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1338  日本海軍には大将旗まではあっても元帥旗なるものはありません。元帥という階級は名誉職なので実際に戦場に出ることはないのでしょうが、もし出た場合はどうなるのでしょう。大将旗を使うのでしょうか?
A-140

  1. (ゴミレス)「大元帥」たる天皇陛下が御座乗なさる艦(御召艦)には、「天皇旗」を掲げますね。
    海機55期

  2. 明治31年制定の「元帥府条例」には「陸海軍大将のうち老巧卓抜な者に元帥の称号を賜う」とありますので、「元帥」は称号であり、階級としてはあくまでも陸海軍大将であったようです。従って乗艦した際には大将旗を掲げたのではないでしょうか。階級章も大将と一緒で、「元帥徽章」を付けただけのようですので。
    (ちなみに正式な呼び名も「元帥海軍大将」「元帥陸軍大将」となります)
    nap

  3. ものの本によれば将旗というのは将官がだれでも掲げられる訳でなく「指揮権を有する将官」しか揚げられないそうです。(それから「司令官たる海軍大佐」の「代将旗」)
    指揮権を有するというのは具体的には司令長官とか司令官の役職についてる場合だそうですので元帥というだけでは将旗を掲げることはできません。
    この点、日本の元帥は、功績のあった大将が元帥府の列せられるということが多かったそうなので将旗を揚げるのは難しそうですね。
    永野修身大将は軍令部総長の時に元帥になったそうですが、軍令部総長も大元帥閣下を補佐するのが役目で部隊の指揮権は建前上はなかったそうですので、これも将旗を揚げるのは難しそうです。
    これでは、考え様によっては「なにも揚げなかった。」という回答になってしまいますね。
    可能性があるとしたら山本五十六連合艦隊司令長官が生前に元帥海軍大将(napさんが言われる通りの制度だったそうです。)に昇進した場合は大将旗を揚げたのではなかろうかということになるのでしょうか。


    SAW

  4. 半ゴミ
    陸軍では、終戦直前に東部軍司令官なる役職に元帥が付いていたそうなので、こちらは「指揮権を有する将官」ですね。
    陸軍に「将旗」があったかどうかは存じませぬが。
    SAW

  5. 皆様ありがとうございました。
    A-140


  6. 将旗は、「指揮權ヲ有スル海軍大將、海軍中將、海軍少將」の旗章であり、別
    のところにも書きましたが、海上勤務の司令官・司令長官にあっては坐乗艦船
    に陸上勤務の司令官・司令長官にあっては勤務庁に、その階級に応じた旗(大
    将旗、中将旗、少将旗)を掲揚する定めになっています。

    ここでいう「指揮権を有する」は、海軍旗章令の文言を素直に読めば、司令長
    官、司令官の職にある者でありますので、元帥たる海軍大将であるからといっ
    て大将旗を掲揚できるかどうかは、まずは司令長官職にあるかどうか(定員令
    にて、司令官職に海軍大将を定めている例を知りません)に依存します。した
    がいまして、軍令部総長たる元帥海軍大将であっても、軍令部総長は参謀官で
    あり(昭和八年九月二十六日附「軍令部令」第九條)、一般に参謀には指揮権は
    ないと解釈致しますので、当該の軍令部総長がその職に依って将旗を掲揚する
    ことは認められません。

    しかしながら幾つかの例外があり、まず指揮権がなくても、

    ・特命検閲使が検閲艦船部隊の所在地にある場合
    ・司令長官、司令官ではない、大演習または小演習の統監、及び特別大演習に
    て勅命により演習を統裁指導する軍令部総長が、演習艦船部隊等の所在地にあ
    るとき
    ・司令長官、司令官ではない観艦式指揮官が観艦式参列の艦船部隊を指揮する時

    の場合は将旗を掲揚することができます。但し、この規定によって掲揚された
    将旗に関しては、通常(指揮権を有する将官)の場合に適用される規定が一部適
    用外になることがあります(例えば、着任、解職に関しての将旗の掲揚及び撤
    去の規定等)。

    また、将官が「公式ニ短艇ニノリタルトキ」に限り、その指揮権の有無に拘ら
    ず、以下に該当する場合は将旗を掲揚することができます。

    ・前述の規定によって将旗を掲揚できる者、及び将旗を掲揚できる部隊長
    ・元帥、軍令部総長、軍事参議官
    ・外国の艦船又は官庁を訪問する者

    また、戦記などに戦艦の艦長(大佐)が少将に進級して退艦する際の描写として
    「短艇に少将旗を掲げて」などというのがあるかと思いますが、転補された職
    が司令官であれば指揮権を有するので短艇に将旗を掲げることができると考え
    られますが、そうでない限りは海軍旗章令に反するかのようの思われます。し
    かし、ここには例外規定があって、「艦船部隊ノ長海軍少將ニ進級シ解職退去
    ノ際短艇ニ乗リタルトキ」は短艇に少将旗を掲揚できます。

    すなわち将旗は、

    ・単に官階のみできまるのではなく、その職等に応じて掲揚できるか否かが決
    まる。また、一定条件を満足する者が短艇に乗艇する場合も将旗を掲揚できる。
    ・掲揚できる者に対して、その官階に応じた旗章を掲揚する。
    ・元帥は称号なので、あくまでも掲揚できるのは「海軍大将旗」となる。

    ということになります。また、元帥、軍令部総長、軍事参議官ならば、その称
    号や職のみによって短艇に乗艇するときに限り将旗を掲揚することが認められ
    ます。

    よって質問に対しては、「掲揚できる場合においては海軍大将旗を掲揚する」
    となります。

    今泉 淳

  7. なるほど
    SAW

  8. 将旗を掲げるのは、禮式令に則って敬禮をする側が容易に視認できて、間違った禮式(ラッパの吹奏回数、号砲数など)をやらないようにするのが大きな機能と思われます。従って特に乗艦しての外国訪問など対外的な場合には掲げないよりは、なるべく掲げた方(元帥ならば大将旗)がよかったのだろう、というのが私の解釈ですが、どんなものでしょう。
    あるめ


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