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帝国陸軍の開発した輸送専用潜水艦ですが、武装は37mm戦車砲1門。 写真で見ても、普通の戦車砲に見えます。こんなものを潜水艦の武装と した意味はあったんでしょうか? ごく通常の潜水艦のように対空機関砲搭載の方がずっといいと思いますが。 シュウスイ |
- 世界の艦船別冊「日本潜水艦史」の戸高一成氏の「日本陸軍の潜水艦(ゆ)について」によると、
18年3月にだされた参謀本部の指示
@ 陸軍部隊が陸軍自体の輸送潜水艦を作る。
A 海軍には内密で建造する。
B 造船所を使用せずして作る。
C 建造数は本年9月までに20隻
D 陸軍部隊のどこで作ってもよい
を受けた設計の基本方針が「操作ヲ最簡トシ……艦船的性能ヲ高度ニ要求シナイ」であったとあります。発案から竣工まで9ヶ月というスピードで建造されています。
生産を優先するために余っていた戦車砲を載せたという事ではないでしょうか。
建造がかなり進んだ段階で海軍に発覚し、最終的にはアドヴァイスを受けたとありますが、内密に建造していたため何が有効か判らなかったのでしょう。計画段階では37mm砲×1となっていますが、建造艦では37mm砲×1,7.7mm機銃×5となっています。写真ではどこに機銃があるのか判りませんが。
波タカシ
- 建造されたものには、7.7mm機銃も装備されていたのですね。納得しました。
37mm戦車砲は、やはり「員数合わせ」的な間に合わせのものなんでしょうね。
…あるいは「陸軍のシンボル」ということでしょうか(笑)。
シュウスイ
- >シュウスイさん
詳しい経緯はわかりませんが
元になった九四式戦車砲(九八式)が軽量で使いやすかったのと、PTボートの
撃退にも結構有効だったのではないかと思います
不確かで申し訳ありませんが、この砲は単なる戦車砲ではなく砲架が改良
されていて対空姿勢での射撃ができたような記憶があります
砲に代わる機関砲の搭載ですが(後期の艇でしょうか?)13ミリ機関砲を搭載
したものもあったように思います
ガッビアーノ
- 南方で島嶼間輸送(ノミ輸送)に使用された大発もこういった砲を積んでますね。魚雷艇を撃沈したり、結構活躍していますから、そういった戦績(?)も考慮されたんではないでしょうか。
居眠り将軍
- …確かに輸送専用なので、外洋よりは沿岸海域での行動も比較的多いでしょう
から敵魚雷艇との遭遇も可能性が高いので、その撃退のために戦車砲というのも
ありかもしれません。
しかし、魚雷艇程度なら、やはり37mm戦車砲よりは機関砲の方が有利なので
は。13mmではちょっと破壊力が心許ないですが、海軍の25mm機銃なら、
37mm戦車砲よりも使えるのでは無いでしょうか。海軍の輸送潜水艦の波101
型は25mm機銃1挺装備ですし。ただ、陸軍が25mm機銃を容易に調達できたのかはちょっと不明ですが…。
シュウスイ
- 通算8号艇(日本製鋼所の1号艇)の宇野艇長さんは、37粍砲と機関銃で敵魚雷艇への反撃訓練をしたと言っています。
日本製鋼所の「ゆ1008」の三宮艇長さんは、日本製鋼所から三島に移動中にグラマン数機に襲撃され穴だらけにされましたが、上官に「何故潜って逃げなかったか?」と怒られています。
まるゆは基本的に航空機の攻撃から身を守るために潜れるようにしたのですから、まるゆの武装は対空用では無く、対魚雷艇用であったのです。
なお対空機関銃を搭載したのは通算8号艇(日本製鋼所の1号艇)のみです。
また機銃は艦橋の周りに付けられていました。
国本
- 付け加えますが、通算8号艇(日本製鋼所の1号艇)に搭載されたのは13粍連装対空機関銃であり、伊豆でグラマンを1機撃墜したと言われています。
それと37粍砲は98式37粍戦車砲の改造型で45度まで狙えました。対空用途にもまがりなりにも使えました。
国本
- …大変参考になりました。ありがとうございました。
どうでもいいことですが、「まるゆ」のマークで、思わず温泉を
想像してしまうのは、僕だけでしょうか(…ゴミです。)
シュウスイ