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英国の防護巡洋艦、パワフル型とダイアデム型について教えてください。 1.建造目的 2.配備された艦隊 3.実際の使用方法と評価 お願いします。 昔、不沈艦 |
http://www.warships1.com/BRclp18_Diadem.htm
http://www.warships1.com/BRclp18_Niobe_history.htm
とりあえずココらを参考にどうぞ
ざっと見るとあんまり役には立ってないみたいですな
建造目的は装甲巡洋艦対抗だと思います
この時期には1万トン前後の装甲巡洋艦が各国で建造されていますし
それと平行して通商破壊型と思われる長距離型巡洋艦の建造も(数量的には大した事は無いが)行われていますから
英国としては、広い領域でそれらに一定の対応が可能な艦として必要だったんだと思います
それが装甲巡洋艦にならなかったのは、前に一度失敗して懲りているとか、技術的な成熟を待ったとかじゃないかと思います
実際に英国の巡洋艦の乾舷の高さは同時代の独艦を圧倒的に上回る物で
重量を食う舷側装甲に安易には走れなかったと思います
以上は完全な推測ですが
SUDO
防護巡洋艦ということなので、19世紀末期のものとして記述します。できるだけ就役年度などを書いていただかないと、混同する恐れがあります。
パワフルの前に、ブレイク、エドガーという、やはり大型の防護巡洋艦があり、これの改良型と捉えるのが通常でしょう。当時の技術水準では、高速巡洋艦の舷側に装甲を張ると異常に大型化してしまうので、防御を傾斜部を持った甲板装甲に頼ったわけです。当時の新技術とも言えます。
目的は完全に巡洋艦任務で、遠隔地への派遣、通商保護、ショウ・ザ・フラッグ、諸々です。主力艦隊での運用は、考えられていないというより、できません。これは、フネとして大きすぎることから旋回性能が悪く、戦艦と統一行動が取れないためです。
無論、前衛任務などはできるでしょうが、それには勿体無いほど巨大です。なにせ、パワフルの排水量は当時の一級戦艦に匹敵し、全長は1906年のドレッドノートすら上回るのですから。
パワフル級は1897、98年に完成、中国基地に配備されましたが、直後にボーア戦争が起こったために呼び戻され、高速と大容積を活かして高速兵員輸送船として使われました。相手に海軍がないので、本来の任務が発生しなかったためです。
直接の仮想敵艦は、ロシアのリューリク、ロシアあたりでしょう。
ダイアデム級は、一般にはパワフルの廉価版とされていますが、性格的にはエドガーに近いと思われます。発射速度の遅い9.2インチ砲をやめ、6インチ速射砲に統一しているものの、その分押し出しが利かなくなりました。こちらも大半は交代で中国に配備され、一部はアメリカ大陸西岸に配置されています。日露戦争時には、発生するかもしれない対露戦争に備えていました。
パワフルは艦隊で 「白象=費用ばかり掛かって役に立たないもの」 と呼ばれ、ダイアデムはオスカー・パークスに、「英国海軍で最も役に立たない軍艦」 と決め付けられています。各種技術進歩の狭間で、一番アンバランスが大きくなった時期に建造された、大きすぎる=高価すぎる軍艦だったのではないでしょうか。私としては嫌いじゃないんですが。
志郎
おっしゃられた通りであったとおもいます。
パワフルは、確かに部隊の緊急輸送用にも役立ちそうですね。
私もこの艦は好きです。
レスを読んでいて気になったのですが、英国はORLANDO(読めない)型以降、
クレッシー型まで装甲巡洋艦を就役させていないと思いましたが、
日本の浅間型は作っています。日本海軍がなぜ実績のない英国に4隻も発注
したのか、また英国のその後の装甲巡洋艦の建造に浅間型はどう影響したのか
お教えいただければ幸いです。
昔、不沈艦
これを除外して考えれば、フランスとドイツにも発注しているわけですし
既に装甲巡洋艦そのものの技術的課題は解決しつつあったと判断していたのではないでしょうか
富士とか浪速とかのように先進的でまだ英国で制式採用されていないような代物を各社が熱心に売り込んでいた(買い込んでいた?)訳だし(そいや速射砲なんかそんな感じがあるな)
英国に発注することで得られる政治的な利益は
多少の危険性(失敗作になる可能性)を考慮しても余りある物だったのでは無いかと想像します
また日本を始めとする輸出用装甲巡洋艦の建造で、英国が経験と実績が得られたのは事実だと思います
SUDO
弩級戦艦のエジンコートも英海軍に正式採用されていない
14インチ砲を採用したり、海軍のドック幅を考慮に入れないで設計したりと
後の時代にも同じ様な例はありますね。
正確にはメーカーの設計技師が独自に考案したものを設計に盛り込んで
いたのではないかと思いますが。
ルージュ
前者は1896年、後者は1898年に完成していますから、実績はあるわけです。それぞれ7,000トン、8,500トンで、8インチ砲を主砲にしていました。速力も21−2ノットです。
このようなマイナー海軍の艦は、あまり紹介されないので有名ではないのですが、遡り始めると系譜は結構興味深いものです。この時期にはイタリアが7,000トン弱の装甲巡洋艦を建造しており、チリと国境紛争のあったアルゼンチンが4隻を買いこんでいます。これらは1896年から1898年に完成しました。同型艦はイタリアに3隻が就役し、スペインに1隻、日本に2隻が売られています。あの「春日」級です。
このように大型巡洋艦は一部で装甲巡洋艦化が始まっており、イギリスは乗り遅れた形ですが、この二種には超えられない性能の壁がありました。それは航続距離です。
「浅間」は11.5ノットで4,600浬、イタリア建造の「ガリバルディ」、チリ向けの「オイギンズ」は10ノットで6,000浬ですが、「パワフル」は10ノットで14,000浬、その前の「エドガー」でも10ノットで10,000浬の航続力を持っています。また、あの乾舷をご覧になれば、航洋性や居住性がどれだけ大きいかは容易にご想像いただけるでしょう。
ですからこれらは、イギリスの特殊事情が建造させたものとも言え、20世紀に入ってからの装甲巡洋艦からは、この能力が低下したために、大戦直前には海外への派遣艦に苦労することになります。
「パワフル」のような巡洋艦は平時の存在であり、艦隊決戦を見つめて造られた艦ではありません。たいして意味のない2門のみの9.2インチ砲も、見せ付けるために積んでいたようなものです。そのハッタリを下ろしてしまったのですから、「ダイアデム」が酷評されるのも仕方がないでしょう。
ところで「昔、不沈艦」さん、19世紀の軍艦に興味がおありであれば、ここからリンクのある「東江戸川工廠」の掲示板へおいでください。さらにリンクをたどれる「海防史料研究所」の掲示板でもけっこうです。いろいろと楽しいだろうものが転がっています。
それからルージュさん、ちょっと勘違いなさっておられるようです。お調べ直しください。
志郎
この頃の英国巡洋艦って、通風筒がやたらと立っていてキノコ栽培をしてるように見えるです。
とくに、斜め後ろのアングルからの写真を見ると…
まなかじ
エジンコートではなくエリンでした(汗)
しかも主砲に14インチ砲を採用したのはカナダ級ですね・・・。
大変失礼しました。
ルージュ
ご紹介いただいたサイトにも寄らせていただきます。
よろしく、お願いします。
昔、不沈艦