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初めて質問します。第2次大戦中の日本艦船の対空火器は、25ミリ機銃と12.7センチ高角砲で両者の中間をカバーするものが無く、防空の穴となっていたとの、記述を何かの本で読んだ記憶があるのですが、本当でしょうか?戦前には毘式40ミリ機銃なるものが搭載されていたようですが、これは駄目だったのでしょうか?あと毘式40ミリ機銃はポムポム砲に近いものでしょうか? 痴呆公務員 |
- それは柳田邦男「零戦燃ゆ」にあった記述だと思います。
毘式は「ヴィッカース」社製のことでしょう。旧式の単装砲で、WWII時には駆潜艇などに使用されていたのではなかったでしょうか?
ポムポム砲、米軍が多用したボフォースとも4連装で(ボフォースは単装もありましたが)、発射弾数は毘式に比べ多くなってます。あの本の記述では
「米軍は長距離=127mm、中距離=40mm、短距離=20mmの三段階だが、日本軍は中距離対空兵器がなかった」ということになってたと思いましたが。
gogatee
- ポムポム砲って普通8連装じゃありませんでしたっけ。
まあ、ビッカースの40ミリを多数くみあわせて形成したもの
なので、8連装だけでなく当然、4連装とか他のバージョンもあった
ような記憶はあるのですが。
日本の毘式も砲そのものの外形はほとんどポムポム砲と変わらないように
私には見えます。
日本の場合は単装と2連装だったらしいですが。
日本海軍での評価はいまいちだったようですね。
英国でも、ビッカースの40ミリはトラブルが多かったと書いた
本を見たことがあります。
初速も低かったようですね。
あと米軍ボフォース40ミリには連装も存在します。
というか4連装も2連装の砲架を同じターンテーブルに搭載してた
んじゃなかったのかな。
日本海軍での40ミリ級機銃欠如による「防空の穴」に関しては、
「零戦燃ゆ」以外でも触れられている文献は多いですね。
記憶カキコなので詳しいことは碩学にお任せいたします。
SAW
- ポンポン砲は第一次大戦中に実用化された
1.5ポンド、2ポンドMk2と第二次大戦前に完成した2ポンドMk8が有ります
どれも別の機関砲ですので混同しないように
一般に有名な多連装ポンポンはMk8で、Mk2と比較して様々な改良が為されています
またMk2はイタリア、日本、ロシア等でも採用されました
よって毘式40mmはVickers2pdrMk2です
詳しい諸元は
http://www.warships1.com/Weapons/WNBR_2pounder_m8.htm
http://www.warships1.com/Weapons/WNBR_2pounder_m2.htm
ちなみに40mmボフォースは
http://www.warships1.com/Weapons/WNUS_4cm-56_mk12.htm
米軍等でボフォースとコンビを組んでた20mmは
http://www.warships1.com/Weapons/WNUS_2cm-70_mk234.htm
日本軍が多用した25mmは
http://www.warships1.com/Weapons/WNJAP_25mm-60_mg.htm
諸元を見てもらえれば判りますが
Mk2は最大射程3.5km、有効距離(条件不明)1.1kmしかない訳で
25mmよりもずっと劣ることが理解できるかと思います
また25mmはカタログ上はかなり射程が長く強力な機銃です
これと高角砲の穴を埋めるなら、ボフォースでも不足ですね
日本が手を出したのが長8cm高角砲だったのではないかとも思えます
SUDO
- 「武蔵」の猪口艦長は
「機銃はもっと威力大なるものを配備すべきである」と
末期の手記に記してますね。
勝井
- 96 式 25mm の欠点は 15 発箱型弾倉と空冷銃身のため連射ができず、弾幕密度を上げられなかったことではないかと思います。人力銃架の旋回速度が遅いとか、弾道演算器の精度が(米軍のものに比べて)悪いという問題もあったようです。なお日本側の戦記ではかなり悪評高い 25mm ですが、アメリカ側の戦記を読むと危険な対空火器として警戒されていたことが伺えます。撃墜という結果には直接つながらなくとも、有効な攻撃を阻止させる役目は果たしていたようです。
ささき
- >5
まあ米軍なんて40mmボフォースでも威力不足だと思ってたんですから
(防御の弱い日本機に大戦序盤時の対戦車砲なみの物射ちこんで)
撃ってる側と撃たれる側の意識の違いというのも大きいでしょう
25mmは各国が多用した20mm級と比較した場合
初速がやや大きく、弾頭がほぼ倍の重量と、あのサイズで見たら強力な火器です
(なんとタングステン弾頭の徹甲弾に関する記述が海軍の資料にもありました>たぶん仏軍の対戦車砲弾)
弱点とされる15連発弾倉も空冷で連射が利かない事を考えれば仕方が無いでしょう
30連発にしたら重くなって追従性も悪化するでしょうし、弾倉交換も厳しくなります
かといって水冷にしたらやっぱり重くなるわけで・・・
また大戦末期の航空機の投下高度や距離は1km以上離れているものが多く
(25mmの有効射程から見ると撃つ機会が減り威力も足りなくなる)
また反対に対空火器鎮圧用に機銃を大量搭載したB-25等が登場すること
(まず対空機銃を制圧してから爆撃する)
撃たれやすい急降下爆撃よりは水平爆撃や緩降下で襲撃する艦爆もいたようで
これらは米軍が25mmを警戒していることの証拠ともいえます
日本軍には米軍が25mm対策として遠距離投下をしてきても
それを何とか出来るような遠距離火器が無かった事が辛かったんでしょうな
SUDO
- 日本の三連装機銃は旋回速度が遅いので単装より命中率が低い
と記述している方もいました
実際のところはわかりませんが、こういう意見もでていたようです
(誰の意見かは忘れてしまいました。
不正確な情報の書き込み、失礼します)
星芋
- 戦訓から導き出された我が海軍の認識としては、25o機銃は威力はともかくとして、有効射程の短さが欠点として指摘されています。
すなわち、有効射程がせいぜい1000m程度の為に、攻撃態勢に入る前の段階で敵航空機を阻止する事が出来ない事を問題視しています。
従って、将来的には40o級を所望していたのですが、実際には戦争には間に合わないという認識もあり、装備方法の改善や射法の改良などが提案されていました。
単装機銃の装備は「懐」に入られた場合、操縦性が軽快な為に有効である。と考えられていたようです。また、最終的には敵機と「差し違える」という考えもありました。
tackow
- 皆様、ご教示ありがとうございます。追加質問します。長8センチ高角砲は阿賀野型以外に装備されていないように思いますが、他に使用されたのでしょうか(予定も含めて)また長8センチ高角砲の使用実績はどうだったのでしょうか?もう一点、25ミリ機銃の射程が問題だとすれば、ポムポム砲を多用した英海軍では同様の問題は発生しなかったのでしょうか?
痴呆公務員
- ↑予定では阿賀野の次の軽巡洋艦が1隻あたり連装4基8門、
改装空母伊吹が連装2基4門などがあります。
勝井
- ペーパープランですが、天龍型を改装し、九八式8センチ高角砲を10門搭載して防空艦にする計画もあったようですね。
tackow
- >9.
英軍ではポンポン砲の故障続出と弾道特性の悪さ(曳光弾が使えなかったという話もあり)が問題となり、1941 年頃からボフォース 40mm に置き換えています。初期は陸軍用の空冷単装タイプでしたが、1942 年暮れには本格的な水冷銃身連装動力銃架が使われるようになっています。
ささき