではないかと思いますが。
烈風天駆
- >5
逆に言えば、専用艦が不要ということはむしろ副次的な任務であったということではないかな? 仰るとおり、アメリカの護衛空母は航空機輸送というか補充任務(日本のように機材のみ運ぶというのとはちょっと違う)のみ行っているものもあるが、初めからそういう用途で造ったものなのか? たくさんあるから流用したのではないのか? 航空母艦は搭載容積が大きいのでいろんなものを積める。その輸送用途は航空機のみに限られない(人員や特攻艇等も輸送している)。
>6
夢と現実を混同されては困る。実際に航空機輸送用空母が建造されたわけではない。あれほど大量の航空母艦を建造したアメリカでさえも、専用の航空機輸送艦は不要であった。結局、航空機輸送任務は余剰の航空母艦の副次的任務であって、主な任務は航空攻撃。よって、「艦隊決戦の有力な駒」であるというSUDO氏の意見に賛同する。
uni
- また、アメリカの航空母艦に限って言えば、巡洋艦の索敵能力も併せ持っていた。高速とか8インチ砲の砲戦能力云々と言うことではない、偵察爆撃機の搭載機能である。大戦初期、アメリカの洋上からの索敵の主役がSBDであったのは周知の事実。このあたりは、巡洋艦搭載三座水偵に索敵の重きを置いていた日本海軍とは若干事情が異なるが、少なくとも索敵能力よりも航空機輸送能力を重視していたということはない。航空機輸送ならばラングレーのような水上機母艦で十分である。
uni
- というか、「WWII時の日米の空母はどのような戦略目的で運用されたのか」に対する回答は「艦隊決戦の有力な駒」だけではないですよ。と書いているのですが・・・御理解頂けないでしょうか?
tackow
- uniさん、米海軍の簡易空母計画は、練習、護衛、正規空母戦力の補助、そして「飛行甲板を利用した航空機輸送(飛行機組立て地を前線近くに置かずに済む利点がある)」「飛行甲板に頼らない航空機輸送」を目的としてスタートしています。「航空機輸送空母」は戦前から考えられており、航空機輸送がある種の空母の基本任務として考えられて来た歴史があることが御理解戴けたでしょうか。航空機輸送は臨時に振られた任務(臨時だとしても重要任務ですが)ではないのです。
空母一般の任務には多様なものがあり、攻撃一辺倒ではないという事です。それを忘れてはいけない、という話であって別にSUDOさんの御意見と対立する訳ではありません。
BUN
- ↑ワシの言っているのは艦隊決戦関連最重要、その他はそれより重要度が落ちるということ。軍艦なんだから、他のことは一切しないというわけではない(SUDO氏のニュアンスは艦隊決戦のみ、ともとれるが...)。でも、どれか1つを選べといったらやはり艦隊決戦である、と言っているのである。艦隊決戦>索敵>対潜哨戒>地上支援>航空機輸送>その他の輸送、というところか。
uni
- >夢と現実を混同されては困る。実際に航空機輸送用空母が建造されたわけではない。あれほど大量の航空母艦を建造したアメリカでさえも、専用の航空機輸送艦は不要であった。
>航空機輸送ならばラングレーのような水上機母艦で十分である。
と断定されているので老婆心ながらお教えしたまでの事です。
uniさんの仰っている事は個艦としてCVとCVEのどちらが重要かという事でしょうが、艦種としての重要度ではCVEのウェイトは極めて大きいと言えるでしょう。
追加で言うならば三座水偵の本来の任務は夜間触接が第一でしょう。性能標準、計画要求、そして演習計画を見れば解る事です。
日本も機動部隊の策敵には艦上機を主流とする方針が開戦前よりあり、開戦後は艦攻艦爆共に偵察力強化を目的に増槽装備を実施しています。基本的な考え方は米軍と大して変わりません。逆に偵察用水偵の搭載実績のある米空母陣が興味深いですね。
BUN
- >12
>軍艦なんだから、他のことは一切しないというわけではない
という事で良いんじゃないでしょうか。別に正解は一つじゃないでしょう。
どれが「主」でどれが「副」か、とか、重要度がどうか。という辺りには議論もあるでしょうが。○○を「主」と決めつけなくとも良いのでは。というか、決めつけると話が見えなくなるかもしれませんね。私だけかもしれませんが。
tackow
- ええ、そういう重要な任務も最初からあるんだよ、という事ですね。
BUN
- ああっ、なんか面白い話しちゃってるし(気が付くのが遅れた)
輸送はね、忘れてたんです(笑)
単に日米の場合はuniさんの仰るように艦隊決戦が第一義だったんじゃないかなと。
輸送でいうなら日米は駆逐艦も用いたし、輸送用に改装された艦や輸送能力を強化した新造艦もありますよね。
じゃあ日米の駆逐艦の戦略目的とはと問われたら、やっぱ艦隊決戦の一翼を担う存在であったと書くと思うんです。
極端な話、軍艦は輸送にも従事するのは当然であり(これは大昔から幾つも事例がありますよね)航空母艦は飛行機の運搬という第二次大戦では得がたい特色があるために目立つだけで、大型軍艦による機材運搬は「考えるまでも無く求められる任務」だと考えてもよいと思います。
英国と異なり、専用として建造しなかったのはつまり日米の空母は決戦に使うツモリであったと考えます(日本の商船改造空母がそのつもりだったですよね? そして米護衛空母も対地攻撃等に大活躍してます)
日米の空母とはつまるところ、戦艦の亜種としての(火力投射)運用が基本にあったと個人的には考えてます。
SUDO
- 余談中の余談
SUDOさん、艦隊型空母はそうなんですけれどね、SUDO式に「一歩さがってより大きな視点で見る」ならば、ちょっと違う。米軍の航空機輸送空母の搭載能力は現用陸軍機をなんぼ運べるかという試算なんです。「一歩さがって」軍全体の立場から見れば、艦隊決戦は「海軍の都合」なんですよ。より強力で継戦能力の高い基地航空隊の兵力を推進する為の手段として航空母艦にはその発着能力を利用した輸送能力が求められ、当の海軍もまたそれを無視できない。だから建造された航空母艦の隻数の大半を占める簡易空母は輸送任務に就いているんです。空母にはいくつも顔があるんですよ。
BUN
- >17
『SUDO式の考え方』じゃないやいとかちょっとだけ突っ込んでおいてと(笑)
うん、その考え方は基本的に良くわかります。っていうかそういうもんだろうと思う。
でも、何か艦隊作戦に使いたいって未練があるようにも感じませんか?(笑)
SUDO
- ええ、大アリ。CVEの最後の姿は艦隊空母ですものね。
BUN
- CVEの航空機輸送(素人が横から失礼します)
米国海軍が何をCVEに求めていたかについてですが、そのカタパルトを使用して、海軍の艦上機をCVに迅速に補給する以外にも、米国陸軍機に対して、陸上基地への迅速なる航空機の補給をさせられていました。
例えば、北アフリカで空挺部隊が飛行場を確保した直後に、CVEからカタパルトで発艦させた多数のP-40を配備したり、ギルバートにカタパルト発艦させたP-39を配備したりして、非常に有益だったとのことです。
大戦末期には、P-47やP-51に加えて、双発のP-61ブラック・ウィドウですら、カタパルトからの発艦ができるように改装されていました。
戦後数年経ってからでも、陸上機のシューティング・スターやサンダー・ジェットなどのジェット機ですら、カタパルトから発艦できる機能が付加されていました(フリードマン氏の著書より)
豪腕少年タイフーン