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1133 はじめて投稿します。なにぶん不慣れなもので失礼があったらごめんなさい。
日露戦争時のロシアのバルチック艦隊の事なのですが、大江志乃夫の「バルチック艦隊」によるとナワーリンとシソイ・ヴェリーキーについての評価が鎮遠
なみの旧式艦とされていました。ナワーリンについては主砲が35口径の短砲身
で低乾舷でみるからに旧式艦だと思いましたが、シソイ・ヴェリーキーについては、さほど旧式とも思えないのですが、どうなんでしょうか。完成年はわかっていますが、ロシア戦艦が各国の新型(マジェスティック型など)の影響を遅れて受けていて、若干旧式なのでしょうか。砲の装填方法、発射速度、機動力等について御教授ねがえれば幸いです。
昔、不沈艦

  1.  シソイは就役後の改装で主砲を当時の新型戦艦と同じ型式に改めたはずなので、少なくとも
    砲撃力は当時の一般戦艦と同等だと思いますよ。速度も16kts近く出たそうですから、設計に
    やや旧式な面は見られるものの、当時としては充分な性能を持った戦艦だと私は思います。
    大塚好古

  2. 回答ありがとうございました。気になっていた事なので助かりました。


    昔、不沈艦

  3.  まだ閉めないでください。遅くなってすみません。なにせ相手がロシア語なもので。

     シソイの砲については大塚さんに賛成です。装備していたのは12インチ40口径砲で、第1太平洋艦隊の主力だったペトロパブロフスクと同じものでした。スペックでは砲身重量43トン、徹甲弾重量358kg (331.3kgという資料もある) 、初速792m/s、俯仰範囲が+15度から−5度、最大射程14,000mだそうです。

     同時期のイギリス製12インチ40口径砲は、それぞれ50.8トン、386kg、782m/s、+13.5度、-5度、15,200mですから、そう遜色はありません。ただ、訓練の問題もあって発射速度は遅かったらしく、最も遅い記述では1分あたり0.3発、つまり3分20秒に1発ということになっています。最も早いもので1分あたり0.7発、=1分半に1発ということです。

     ナワリンは確かに旧式ですが、鎮遠と比べるのは可哀想すぎます。ロシア戦艦は設計思想に一貫性が乏しく、どこか垢抜けない印象があるので古臭く見えますが、それなり新機軸も導入していて、けっしてバカにしたものではありません。

     機動力については、あれだけ難行苦行をしてきた後ですから、カタログ値は参考にもならないでしょう。当日の海象からすれば、低乾舷のナワリンには戦闘行動すら厳しかったと思います。

    志郎

  4. ↑確かに日本海海戦当日の艦の整備状況での機動力はカタログスペックに遠く及ばない状況でしょうね。
    的確なフォロー有難うございます。
    大塚好古

  5. せっかちですいません。なんせ仕事中なもんで。
    的確な回答ありがとうございました。
    回答を読んで考えたのですが、ナワリンの低乾舷はバルト海専用艦として
    設計された為なんですか。第3太平洋艦隊の海防戦艦もたしか低乾舷
    だったと思ったのですが。そうならば、太平洋に配備するのはそもそも
    無理がありそうな気がするのですが。記憶違いでなければ、ナワリンは
    1度太平洋艦隊に配備され、修理で帰国したとあった気がするのですが。
    昔、不沈艦

  6. 確かにナワリンは一時太平洋艦隊に居ました。

    >低乾舷
     いわゆる標準型戦艦の前まで、重装甲艦は洋上でケンカする目的で造られてはいなかったのです。バルト海が静かなのと同様、日本海も内海ですから、季節によっては静かです。実情は、遠いサンクト・ペテルブルグでは認識不充分だったかもしれません。それでも、ウラジオも旅順も内海に面した港で、その周辺で行動するだけなら、あれでも用は足ります。

     鎮遠・定遠も同じ事です。大洋のうねりの中で戦闘するのは巡洋艦の役目であり、モニター進化型の重装甲艦は、軽軽しくウロウロしないんです。
     必要であれば、東京湾に入ってしまえば低乾舷でも困りません。そこへ到達するまでに阻止されなければ良いわけで、日清戦争前の日本海軍には、その実力が不充分でした。で、海堡になったのでしょう。
    志郎

  7. ロシア語の資料までお読み頂きありがとうございました。
    実に頼りになるレスで感心いたしております。
    当方は、近代史、中世史を読みふける事を楽しみとしていますが、
    軍事にあまり詳しくないもので、史料を鵜呑みにしてしまった事が
    多かったと思います。いましめておきます。
    またよろしくお願いします。
    昔、不沈艦

  8. わ・・・とうとう「19世紀海軍の大家」であられる「志郎さん」登場です。
    バウアー中尉

  9. ↑囃すだけなら書き込まないで。タダでさえ長くて読みづらいのに・・。
    ・・・・


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