1212 |
「速射砲」とは、何を目的とした砲なんでしょうか?高角砲とはまた違った使用目的なんでしょうか? 行 |
それまでの大砲が一発撃つごとに砲座ごと後退していたのと
それに伴って照準も動いてしまったので
次弾を撃つには、砲を元の場所に戻して、装填して、照準を付け直すという作業が必要でした
速射砲は砲身だけが反動で後退しますが
駐退器によって自動的にもとの場所に戻り、砲鞍とそれに装着した照準器は動きません
よって、砲身が元の位置に戻るのを待って、装填して引き金を引くだけ次の砲弾を放つ事が可能になっています
各社によって若干の構造の違いは有りますが
従来型の大砲に比較して数倍の射撃速度を発揮可能であるので「RapidFire」と呼称されました
ただし、これ以降の大砲は殆ど速射砲と同様の構造と特性を持っています
高角砲は第一次大戦前ぐらいから登場した大砲ですが
名前のとおり「HighAngle」で高い仰角を持つことで飛行機や飛行船を撃つ為に開発されました
高い仰角で運用可能な砲鞍や駐退器等の開発に苦労しますが、基本的な構造は速射砲です
高角砲は構造面では速射砲であり、速射砲とは近代的な大砲の構造をした物全般とも言えます
従来型の大砲と区別する為に速射砲という呼称が与えられ
そしてその構造が一般的になるにつれ、そう呼ばれなくなったと言っても良いかもしれません
SUDO
歴史的に見れば広義の速射砲としては三一式速射野砲のようなものもありますが、これは駐退器も無い大砲ですし、速射砲という言葉は必ずしも特定の機構を持つことを意味しないということでしょう。今までより速く撃てれば速射砲なのです。
BUN
RapidFireしか頭に思い浮かばなかった馬鹿な私(反省)
SUDO
1800 年代後半に画期的新兵器である水雷艇が登場し、大口径・低発射速度の大砲を積んだ大型艦は接近戦時の火力不足が露呈するようになりました。そこでこれを補うため、人力で連射可能な 25〜47mm クラスの小型砲が多数登場しています。しかし 1900 年頃から反動利用式の機関砲および中口径の速射砲(SUDO氏の言う Rapid Fire)が登場し、人力駆動小口径速射砲は短い歴史を終えました。
これら「速射砲」にはガットリング(米)やノーデンフェルト(スゥエーデン)など多砲身式のものがあり、これらの技術は数十年後にバルカン砲やチェーン・ガンなどの形で復活する事になるのが興味深いところです。
ささき
19世紀後半に多数登場した25〜37mm級のはRapidなんですかね?
日本では機砲と呼称した例もありますが
ノルデンフェルトの4連装砲は英語ではQuadだったような・・・
なお、速射砲を米国ではRapidですが、英国ではQuickとしてました、訂正します、すんません
速射砲(QuickFire)の登場は実質的には1887年の英アームストロング社6ポンド砲からだと思いますが確証は無いです
この時期の英軍の大砲は、MR、BR、QFと構造別に記号が振られていて判り易いんですが
MLは前装砲(下関戦で後装砲で事故多発したので19世紀後半の英軍は前装に戻ってます)
BLは後装砲(1880年代になって後装が復活し、採用され始めます)
QFは速射砲(19世紀末から登場、急速に中口径級にまで広まります)
QFの記号は第二次大戦前に用いられた砲にも付いています
例えば、KGV級などに採用された133mm両用砲は 5.25in QF Mk.1
主力高角砲として多用された4インチ高角砲は 4in QF HA Mk.XVI(HAはハイアングル、つまり高角砲)
余談ですが、より大口径の大砲にはQFとかBLとかって付いてないんですが
第二次大戦に投入された重巡洋艦の主砲は8inBL Mk.VIIIってなってます(つまり速射砲ではない)
更なる余談、4.5インチ砲や5.25インチ砲はQFであってもHAじゃないんですね
英軍の場合HAとは高角砲であって、両用砲は違うのでしょうか
8インチ砲も対空射撃できる構造になってますし、何が違うんでしょうかね
またしても余談
英軍の6インチ砲は基本的に全部BLです、構造的には速射砲なんですがね
でもって、戦後に完成した対空射撃もできる自動砲6インチMk.N5はQFの記号がついてます
これから見ると、射撃速度が高い大砲をQFとみなすと言う事もできるかと思います
結局、速射砲ってのは射撃速度が普通より高いって事だと思えばよいのでしょうね(爆)
SUDO
あー
海上自衛隊の速射砲は対空対水上対地射撃に使います
SUDO
SAW
KGV等が搭載した5.25inQFは正式にはQF/HAです。
大塚好古
サンクスです、HAついてたんですね(^^;;
SUDO
行