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「スキップボミング」について質問なのですが、この攻撃方法は爆弾の速度が遅い為装甲を施した艦には効果が薄いように思えるのですが、巡洋艦以上の艦にそれなりの損害を与えた事はあったのでしょうか? また、この攻撃方法が成功したのはビスマルク海海戦が有名ですが、戦争全体ではどれくらいの戦果を挙げたのでしょうか?輸送船などで「米機の爆撃により沈没」となっているものは、ほとんどスキップボミングだと思って良いのでしょうか?御教示賜りたく思います。 震天 |
- それをいったら、魚雷の方がはるかに速度が遅いのですが・・・。
米陸軍航空隊における正しい反跳爆撃法というのは、実はけっこう難しいものです。
尾羽を外した1000lb爆弾に4秒または5秒の遅働信管を装着、目標の敵艦船からの距離2000フィート(約610m)で、速度200マイル(5秒信管)または250マイル(4秒信管)、高度200フィートから250フィート(約60mから75m)という条件を厳密に守って投弾せねばなりません。
こうすると、目標の60フィートから100フィート(約18mから30m)手前で爆弾は行き足を失って着水し、水線下に命中して魚雷同等の最大の効果を挙げるとされていました。
最大の問題は「距離2000フィート」で、これだけは操縦士の目測に頼るしかなく、これより遠ければ爆弾は海に沈んでしまいますし、近ければ水線上への命中となって致命傷にはなりにくいわけです。
魚雷よりはるかに速いのでほぼ直接照準で狙えること、また同様に射点に入れる範囲が広がること、といったあたりが雷撃に対する優位点ですが、実際に攻撃にかかる飛行機への危険は雷撃と大差はなく、また操縦士の熟練もかなり必要とします。
米第5空軍のB-25部隊は、それはそれはものすごい猛訓練を経てきた精鋭だったそうで、誰がやってもああした戦果を得られるというものではないようです。
さて、上記のように「正しい」反跳爆撃を行えば、魚雷命中と同じですから戦艦だって撃沈できます。
ただ、陸軍機が日本海軍の大型艦艇に損害を与えた例は見当たらないですね。
海防艦や駆逐艦への命中例でもほとんどが水線上への命中です。
なかなか理屈どおりにはいかないようです。
まなかじ
- まなかじ様、御教示ありがとうございました。
震天