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自衛隊初期の貸与艦を調べていて気が付いたのですがアメリカ海軍において38-41年度計画のDD421 Bensonに始まる96隻の駆逐艦のタイプ名はBenson-Gleaves、Benson-Livermore、Benson-Bristolと分け方が資料によって異なります。各々、計画時の設計元の違い、建造時の設計元の違い、竣工時の武装の違い(=計画年度の違い)といった理由で区別しているようですが、どの分け方が正しい(あるいは一般的)なのでしょう? けい |
- うーん、ベンソン-リヴァモアで構わないと思います
ベンソン級 1938計画の8隻、1941計画の24隻
リヴァモア級 1939計画8隻 1940計画8隻、1941計画41隻
ブリストル級はリヴァモア級の1941計画艦に相当しますが
もし、これを別個のクラスにするなら、ベンソン級も後期はラフェイ級と称すべきではないかと思います
(1941計画艦はどちらのも主砲と魚雷発射管を各1基削減して28mm機銃を1基搭載)
「ベンソン&リヴァモア」でひとくくりにして、武装の違いで「前期&後期」に分けるが判り易いかと思います
設計で分けるのでしたら「ベンソン」と「リヴァモア」で構わないわけですし
SUDO
- ちなみに、グリーブスはベンソン級3番艦で
この一連の駆逐艦群の中で一番最初に就役しました
もしグリーブス級と称するのでしたら
それはベンソン-グリーブスではなく
グリーブス-プランケット級とすべきですね(プランケットはリヴァモア級で最初に就役した船)
SUDO
- >1,2
SUDOさんどーも、
Benson-Bristolで分けている資料の場合、
Benson : 1938-1940計画艦(主砲5基で就役)
Bristol : 1941計画艦(主砲4基で就役)
といった感じで分けているようです。Livermoreクラスがいないんですね。
Benson-Gleavesで分けている資料の場合、当初の1938年建艦計画ではDD423/424の2隻がギブス&コックス設計の予定であったことからこのように分けているようです。実際にはこれら2隻もベツレヘム設計に基づいて建造されているので、この分け方は1939年頃(?)の資料及びその孫引きぐらいにしか出てこないようですが。
で、Ships & Aircraft of US Navyでは版によってBenson-BristolとBenson-Livermoreを行ったり来たりしてるのでその辺りに事情があるのかなと思って質問した次第です。
けい
- ここらは私も断定できないと前置きしてから…。
最近の海外の研究書だと大体Benson/Gleaves(/Bristol)で分ける場合が
多いんですが、Gleaves-Livermore級という名前が出てくる場合も少なくありません。
これはFY37で計画されたGleavesが同級のネームシップなのに対し、FY39で
計画されたLivermoreの設計が後のBenson/Gleaves級の標準形態となった事が
影響しています(FY37/38艦とFY39艦では一部設計変更がなされています)。
因みにBenson-Livermore級と書く場合は「この二つは一緒」という意味合いで
使われる場合があります(米海軍の大戦中の公式資料で実際に使われています)
Bristolは設計が一部改められたためと、FY40での追加建造艦のネームシップである
事からこの名称で呼ばれています。ただ後にBristol級の名前が消滅するのは、
Bristolが戦没したことと、戦時中の改装でFY40-41計画艦とGleaves/Livermore級との
差異が実質無くなったのが影響しています。
ところでBensonとGleavesが同じクラスに入れられる事があるのは、どちらも
FY37艦であるというのが最大の原因であるようです(この頃の米艦はFYが一緒だと
設計が違っても同型艦扱いする場合が多い。実際にはDD421とDD423は船体/機関形式が
違いますが、このうち機関の能力が相違する事が問題視され、DD421の同型艦である
FY38のDD425-428ではDD423と同様の機関に変更されております)。
なお、FY40で追加されたBenson級が兵装が異なるにも関わらずLaffey級と
呼ばれないのは、予算措置が同時期のFY40艦が既にBristol級と呼ばれている事と、
同様の兵装変更が同艦の完成前に大西洋艦隊のBenson-Livermore級で行われている事が
影響しているでしょう。
で、個人的結論。全部まとめてBenson-Livermoreと書いても良いんじゃないで
しょうか。戦争中の米海軍の公式資料なんか全部Benson級で一括りにしてるのが
あるくらいなんですから。
細かく分けるなら戦後の米海軍がやったようにBenson級とGleaves-Livermore級と
すれば良いのでは無いかと思います。
(まあ某Jane年鑑のように、Gleaves級/Mayo級、もしくはBenson-Mayo級/Gleaves-
Livermore級と書いている資料もありますけど。因みに日本の海自に引き渡された
「あさかぜ」と「はたかぜ」に関しては、JaneはU.S. Gleaves-Livermore typeの
「Breeze」Classとしてますね)。
大塚好古
- 以下は上に追記のオマケ:
DD421-422:ベスヘレム設計艦
DD423-424:ギブス&コックス設計艦
DD425-428:ベスヘレム設計艦(機関改正)
DD429-444:ギブス&コックス設計艦(小改正)
DD453以降のベスヘレム以外の建造艦48隻:ギブス&コックス設計艦(一部改正)
DD459以降のベスヘレム建造艦24隻:ベスヘレム設計艦
米海軍の大戦中の公式呼称はDD421-428(FY37/38)がベンソン級。DD429-4448FY39)が
リヴァモア級。DD453以降(FY40-41)はブリストル級。ただし、実際には公式文書でも
ベンソン/グリーブス/リヴァモア/ブリストルの各名称が入り乱れて使用されて
おります。
大塚好古
- ↑DD429-4448FY39)→DD429-444(FY39)。失礼致しました。
大塚好古
- ああ、なるほどね、そういう関係だったんだ
SUDO
- どうもありがとうございました。
私の書込みでA−Bと書いたのはA級とB級という分類がされているというつもりでしたが、大塚さんご指摘の通りこの書き方って「一緒」という意味で使われること多いですね。紛らわしい書き方になったことをお詫びします。
けい