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アイオワ級VS大和級の戦闘で、アイオワの方が有利とこの頃言われていますが、サウス・ダコタ級の方が装甲・火力ともに優れているから、大和級は、サウス・ダコタ級にも勝てないと友が言い張るので、1218のような質問をしたのですがどうでしょうか。私個人の意見では、昼間なら大和級で、夜間ならアイオワだと思い、35000t級のサウス・ダコタ級では大和級が相手では、勝負にならないとおもうのですが。(夜間はレーダー射撃のできる米艦なので勝てるかな?) 戦艦 |
…で、こんなシチュエーション設定して、何の意味があるのでしょうか?
わたしとしましては、ハードウェア単体としての兵器の性能比較って、ものすごく意味がないような気がするんですけど。
まなかじ
議論に発展しないと勝手に予想し,勝手にまとめると,
アイオワ有利とする側の根拠は,
・レーダとジャイロを利用した射撃システム
・口径の割に優秀な16inch砲
・約6ノットの優速
・鋼鉄の質的優位
であってシナリオとしては,昼間会敵後に30km前後の距離を保ちながら
レーダ射撃の優位を生かしつつ,貫通できないまでも
多数の命中弾を与えてソフトキルに追い込む、というものです。
たしかにこの場合,アイオワはかなり優位に戦うことができるでしょう。
しかし忘れてはならないのは上記のようなシナリオは,両軍の戦力が歴然と
している場合のみ選択されうるのであって,両軍が接敵する状況としては
いささか現実離れしている点です。
(MightyYamatoは強力だから30km以内に近づくな、)といった情報がなければ
上記のシチュエーションは起こりえません。
そして上記のシチュエーション以外ではアイオワの勝機は(少なくとも昼間は)
ほとんど無いでしょう。
・30km近辺においてレーダでの着弾観測ができたのか?
確たる証拠を知りません
・16inch砲は強力でも大和はそれ以上の防御を持っています。
そしてアイオワの防御は46センチ砲の前に、絶望的です。
・垂直に近い角度で落下する砲弾の前に、鋼鉄の質は重要ではありません。
(質による優位は斜撃時のデキャップ=被帽破壊が主目的でしょう)
・アイオワはダメコンの優位が言われますが,ダメコンなどとはそもそも
予備浮力を如何に生かすか、という能力ですから元々予備浮力の小さい
アイオワはダメコン能力云々する前に予備浮力そのものを
あっけなく無くしてしまうと思われます。
この点,いびつに華奢なアイオワよりもサウスの方が有利かもしれません?!
・何より大和型はその存在自体が非常に隠蔽されていたことが重要です。
もし両者相戦わば,戦争初期の零戦のように初戦は大和勝利で間違い無い。
と思うのです。
MI66
良くこの手の議論で、戦艦は自分の主砲弾に耐えられるように設計するのでそれ以下の口径の砲を食らってもダメージが無いかの様に書かれているんですが、どこかで、ドイツの30センチ砲搭載艦がイギリスの28センチ砲搭載艦(逆かも)に沈められたような話を読んだのですが、実際はどうなんでしょう?
Sparrow
ジュットランドで沈んだ英国巡戦には34cm砲搭載艦もおり
自艦よりも劣る口径の主砲で撃沈されていますね
まあ、これは防御力を軽視した巡洋戦艦の事例ですが
WW2において独戦艦ビスマルク(38cm砲搭載)は英戦艦プリンスオブウェールズの36cm砲によって大損傷を被り
続くキングジョージ5世の36cm砲弾で実質的な戦闘能力を奪われました
自己の砲弾に対する防御は戦艦の防御要項の基本ですが
砲弾の貫徹能力は運動エネルギーに依存しますから距離によって威力が増減します
よってある威力の砲弾に耐える装甲を持っていても
それよりも劣る砲弾でも距離によっては十分な効力を発揮します
極論すればゼロ距離から浴びせられたら殆どの戦艦は貫徹されます
また、戦艦は全体を厚い装甲で覆われているわけでは有りません
要所以外は殆ど防御されていないのが一般的です
装甲されている範囲が広く、そしてそれが厚い艦が良好な防御能力を持つといえます
また、砲弾は貫徹した後に炸裂し、それが被害に繋がります
勿論大口径砲弾が突っ込むだけでもかなりの被害ですが
炸裂する事で更に多大な被害を齎します
そして、その炸裂によってどれだけの被害が出るかというのも一種の対応防御です
船内各所の隔壁や甲板が頑丈であれば、砲弾が炸裂しても被害範囲を局限できます
この砲弾の炸裂による被害は無視できず
場合によっては数層の防御甲板を引き裂いて艦底まで達して機関部に被害を齎したり、浸水を発生させます
第一次大戦でウォースパイトは自壊した砲弾の破片で最も強固な防御部であるバーベットの装甲の半分近い厚さを削り取られました
つまり大口径砲弾の炸裂破片は状況によっては10〜20cmの厚さの板を貫いて隣の区画に被害を齎すことがあり
また、場合によっては被弾個所から10m以上離れた所にまで被害を齎します
こういった炸裂による被害を局限する為に戦艦は各部の強度や厚みも凄い事になっており
こういった船体構造の強さも対応防御の概念に含むことも有ります
つまり、自己の砲弾に耐えるというのは目標では有りますが
まずは致命傷に繋がる個所は事故の砲弾から常識的な戦闘距離で耐えられる事を狙い
次に、突入した砲弾による被害を極限すること、これも砲弾威力に対応した構造とする
これが原則です
ちなみに、第二次大戦に参加した戦艦の大半は自己の砲弾に極めて局限された条件でしか耐え切れず
またかなりの艦は突入した砲弾の炸裂を食い止めるのに十分な強度を持っていません
どちらも合格水準といえるのは、皮肉にも最大威力の砲を持つ大和型ぐらいですが、この艦でも完璧では有りません、被弾が続けば戦力は弱まるでしょう
SUDO
taka
げるぐぐ