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FAQかもしれませんが教えてください WWIIの日本海軍空母の飛行甲板の構成(たとえば20mmの鋼板の上に木材が張られていた、とかそういうレベルです)を教えてください。 空母といってもいろいろでしょうが、たとえば飛龍、瑞鶴あたりの非装甲の正規空母がわかればありがたいです。 松平 |
- 飛龍型の場合には、4〜6mmの鋼板の上に木甲板が貼られていた様です(ちなみに木甲板の厚さは45mm)。
大鳳にしても、その鋼板の下(格納庫の天井)に吹き上げ防止の為、10mmの鋼板が取り付けられていたのですから、殆どの我が空母は同様な構造ではないでしょうか?
tackow
- どうもご回答ありがとうございます。思いのほか薄いのですね・・・
松平
- 厚さはわかりませんが、
千歳・千代田は従来の木甲板ではなく、
セメント・ソーダスト・ラテックスなどの合成コンパウンドだそうです。
勝井
- なるほど、それは通常の木甲板とくらべてどういう利点があったのでしょう?
防禦上?それとも建造工数?重量でしょうか??
しかし、どちらにしても思いのほか脆そうな構造ですね。
どの程度の重量の機体まで耐ええたのでしょう??
松平
- >3.修正。
千歳・千代田以降に建造・改装された空母から木甲板を止め、
合成コンパウンド構造になったそうです。
福井静夫「日本空母物語」より
…っても、どいつがそうなのかはわかりません
勝井
- 呉で着底した伊勢・日向の飛行甲板は爆撃の跡でセメントのような破片が散らばっていますね。
良質の木材を飛行甲板に貼るにはもったいなかったのでは?
Navy
- 木甲板からコンクリート、合成コンパウンドに変わったのは、可燃物をできる限り少なくし燃えにくくしたためでしょうが、この場合、修理が大変だったと思います。なんせ、コンクリートや合成コンパウンドは甲板にがっちりくっついているので、剥ぐのが一苦労です。修理を終え、剥いだ箇所を補修しても、いかにもという感じであまりきれいにはなりませんし。
GO
- 戦前から甲板用のチーク材は輸入に頼っていて長門もチーク材の不足で
檜を使用したと思うのですが、木材の節約もあるのでしょうか?
ルージュ
- 適当な資料として
長谷川藤一 軍艦メカニズム図鑑「日本の航空母艦」1997 グランプリ出版 ISBN4-87687-184-1 があります。飛行甲板の大小の断面図、コンパウンドの組成などが載っています。甲板はガーダーとビームという縦横の格子の上に張られていて、ちょうど障子の桟と障子紙のような関係になっていて、紙が薄くても格子が太くて密であれば重い重量でも支えられるようになっています。現代では、カーフェリーの車両甲板を下から見る機会があればそれが一番似ているのですが。鋼製の2階建のカーパークでも似ています。装甲空母では装甲板の重量が大きくなるためこの格子の深さが大きくなり、底面(格納庫の天井)に防御も兼ねて板が張られます。(船底の二重底構造と同じになります。)
装甲空母(大鳳と信濃)の中央横断面図は
学研「歴史群像」太平洋戦史シリーズ22 「空母大鳳・信濃」 1999 ISBN4-05-602062-0 にあります。装甲板の縁がL字状の嵌め合わせになっているのが見て取れます。
木甲板から合成コンパウンドに変わったのは直接には多量の木材が入手できなくなったためで、後には合成コンパウンドの成分であるゴムやほかの化学物質の入手が困難となってセメント張りとなりました。
伊勢・日向(昭和18年改造)の飛行甲板がセメント張りなのは、着艦を考慮する必要がなかったのと大和型の航空機甲板の構造にならったためではないかと思います。
IWA
- 皆様たいへん参考になるご意見をありがとうございました。だいぶイメージできました。
松平