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秋月型駆逐艦が長10cm砲で対艦戦闘をやったことはあるのでしょうか。 茶鱈 |
- ありますよ。
ソロモン海域では水上戦闘で「照月」「新月」が失われてますし、
「初月」はエンガノ岬沖海戦で米水上艦隊の集中砲火を受けて沈没してます。
勝井
- ↓こちらを御覧ください。「照月」の戦歴が載っています。
http://www.venus.dti.ne.jp/~jam/dd/dd_frm.html
Take
- 勝井さん、Takeさん、ご回答ありがとうございました。秋月の10cm砲は対空専用というイメージがあるので、対艦用には威力不足ではなかったのか、と思って質問しました。
茶鱈
- ↑ご存知かもしれませんが、駆逐艦以下の軽艦艇には装甲などありません。
当たればどこだろうと壊れます。
戦艦級ですら全てを装甲で覆っているわけではなく、
当たり所によってはそれなりに壊れます。
そう見ると、長10cm砲の速射力は
対艦兵器として十分な威力をもっています。
勝井
- 初速も早いし、あれだけの発射レートでバカスカ撃ちまくられたら、軽巡以下の艦艇は随分怖いでしょうね。門数も多いし。
居眠り将軍
- 口径が同じ、英国海軍護衛駆逐艦ハント級の対艦戦闘能力なんか、どうなんでしょうか?
Navy
- でも、我が海軍は某敵国の様に行儀の悪い射撃はしませんから、水上砲戦に関する限り射撃速度は余り関係ないと思いますヨ。
tackow
- >射撃速度
九八式10cm高角砲は最大の射撃速度では装填が間に合わないという話を
聞いた事があるような・・・。
>英ハント級
英:4”/45 日:九八年式 参考
Mk XVI/XXI 10cm高角砲 米:5”/38MK12
弾頭重量: 15.88 kg(HE) 13kg(HE) 24.6 kg(HC)
初速 : 811mps 1000mps 792 mps
射程距離: 18.150m/45deg 19,500 m/45deg 16,071 m/45deg(WP)
射撃速度: 15〜20発/分 15〜21発/分 12〜15発/分
http://www.warships1.com/index_weapons.htm
からの抜粋ですが、砲身長と装薬量の差がありますので
初速と射程では九八式の方が上ですが、手数は余り変わらないようですし
軽艦艇相手なら勝井さんが仰った様に命中させた方が勝ちかと思います。
同じ英海軍の駆逐艦主砲の4.5inc/MkIIIになると砲弾重量が
3倍(39.5kg/HE)になるので対艦船ではこちらの方が上かもしれませんね。
ルージュ
- 英:4”/45 日:九八年式 参考
Mk XVI/XXI 10cm高角砲 米:5”/38MK12
弾頭重量: 15.88 kg(HE) 13kg(HE) 24.6 kg(HC)
初速 : 811mps 1000mps 792 mps
射程距離: 18.150m/45deg 19,500 m/45deg 16,071 m/45deg(WP)
射撃速度: 15〜20発/分 15〜21発/分 12〜15発/分
表がずれました(汗)
ルージュ
- ↑確かに長10cm砲の射撃速度はカタログ値で毎分19発ですが
(多分ルージュさんのとは別文献ですね)
継続射撃ではその半分〜2/3程度まで落ちるみたいです。
ただし、人力が介在する半自動砲ではどれも似たようなものみたいですが。
実際、そんな長時間射撃する前に敵が沈黙するか自分がぶっ飛ばされるでしょうから、
それで良いのかもしれません。
勝井
- >7他
英国のMK.XVIって人力装填、人力俯仰、人力旋回で
毎分10発越えるかどうかだったと思いますが(砲架や艦でも違うだろうし)
tackowさんが述べたように行儀の悪い射撃やっても当たらないですし・・・
で、ほげえと某国の砲兵の本読んでいて気がついたんですけどね
装甲ではなくても、ある程度の構造物に対してだと砲弾重量ってかなり効いて来ますな
一応駆逐艦でもそれなりの鋼鉄で覆われていますし
どの時代の戦闘でも、より大きい砲弾を使う側が有利であると判断されてます
日露戦争では47〜57mm級が短76mmに換装されましたし
第一次大戦では76〜102mm級が120mm級へと移行しました
まともに水上戦やるつもりの艦艇では102mmを主要武装として採用していないですよね
特にWW2ではそれなりの防御をした軽巡洋艦級に遭遇する確率は高いですし
その流れから見た場合、102mm級は果たして大丈夫な砲弾サイズなのでしょうか?
本当に充分な威力戦力を発揮できる武装だったのでしょうか?
私には疑問ですが
SUDO
- >11
確かにこのクラスの砲は主に榴弾使用ですので弾頭重量が威力に直結しそうですね
Mark XVIの俯角、旋回については「Units adapted for RPC during WWII」と
http://www.warships1.com/index_weapons.htm ではあったのですが
動力砲架への換装はあったのでしょうか??
ルージュ
- RPCってのは遠隔リモート制御ですから、当然動力機構が必要ですが
もう一つ、射撃指揮装置の側にそういった対応が必要です
イギリス駆逐艦史では
FCSにその機能が付くのは駆逐艦の場合
Z級以降から遠隔制御可能になり、RPCになったのはCh群からだそうです
ちなみにChの一番最初の艦はチャプリットで竣工は1946年8月24日です
戦争に間に合ってませんな
恐らく戦後に建造された(1944計画)のウェポン級駆逐艦ならRPCだと思います>MkXVI砲です
MkXVI砲を搭載した艦でもスウィフトシュア級やシュパーブのような大戦末期竣工軽巡洋艦なんかでは搭載が間に合ってるかもしれません
ハント級護衛駆逐艦は1940〜1942竣工艦ですし
ろくなFCSも無いので戦争中には動力砲架ではないですし、換装も無かったでしょう
何しろ砲の製造が全然足りなくて大変だったんですから
SUDO
- あ、上記入ミスってるです
チャプリット(Chaplet)は1946年ではなく、1945年8月24日竣工です
SUDO
- >水上戦闘時における砲の威力
例によって我が海軍の場合なのですが、九八式高角砲は弾丸の威力という点ではそれ程悪い評価はされてません。八九式や三年式の95%という評価です。
しかし、有効射程が短いことや精度が悪い事などから総合的な評価は低く、丁型駆逐艦の主砲程度が適当な居場所と考えられていたようですね。
tackow
- >13
流石に主力の駆逐艦にもまだ搭載されてないのなら
護衛駆逐艦には回ってきませんね。
Warships1.comの映像ではMkXVIは密閉式の砲塔ではありませんでしたし
この時点で九八式と比べるのは酷でした。
ルージュ
- あのー 素朴な質問2つ。
1.照準器について−−
秋月型の艦橋トップに付いている物は、対空用の九四式高射装置(高射機+高射射撃盤)ですよね。
従来の駆逐艦搭載の方位盤照準装置とは違う物ですけれど、これ(九四式高)で、対艦或いは水平射を、
正確に照準・射撃管制出来たのでしょうか?
2.砲について−−
元来、高角砲としての要求仕様で開発された九八式10糎高角砲で、対艦或いは、水平射をした場合の
射弾散布値(又は命中公算値)はどの様だったのでしょうか?
何か、撃っても当たらん(数撃ちゃ当たる方式?)と思いますが!?
軌跡の発動機?誉
- 九四式高射装置の構成は、4.5m測距儀+方位盤照準装置、
さらに艦内に射撃盤(計算装置)です。
勝井
- 高射装置での水上射撃ですが、巡洋艦以上の艦では高角砲を用いて訓練・実戦で水上射撃を実施していますから、それなりに可能であったと思います。
秋月型に装備されている九四式の測距儀は基線長4.5mで、基線長自体は他の駆逐艦
よりも長いので単純に測距精度的には良好とも思えますが、ステレオ式なのがどう影響するか。とも考えられますが。戦訓等ではステレオ式の方が有効という意見もあり、特に問題ないのでしょう。的速の判定等も同様でしょう。後は、訓練次第と思います。
九八式10cm高角砲の水上射撃時の散布界は、昭和18年後期の段階で八九式高角砲あるいは三年式12.7cm砲の170〜180%と判定されています(八九式と三年式はほぼ同じ)。
tackow
- ↑ 日本語になってないですね・・勘弁してください。
tackow
- そいや特型と甲型で散布界の大きさってだいぶ違ったよな・・・
SUDO
- 早々に専門諸氏の方々に回答頂き、ありがとうございます。
1.下記、九四高射装置に関するよそ様のHPを拝見するも、水上戦闘の使用に関しては言及されていませんでしたが、
これほどの物ですから、当然水上目標に対して射撃管制可能なんでしょうね。
http://www.kt.rim.or.jp/~kaliy/afcs94.htm
http://www12.u-page.so-net.ne.jp/rg7/fukada-j/jfskh-4opti-94kousya.htm
http://www12.u-page.so-net.ne.jp/rg7/fukada-j/jfskh-4opti-94syageki.htm
2.>19.tackowさんの解説ですと、やはり命中精度は低下している結果ですね。
(射距離は不明ですが、弾頭重量が小さいという理由からか!)
〜?誉
- 弾頭重量というよりも、いかんせん戦時中に実戦化された兵器ですから「手の内に入れてなかった」という事が大きいのでしょう。
ある程度「枯れて」くれば、それなりの精度を発揮できたと考えます。
15番では端折ったのですが、横砲校で纏められた報告書上では、我が海軍としては電探の性能向上に伴い、将来的には駆逐艦の水上砲戦距離の延伸は必至と考えていたようで。対空火力も考え併せ、有効射程と威力が大きい一式12、7cm高角砲に期待していた様子が伺えます(陸上用の筈なんですけどね)。昭和18年後半の時点では、現場とかの評判と裏腹に「九八式だめじゃん」という雰囲気なんですよねえ・・・その後、評価が変わったのかも知れないのですが。
tackow