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第2次大戦中の日本海軍の優秀砲として、【防空駆逐艦・秋月型の長10cm砲】と【戦艦・大和型の副砲15.5cm砲】がよく挙げられています そこで、疑問ですが 1:優秀砲という割りには何故、もっと多くの艦艇に搭載しなかったのか 2:長10cm砲はともかく、大和型の15.5cm砲が使われる機会があったとは思えないのに、何故「優秀砲」などと呼ばれているのか? 星芋 |
私の持つ詳しい資料は只今紛失中ですので、詳しい内容は提示出来ませんが、この15.5センチ60口径砲は射程が20センチ砲のそれにほぼ匹敵し、散布界も良好であったといいます。破壊力も充分備わっており、軽巡洋艦の主砲としては間違いなく優秀であったと言えるでしょう。「優秀砲」というのはそこから来ていると思われます。
ただ15.5センチ砲の性能に関わらず、大和に副砲が必要だったのか・・・?そこに問題があるのでしょう。対空砲でなく副砲を装備してしまったという点で先見性に欠けるという批判が一つの例ですね。
ちなみに、この15.5センチ砲は大和型戦艦の他に、大淀型軽巡の主砲にも流用されています。
ナガト
(誰がトドメをさしたのかは難しい所ですけど)
つまり、使う機会はあったし役に立ってます
まあ、無くても何とかなったかもしれないとは思うけど(笑)
SUDO
他の艦艇への搭載例があまり見られないのは新型砲ゆえの製造の遅延が理由でしょう。
半自動装填装置の機構が複雑で量産が難しかったようです。
15.5cm砲は搭載するのに適した艦艇が大戦中ほとんど完成しなかったのが
普及しなかった理由では?
”&”
ロックマン
大淀も長10cm搭載です。
こいつは後の巡洋艦以上搭載の標準高角砲の座が約束されていたと言えるでしょう。
勝井
まぁ、阿賀野型は大型駆逐艦と見ることも出来ますが…
奈良の人
SEI
海軍としては本来は全てこれに換えたかったでしょうが資金面や運用面でかなわなかったのでしょう。
15.5糎砲は開発時期が古い割には、このクラスの艦砲としては性能的にも出色だったと思います。
でも日本人の体格で15.5糎は重たかったでしょうね。
ガッビアーノ
また、戦時下においては数の調達に重点が置かれてましたんで、大々的に長10cmに切り替えることは出来なかったと思います。性能はいいけど、複雑な構造上、生産が大変ですから。
tomo
大丈夫。機力装填っす。むしろ、重量軽減のために15,2cm砲にして、しかも人力装填のままにした阿賀野型の砲の方が辛いかと。
tomo
BUN
八九式なら設備を換えずにすみ製造現場の人間も熟練しているわけですから。
便乗質問です。両方とも半自動装填だった気がしますが,九八式は八九式と比べて
どの程度まで機械化されているんでしょうか?
高校時代に護衛艦(機雷敷設艦)を見学に行ったことがありますが,備砲は
半自動装填とはいうものの6発入りの弾倉(リボルバーのような形状)を
使用するものでした。砲塔側にある程度砲弾を備蓄しておき
米軍の40mm機関砲のように射撃するのではないかと推測しておりますが。
八九式の装弾システムはどのようなものだったのでしょうか?
九八式がもし下部の弾薬庫からの砲弾の移送まで機械化されているとしたら
八九式より製造に手間がかかると思われます。
”&”
また、装填機構は八九式12.7センチ高角砲と同様ですので、実際の射撃速度も殆ど同じと見て良いと思います。
しっかりと調べていないのでなんともいえないのですが、九八式高角砲は初速が相当に増大したために弾道特性は良好なのですが、遠近方向の散布界が八九式に比べてかなり大きくなった模様です。従って、危害半径の小ささも相まって、実際に敵機に対して有効弾を与える公算はむしろ八九式の方が大きいのではないか、という感じがします。
tackow
大鳳や大淀に搭載されて、大戦後期の大型艦信濃や雲龍型にも搭載されない、もっと深い理由がありそうですね
初の射撃でB17を同時2期撃墜だの、色々な逸話がありますが本当に優れた砲だったのかもっと調べる価値があるように思えました
15.5cm砲は試験時のデータが優秀だったので優秀砲とよばれていますが、こっちは実戦での使用機会がほとんどなく(大和と大淀のみ?)
惜しい気がします
この優秀砲を両方とも搭載する大淀には、海軍としては相当な期待があったのでしょうか(連合艦隊旗艦にもなっていますが)
星芋
この15,5cm砲は艦載砲としては、大和型や大淀に搭載されただけでしたが、余ったヤツが陸揚げされて、呉軍港のあたりで対空砲として使われてます。
最大仰角を75度に引き上げて、最大射高18000mの対空砲となりました。(「最大」で18000なので、有効射高(射程?)はもっと低いでしょう。)
戦果のほうはよく分かりませんが・・・(−−;
で、艦載砲として実戦参加したのが大和型と大淀に搭載されたやつだけで、サマール沖の大和以外は対空戦闘で使われたくらいですが、最上型が主砲を20,3cmにしないで開戦になっていたら、バタビア沖やソロモンでこの砲の実力を発揮する機会があったのでは?と思っています。
Take
最上級は対空射撃を考慮に入れた一種の防空艦としての機能も期待されていた、そうな
こう考えると益々、15.5cm砲が惜しいですね
星芋
できるだけの供給があったとして)
高角砲も8糎にしたりするほどですからよっぽと切り詰めた設計だったんでしょうか?
せめて大淀クラスの船体があったらよかったんでしょうけど。
阿賀野型が好きなだけに、あの旧式な連装砲塔が不憫です。
ガッビアーノ
部品をばらした図が「高角砲と防空艦」(遠藤昭著、原書房)にありますが、比較的細かな部品がわんさとありました。
給弾機構については、私にはちょっとわかりかねます。
>長10cmの生産 戦争始まってから急遽三年式12cm高角砲の大増産かけてるんで、それも長10cmの生産が三年式、八九式に較べて少ない一因かと。部品や砲弾の補給の問題もありそうですし。
>13後段 ありますね、そういう話。長砲身が射撃の時にぶれるのが原因ってことらしいんですが、やはりデータの裏付けは見たことありませんけど。
tomo
かなり細く絞られており,艦前半の予備浮力が不足気味だそうです。
史実と同様に6門装備にした場合3連装×2になるとは思われますが,
船体のデザインはどんな感じになるのかな?
”&”
>阿賀野型 あんまり図体大きくすると小回り利かないし敵に見つかりやすいからってことであのサイズになって、その結果、兵装重量をあまり割けなかったからあの武装になったんですよね。そのくせ、あれじゃあ火力不足だって事で改阿賀野型(計画のみ)では大淀並の排水量に拡大して主砲塔を1基増やそうとしたんですよね。速力出すための機関の開発とか船体形状とか色々要因はあるんでしょうが、ちょっと不手際かな〜と思うのは私だけでしょうか?
tomo
入手の容易なものの中では、学研の「翔鶴型空母」(←89式)や「秋月型駆逐艦」(←長10cm)などが、結構参考になるかと思いますよ。
>13
”Naval Weapons of World War II”によると、89式の800-1500 EFCに対し、長10cmは350-400 EFC と半分にも満たない値となっており、その分砲身の交換頻度が高かったと思います。
非常に基本的なことで申し訳ありませんが、
この様な交換に用いられた砲身は、「砲身の生産数」と「実際の装備数」との対比において、一般にどの様にカウントされているのでしょうか?
>18
過去ログの武器 672番を確認する事ができなかったので、質問します。
・信管整合装置
同機構は89式の時代から既にあったと思っていたのですが、というか、信管の設定も含め89式と長10cmの装填機構は同等と認識していたのですが、この認識は誤りなのでしょうか?
#上記の様な認識だったので、tackow さんの13番を読んだ時、成る程と思ったのですが。
・12cm高角砲の大増産
89式や長10cmでは所要数を確保できないため、12cm高角砲の増産が行われたものと認識していたのですが、
事実はその反対で、12cm高角砲の増産が長10cmの生産を阻害したと言う事なのでしょうか?
mikey
本当だ。読めないや。とりあえず、お持ち帰りパックからコピー&ペースとします。
11
更に進化した98式10cm連装高角砲、五式15cm高射砲は弾を装填するときに自動的に信管が整合されます。長10cmを小型化した98式8cm高角砲も多分そうじゃないかな。おかげで3つとも機構が複雑になって、生産性の低いこと低いこと。あと、三式12cm高射砲は弾を装弾版に載せて砲側に倒すと、自動的に信管が整合され、その後すぐに自動装填されます。
tomo
で、八九式の場合、お椀型のものか、砲の横にある信管秒時調定器を使います。後者も調定秒時が高射装置から送られてくる自動式ですが、弾薬包の装填前に使うものです。所定の位置に弾薬包を置いて、ハンドルをキリキリ巻いて信管を調停します。これは九一式高射装置搭載艦の十年式も使ってます。
要するに、半自動装填装置の基本的な仕組みは同じかもしれませんが、信管秒時調定器が砲に組み込まれている点が異なってます。
>12cm高角砲の大増産
その認識であっていると思います。その結果、より新しい高角砲の生産、増産に向けられたかもしれない資材、労働力が割かれてしまった、ってくらいのニュアンスだったんです。
tomo
回答の程、ありがとうございます。
89式の半自動装填装置には、信管秒時調定器は組み込まれていなかったのですか。
組み込んだ結果、信管秒時調定器周りが複雑になり、生産性が低下したと言うイメージは受いれ易いものがあるのですが、
自分は今まで、組み込んだのは89式の時代からだと思い込んでいました(^^;
現実には、98式の頃になって漸く組み込まれていたのですか....。
一つ勘違いを正せたのは良いのですが、また一つ疑問が。
12cm高角砲の増産が成された事から、89式よりも12cm高角砲の方が生産性が良いものと見なしていました。
一方、22番に「これは九一式高射装置搭載艦の十年式も使ってます」とあります。
そうすると、12cm高角砲の生産性の高さは何に因っているのでしょうか?
半自動装填装置がそれだけ複雑なものなのか、
「九一式高射装置搭載艦」という条件に意味があるのか、
それとも、「89式よりも12cm高角砲の方が生産性が良い」という認識自体が誤りなのか、
などと頭をひねっている所です。
mikey
八九式の場合には、この辺が斬新過ぎたので、調定器の性能を発揮出来る様になったのはかなり後になってからでした。
それと、(八九式を含む)新世代高角砲の生産が少なかったのは、射撃指揮装置の生産数も関係してくるのではありませんか?
tackow
・89式の信管の調定機構
22番を読み返してみると、89式の信管の調定機構について、
「お椀型のものか、砲の横にある信管秒時調定器を使います」
と2種類を挙げ、
12cm高角砲も使用していたのは「後者」と明記されていますね。
もしかして、23番に書いた内容の方が「勘違い」ですか?(^^;
・射撃指揮装置
そういえば、高角砲を増産する際には、射撃指揮装置の方の手配も忘れてはいけないですね。
松型が四式射撃装置を採用した事例などは、その良い例なのかな?
mikey
すいません。またやっちまいました。久しぶりに間違い書いちゃいました。そう、勘違いしていたのは私の方。申し訳無い。
まず、八九式以降の高角砲の装填挙動について。
1 装填手が砲尾にある装填版に弾薬包をヨイショっと載せる。
2 装填手が装填版をガッチョンと薬室直後まで動かす。
3 ラマーが動いて弾薬包を薬室にズイッと押し込む。
4 ラマーが下がると同時に薬室がガチャンと閉鎖される。
5 でもって、パンと発射。
となります。で、本にあった「装填中に信管が自動的に整合される」という記述の「装填中」の意味するところを私は3番限定に考えていたのですが、どうも1〜4番を指すようです。
でもって、実際の所、いつ信管が調定されるかといえば、2番の時にされるようです、『両方とも』。
また、八九式の右側に付いていたハンドルは信管調定手が送られてくる数値をハンドルを動かすことで追尾し、その数値が入力されるということらしいです。(九八式にもある?)
とすると、九八式の奴は八九式のに較べて幾分精巧に出来ていて、砲自体の生産性と相まって生産性が悪いという事かな。あ、九八式時限信管の生産性が悪ければ、それも含まれるかな。
う〜む。混乱させてしまった上、よけいにあやふやにしてしまってすいません。
あと、十年式に後から付けた信管秒時調定器ですが、砲に付けたのではなく、砲の定位置のすぐ後ろに、別個の装置として置いたようです。多分、それで調定した後、装填手に渡して装填したのでしょう。タイムラグがすごそうですが、十年式は八九式以降の高角砲とは違って装填版を持ちませんし、それを追加するのは手間がかかりそうですから、この様になったのだと思います。
それと、十年式は人力装填です。生産性が良いのはこれが原因でしょう。(八九式以降は機力装填。)また、砲身も他と違って二層構造ですから具体的にどうこうとはわからないのですが、作りやすいのかもしれません。
さらに暴かれる過去の過ち。
22で紹介した過去ログです。当然ながら間違い含みです。
まず、先述した九八式。
次いで、五式高射砲。これ、基本的に仕組みは三式と同じで、後述しますが、八九式とも同じです。従って、信管の整合も同じ方式です。違う点は、装填版に弾を載せたら、他とは違い、人が装填版を動かすことなく、弾が装填されて薬室が閉鎖されるまでが自動的に行われるところです。
また、三式高射砲の作動は、表現は違いますが、設計の参考にした八九式と同じです。
長々となってしまいましたが、なんとか間違いを正せているでしょうか。
本当にご迷惑をおかけしました。すいませんでした。
tomo