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初歩的な質問で恐縮ですが、スクリュー軸が船体を貫通している部分は、どうやって防水しているのでしょう。 絵塗師 |
- その部分にはスタンチョーブというものがあります。現在ではゴム製パッキンで防水するものが多いようです。もちろん、過熱防止に海水が通っています。なお、船内側にはパッキンを調節できる蓋があり、その蓋のボルトを締めたり緩めたりすることで、海水の侵入を調整します。
陽炎型駆逐艦早潮の機関部たっだ方の話では、早潮はグリスパッキンで停泊中はボルトを締めておき、出航前に滴がパタ・・・・パタと落ちる程度までボルトを緩めたそうです。
GO
- スタンチューブの防水には、ゴム軸受以外にもリグナムバイタを使ったものもあり
ます。リグナムバイタは、ゴム軸受けに較べてエネルギーの損失は多いものの、冷
却水の注水にはさ程シビアではないため、今でも結構使われているのではないでし
ょうか。昔JGの検査官をしていた頃、阪神大震災の影響でリグナムバイタが入ら
なくなって困っている船主を随分見ましたよ。
いのうえ@TS
- 世界の艦船別冊の「艦艇工学入門 理論と実際」(岡田幸和)に、図解入りで載っています。
3800円とお高い本ですが、それだけの価値は十分にあります。
ちなみにリグナムバイタ(lignumvitae)は、「大きな応力に対して剛性を有し、
摩擦力、摩耗量が少ない南洋産の特殊木材」と説明してあります。
便利少尉
- 早速のご回答ありがとうございます。おぼろげながら想像できるようになりました。
水がぽたぽたと洩れるということは、給水ポンプのグランドパッキンみたいなものと思えばよいのでしょうか。
絵塗師
- 他にも端面をシールするという方法があったかと思いますが、軸の封水構造のみに着目すればそのようなご理解でよろしいかと思います。
子供の頃はプラモデルの影響で、マーガリンみたいなものが詰まった箱を軸が貫通しているだけだと信じていました。
いのうえ@TS