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1125 日本の大量生産を目的とした正規空母『雲龍型』は改飛龍型の中型空母だと聞きました。しかし、何故一番実力のある『翔鶴型』を大量生産しようとしなかったのでしょう?やはり建造費や施設・建造期間の関係でしょうか?
もう一つ質問ですが、日本では蒸気式カタパルトを制作して空母に装備する技術は無かったのでしょうか?それとも発想自体無かったのでしょうか?
皆様の御高説賜りたいと存じます。(過去の内容とかぶったらゴメンナサイ)
甲殻機動部隊

  1. 『雲龍型』は米国の空母の大量建艦計画に対抗すべく急速建造が可能な艦として計画されたものです。高性能だが複雑かつ高価な『翔鶴型』やその発展型の改『大鳳型』では大量建造にはとても向かず、また、新たな空母を設計、計画するのは時間的にも非常に工数がかかってしまいます。そこで防御力と艦橋位置に問題があったものの、搭載機数が多く性能も優秀であった『飛龍型』の設計図を流用することで早急な大量建艦を対応にしようとしたものとされています。
    シュワイツァー

  2. 雲龍はあのまま大量建造する予定の艦ではありません。ですから戦時量産用という認識は正しくありません。
    またフライホイール式、空気式の空母用カタパルトは1930年代から研究開発が進められていますが蒸気式は無かったようです。
    BUN

  3. 翔鶴型は蒼龍・飛龍の拡大型なので
    高性能で複雑とは何をさしているのか不明ですが・・・

    翔鶴型の次の大型空母が改イラストリアス級の大鳳であり、
    その後の空母量産計画改丸5計画でも改大鳳型5隻が計画されたように
    日本海軍も今後は1隻の搭載機が84(72+12)機も要らない
    と判断していたからではないですか。
    そのため攻撃一本槍の日本海軍には珍しく大鳳型では防御力の強化が行なわれました。

    大鳳の魚雷同時調整能力は9本
    (この9本は基準値で、がんばればそれ以上調整本数を増やせるのでしょうが)
    といいますから
    正規空母一隻当たりの搭載機数が違っても実戦時、同時発艦数を変えていない。
    (運用時の結果論ですが)ミッドウェー島攻撃時は4隻が艦戦9機+艦攻・爆18機の同数
    マリアナの1航戦は3隻がそれぞれ艦戦16機+艦爆18機+艦攻9機ですよね。
    (マリアナの艦戦は各艦で16機±3機の差があったのかもしれません)

    瑞鶴・大鳳の建造は川崎重工神戸造船所ですが
    2万トン超の大型空母を建造できる造船所の数も影響していると思います。
    雲龍とそれに続く天城級15隻はアメリカのエセックス級の対抗馬です。
    大型空母で同じ数をそろえられないから中型空母で数をそろえた
    ということですよね。

    蒸気カタバルト実用化の最大の難点は蒸気漏れです。
    マザーマシン(工作機械)が満足に造れなかった日本では
    レシプロエンジンのオイル漏れさえ解決できず
    蒸気カタパルトのような戦時中米英の造れなかったものが
    造れる工業技術水準にあったとは思えません。
    クライスト

  4. 雲龍とその後の姉妹艦は同時に計画された訳では無く、情勢の変化により多量建造可能な母艦の艦型として飛龍型の継続拡大が決定されたに過ぎません。これには予算、主機の製造上の都合も影響していますが、基本的には他に適当な艦型が無かったというのが現実でしょう。
    また搭載機数についても、海軍は搭載機の減少を納得していた訳ではありません。同時発艦機数の問題はRATOや甲板延長でカバーし、格納庫への収容数を格納方式の改良(横押し車、吊り上げ格納等)で拡大する検討が開戦後も行われています。大鳳の搭載機数にしても十七年の時点でさえ84機案が存在しますし、搭載機数の減少を認めた訳ではないのです。

    また、細かいことではありますが、大鳳を改イラストリアス級と表現するのは如何なものでしょうか。大鳳はイラストリアスのコピーではありませんし、大鳳のタイプシップとも言えません。
    雲龍以下の母艦についても、雲龍型との表記はまだしも、基本的には飛龍型(雲龍以下初期の艦)と飛龍改型(その改造型)が適当でしょう。
    つくづくイヤな性格だとは思いますが、マザーマシン=工作機械との表現もまた問題ありです。狭義のマザーマシンは工作機械を作る工作機械の意味もありますが、かなり文学的な表現でその意味する所は広く、気持ちは解りますが誤用に近いと思います。
    BUN

  5.  魚雷調定能力が同時に9本とはいっても、(大鳳型ではないですが)実戦で雷撃機を18機以上同時に発艦させた(させようとした)例も存在するので。調定能力と同時に出撃できる雷撃機の数との間に相関関係があるのか、とも思います。
     
     蒸気の漏れが、カタパルトの実用化にどの程度影響を与えたのかは判りかねますが、我が海軍でも圧搾空気を使った射出機を実用化していますから、単純に「漏れ」だけに帰結させるのはどうなのでしょうか?
    tackow

  6. >4
    天城、葛城を「雲龍」型あるいは改「飛龍」型と呼べとの御叱責は了解しました。
    以後気を付けます。

    ただ
    翔鶴・瑞鶴が飛龍の拡大改良型であるということは艦橋配置計画の変遷を
    勘案して万人が納得するところですが
    大鳳型はその設計思想が今までの日本空母とは乖離しており
    アークロイアルから発展したイラストリアス級のような
    翔鶴型から当然に導き出される発想の連続性が見られないとは
    改めて主張させて戴きます。
    その意味で改イラストリアス級と記述しましたが
    日本海軍がイラストリアス級の設計図を入手してはいなかったことは容易に想像できます。

    また大型空母搭載機数の減少についても後の戦艦改装空母「信濃」の計画を
    見ても
    搭載機増大を検討はしていても指向していたとは到底思えない。
    マリアナ沖海戦時に大鳳が75機程度を搭載していたという事実があっても
    撤回するつもりはありません。

    クライスト

  7. 設計思想が従来艦とはかい離しているといっても、翔鶴級設計時と大鳳級設計時とでは、想定される敵の能力が違うことを考慮しましたか?
    翔鶴級までは空母に接近する敵機は少なく、爆弾威力も弱く、操艦で回避することが可能だろう、という予測ですが、大鳳級設計時には急降下爆撃の高い命中率とそれなりの破壊力を有する爆弾を投下できる性能のある敵機が存在するという前提が新たに付け加えられています。
    そのような想定状況の下で戦わねばならないから、装甲化した飛行甲板が必要である、と判断したわけです。イラストリアス級も同じような想定状況で同じ結論に到達しただけです。
    イラストリアス級が搭載機を削っていた(艦隊防空用だからそれほど搭載しなくてもいいという判断)のに対し、大鳳級が攻撃力の発揮も想定した空母として計画されたことを考えても、とてもイラストリアスを大鳳のタイプシップに見なすことはできません。
    #大鳳級の搭載能力は、ほぼ飛龍級並みなんですけどね。53機というのは搭載機が大型化している分を加味しないといけませんので。

    むしろ信濃の設計思想の方がイラストリアスに近いですかね(艦隊防空専任の重装甲空母)
    tac

  8.  実に細かい事に拘るようで恐縮ですが、雲龍、天城、葛城は飛龍改型ではなく、飛龍型と書いています。よくお読みください。

     搭載数にしても、日本の空母は搭載機数増大を明らかに指向しています。十七年十一月時の航空本部現状報告中の計画数字を見ても、雲龍=三〇二号艦から五〇〇六号艦までの飛龍型(65機)よりも飛龍改型である五〇〇七号艦以降(73機)の方が搭載予定機数は増大しているのです。このように同世代同機種の搭載機で計算された搭載機数では明らかに増大傾向にあると言えます。これは艦隊での運用上の問題では無く、建造に於ての構想上の問題ですので大鳳が出撃時に定数以上を搭載していたという事実とは少し事情が異なります。

     また、海軍が大鳳のような重空母を建造した最大の理由は航空機による水平爆撃の精度の向上にあり、これは同時代に建造された空母に艦種を限らない各国の大型軍艦もまたそれぞれに対策を講じている問題です。ですから翔鶴型とイメージはかなり異なりますが大鳳は基本的には通常の艦隊型空母として建造されており、空母そのものに対してのコンセプトには大きな差がありません。信濃の場合は搭載機0の特殊な運用構想を改造着手当初は持っていますが、後に改められ航空本部側の主張を通す形でほぼ通常型空母として竣工しています。
    BUN

  9. >6
    大鳳の設計に影響を及ぼしたとすれば、イラストリアスではなくアークロイアルでしょう。
    1941年に起工している大鳳設計上の主たる参考要素としては、1940年竣工のイラストリアスは遅すぎます。
    また大鳳が運用方針、設計その他において翔鶴型と一線を画した艦であることは、誰も異論がないところでしょう。
    設計の随所において連綿と続く日本空母の伝統を感じさせるにしても。

    信濃の搭載機数については検討段階における変遷の経緯及び信濃の運用方針を鑑みるに、それこそ発想の連続から乖離していると判断すべきでしょう。
    信濃は戦艦改造のイレギュラーであり、日本海軍の空母設計の方針であると判断する根拠足り得ないと考えます。
    日本海軍空母としての実質最終案となったG15案以降に正規空母が設計された場合(もしくはその技術審議会があればそれでも良い)にこそ、その判断は下されるべきでしょう。
    但し一般に用兵側が搭載機数の増大を希求するのは当然のことと感じられます。
    新規設計の空母において、用兵側の要求を敢えて拒否し搭載機数減少を受忍せしめるには、それに代わる用兵術の変化など外的要因が不可欠ですが、それについては何か根拠をご存知ですか?

    なお、3において魚雷の調定能力と発艦可能機数が関連すると示されていますが、5において既に示されているとおりミッドウェー海戦第二次攻撃隊については一航戦艦攻43機全機雷装とされています。
    同時調定数と発艦数に相関関係はどの程度あるとお考えでしょうか。

    3においてもう1点「蒸気カタパルトのような戦時中米英の造れなかったもの」と発言されてらっしゃいます。
    第二次大戦後のミッチェル英中佐の着想とばかり聞いておりましたが、それ以前に試作して技術的障害に直面した例があったのですか。
    そのような事例は存じませんでしたので、宜しければご教示下さい。

    >4
    吊り上げ格納とありますが、格納庫の高さが必要以上に余っていたとは思えないのですが・・・。
    特定の艦型における議論か総論的な議論かわかりませんが、特定の艦型における検討であれば艦型をご教示下さい。図面上で検討したく思います。
    AL猫

  10. >8
    回答書いた側から痛い否定を発見して七転八倒しております。
    「大鳳は基本的には通常の艦隊型空母として建造されており」とあります。
    昔は大鳳は1隻だけ突出し攻撃隊の中継基地として使用すると聞いたのですが・・・。
    信濃についても中継基地構想は消えていたのですね?
    AL猫

  11.  大鳳はその初期の搭載予定機数から見ても、少なくとも航空本部側では通常の艦隊型空母と同様の艦として捉えられていたと思われます。また海軍は「重空母」という用語を大鳳型の定義としてだけではなく、他国の空母にまで及ぶ将来の主要艦種の一つとして見ていた形跡があり、マリアナ沖海戦での用法からも通常の空母としての機能を十分に備えた艦として竣工していると言って良いと思います。
     信濃も特徴ある構想の下に建造されていますが、実際には格納庫面積は改造艦として許される限界に近いと思われますし、従来の空母とかけ離れたものと言い切れる艦ではないでしょう。また空母の構想については艦政本部側と航空本部側の相克があるようですが、これについても概ね航空本部側の意向が通る傾向にありますので、艦政本部側のみから見た建艦構想主体の説明では実態を説明しきれないものと思えます。

     搭載機の吊り上げ格納ですが、完全に宙吊りにする訳でありませんので、格納庫の天井高さは余り影響しないでしょう。
    BUN

  12. >設計思想が従来艦とはかい離しているといっても、翔鶴級設計時と大鳳級設計時とでは、
    >想定される敵の能力が違うことを考慮しましたか?

    時代の変遷によって設計思想が変化することは考慮に入れなければならないことはもちろんですし
    当時航空機の進歩にはめざましい物がありました。
    ただ大鳳型の飛行甲板は500キロ爆弾の急降下に耐えられるという記述は目にするのですが
    それよりも徹甲威力の大きい500キロもしくは800キロ爆弾の水平爆撃にも耐えられるようにとはありませんから
    この点、大鳳で水平爆撃対策が講じられたため
    75ミリ+20ミリの甲板装甲厚が決定されたとはまず言えない筈ですが。
    あと「翔鶴型の84(72+12)機もいらないと判断していたのでは」とは書きましたが
    飛龍型中型空母の65機程度でいいとは書いておりませんのでその点ご注意願います。
    従って改飛龍型(73機)の搭載機増加は今回に限っては議論を遠慮願います。
    しかし大鳳最終計画時も烈風18機+流星36機+彩雲6機なのだから
    日本海軍正規空母の搭載機デファクトスタンダードが
    艦戦18+艦攻18+艦爆18なのが見えてきませんかねえ。
    (まあ幻覚といわれるのが落ちなのでしょうが)

    また本家イギリス海軍がアークロイアルの建造を経てイラストリアス級の保有に至ったわけですから
    日本海軍がエセックス級のような5個飛行隊90機搭載航空機運用艦でもなく
    翔鶴型の様な湾曲煙突・小型艦橋を持った大型空母でもなく
    一足飛びに装甲空母を建造したのには イラストリアス級の影響があったことは否定できません。

    まあ質問者は諸説(御高説)承りたいと書いておられるのですから
    他者(クライスト)の記述のニュアンスの違いに突っ込むばかりでなく
    題意に添った回答(自分の方が正しい!という内容の回答)をなされた方がよいと思いますが。

    クライスト

  13. 数々の貴重な御意見有り難うございました。参考にさせて頂きます。
    甲殻機動部隊

  14. 日本の空母を見るときに、一般に流布している艦本系統の回想よりも、航空本部側の資料を当たった方が実態を説明しやすいと申しているだけのことです。
    想像で架空の艦型、架空の建艦理念を創るのはどうかと思います。調べた結果を報告しあいましょう。
    BUN

  15. >日本海軍正規空母の搭載機デファクトスタンダードが
    艦戦18+艦攻18+艦爆18なのが見えてきませんかねえ。
    (まあ幻覚といわれるのが落ちなのでしょうが)

    これも一隊の機数から見るとかなり現実に近い線にはあるのですが、デファクトスタンダードと言う言葉には相応しくありません。搭載機数自体、流布されている機種、機数だけでなく、数種の案が存在し、しかも、実際に搭載された機種、機数はまた異なるのです。その空母が何を何機搭載できる状態にあるかは、各艦長からの報告に基づいて検討されるものですから計画数字と言えども根拠の無いものとは言えません。とにかく数値としては色々あるのです。そこから読み取れる事実を読むべきだと思います。
    大鳳にしても信濃にしても市販の書籍で読める範囲でさえ航空本部関係からの回想では装甲を施された通常型空母であったと書かれています。

    >イラストリアス級の影響があったことは否定できません。
    ということは何らかの根拠を示さねばなりません。そうした御研究を期待いたします。


    BUN

  16. 原質問者は「もうやめてくれ」とおっしゃっているような気がしているのですが
    私が回答しなければならない様ですので

    大鳳が前級の翔鶴型よりイラストリアス級に類似している点
    1.装甲飛行甲板
     イラストリアス級が3インチ装甲であり、大鳳がCNC鋼板75ミリ(+DS20ミリ)で
     急降下の500キロ爆弾に耐えられるようにしたのが類似。
     翔鶴型は下甲板65ミリ装甲なので大鳳がCNCをなぜ65ミリではなく
     75ミリにしたのか不思議である。
    2.艦橋一体型煙突形状
     大鳳の煙突が翔鶴級ではなくイラストリアス級に類似しているのは
     日本空母伝統の湾曲下向き煙突だと乾舷が低いため傾斜時海水浸入のおそれがあるという
     通説がある。
     だが大鳳の乾舷は飛龍と同じ高さなのでこの説は論理が通らない。
     その後の伊吹でも湾曲煙突を採用している。
     なお26度傾斜煙突でないイラストリアス級でも排煙の影響で
     飛行作業が阻害されたという話は聞かないから傾斜煙突と直立煙突は
     相違する特徴の主要部分ではない。
    3.ハリケーンバウ
     大鳳は日本空母唯一のハリケーンバウである。
     だが艦形が増大しているとはいえ飛龍と同じ乾舷(前項と同一理由)なので
     絶対にハリケーンバウにしなければならないという理由はない。
     (まあ飛行甲板が強度甲板なのだろうから設計上楽なのは認めます)
    4.エレベーターが2基
     ドイツ空母へアドバイスの際、2基から3基に変更するように推奨したのにもかかわらず
     その舌の根も乾かぬうちに2基にしたのはいかがなものか。
     船体強度上、若しくは被爆を考慮して2基にしたというが
     実は1941年1月イラストリアスはマルタ付近で
     シュトゥーカに見舞われた6発中2発は後部エレベータに命中させられているから
     実はエレベーター面積の減少努力はピンポイント爆撃のまえには意味が無いのである。
    5.前級より搭載機減少
     イラストリアス級はアークロイアルから半減の36機になった。
     大鳳は翔鶴型と同様2段格納庫でさらに艦形増大、中央エレベータが無いのだから
     84機搭載のままで全然おかしくはない。
     ちなみに大鳳の予算請求時の搭載予定数は96+30機である。
     第2次ヴィンソン案の米空母2隻に対抗するのだからこれくらいの搭載機数は当然でしょう。
    6.強度甲板が飛行甲板?
     伸縮継手がないので飛行甲板が強度甲板だと推測して・・・(間違いだったらこの項撤回)
     飛行甲板装甲も1枚板ではないから伸縮継手部分で分割、
     従来どおり上甲板が強度甲板でもいい筈である。

     BUNさんにはミッドウェーの大型空母赤城の飛行隊がなぜ中型空母飛龍・蒼龍と同じ
     18+18+18なのか解釈を聞かせてもらえれば嬉しいですね。


    クライスト

  17. >16
     ずいぶんあらが見える根拠ですね。

    1. 装甲飛行甲板
     想定する敵の航空機(=米海軍艦載機)が、500kg 爆弾の急降下爆撃を行える能力を持つと考えられるから、です。戦艦の装甲と同じですね。敵の持つ破壊力に対抗する装甲を欲するのがそんなに変ですか?

    2. 艦橋一体型煙突
     隼鷹型から設計を転用しているとはなぜ考えないのでしょう。
     伊吹型が湾曲煙突を採用して、艦橋一体型にしていないのは、伊吹型でそれをやってしまうとトップヘビーになりかねないからでしょうね。艦型が小さいんですから。

    3. ハリケーンバウ
     なるべく飛行甲板の実効面積を広くしようとしたことと、強度確保のためですな。ハリケーンバウにしたほうが良いと分かっていても、戦時急造ではそんな手間をかけられないのでやっていないだけです。G15 デザイン(改大鳳型)もハリケーンバウですからね。

    4. エレベータ数
     エレベーターが構造上強度的に弱点であることは理解していますね? もし中央のエレベーターが被弾すると、離着艦の両方が不可能になります。またエレベーターがあると、格納甲板でその周囲をよけるように機体を置かねばなりませんから、運用上面倒になります。

    5. 搭載機数
     予算請求時にはいくらでも多く言えますね。設計に時間をかけていることを考慮しましょう。実際問題として、搭載機数一〇〇機以上となれば、日本海軍機を搭載するのであればミッドウエイ級なみの艦型になるでしょうね。
    また、二段格納庫にして重心を上げてしまう事に対する不信感があったと考えられます。第四艦隊事件のことを考えれば、恐いでしょうね。搭載機数を増やすより、空母の生残性を取った、と解釈するべきでしょう。

    6. 強度甲板
     上甲板というか、格納甲板にも、飛行甲板なみの装甲がなされているのですが……(飛行甲板 75mm、格納甲板 75mm(ただし125mm という資料もあり))
     ご存じない?
     もうすぐ閉鎖してしまうそうですが、下記のサイトにまとまっていますのでご一読されては?
    http://avse.bpe.agr.hokudai.ac.jp/~kohta/ship.html

    tac

  18. >16
    >だが大鳳の乾舷は飛龍と同じ高さなのでこの説は論理が通らない。
    論理を大上段に振りかざすからには造船学は修めているのですよね?
    >ピンポイント爆撃のまえには意味が無い
    船体に当てるだけでも一級の腕前なのに・・・。
    >大鳳は84機搭載のままで全然おかしくはない。
    翔鶴と大鳳の図面をご覧になって下さいとしか回答のしようがないです・・・。
    >予算請求時の搭載予定数は96+30機
    そうすると大和の主砲は40cmに・・・。
    >ミッドウェーの大型空母赤城の飛行隊
    戦史読もうよ・・・。
    AL猫

  19. 設計に影響を受けるとするならばイラストリアスやアークロイヤルよりも
    太平洋を挟んで睨み合っているレキシントンのような気もするんですが、
    どれを参考にしたとかの記録が無い限りはっきりとは判らないですね。
    結局の所、似たような構想で設計すれば何処か似たような物になると言うだけだったり…。

    搭載機に関しては軍用機の話題の中の主要空母搭載機数一覧表に載っていますが
    赤城の搭載機数は18機+18機+27機になっていますね。

    ルージュ

  20. ええと激しいドックファイトの最中ですが、元に戻りますと、
    日本で、WW2の前後で1万トン以上の軍艦は、全てが呉工廠、
    横須賀工廠、神戸川崎、三菱長崎の4ヶ所で建造されています。
    どのくらいデカイ船同時に作れるか調べてみると、1920年代
    に88艦隊の戦艦建造時に、加賀型戦艦と天城型戦艦の6隻が
    ほぼ同時に、起工されています。また1930年代後半ですと
    ご存知大和型戦艦、翔鶴型空母、隼鷹型空母のやはり6隻
    がドック上にありました。6隻が限界かどうかはよく分か
    らないんですが、あまり一辺に同時に空母のような大型艦が
    作れなかったことは事実です。(アメリカは88艦隊に対抗して
    コロラド型が進水してから、一辺に12隻戦艦を起工してます。)
    また、起工から進水までの時間は、蒼竜、雲竜型は約1年間
    ですが、翔鶴型は、約1年半かかってます。つまりドックを
    あけるという意味においてかなり差があったのではないで
    しょうか。また飛行甲板の広さ、速力を考えると、「艦隊空母」
    としての新型機の対応が出来、搭載機数を考えると、最低限
    の妥協だったのだと想像します。

    参考図書 CONWAY'S ALL THE FIGHTING SHIPS 1905-1921
    CONWAY'S ALL THE FIGHTING SHIPS 1922-1946

    う・・・・想像でもの書いてるから、酒の切れたBUNさんが
    怒るに違いない。
    バウアー中尉

  21. ↑射撃盤が不調のようですね。

    >BUNさんにはミッドウェーの大型空母赤城の飛行隊がなぜ中型空母飛龍・蒼龍と同じ18+18+18なのか解釈を聞かせてもらえれば嬉しいですね。

    クライストさんは搭載定数のことを言っているのではなく、飛行隊の常用機数を述べているのだと思います。母艦に限らず、飛行機隊の機数の単位は機種により異なりますが18機を単位として一隊だからです。例えば戦闘機27機であれば、部隊としての編制単位は別として「一隊半」という数字になり、そう表現されます。僚艦加賀は艦攻が「飛龍よりも多い」27機となっています。

    またミッドウェー当時の赤城の搭載能力は補用機と零戦搭載余力を含めて68機です。飛龍よりも多いのはおわかりでしょう。しかし、開戦時の搭載機数でもこの十七年四月に算定された搭載機数にしても、赤城は甲板上に露天繋止機を9機から8機出しており、格納庫への収容の限界まで搭載していたと見るべきでしょう。機数を減らしていた訳ではありません。その後の零戦、流星の組合せでの搭載数でも赤城と飛龍、蒼龍では60機、48機と大きく差が出ています。この場合も両者とも甲板上に搭載機を露天繋止しての搭載数です。この時には雲龍の搭載機数も算出されていますが、同じ飛龍型で合計48機は変わらないものの流星の補用機を廃止して常用の艦攻数を増大させています。

    tacさんのおっしゃる通り母艦の搭載機数を予算上の都合で水増しした例は大鳳の予算獲得時に代表的なものが見られますが、航空本部が母艦搭載数を検討した際には、現場の艦長から各艦の現状で搭載可能な機数の報告を受け、その数字を基礎に艦の改装、機種の変更、格納方法の改善等で搭載機数を算出しています。「予算獲得の都合上でいくらでも言える」とおっしゃいますが、予算対策の書類と、実戦に直結する事柄を検討、決定する書類とはその様式、関係部署、内容、時期ともに大きく異なり、判別は容易です。ですから算出された数字には実現の可能性はともかくとしてそれなりの根拠のある数字と見なすべきでしょう。

    基本的にこういうことは、

    1.とにかくよく調べる。
    2.頭の中だけで自分一人の理論をつくらない。
    3.常識、通説を鵜呑みにしない。

    この三点が肝要だと思います。

    BUN

  22. ↑20 追記。アメリカは1920年代末以降、海軍軍縮条約及び世界恐慌のあおりを食って造船所の
    統廃合が行われており、1940年夏の段階で30000トン以上の大型艦が造れるドック・船台数は10に
    減少しています。このため「二大洋艦隊」整備法成立後、海軍工廠及び造船所に造船能力拡大の
    命令が出ており、1940中期-42年頃までに30000トン以上の大型艦が建造できるドック・船台が
    10増加した結果エセックス級の大量建造が可能となっています。
    大塚好古

  23. >また、二段格納庫にして重心を上げてしまう事に対する不信感があったと考えられます。

    書いていることが現実とかけ離れています。大鳳は翔鶴型と同様格納庫は2段です。
    あと「強度甲板」の意味も分かっておられないようです。強度甲板は水平装甲とは関係ありません。
    その他にも指摘しなければならない過ちがありますが御自分で見直してください。

    あとミッドウェーの赤城搭載機ですが18+18+18とは空母側からみた搭載可能数ではなく
    搭乗員が用意され、搭乗することにより可動となる飛行隊から見た機数をさしています。
    しかし赤城は大型空母なのですから加賀と同じ18+18+27が適当な数とみるべきで
    かつ6空零戦搭載機数が6機と蒼龍・飛龍の3機より多いのですが
    蒼龍は2式艦偵察2機を搭載していますから
    ミッドウェー後、トラック島を経由してフィジーサモアの長期ロードに出撃した
    赤城がなぜ中型空母と同じ飛行隊の陣容で出撃したのかという疑問の回答にはなっておりません。
    そしてこの赤城が中型空母と同じ機数を運用したということが少なくとも昭和17年頃の
    空母搭載機は翔鶴型84(72+12)機以上(より多く)はいらないと思っていたのではという
    最初の私の記述につながるわけです。
    何しろ常用72機はライバル米空母ではレンジャー・ワスプの様なちょっと小型の正規空母でも
    無理矢理実現させていた数値なのです。
    実数はともかく日本大型空母のスペックとしては大鳳にも常用72機という数値があっても不思議ではありません。
    クライスト

  24. >23
    >強度甲板
    何なのか理解できているなら、大鳳の搭載機数の多寡も判断つくんじゃないんですか?

    >ミッドウェーで赤城がなぜ中型空母と同じ飛行隊の陣容で出撃したのかという疑問の回答
    だから戦史読もうよ。
    それからMI後の翔鶴飛行機隊の定数がMI時の赤城飛行機隊の定数に対して何の参考になるんですか?理解しかねますが。
    AL猫

  25. そもそものご質問に関する回答なんですが、工期の問題が最も大きかったの
    ではないかと考えます。
    「昭和造船史 第1巻」の記述によりますと、飛龍建造に要した工数は118万
    2041工数、翔鶴建造の所要工数は189万4778工数となっております。
    1隻でも多くの空母を1日も早く竣工させたいという当時の事情を慮ります
    と、飛龍型で計画したことは肯んぜられるのではないかと思います。

    さて、横道の方ですが。
    私は大鳳は翔鶴に飛行甲板装甲を施した結果、当然の帰結として生まれたも
    のであり、両者の形態の差は、「定説」によって十分に説明できるものだと
    考えています。
    似たような要求の下にさほど差のない技術を使って設計された2つの製品が良
    く似ていたところで、別に不思議はありません。
    アークロイヤルの飛行甲板に装甲を張ったらイラストリアスになり、翔鶴の
    飛行甲板に装甲を張ったら大鳳になった、というだけではないでしょうか。

    # 艦橋一体型煙突形状
    飛龍と大鳳の飛行甲板水線上高さはほぼ同じくらいですが、両者の幅は相当
    に異なります(飛行甲板中央部の幅で言えば、飛龍27.0mに対して大鳳では
    30.0m)。このため大鳳の舷側に湾曲煙突を装備した場合、飛龍より相当少な
    い傾斜角で煙突からの海水流入が発生し、遊動水影響による復元力喪失が生
    起します。飛龍ではなく翔鶴に対しても同様です。

    # エンクローズドバウ
    「軍艦基本計画資料」では航空母艦の艦首乾舷の値について、飛龍で8.740m、
    翔鶴が10m、大鳳が12.51mであったと述べられております。
    大鳳では翔鶴に比べて甲板を1層減じて船体深さを減らしている上、排水量
    の増大によって吃水は増加しておりますので、翔鶴と同様に艦首部分を設計
    したとしますと、まず間違いなく艦首乾舷が飛龍のそれよりも低くなります。
    これでは設計者がこの大きさの空母としては凌波性能が不足であると考えた
    としても全く当然のことで、エンクローズドバウの採用にも特に不思議はな
    いと考えます。
    大鳳より後にエンクローズドバウを採用した日本空母はありませんが、戦時
    の切羽詰まった時期に、船首を大幅に設計変更するなどという手間も暇もか
    かる作業を行う余裕が日本海軍にはなかったというのが原因でしょう。

    # 搭載機の減少
    飛行甲板に装甲を張ったので重心点上昇を恐れて甲板を1層減らしたため船
    体全体の甲板面積が減少して格納庫が狭くなった、ゆえに搭載機は減少した、
    というのは筋の通る説明であるかと思います。

    # エレベータの減少
    飛行甲板面積に占めるエレベータ面積を減少させれば、エレベータに被爆し
    て離着艦能力を喪失する危険性は間違いなく減少しますし、格納庫が狭くな
    っているのですから搭載機数を確保するためにエレベータを減少させた、と
    いうのも論理的な説明であると考えます。
    3基目の(なくてもどうにかなる)エレベータを装備するより、少しでも実
    質上の防御力を向上させ、搭載機を多く載せたいということで特に問題はな
    いかと思います。

    # 飛行甲板を強度甲板としたこと
    長さ150m、幅20m、厚さ75mmの鋼板の重量は2000トン近くに達する筈ですが、
    これを支持するための構造は「飛行甲板の甲鉄を支持するためその梁及びガ
    ーダの深さを700mmとし...」(「昭和造船史」)という重厚なものでした。
    これだけの重構造があるのですから、これが船体強度を負担するように設計
    するのはしごく合理的なことかと思います。飛行甲板は中立軸から遠くにあ
    りますから、飛行甲板を強度甲板とすることでより効果的に船体縦強度を確
    保し得ますのでなおさらです。

    ちなみに飛龍と大鳳の飛行甲板高さはほぼ同じですが、「軍艦基本計画資料」
    によりますと飛龍の中部乾舷は7.960m、大鳳のそれは12.51mとなっています。
    これは恐らく、乾舷の定義が「吃水線から最上強度甲板舷側線までの高さ」
    であったことに由来するかと思います。
    ふりげいと

  26. クライストさん、赤城と加賀は姉妹艦ではありません。格納庫は両者で異なるのです。赤城はミッドウェー出撃時の零戦増載分を抜いて考えても、露天搭載機が出るのです。わかりますか?赤城の搭載能力は加賀より小さいんです。そして加賀は同時期に赤城より搭載機数が多いのですからクライストさんの説が言う所の「デファクトスタンダード」なるものが存在しなかったことの証明となります。

    それから翔鶴の搭載定数84機という数字はどこから持ってきているのでしょう?
    ちなみに十七年四月の時点での翔鶴型の搭載予定数は補用機含め75機です。84機は開戦前の数字ですね。十七年度に搭載機数が減少している理由は、翔鶴では補用機全機を分解格納せず、完成状態で搭載するように改めたからです。他に理由はありません。それは好んで減少させた訳ではなく、即時使用可能な機数を増大させ実質的戦力を向上する為です。そしてこの搭載機を減少させた状態でも翔鶴型は甲板に12機の露天搭載を予定しているのです。
    これは日本の全空母に言えることで、赤城もまた同様に分解格納機を減らしています。
    日本の空母が「積める限りの搭載機を積んでいた」ことが御理解戴けましたか?
    18機、18機、18機のデファクトスタンダード等、頭の中にしか存在しません。
    そのように見える数字はやっと達成されていた数字に他ならないのです。

    繰り返すようですが、頭の中だけで理論を作り上げては事実を見誤ると思います。
    BUN

  27. >それからMI後の翔鶴飛行機隊の定数がMI時の赤城飛行機隊の定数に対して何の参考になるんですか?理解しかねますが。

    事実誤認をしているから理解できないのです。
    翔鶴飛行隊の定数が72機分なのはMI後だけではありません。真珠湾攻撃時もそうです。
    真珠湾攻撃時には加賀も18+27+27機の72機搭載していました。
    ところが同じ大型空母である赤城は加賀よりも改装時期が遅いにもかかわらず既に改装時点で
    常用66機、真珠湾では18+18+27機であり
    その後のインド洋、ミッドウェー作戦も併せて艦載可能な最大数を搭載しているわけではありません。
    それがおかしいということではなく「日本海軍は空母1隻当たり(常用)72機以上の搭載にはこだわっていませんね。日本海軍は翔鶴型の搭載機数を持った空母よりは(改)大鳳型と
    飛龍型を選択しましたね」という話なのです。

    >25
    >飛龍より相当少ない傾斜角で煙突からの海水流入が発生し

    飛龍と大鳳の飛行甲板高さがほとんど同じなのは航空機発艦作業の安全上
    「クリアランスを12メートル以上取る」という設計ルールがあるからです。
    (その下限付近に両艦の飛行甲板はあるのでしょう)
    大鳳が飛龍と同じ傾斜角になるには被雷時の浸水量は飛龍より大きくなければなりません。
    また荒天下だと思いますが動揺時でも大鳳の方が大型艦なのですから傾斜角は同じ条件下では
    少なくなります。大鳳設計時に算出されたその様な資料をお持ちですか?

    >エンクローズドバウの採用にも特に不思議はない

    別に不思議とか変といっているわけではありません。翔鶴型よりイラストリアス級に似ていますね
    影響をうけましたねといっているのです。

    >甲板を1層減らしたため船体全体の甲板面積が減少して格納庫が狭くなった

    格納庫内搭載機減少はおかしいと言っているわけではありません。
    格納庫が狭くなっても装甲空母が造りたかったのですねイラストリアス級に似ていますね
    と言っているのです。

    >3基目の(なくてもどうにかなる)エレベータを装備するより、少しでも実
    質上の防御力を向上させ

    3基エレベーターがあると格納庫と飛行甲板間の連絡作業は向上します。
    実際エセックス級は2機が同時に乗る大きさのリフトを要求してあの大きさになったそうですから
    イギリスのアークロイアルであのような狭いエレベーターを3基装備し、
    さらにイラストリアス級で2基に減じた発想の連続性に比べ
    翔鶴型であのような大きな前部エレベータを採用したのに
    大鳳ではなるべく小さいエレベータを2基採用した。
    イラストリアス級の影響を全く受けないオリジナルアイデアと主張されるならすばらしい発想の転換ですね。

    >乾舷の定義が

    そうですね私の「乾舷」の使い方は所々間違っています。飛行甲板と読み替えるべき所は変更お願いします。

    私は日本の空母の中では大鳳が一番好きだとは申し添えておきましょう。


    クライスト

  28. 26>
    真珠湾攻撃時、
    赤城は18+18+27
    加賀は18+27+27を攻撃に使用していますから
    開戦時点であの北太平洋航行中(荒天下)露天繋止があったということでしょうか?
    それとも常用機だがこの時に限って分解格納していたということでしょうか?
    これは反論というわけではなく事実を確認しております。

    ところで>3を読み直して欲しいのですが
    私は翔鶴型の軍令部要求84機(そして実際に真珠湾でも使用した常用機としての72機)を
    後の日本海軍が大鳳設計時、戦時量産時、取捨選択して切り捨てた方の数値としてあげているのであって
    日本の大型空母は常用72機であるべきだといっているわけではありません。
    そして>27にも書いたように赤城は改装が加賀よりも遅いのに66機と常用機が減少しているのは
    日本海軍は大型空母の搭載機数を
    84(常用72)機以上にするより防御力向上、もしくは量産性を選択した
    という私の主張を裏づけるものでしかありません。


    クライスト

  29. >日本海軍は空母1隻当たり(常用)72機以上の搭載にはこだわっていませんね。日本海軍は翔鶴型の搭載機数を持った空母よりは(改)大鳳型と
    飛龍型を選択しましたね」という話なのです。

    大いにこだわっています。何の為にRATOを開発し、甲板延長を検討し、同時発進機数と増大させ露天搭載機数の増大を検討しているのでしょう?
    また飛龍型は艦型に比較して搭載能力が大きい為に選定されてるのです。
    現実から乖離した仮説です。


    BUN

  30. >29
    こだわっていたとして実際に実現していないからしょうがない。
    アメリカの空母はヨークタウン級>エセックス級>ミッドウェー級と
    搭載機は確実に増えております。
    日本では翔鶴型の常用搭載機数がどの時期に何機であれ
    大鳳でも改大鳳型でも巨大戦艦改造空母でもカタログスペックでさえ
    「翔鶴型に比して搭載機増大」という日本海軍の主張、記述はないのだから
    (大鳳の予算請求時大蔵省への説明だけですね96+30なんてものは
    それでも当然搭載機数の減少する装甲空母を選択し建造したのだから)
    「日本大型空母も前級より搭載機数増加を行なっている」などは個人の頭の中の思い込みですね。
    「努力はした」との説をおたてになるならには肯定も否定もしません。

    どうもBUNさんは
    >クライストさん、赤城と加賀は姉妹艦ではありません。
    等話をそらすのが御得意なようだ。赤城と加賀が姉妹艦なんてことは
    私は一回も主張したことはありません。
    加賀が元戦艦、赤城が元巡洋戦艦であることは日本空母を知る者には常識で、
    最高速度、改装時期を知るものならそれだけで誰も同型艦などと主張しません。

    再三繰り返しますが
    大型空母の赤城が中型空母の飛龍もしくは蒼龍とインド洋作戦から運用機数ほぼ同じなのはどうしてなのかな?
    日本海軍は運用面でも18機と27機程度の機数差にこだわっていないからでしょうねと言っているだけです。

    >RATOを開発し、甲板延長を検討し、同時発進機数と増大させ露天搭載機数の増大を検討

    これは艦上機大型化による搭載もしくは運用機数の減少を食い止めるためでしょうが
    別にBUNさんが何を主張しようと私は否定するつもりはありません。
    クライスト

  31. >27
    私は翔鶴に飛行甲板装甲を施した当然の帰結として大鳳がある、つまり翔鶴と
    大鳳は連続するものである、と主張しております。その過程で他国空母の影響
    を受けなかった、と主張しているのではありません。

    # 艦橋一体型煙突形状
    >大鳳が飛龍と同じ傾斜角になるには被雷時の浸水量は飛龍より大きくなけ
    >ればなりません。

    当たり前です。
    浸水が船体中央部の船体外板附近に留まるとして手元で試算してみたところ
    では、飛龍を1度傾斜させる浸水量57.6トンに対して大鳳のそれは98.0トン
    で、公試排水量の比率とそれほど変らぬ比率でした。
    設計時に問題になったのは浸水量ではなく、傾斜角度です。
    7割大きい船体には7割大きい浸水があっても大丈夫なように設計するのが
    常道であると、私は考えております。

    >大鳳設計時に算出されたその様な資料をお持ちですか?

    勿論持っておりません。
    お持ちでしたら是非とも内容についてご教示願いたくお願い申し上げます。

    # エンクローズドバウの採用
    >翔鶴型よりイラストリアス級に似ていますね影響をうけましたねといって
    >いるのです。

    翔鶴の飛行甲板に装甲を張ったら当然導き出される解のうちの一つの解の特
    徴として、エンクローズドバウの採用は挙げ得るものであり、大鳳は結果と
    してイラストリアスと類似したのではないかと申し上げております。
    申し上げるのも何ですが、レキシントンやアークロイヤルもエンクローズド
    バウを採用していた記憶があります。

    # 搭載機の減少
    >格納庫が狭くなっても装甲空母が造りたかったのですねイラストリアス級
    >に似ていますねと言っているのです

    大鳳で搭載機が減少したのも飛行甲板装甲を張った以上は当然の帰結で、
    翔鶴と大鳳は連続したものであると申し上げております。

    >イギリスのアークロイアルであのような狭いエレベーターを3基装備し、
    >さらにイラストリアス級で2基に減じた発想の連続性に比べ
    >翔鶴型であのような大きな前部エレベータを採用したのに
    >大鳳ではなるべく小さいエレベータを2基採用した。

    飛行甲板に装甲を張ったらエレベータの基数を減らし、サイズも小さくした
    くなるのは当然の論理と思います。
    ミッドウェイのように大型化するなら、そのようなことをせずとも済むので
    しょうが。

    >イラストリアス級の影響を全く受けないオリジナルアイデアと主張される
    >ならすばらしい発想の転換ですね。

    オリジナルアイデアとは主張しておりません。
    翔鶴の飛行甲板に装甲を張って拡大改良したら大鳳になった、と申し上げて
    おります。
    ときに、状況証拠のみによる事物の判定とは、実に論理的な手法であるやに
    思います。

    ふりげいと

  32. >27
    >飛行機隊
    空母は器です。飛行機隊の人員、機材と別に考えることは出来ませんか?
    そして日本は空母だけで戦争をしているのではないのです。

    >中型空母採用
    マル急と改マル5で改大鳳と中型空母を選択した理由でしたら、最早問うべくもありません。
    マル急、改マル5計画の性格と期間によって説明がつきます。
    特に改大鳳型の要求については改マル5の決定経緯を顧みるに特に不思議ではありません。
    1隻当たりの搭載機数減少については、平時になったら抜本的改革を試みるのではないでしょうか。
    こうなると搭載機数の問題だけではなくなり、造船技術、造修施設、港湾の問題も大きく関わって来るでしょう。

    >大鳳とイラストリアス
    両者が類似しているという点について私もふりげいとさんも異論は挟んでおりません。
    私はイラストリアス級の影響があったという点について、それはどうかと申し上げております。
    飛行甲板を強度甲板にしエンクローズドバウを用いるデザインは既にアークロイヤルで実施されており竣工後の実績も十分です。
    大鳳の設計に当たってそれを参考にしたことは想像に難くありません。
    大鳳を設計する上でイラストリアスを参考にしなければならない理由は見当たらないのではないですか。

    >リフト
    防御的見地より減載されております。
    またリフト上も装甲化されておりますのでリフトに対する性能を考慮すると、リフトの面積を必要以上に大きくできないのは納得できます。
    装甲張っていなくても重いのですが。100t以上もありますから。

    >「クリアランスを12メートル以上取る」という設計ルールがあるからです。
    飛行甲板が12メートル付近にあったことに対しふりげいとさんの文章は疑問を挟んでおりません。

    >大鳳が飛龍と同じ傾斜角になるには
    ふりげいとさんの文章では飛龍より少ない傾斜角で浸水すると述べられておりますので、同じ傾斜角になってからでは手遅れではありませんか。

    蛇足ですが、ピンポイント爆撃の件でレスリー少佐がこんな言葉を残しています。
    「高速で走る艦艇に命中弾を与えることは、目の高さからおびえて動かなくなったねずみにはじき石を当てようとするようなものだ」
    AL猫

  33. >28
     ハワイ作戦時ですが、残された写真からは我が空母でも露天搭載が確認できますね。あの「荒天時」でも実施していたのですから、何処でも実施していたのでしょうか。
    tackow

  34. >大型空母の赤城が中型空母の飛龍もしくは蒼龍とインド洋作戦から運用機数ほぼ同じなのはどうしてなのかな?
    日本海軍は運用面でも18機と27機程度の機数差にこだわっていないからでしょうねと言っているだけです。

    クライストさんの目にはどう映っているかはもはや想像し難い所ですが、私は常用機数を減少させた赤城が決してその搭載能力に余裕を持っていた訳では無いと申上げています。当時の航空本部は攻撃隊半隊の増減を無視するような状況にはありません。むしろ、たとえ1/3隊であっても増加させるべく努力しているのが実状です。これは残された各種文書で確認できることです。搭載機数が少ないとおっしゃる飛龍型の評価は逆に小さい艦型でありながら大型空母に準じた搭載能力を持つことにあるのです。
    しかし補用機の分解格納が廃止傾向にあったことや、日本空母の搭載機は露天搭載によって達成されていた事をまるで知らずに搭載機数を論じているか、あるいは無視されるのでしたら論ずるまでもありません。
    見たことが無いのはクライストさんの調べられた範囲にそれが無いだけのことであって、世の中に存在しないということでは無いのですよ。「実現しなかったからしょうがない」のでしたら理由や背景を説明しても「しょうがない」です。
    BUN

  35. 福井静夫著作集「日本空母物語」中に、1938.9.24時点における大鳳原案が掲載されています。

    これを見ると、この段階ですでに装甲空母化は決定していたようで、
    それに伴いエレベータ2基、直立煙突などもすでにこの段階で盛り込まれています。
    本案作成時点では、イラストリアスは起工後1年程度で、
    まだ海のものとも山のものともわからない段階でしょう。
    ですから、本案作成時点で設計に盛り込まれていたことについては、
    日本独自の着想によるものと考えてよいと思います。

    しかし、エンクローズド・バウに関しては原案では考慮されておらず、
    これに関する限り、英空母の影響は間違いないと思います。
    それでなくともイギリスという国は日本海軍にとって師であり親でありますから、
    同盟関係になくともその動向は注視されていたでしょう。
    大鳳の起工は、イラストリアス竣工からかなり後のことでもあり、
    伝わってくる情報は可能な限り参考にされたものとは思います。



    しかしそういうこと云々を抜きにして、
    皆さんヒートアップし過ぎです。
    なんか互いが互いの火に油を注ぎまくっているようです。
    特にクライストさん、名指しで失礼しますがあなたの文章は読んでてかなりトゲが感じられます。
    あなただって別に他の方を怒らせようという意図はないのでしょう?
    もう少し抑えて頂けると幸いです。

    後、改装後の赤城が加賀より常用機数が減少しているのは、
    赤城と加賀で搭載機数算定に用いられた機種が異なるのも影響しているでしょう。
    赤城の機数算定に用いられた機体は加賀のときのそれより1世代新しいんですよ。
    勝井

  36. 勝井山・・・・違う。
    一緒の機種で算定しても加賀の方が搭載機数は多くなるんですよ。
    母艦の搭載機数というものは竣工時に決定されるのではなく、年度毎、または必要に応じて見直しがあるんです。艦船関係の書籍に書かれている機数はある時点での搭載機数を参考程度に書き記しているに過ぎません。
    BUN

  37. >見たことが無いのはクライストさんの調べられた範囲にそれが無いだけのことであって、世の中に存在しないということでは無いのですよ。

    ええBUNさんのおっしゃる通りです。素人が「見たことが無い」と言っても笑止なことで
    「それは研究が足りないからだろう」というだけのことです。
    ただBUNさんは大鳳は翔鶴型より水平爆撃に対する防御力が高いとかおっしゃっているのに
    証拠を示されず、ミッドウェーで赤城と蒼龍飛龍は運用搭載機がほぼ同じことに対する
    納得する回答をしておられない。(「戦史読もうよ」ではだめでしょう)
    反対に私が言及してもいないこと
    即ち赤城と加賀は同型艦ではないとか
    飛龍は流星等を搭載したら48機になるとか新規事項をおっしゃるばかりで問題の核心に答えず
    自己中心的な理論は危険だとか一般論を述べておられるので
    困っております。
    航本か艦本かにかかわらず、翔鶴型より搭載機が多いと言う実例(空母)を示した資料を
    BUNさんが開示しない限り、巷間の通俗本で述べられている「翔鶴型の搭載機は84機」や
    「赤城の搭載機は91機」等のBUNさんから御覧になったら噴飯ものの数値と同様
    消えることはないでしょう。
    本当に「甲板延長」が大型空母の(翔鶴以上の)搭載機増大のために検討されたのですか?

    一応記述しておきますが私は露天繋止には否定的な意見を持つものではありませんし
    今までの議論の中で露天繋止機を常用機と呼ぶなという主張したものではありません。
    しかしS17年の時点で大型空母赤城が最大努力をして中型空母と同様な搭載数(露天繋止を含めようと含めまいと)しか実現できないなら
    「設計(改装)上の欠陥がある」とはここで新たにですが指摘せざるを得ません。
    「露天繋止していたのを知らなかった人は話にならない」と言い出すのははBUNさん御得意の「話のはぐらかし」ということでしょう。
    わたしは最初から「翔鶴型の搭載機数以上は必要ないと判断していたから翔鶴型の量産はしなかったのでは」
    といっているわけです。
    これは改丸5で5隻予定していた大型空母量産対象型式が翔鶴型ではなく(機数の少ない)改大鳳型だったということにもつながります。
    そして高性能な艦上機流星と零戦ペアと言えども飛龍型が48機しか積めないというなら
    それはボルチモア級重巡改造空母「サイパン」と同様な搭載機スペックしかなく
    戦時急造計画といえども何らかの搭載機増大を図らなければその点だけで対米対抗計画は破綻していますね。艦型に比して搭載量が大きいというのは井戸の中の独り言です。
    日本海軍は4万5千トン級ミッドウェー相当を建造可能な技術・設備を持っていたのですから
    予算等の問題があるとは言え、皆が認識しているデメリットを甘受し、なぜ大鳳のようなコンパクト重空母を造るのか理解に苦しみます。(しかし予算は搭載機96+30で取っているんだよね)
    川崎重工神戸造船所対応というわけでもありますまい。
    しかしまあどうしてすぐ「主語が飛龍型」の話に持って行きたがるのか、私は大型空母の比較対照として飛龍型を挙げているだけです。工夫しても飛龍型の搭載機数が翔鶴型の搭載機数を越えることはないでしょうに。
    原質問者の方もエセックス級に対抗する航空機運搬艦として翔鶴型を造らなかったのかと質問されているんでしょうに。

    大鳳はイラストリアスのコピーとは私は申しておりません。
    コピーということは複製であり創作者は違うが製造物が同一と言うことになります。
    改イラストリアス級とはニュアンスが違うことは用語の使用に厳しい諸氏にはお分かりいただける筈なのですが。そのような意訳をなさるのならこの論争は一向に解決しません。

    まあ大鳳とイラストリアス級が類似しているということは皆さんとの共通見解ですので
    いまさら大鳳がイラストリアス級2.5番艦であるとか7番艦とか(コピーと)
    申し上げる気は毛頭ありません。
    特許侵害訴訟でもありませんし当時最先の公知技術・自由技術を取り入れ
    日本独自の工夫と改良を加えて最新鋭空母大鳳は建造されたでよろしいかと。

    >33.
    1941年11月26日にエンジンカバーをつけた瑞鶴艦上の零戦と言う写真がありますね。
    しかし瑞鶴常用機でさえこれなのだから(赤城もがんばって68機だそうだし)
    何をどうやってこれ以上、大型空母常用機が増やせるんだか・・
    クライスト

  38. >37
    用語の使い方が出てきたのでちょっと

    改イラストリアス級と言うからには
    イラストリアスを改造改良改善した準同型、略同型に相当するものだと思います
    蒼龍と飛龍、扶桑と伊勢ぐらいの関係
    分類の仕方によっては同型にされてもおかしくないような関係
    それが「改○○級」の言葉になるかと思います

    イラストリアスと大鳳の場合は
    影響の有無はともかく「改」を付けるほどに近縁とは思いがたいのでは?

    ましてや、イラストリアスの完成後に建造計画が始まったわけでもなければ
    そしてイラストリアスの何処かを改善したわけでもないのに「改」にはなりえないでしょう

    影響で言うなら、アークロイヤルを含む条約後期以降の英国空母の影響は多分にあると思いますが
    SUDO

  39. 質問への回答です。

     最高性能の翔鶴クラスを量産出来ればそれがベストですが,
    戦争が既に始まっている(あるいは今にも始まりそうな)場合,
    最小限度の性能で最大多数をそろえるのが一番全体の戦力を上げられます。

     その,艦隊戦力として計算できる最小限度のサイズが
    雲龍だったのではないでしょうか?
    ”&”

  40. >戦時急造計画といえども何らかの搭載機増大を図らなければその点だけで対米対抗計画は破綻していますね。
    >艦型に比して搭載量が大きいというのは井戸の中の独り言です。
    >日本海軍は4万5千トン級ミッドウェー相当を建造可能な技術・設備を持っていたのですから

    搭載数の増大は雲龍後期建造艦では計画しているとBUNさんが既に述べておりますね
    ふりげいとさんが#25述べたように翔鶴と飛龍で数割の工数差があるなら
    雲龍型の建造は、その図体と工数の割に搭載力の大きい魅力的な選択だったでしょう
    もちろん、クライストさんが仰るように、井戸の中の蛙状態と言えるとは思いますが
    米国がどうだったというのは、米国の都合であり事情です
    つまるところ
    最終的に、戦場に投入できる空母搭載機の数量が最大になる組み合わせが望ましいのであり
    それが果たせるなら、大型空母少数だろうが小型空母多数だろうが、どうでも良いのでは?

    飛龍と翔鶴では、工数が1.6倍で、必要な資材量も同様ですね
    言い換えるなら、翔鶴型が飛龍の1.6倍以上の搭載能力を持つのか
    もし、それが果たせないなら、建造時間の有利も含めて翔鶴量産は飛龍量産よりも不利であり
    それが飛龍の量産という選択肢に繋がったと判断できませんか?

    また当時の日本が45000トン空母を設計して建造する事は技術的には可能でしょう
    そしてその完成は何時になりますか?
    つまり、戦時計画では成立しないでしょう
    確かに大鳳の時にそういった方向性の空母というのもアリですが
    英国がそうだったように、被弾に対する虚弱性もまた無視できない要素ですし
    それでも既存の翔鶴と同レベルの搭載数を確保しようとしていたことから
    搭載数を捨てて防御を得たというよりは
    搭載数を維持した上で防御をするという、戦力としての価値を一段上に持ち込もうという思想と発想が根底にあったと思います
    イラストリアスは搭載機を減らして防御をしたので差し引きゼロ
    米大型空母は搭載数は増えたけど防御は変わらずでプラス
    大鳳は米空母とは違った方法論、方向性でプラスを得ようとした存在だったのではないでしょうか

    まあ、その観点で言うなら、確かに搭載数の増大への努力は米国ほどでは無かったでしょうね
    SUDO

  41. >本当に「甲板延長」が大型空母の(翔鶴以上の)搭載機増大のために検討されたのですか?

    そうです。「飛行甲板延長に依る発艦機数増大状況調」等の検討記録が存在します。ですから「翔鶴型の搭載機数以上は必要ないと判断していたから翔鶴型の量産はしなかったのでは」との推測は誤りです。搭載数に具体的な上限値等を設定していたと見られる根拠はありません。

    >S17年の時点で大型空母赤城が最大努力をして中型空母と同様な搭載数(露天繋止を含めようと含めまいと)しか実現できないなら「設計(改装)上の欠陥がある」とはここで新たにですが指摘せざるを得ません。

    赤城の設計上の欠陥の有る無しは別の所で御発表願います。赤城の搭載能力については納得いただけたのでしょうと推測します。

    >「露天繋止していたのを知らなかった人は話にならない」と言い出すのははBUNさん御得意の「話のはぐらかし」ということでしょう。

    事実、この点を無視して「余裕があるのに搭載を諦めていた」「18機と27機の差など気にならない」と主張されていましたが、そこもまた納得されたのでしょう。私は話をはぐらかしてはいません。余裕が無いと知ったら今度は「設計の欠陥」扱いですか?

    日本が何故ミッドウェーのような大型空母を建造しなかったのは搭載数云々よりも別の事情と方針があってのことですが、ここでは設計の良否の印象論を語っているのではありませんから、個別の艦型についての議論で十分だと思います。しかし「井の中の蛙」どころか、雲龍以下の空母でさえ軍備計画全体から見ると、決して全力で整備されていた訳では無かった、と言えばまた「はぐらかし」扱いされるのでしょうか。

    それから市販資料中の数字は別に「噴飯物」ではありません。それぞれに出典が明記されていなくとも、どこかの時点の何かの数字であることは恐らく事実なのです。参考にする分には十分でしょう。「噴飯物」なのは資料ではなく、その数字を金科玉条視して組み立てた架空の命題です。

    BUN

  42. 大鳳計画時点で、既に250kg爆弾の急降下攻撃が可能(99式艦爆を試作していますから)という認識でしょう。さらに竣工までの年月を考えると、より強力な攻撃を受ける可能性は考慮せねばならず、そのような戦場で戦闘力を発揮し続けられる空母として、装甲空母が必要だという結論に到達するのは実に自然かと思います。
    その上で、工期その他を加味した結果、サイズに関して妥協したと考えられないでしょうか。
    大鳳型は翔鶴型を気持ち一回り大きくしたサイズですから、もし翔鶴型と同等の搭載機数を持つ装甲空母を作るとしたら、格納庫のサイズをさらに大きくせねばならず、艦型が増大することは必死です(格納庫段数を増やすことはトップヘビーになるので駄目でしょう)。
    ほぼ確実に四万トンを超える排水量、全長が大和型を超えるだろう大型空母。はたしてそれほどの艦を建造できるドックが間に合っていたのでしょうか?
    ドックが足りないならば、なるべく早く建造してドックを空け、回転率でかせぐしかないでしょう。となると、こんなでかい空母は贅沢過ぎるのでは……

    tac

  43. >赤城の搭載能力については納得いただけたのでしょうと推測します。

    いえいえ
    ミッドウェーで限りなく同数とBUNさんが主張されていた最大搭載能力が
    赤城への流星+零戦搭載能力試算が60機、飛龍で同48機と離れるので
    (私にとっては大型空母のレゾンデートルが説明できて嬉しいが)
    何をBUNさんが隠しておられるのであろう
    何が嘘なのだろうと推測を重ねている次第です。
    その中で補用機を含め、赤城68機なら少な過ぎるなといまだ思っております。
    本当に赤城68>60、飛龍65>48なんですか?
    全ては嘘ではないと思っておりますが
    大鳳予算大蔵説明時(96+30)以外に日本海軍が掲げた
    「計画中か設計中の空母の最大搭載数が84機を越える」具体的な数値を挙げていただければ
    BUNさんの主張ももう少し信じられるのですが・・・

    実際、赤城は真珠湾から帰投後、インド洋までに艦攻隊の編成が27機から18機に減少しておりますが真珠湾では一人機上戦死しただけです。97艦攻の生産が追いつかなかったから損傷機の補充がつかず、航空本部が重視していた攻撃隊半隊9ペアが泣く泣くおりたということですかね?

    >飛行甲板延長に依る発艦機数増大状況調」等の検討記録が存在します

    したからといって実際、改丸五の大型空母5隻を翔鶴型ではなく改大鳳型として造艦することにしたのですから当然後者5隻は前者5隻より搭載機は減少します。
    日本海軍軍人といえども他人の思考・仮説を制限するような頭の固い人間ばかりではないので
    飛行甲板を延長するだけで発艦機数が増大できるのではないか、戦力アップにつながるのではないか
    と考え、研究し報告書をまとめる、まとめさせる人間と組織があったということでしょう。
    しかしBUNさん。
    私が最初に書いた84機とか72機というのは絶対に発艦機数増大の話ではありませんよ。搭載機数の話ですよ。
    やっぱり何か間違えておられます。わざとですか?次の内容次第では「いいかげんにしろよ」ときつく言わせていただきますのでそのつもりで。
    クライスト

  44. 嘘、嘘と重ねておっしゃるのであれば、ご自由に嘘と御信じください。
    新機種での搭載数の差については、自身で推論なさい。
    少しは自分で頭を使いなさいな。

    BUN

  45.  なんつうか、訳が分からない状態ですが(笑)つまり、、

    1、大鳳型は翔鶴型に比べて甲板を一段減じた→結果、搭載可能な機数が減少した。
     クライストさん:搭載機数を減じたのは造兵側の問題もあったのだけれども。用兵側も「実戦においては、(諸般の事情により)翔鶴型以上の機数は必要としなかったと考えていた」、従って、翔鶴型よりも少ない搭載機数でも問題視されなかった。
     に対して、BUNさんは
     運用側では搭載機数の減少を甘受していた訳ではなく、昭和17年の時点でも大鳳型の搭載機数として84機という数字が残されている。
     
    2、飛龍型(飛龍改型)の建造計画
     クライストさん: 大型空母で同じ数をそろえられないから中型空母で数をそろえた。
     これは、「適当な船型が無かった」、「工程数が少ない」「必要資材が少ない」割に搭載機数が多い→「コストパフォーマンスに優れる」等々の要因を認識している上での回答だと思うのですが。であれば、他の皆さんとの見解の相違は見あたりませんよね。
     しかしながら「翔鶴型の搭載機数以上は必要ないと判断していたから翔鶴型の量産はしなかったのでは」と仰っているのはどうにも矛盾を感じてしまいます。
     筆が滑ったのだと思いますが。

    3、「改」イラストリアス級
     クライストさん:「大鳳型はその設計思想が今までの日本空母とは乖離しており
    アークロイアルから発展したイラストリアス級のような
    翔鶴型から当然に導き出される発想の連続性が見られないとは
    改めて主張させて戴きます。
    その意味で改イラストリアス級と記述しましたが
    日本海軍がイラストリアス級の設計図を入手してはいなかったことは容易に想像できます。」

     これは、言葉が一人歩きしている印象があります。
     つまり、クライストさんは「大鳳」が(色々な意味で)「イラストリアス」のようなもの、として「改イラストリアス級」という呼称を用いたのではないかと推測するのですが。であればロシアの空母「アドミラル・クズネツォフ」なども「改フォレスタル級」となるのでしょうか?
     SUDOさんが指摘しているように、言葉の使い方の問題と思うのですが・・・

    4、母艦搭載機数の変遷
     インド洋作戦時やミッドウェイ時での搭載機数ですが、ハワイ作戦時にはかき集めた搭載機の数からしても相当に無理をしていた数字であることに留意する必要もあるかと思います。
     クライストさんは、「大型空母の赤城が中型空母の飛龍もしくは蒼龍とインド洋作戦から運用機数ほぼ同じなのはどうしてなのかな?日本海軍は運用面でも18機と27機程度の機数差にこだわっていないからでしょうねと言っているだけです。」と述べておりますが。AL猫さんが述べておるように、機材、搭乗員等の問題が大きかったのではありませんか?
     珊瑚海海戦での翔鶴・瑞鶴の搭載機数は60〜65機程度であるのですが、(御存知かもしれませんが)同時に出撃した祥鳳は機材の不足を補うために零戦に加えて九六艦戦も搭載していました(それでも同艦の搭載機数は18機にしか過ぎなかったのですが)。
     これなどは「搭載機数が少なくとも構わない」からではなくて「載せるべき機材、人員が不足していた為に」搭載機数が制限されていた、と考える方が自然だと考えます。事実、両艦共に後日の作戦ではもっと多くの機材を搭載していますよね。


     で、根本的な見解の相違点としては「大鳳型の搭載機数」だけですね。

     私としては、クライストさんの考えでここが判らないところなんですが。仮に、仮に大鳳の現計画時、有り余る軍資金とドックの余裕があってもなおかつ「日本海軍も今後は1隻の搭載機が84(72+12)機も要らないと判断していたから」翔鶴型よりも少ない搭載機数で忍んだとお考えでしょうか?
     あ、私の考えとしては、、空母においても個艦優越の思想があった以上、前記の妄想条件では大鳳型を拡大した艦型が採用され、翔鶴型あるいはそれ以上の搭載機数が確保された(しようとした)。と考えております。

     およそ何時の時代でも、兵器なんてものは用兵や造兵だけに留まらず様々な点で制限が加えられるのは必然でしょう。
    クライストさんの「日本海軍は大型空母の搭載機数を
    84(常用72)機以上にするより防御力向上、もしくは量産性を選択した
    という私の主張を裏づけるものでしかありません。」
     という見解はある意味で真なのでしょう。が、それでは用兵側が満足せず、搭載機数を幾ばくかでも増加させようとした、、結果、用兵側が実際に運用した結果をフィードバックしたのは当然ともいえますよね。
     それがBUNさんの言うところの「搭載機数自体、流布されている機種、機数だけでなく、数種の案が存在し、しかも、実際に搭載された機種、機数はまた異なるのです。その空母が何を何機搭載できる状態にあるかは、各艦長からの報告に基づいて検討されるものですから計画数字と言えども根拠の無いものとは言えません。とにかく数値としては色々あるのです。そこから読み取れる事実を読むべきだと思います。」と言うことでしょう。

     あとはクライストさんがBUNさんの参考にした見た史料を信じるかどうか、ということなのでしょうか?
     ま、私も一部ですけど「ちらっ」とは見たことがあるのですが、いずれBUNさんが発表してくれるのでは(笑)

     PS:飛行甲板延長による「搭載機数」の増加ですが「真実一路」にも書いてありますが「〜中でも翔鶴型は一回の発艦機数57機、合計104機の搭載が計算されており、その際は19機の甲板繋止が予定されています(根拠はよくわかりません)。〜」とあり、発着艦可能な機数だけではなく「搭載機数」の増加も効能としてある事が推察されますね。

     それと、「嘘」とか「隠している」とか言うのはいいですけど(って、良くはないわな)その「72機以上必要としていなかった」という説には今まで述べられた以外に根拠があるのでしょうか?
     クライストさんも、かなり強固に自説を唱えられているので「隠している」とも邪推してしまいますが・・・

     ま、此処は喧嘩する場所じゃなくて「研究の成果」を発表するサロンみたいな場所ですから、気楽にやりましょうや。
    tackow

  46. 確かに、日本海軍は大鳳に満足していたわけではないでしょう。
    次のD計画で建造予定だった3隻の空母は、
    5万トン級の超大型の装甲空母でした(1隻は中型に変更されましたが)。
    勝井

  47. >「戦史読もうよ」
    これは私の言葉ですね。
    根拠ですか。
    開戦当時の日本にある機材数、MI作戦後の陸上航空隊の機材充足率、塚原少将の機材要請、それともR作戦前の福留少将の言?
    開戦前の五航戦の編成過程、ダバオ空襲時の龍驤飛行機隊の苦悩、MI作戦前の大規模な人事異動、それに第二機動部隊飛行機隊搭乗員はどこから割いたんでしょうか?六空の機材を集めた結果どうなったんですか、他の部隊は。
    蛇足ながら、MI後の翔鶴飛行機隊が参考にならない、の下りの理由は人員の出所を見れば一目瞭然ですね。
    空母だけで戦争をやっていないというのは、こういう事です。
    むしろ私には加賀飛行機隊の機材充実度が奇異に感じられます。理由はあるのですが。

    >戦時急造計画といえども何らかの搭載機増大を図らなければその点だけで対米対抗計画は破綻していますね。
    >艦型に比して搭載量が大きいというのは井戸の中の独り言です。
    >日本海軍は4万5千トン級ミッドウェー相当を建造可能な技術・設備を持っていたのですからこの文言は改マル5のことを指すと明記してありますので、それに従って回答しましょう。
    2つ問題があります。
    1つ。
    例え技術面でそうだとしても、それをやらかすことは改マル5策定理由に矛盾します。
    4万トンに及ぶ本格空母の艦型試験や艤装の検討をその時期からやれと、そうおっしゃっているわけでしょう。
    船体の設計、主機主缶の選定、開発、予算調達、商議、資材調達、全て。
    もしそれをやらかしてしまったら、当時の建艦計画は今以上に酷い評価を下されます。
    2つ。
    それこそ空母だけで戦争をやるつもりはありません。
    MIの敗北は空母の運用方針すら変えていますよね?
    対米対抗計画の是非を建艦計画のしかも空母の規模のみで断じないで頂けませんか。
    建艦計画は軍戦備計画の一環であって、その全てでもなければ上位でもないのです。

    >赤城と加賀
    同型艦ではないと分かっているのに、両者の一面の数字をのみ比較するのは如何なものでしょうか。
    蛇足ですが、設計の欠陥という論点では、その昔堀元美さんの有名な反論がありましたね。

    >大鳳
    大鳳については私はBUNさんとは異なる楽しい見解を持っているのですが、この場ではもったいないネタだから後日改めて行くとして。
    大鳳の船体構造や復原力などについては私如き造船学の素人が論じるのも何ですので本職の方をお招きして講義していただいた次第なのですが、御納得いただけましたか。
    それと急降下爆撃でリフトを狙えるという点については非常に興味を持ちまして、レスリー少佐の言葉まで引用して疑義を挟ませていただきましたが、これについては如何ですか。
    AL猫

  48. >45
    なにか物事を決定する時
    その理由が一つだけではないことが多々あります。
    戦時空母量産に関して
    「翔鶴型の搭載機数は要らなかったのでは」と
    「大型空母で数をそろえられなかったから中型空母で数をそろえた」は
    相反するものではありません。
    改丸五計画で最初は改大鳳5隻雲龍型15隻を決定した後、改大鳳5隻の建造は取りやめたと
    私が時系列的に詳細説明をしなかったのでわかりにくいかもしれませんが
    矛盾する主張ではないと思います。

    大鳳に84機案があったといわれてもそれは前型の当初の計画を越えるものではありませんし、
    一般論として何かを検討する際いろいろな数字を出すということはよくあることです。
    それが全て採用されるわけではありませんし、大鳳の搭載機数として決定した数値としてあげられるものではありません。案があっても現実的に搭載不可能なら意味はないですよね。もちろん84機は大鳳の搭載機数として決定されませんでしたよね。実績もなかった。

    「改イラストリアス級」に関しては大鳳をその様な呼び方をした書籍・文献はありません。
    私が呼ぶ理由は既述の通りです。

    空母搭載機数に関し真珠湾では無理をして多くを積み込んでいたという説を唱える人がいるなら私は異を唱えません。私の論点はそこではないからです。ただ常用機数として最大のものがあるなら使用します。
    私は母艦の(物理的)搭載能力より飛行隊の常用機(定)数は少ないと再三例を挙げているのですが
    (少ないのは当然なんですが。ただ多い例としてマリアナ大鳳75機説がある)
    その反論として「航空本部では飛行隊半個の攻撃力を重視していたので限界まで搭載していた」
    というので
    じゃあインド洋やミッドウェーで赤城と中型空母の搭載機が同じなのはなぜかと問うているのです。
    その答えが赤城の搭載能力上限が68機でこれ以上積み込めないからなので
    インド洋ではその上限を充足していないのでは?というのが現時点の論点でしょう。

    大鳳搭載機に関しては再三書いている通り、大蔵には96+30で予算請求し、実際にはそれより少ない搭載機の装甲空母を造りましたね。搭載機という攻撃力よりは装甲という防御力を取りましたねと再三書いています。大鳳搭載機は53機とか61機ともいわれていますので翔鶴型より多くないでしょう、までが私の話です。

    翔鶴104機案は露天繋止が19機なら格納庫内には85機入るということですよね。
    飛行甲板延長だけで85機入るようになるんですか?(その機種と格納方法は?)
    72機でさえ格納庫内には入らない説を(これは正しいのでしょう)唱えている人間がいるのに?
    このような話題(貴方自身が責任を最後まで取れない話題)で受け答えをしていると必ず突っ込みとかいうものを入れてくる人間がいますからできれば遠慮して欲しい。

    >つくづくイヤな性格だとは思いますが
    とBUN氏本人も自覚しているようなので私もあまり言いたくないのですがね。
    思っているというより他人に言われつづけているんでしょう。

     13。で原質問者がコンクルージョンした際この議論は止めたかったのですが14.15。でしつこく訊ねてきたので回答するとこうなりますね。
    17。のように「あらがある根拠だ」と私の回答を評しながら大鳳格納庫は1段だとか言ったり強度甲板と装甲甲板の区別がつかない人間がコメントしてくるといやだな。


    クライスト

  49. >47
    レスリー少佐とは蒼龍を撃沈したヨークタウン艦爆隊VB3隊長のことだと思いますが
    私が書いている通り1941年1月にマルタでドイツ軍シュトゥーカパイロットは
    初めての空母攻撃で500キロ徹甲弾命中6発至近弾3発をイラストリアスに与え、その命中弾のうち
    2発はあの小さい後部エレベーターです。
    最高の条件で、一定以上の技量のパイロットが急降下爆撃をすると
    エレベーター程度は命中させうるということです。
    それだけのことです。

    4万5千トン級に関しては私の文章の区切り方が悪かったので誤解を招きましたが
    これは大鳳つまり丸四の空母のことを言っています。まあ予算は96+30空母分ですから
    全額認可されたなら1億531万8千円を大蔵への申請どおり使えばよかったのではないかと思います。
    もちろん15.5センチ砲6門分は装甲に使えばよろしい。
    大鳳以上の大型艦を造るとマリアナ沖海戦に間に合わないおそれもありますなあ。

    赤城と加賀は同型艦ではありませんが同じ大型空母なのですから中型空母より多くつんで
    欲しいものです。
    結果としてミッドウェーは日本中型空母4隻が
    (中型空母の皮を被った)翔鶴相当ヨークタウン級大型空母3隻+不沈大型空母ミッドウェーと戦い
    当然負けるべくして負けたわけです。
    ヨークタウン級の搭載機が3個飛行隊63機なら日本軍はまだ助かったんでしょうがね。

    6空の新郷君はさっそく左遷されました。
    クライスト

  50. 違うんじゃないですか?
    軽はずみに書いてしまった「改イラストリアス」の弁解と、根拠不明の72機上限説の牽強付会がテーマなのでは?
    私は搭載機数増大を目指す検討は実際になされていたと言っているのであって、当時の研究の合理性を検証しているのではありません。クライストさんが自説の合理性を懸命に証明しなければならない形勢なのは御自身の想像と推測のみに根拠を置いていらっしゃるからです。おぼろげな状況証拠の他に72機以上不要説の根拠はどこにおありですか?
    BUN

  51. >48
    >「翔鶴型の搭載機数は要らなかったのでは」と
    >「大型空母で数をそろえられなかったから中型空母で数をそろえた」は
    >相反するものではありません。

    すいません、どうして相反する物ではないのでしょう?
    中型空母を多数建造するというのは、大型空母少数よりもコストパフォーマンスで有利だからであり
    そこには、両者の搭載数の相対的な比較は有ったとしても
    (戦術的に必要数量を確保するという見地も働いているでしょう)
    大型空母の72+12(これもある時期のある条件での数字に過ぎないですが)が過大だという説には繋がらないと思います

    もし、翔鶴が飛龍の2割増程度のコストで建造できたのなら、翔鶴の大量建造という可能性も否定出来ないでしょう
    何故なら、それは建造コストと搭載機数(戦力)のバランスが飛龍建造よりも優位だからです

    もしクライストさんが仰るような大型空母の搭載能力は過大であると判断されていたのなら
    雲龍の後期計画艦では搭載数の増大を図ったという事や
    翔鶴にムリヤリ104機載せられないかと検討したという事実をどう捉えるのでしょう

    勿論、艦本と航本では見ている尺度が異なるでしょうが

    こう言い換えると判りやすいでしょうか

    艦本は艦を造る立場からなので
    艦の建造コストとそれによって得られる搭載数のバランスが最善のモノとして飛龍ベース量産を決めた

    航本は実際に扱う側から見ることで、今手持ちの空母の戦闘能力を最大にしようと努力した
    それが翔鶴の104機案や大鳳の84機案であり、マリアナで大鳳が75機載せた可能性にも繋がっているのでしょう

    勿論、翔鶴がその性能(搭載能力)に比して過大なコストがかかった艦であるというのなら理解できます
    しかし、それは搭載能力が過大なのではなくて、コストに比して搭載能力が『過少』と言うべきでしょう


    >翔鶴104機案は露天繋止が19機なら格納庫内には85機入るということですよね。
    >飛行甲板延長だけで85機入るようになるんですか?(その機種と格納方法は?)

    まったくもって不思議な案ですよね、本当に可能だったのか頭を捻りますが
    こんな案が出てくるほどに航空本部は搭載数増大に熱心かつ必死だったという事と見ても良いでしょう
    つまり、72+12が過大だったとは思っていなかったんですよね


    全体をざっと見渡してみますと
    大鳳の搭載数減少は装甲の代償で有り、翔鶴より減っているという事実に誰も異論は無いでしょう
    ただ、その減少の理由は「72+12が過大だから」では無いと思われるのです

    様々な妥協の産物として、実際のスペックになったと判断できませんでしょうか?

    ちなみに、改イラストリアス級と称する理由が私にはどうしても理解できないのですが
    これはお互いの持つ知識量の差異に基づく物なのでしょうから
    一層の精進をする事で理解できるように勤めたいと思いますm(__)m

    SUDO

  52.  ヨークタウン級は中型空母の皮を被ってませんよ。あれは1943年末の段階で満載32,500トンに達する
    紛れもない大型空母です。しかして搭載機の数は搭載機の大型化もあって1942年10月の85機+から
    1944年6月の段階で69機に減少しています。
     どこの国も状況及び時期に応じて搭載機数が変化していたのは紛れもない事実ですし(1942年6月時点の
    サラトガや1942年11月時点のレンジャーは飛行隊構成に問題が有って定数全機は搭載してません)、
    また搭載機数の増大に腐心していたのも事実でしょう。ある時期の搭載機数がどうだからといって、
    該当する海軍がその時期搭載機数増大を考えていなかったかどうかを判定するのは無理だと思いますよ。

     まあ、皆さんヒートアップせずにマターリといきましょうよ(^_^)
    大塚好古

  53. 私も翔鶴型が104機搭載できるとは思えません。ただ甲板上の露天搭載機数が甲板延長によって増大していることに注目しています。延長された分が何に使われるかを考えれば理由はおわかりでしょう。引用された文中にあるように104という数字は疑問だと思っています。また84機は最初の私が原典からの転記をミスタイプしています。正しくは82機です。述べて来た内容には全く変更ありませんが、厳正に行きたいと思います。
    BUN

  54. 時期を逸している様にも思えますが、どうしても気になるので....。

    >4&11
    格納スペースの有効活用法の具体例として、「横押し車」と「(完全に宙吊りにする訳でない)吊り上げ格納」を挙げられていますが、
    具体的なイメージが掴めないので、何故それらにより有効活用を成し得るのか理解できません。

    解説お願いできないでしょうか?
    mikey

  55. 横押し車は格納庫内で機体をより隙間無く並べる為に飛行機を横に押せたら、との発想のようです。吊り上げは占有面積を減少させる為に飛行機を半吊りにすることのようです。
    BUN

  56. >イラストリアス
    私にもどうして改でなければならないのか必然性が見当たらないです。アークロイヤルと翔鶴でも説明がつきますよね。

    >シュツーカ
    1回だけじゃねぇ。まぐれ当たりってのもあるし。艦上構造物の何か目だつ部分を狙って降下するのは普通のことだし。
    でもこれリフト面積減少は無駄の理由に挙げてたんだっけ。
    確率でいけば面積が減少すれば間違いなく被弾確率も減りますよねぇ。全くの無意味じゃないとは思いますけど。

    >ミッドウェー海戦の敗因
    言葉を額面通り取るとフレッチャーやスプルーアンスたちの存在がどうでもよくなりますが、宜しいんですか?
    手数が多いに越したことはないだろうけど、とてもそういう言い方には取れませんし。
    AL猫

  57. >48
     私、大鳳型が1段格納庫なんてどこにも書いてないですが。従来どおりの設計で(2段格納庫で)さらに飛行甲板に装甲を施すと、明らかにトップヘビーになる。それを嫌って、全体を低く抑える設計をした、って意味で書いたんですけどね。誤解される文章であったことはお詫びしますが。

     それはともかく、大鳳型計画段階での搭載想定機は零戦、99艦爆、97艦攻ですが、これらで計算すると70機前後の搭載機数を確保できるという試算もあるんですけどね。サイズと装甲を加味すると、かなり搭載機数を増やすようにがんばった設計をしています。
     問題は、日本の造修能力で扱える規模の航空母艦だと、これがほぼ限界のサイズであっただろうということです。いくら空母は直接戦闘するわけではない戦い方をするといっても、ひとたび作戦すれば何かしら修理だの点検だのが必要になりますから、造修能力を超えるような艦を作ると、実働率が低下して結局戦力になりませんが。
     国力を超える艦を建造しても無意味なだけです。

     補足。真珠湾以後の空母航空隊の実数ですが、ろくに補充もできないのが日本海軍の現実。空母着艦技量をもつ搭乗員の絶対数が少ない。
     増やそうにも当てがない、のですが。
    tac

  58. >55
    早急なる回答頂き、ありがとうございます。
    ただ、何か勘違いをしているのか、未だ掴みかねている部分があるので、もう少しお付き合いお願いします。

    >横押し車
    この時の各機の向きは、どの様になっているのでしょうか?
    「大図解・零式艦上戦闘機」に記載さえている「航空母艦『飛龍』格納庫への艦載機収容例」のイラストを見ると、各機とも既にかなり隙間無く並べられており、
    多少横につめたとしても、この上新たな配置スペースを確保できるのか、疑問です。
    イラストでは、各機とも艦首または艦尾の方を向いて格納されています。
    例えばこれを舷側を向く様に改め、互い違いに、しかも隙間をつめて並べたら、収容スペースを稼ぐ事が出来るかな?と夢想したのですが、現実にはどうだったのでしょうか?

    >半吊り
    これは、例えば尾翼の方だけ持ち上げる、と解釈して良いのでしょうか?
    互い違いに並んでいるとして、上から眺めて、尾翼と隣接する機体の主翼とが重なって見える様なら、結構収納スペースを稼げるかな?と思ったのですが。
    それとも、もっと別の方法で占有面積を減らしたのでしょうか?

    mikey

  59. ↑これについてどのような見通しがあったのかは詳細な図がある訳ではありませんので正確にはよくわからない状態です。私が確実に言えるのはそうした案が存在したということのみです。
    BUN

  60. こんなことは書きたくないのですが、
    クライストさん、2,3日このサイトから離れて、少し心を落ち着けることをお勧めします。
    現状がこのまま続くのは、
    ヒートアップした議論に参加している方々にも、それを外から閲覧している方々にも、
    そして勿論あなたご自身にも、不幸なことだと思わざるを得ません。

    ただし、私はあなたを排除しようとか、「2度と来るな」とか言うつもりは全くありません。
    また是非サイトに来て頂きたいし、議論にも積極的に参加していただきたいと思います。
    出来うるならば、オフ会の場で直接顔をあわせたいものです。
    酒酌み交わしながら腹を割って話せば、大抵のわだかまりは解けると私は信じます。
    勝井

  61. >翔鶴型は一回の発艦機数57機、合計104機の搭載が

    混乱を招くだけの憶測かも知れませんが、どうも1隻57機、2隻合計114機の間違い
    の様に思えるのですが...
    しゃるほ

  62. 素人の憶測をもう一発。

    露天繋止19機は全て艦戦だったりしませんか?
    敵襲に備えて格納能力が余っていても直衛機だけわざわざ露天繋止したりとか有り得ませんか。
    露天繋止だからといって即発艦は出来ないでしょうけど多少は有利ではありませんか?

    露天繋止19機が全て艦戦でも整備、防御上有利な為なだけかもしれませんが...
    しゃるほ

  63. お二人の意見の要点は、

    クライストさん
    海軍は、搭載機数にある程度の妥協をしたのではないか。その結果として翔鶴型より搭載機数の少ない雲龍型を建造した。
    Bunさん
    残された資料によると海軍は、搭載機数の増加に腐心していた。雲龍型の建造は、単純に他に適したものがなかったからで搭載機数減少に納得していたわけではない。

    ということですか?

    まとめると、「海軍は、搭載機数の増加に腐心していたけれども、諸般の事情(新艦設計能力、建造能力、パイロット養成能力等)により、ある程度の搭載機数(他の能力も含めたある程度の空母と言いたいですが機数に限定します)で妥協せざるを得ず、結果として翔鶴型より搭載機数は少ないが艦型の割には搭載機数の多い雲龍型を量産した」ってことなのではないのでしょうか。

    失礼かもしれませんが、単純に二人の話しがかみ合っていないだけだと思います。それに、Bunさんもクライストさんが述べている、「結果として機数が減ったということは、本来の思惑がどうであれ、その機数でとりあえずよしとする動きがあったのではないか」ということに対してはっきりと応えられた方がよいのでは。でないと、クライストさんもいつまでたってもはぐらかされていると感じると思いますよ。

    ぼるた

  64.  あの、少し誤読されておられるようです。
     飛行甲板延長とそれに伴う離着艦機数と搭載機数の増大は「その様な研究がなされていた」という事実であり「少しでも搭載機数を増加させる」事を検討していた傍証でしょう。

     さて、大型空母の「赤城」がミッドウェイ海戦時に18+18+18機しか搭載していなかったのは。クライストさんによれば機材、人員面の要因よりも「日本海軍は運用面でも18機と27機程度の機数差にこだわっていないからでしょうねと言っているだけです。」が原因だとされておりますが。私が例に挙げた珊瑚海海戦の場合には、翔鶴・瑞鶴共にそれ以上の機数を搭載しています。何故ゆえ搭載機数を18+18+18機以上搭載したのでしょうか?「デファクトスタンダード」からは外れております。中型空母と同等の搭載機数で充分なのでは?
    tackow

  65. 「改イラストリアス級」という呼称は、
    意味合いとしては、イラストリアスをベースにそれに手を加えたもの、
    というニュアンスになりますから、この場合やはり日本語の使い方として間違っていると思います。
    比喩やたとえとして、それを明記した上で使うのなら(その妥当性は別として)まだよいのですが、
    いきなり断言されると、知らない人はほぼ確実に誤解するでしょうから、
    やはり不用意な使い方はしない方がよいと思います。
    これは、細かい数字や専門的な知識を持ち出す以前の、
    ごく一般的な日本語の使い方として言っています。

    で、搭載機数ですが、
    BUNさんが一貫して言っているのは
    搭載機数の上限をこれでよいとする説には根拠が見当たらない。
    根拠があれば述べよ。
    と、言っているように見えますが、これに対して一度も回答がされていないことが
    当面の問題であるように見えます。

    当時の日本では、やりたくてもできなかった、というのと、
    必要無いと考えてやらなかった、というのは全く別の問題です。

    で、私も聞きたいのですが、できなかったではなく、
    必要無いと考えてやらなかった、とする根拠はなんなのでしょう?

    通りすがり

  66. 58番を出した後気付いたのですが、機首を持ち上げたら占有床面積は減りますね。
    描いたイメージに拘り過ぎて、そんな単純な事にも思いつきませんでした(^^;
    もう少し、柔軟に発想しないといけないですね。

    >59
    しつこいですが、もう少しだけお願いします。
    詳細な図とかは無いのですか、残念です。
    具体的な配置イメージの方は諦めるとして、
    「横押し車で何%削減、半吊りで何%削減」と言った、占有面積削減の見積りの方は残っていないのでしょうか?
    mikey

  67. それぞれの着想はあっても明確な案として存在するわけでもありませんので、具体的な方法、効率などは全く不明です。恐らく実現できる時期さえも未検討の状態だったと思われます。この程度の情報で賢しらに数値を出そうとすると上のような事になりかねませんから「何何の目的の為に、そういう事が検討された」と覚えておけば良い件だと思います。
    BUN

  68. 横押し車は占有面積というよりも、運用に必要な面積の削減に効果を及ぼします。
    車の縦列駐車を思い浮かべてください。もし車が真横に動けるならば、車同士の間隔はぎりぎりまで狭めることができますよね。実際には車は前後に動ける余地がないと駄目ですから、その分「動かすための空間」が必要になります。
    #前から順番に出していくならば関係なくなるが、整備の都合上前から必ず出せるとは限らない
    tac

  69. 空前のレスになりました。(笑)
    別に、喧嘩することないんですが、徹底的に議論するのは、いいことだと思います。心ゆくまでバシバシやってください。

    射撃盤が不調はないぞ!ぶつぶつ・・・・・

    バウアー中尉

  70. (ゴミ)大鳳関係の話題は,以前も50に及ぶレスがついた大スレッドに成長したことがありましたよね.
    本サイトにおける鬼門なのでしょうか?(爆)
    勝井

  71. 専門外なのですが、本題に戻り、前間さんの「戦艦大和の誕生」を読んでたときにたしか「雲龍」に搭載する機関がなくて、駆逐艦用のものを使ったとかあった様に思います。このあたりも艦形を小型化した要因の一つではないでしょうか。
    オンブー

  72. ↑呉が建造担当した奴がそうです.
     他に,佐世保担当艦は缶機缶機のシフト配置を採用予定だったらしいです.
    勝井

  73. 途中から口を挟む事も出来なくなってしまいましたが、
    調べていて思った事は技術的にも資材、設備面でも限界に来ていたのでは?
    という事でした。
    艦船の建造技術は今までの技術の蓄積でまだ発展の余地があったかもしれませんが、
    搭載する航空技術の面では限界が見えて来ていたのではないかと思います。

    例えばF6Fは烈風と比べて全幅では1M小さいですが、重量ではこちらの方が重いですし
    TBFも流星より大きく重い機体です。
    これらの機体を甲板に露天繋止した上で運用出来た航空技術の差が
    日米の搭載機数の差になっているのではないのでしょうか。

    大鳳は日本最初の装甲空母ですし試行錯誤の段階では?と思う部分もあります。
    信濃では格納庫面積確保の為に米空母と同じ様に全幅一杯に格納庫を設けてますが
    大鳳は6割程しかありません。
    もしかすると4万5千トン級の空母では幅一杯まで格納庫を広げた形になったのかもしれませんね。


    ルージュ

  74. >67
    見積りを目にする言う事は、ある種、思考過程に触れる事だと思っているので、
    その手のデータだけでも十分満足したのですが....。
    飛龍改型の搭載予定機数73機が、何らかの根拠があって算出された数値だと見ていたので、
    当然、占有面積削減の見積りもなされていると思ったのですが、
    単なる構想レベルだったのですか、残念です。

    >68
    54番を書いた時点では、頂いた回答で満足したのでしょうが....。
    「大図解・零式艦上戦闘機」のイラストだと、自分の目には、その手のスペースは殆ど無い様に見えます。
    で、はじめから無いものは、削除不可ですよね。
    多分自分の見方が不十分なのでしょうが、もしかすると、参考にしたイラストが不適切なのかも。
    もし、他に「格納庫への艦載機収容例」のイラストをご存知でしたら、紹介して頂けませんか?
    mikey

  75. 私の大好きな空母「大鳳」が、こんなに人気があるなんてうれしい限りです。
    悲劇的な軍艦でしたが、メカとしてのポテンシャルの高さと、皆さんの大鳳
    と日本海軍への憧れ、期待がこのようは熱いレス合戦になったものと思います。
    (ゴミゴミレスでした。)
    バウアー中尉

  76. >62.
    艦爆が混じってましたか。でも合理的な理由は有るみたいですね。

    多数派の皆様。今更ですが、解せない点が有るので素人質問追加させて下さい。
    別にクライストさんに肩入れしようという訳ではないので冷静にお願いします。

    大型化による搭載機数減少が問題視された場合、最も効果的な対策はコンパクトに
    畳む事の出来る機体とする事だと思うのですが、この長大なスレッドには、この事
    に関する記述が有りません。

    零戦等の折り畳みは、素人目には徹底したものには見えないのですが、新世代機の
    折り畳みは、どの様なものだったのでしょうか?

    何かわざわざ明白な論点を避けている印象です。

    横押し車、半吊りについては艦内の利便性向上が主目的では?と、疑う必要性は
    無いのでしょうか?

    露天繋止も無理に定数まで艦内に格納せず、1層当たり5機分程のゆとりを持たせ
    ていたりする可能性は無いのでしょうか?

    ヒートアップしていたせいなのでしょうが、↑だけでは状況証拠はお互い様とも思えます。

    落ち着いたところで、この疑念を払拭してくれる回答を期待します。
    しゃるほ

  77. >74
     搭載機が格納された「イラスト」については、他の空母の奴ですと、入手が簡単なものとしては、グランプリ出版「日本の空母」とか光人社の「日本空母物語」なんかに掲載されていると記憶します。

     さて、脇道に逸れますが、ここからは「我が空母がどの程度の航空機を運用出来るか」という独断と偏見による考察なのですが、、
     上記の「イラスト(簡単な線図ですが)」や図面なんかを見る限りではmikeyさんが指摘しておられる様に「隙間無く」格納されており、これ以上どうやって搭載機数を増やすのか?といった感じも受けるのです。
     が、あ号作戦時の大鳳や隼鷹型の写真を見る限りではどうも事情が異なるように思えます。

     まず、大鳳ですが、タウイタウイ泊地での大鳳を写した写真には「天山」艦攻を含む露天搭載機が数機(5〜6機)確認されます。この時の大鳳の搭載機数は60機台後半と思われますから、少なくとも60機以上が格納庫内に収納されていると思われます(イラストで示されているのは53機で、しかも九六式艦戦とかですから、既に「搭載機数」をオーバーしている・・)。
     また、同時期に写された隼鷹型の写真では露天搭載機が確認されません。この時の隼鷹(飛鷹)の搭載機数は定かではありませんが、作戦開始前での六五二航空隊の機数が135機といわれますから、それから損耗機や龍鳳搭載分を差し引いても50機程度は搭載していたと思われます。つまり50機程度は格納庫に搭載されていた、と判断できるでしょう。
     ちなみに同時期に写された翔鶴型の写真では数機?の露天搭載機が確認されます(写真がいまいち不鮮明)。

     翻って、米国空母の場合には露天搭載を重視していたといわれ、残された写真からは確かにその様子が伺えます。大型空母の作戦行動中の写真を見ると20〜30機程度は露天で搭載しているようです。

     従って、米空母方式の露天搭載を翔鶴型、大鳳あるいは隼鷹型で実施した場合には、マリアナ沖海戦時の搭載機数+10〜20機程度は運用可能である、と推定出来るのではないでしょうか(勿論、各空母の艦型によって露天搭載機数は変動するでしょう)?
     つまり、大鳳で80機、翔鶴型で90機、隼鷹型で60機程度の運用は実現可能と思うのですが。


     で、「なんで、イラスト記載以上の搭載機が格納出来たか?」の考察ですが、やっぱ、実際に運用して色々と工夫したんじゃないですかね?搭載機増加に当たっては「各艦長からの報告」も参考にしたらしいですし、外にも補用機のスペースを潰して幾ばくかでも実際の格納庫面積を増やしたとか、、「超収納術」とか「超整理術」みたいなもんですかね?

     「翔鶴104機」ですが、大鳳型が当初の53機(イラスト掲載の機数ですね)を2割程度越えて格納庫内に収納している事からも、思いっきり詰め込んだ場合には屋内80機位は行くのじゃないかとも思います、それに加えて屋外20機ですから、、甲板も大きくするらしいし、超収納でなんとかなるかな?・・・
    tackow

  78.  >76
     新世代機艦載機の寸法制限ですが、「真実一路」の

     http://www.epsnet.co.jp/~f4u/truth/seinou3.html

     に書かれています(他のコンテンツには空母搭載機機数の実情調査などもあります)。
     それによれば寸法制限は「艦上機は課荷重重量6500kg以下格納時の折畳み幅8.5m、長さ12m、高さ4.1m以下」との事です。
     戦闘機には寸法制限は無い様ですが、やはり、機体強度の関係なのでしょうか?
    tackow

  79. ↑烈風への要求を見る限り、幅11、全長11、全高4メートルとされています。
    これは、翼内機銃の弾倉の搭載スペースが考慮されたものと推測します。


  80. 回答という訳ではないのですが、66番の補足も兼ねて、少しだけ。

    >76
    先ず、「横押し車」については、tac さんが68番にて、間接的ながら利便性向上に関し触れられていますよね。
    搭載数の増大と利便性向上が両立し得るのでしたら、どちらを主目的にしているかと言う点は、比率と言うか、程度の問題に落ち着くかと思います。
    で、具体的な数値を持ち合わせていないので、自分はそこから先に踏み込めません(^^;
    ただ、視野を広げる意味で「利便性向上が主目的なのか否か」との命題に取り組むのは有意義だとは思いますが、
    「搭載数の増加」を主題に話し合われている場に、その命題を持ち出す必要性までは無い様に思えます。

    もう一方の「半吊り」に関しては、やや状況が異なるかもしれません。

    「横押し車」の場合と異なり、利便性に関する指摘は、特に無かったと思います。
    仮に、
    ・機首側持ち上げ → 占有面積減少
    ・尾翼側持ち上げ → 利便性向上
    とした場合、搭載数増加と利便性向上は、完全に相反する要素になってしまいますよね。
    この場合、「利便性向上が主目的なのか否か」の命題は、「搭載数の増加」の論議の場においても、有意義な、場合によっては必要性さえあるものだと思います。

    でもこれは、あくまで「搭載数増加と利便性向上は、完全に相反する」との仮定での話。
    現実には、「横押し車」のケースと大差ないかもしれません。
    しゃるほさんは、どの様に見られますか?

    最後に、「ゆとり」について。

    既に触れている様に、参考にしたイラストでは、隙間無く格納されている様が描かれていますが、
    その中には、露天繋止分の、本来そこに描くべきでない機体まで含まれている様にも見えます。
    74番の「参考にしたイラストが不適切なのかも」との台詞は、それ故に出てきたもので、
    実際には、「露天繋止分」だけのスペースが在るのでは?、と疑っています。

    ただ、その「露天繋止分のスペース」は、多分、「運用に必要な面積」にその多くが喰われると思いますが、
    具体的に検証した訳ではないので、確たる事は言えません(^^;
    mikey

  81. tackowさん、ありがとうございます。
    入手性まで考慮して頂いて、大変助かります。
    考察も含め、参考にします。
    mikey

  82. >しゃるほさんは、どの様に見られますか?

    大差無いどころか...

    半吊りの正体が解らない状態ですが、私は勝手に
    これは傾かせて格納するのではなく、機体を完全に浮かせはしないものの数人
    掛かりで押すことで、横押し車を使わずともずるずると車輪を引きずりながら
    真横に動かせる様にするものでは?と思ってたりします。(根拠無し。全くの憶測です。)

    なのでこれも機数を稼ぐ事も出来るが、本来は利便性を向上させるものでは?
    みたいに考えているのですが...
    しゃるほ

  83. 回答ちょっとずれてますね。失礼しました。

    意義についてはご指摘の通りと思います。
    勇み足気味に思えたので、注意を喚起したかっただけとご理解下さい。

    機数稼ぎと利便性の比率はやはり折り畳みの徹底ぶりが、良い手掛かりになるのでは?と思っています。
    しゃるほ

  84. 横道ついでというか・・・

    自動車の駐車場を見ても判るように
    利便性(出し入れの容易さ)と収納性はある程度関連しあってるのでは?

    一般に帰還した機体はすぐさま格納庫に下ろされますが
    帰還する順番が定まっているとは言いがたく(訓練ならともかく実戦では)
    利便性が一定レベルないとムリヤリ押し込む事も出来ません
    機尾を釣り上げる事で、その場で向きを変えられるとしたら
    駐車場のターンテーブルを思えば、それだけでも場所の節約になりますね

    空母がその気に鳴ればどのぐらいの機数を搭載できるのかは
    例えば米護衛空母の航空機運搬任務中の写真を見れば理解できるでしょう
    小さいとは言わないけど大きいともいえない護衛空母の飛行甲板に
    P−40等の折り畳み機構のない空軍機をびっしりと並べた姿
    勿論、護衛空母の搭載定数なんて大幅に凌駕しています
    格納庫とある程度の甲板を使用して、折り畳み機構をもつ機体を使用しながら
    何故、搭載定数が甲板に並べられた空軍機数より少ないのでしょうか
    それは格納庫の中にびっちりきっちり入れてるからではないと言うのが判るでしょう
    びっちり入れたら出し入れできなくなり、艦攻を出すのに、手前の艦戦と艦爆を全部引きずり出して
    艦攻を出したら今度は引っ張り出した機体をしまいなおしてなんて
    一定範囲では許容されても度を越したら利便性がゼロです
    利便性を確保できる収納方法とは、結果的に現実的な収納数の増大になるのですね
    SUDO

  85. >83
     >折り畳みの徹底ぶり
     よくよく考えてみると折りたたみ部分は零戦のように補助翼の外側か
     フラップと補助翼の間か付け根部分になりますね。
     付け根部分だと脚を胴体に収納することになりますし、
     頑丈な作りにしなくてはならなくなりますし…パワーに劣る日本機では
     重量増の面で難しかったのかもしれませんね。
    ルージュ

  86. >76
    >大型化による搭載機数減少が問題視された場合、最も効果的な対策はコンパクトに
    >畳む事の出来る機体とする事だと思うのですが、この長大なスレッドには、この事
    >に関する記述が有りません。

    搭載機の大型化ですが、烈風と零戦では折り畳み幅は同等ですし
    流星は天山や97艦攻と大差なく、折りたたみの無い彗星よりは収納サイズはコンパクトでしょう
    つまり、この時期の搭載数の変化は、機体の大型化が原因ではないと判断できます

    一般に空母は、甲板上に出撃機を並べ、それを順番に発進させていきます
    それが同時発艦数という言葉に繋がるわけですが
    重たく、その割に主翼の小さい流星は発進性能が貧弱で
    それは流星の前の飛行甲板長さを多めに取る必要を意味します

    例えば真珠湾攻撃なんかを見ますと、艦攻や艦爆を一度に27機出せるのが判りますが
    第二次攻撃隊の翔鶴の写真を見ると2列縦隊で発進準備になってますから
    一列13機で、飛行甲板後端から150m程度を使い
    艦攻の先頭機から飛行甲板前端までの距離は約100mになります

    流星は出力重量比では97艦攻を上回りますが翼面荷重の悪化はそれを覆せるほどですので
    飛行甲板前端までの距離は150mとかそういった数字が欲しくなるでしょう
    つまり4列8機ぐらいが減ります
    低速小型の空母ほど影響が大きいのは言うまでも無いでしょう
    つまり同時発進数が2/3強になってしまうのです
    格納庫に余裕が有っても飛行甲板に余裕が無いと、搭載できても使えないわけです
    一般に空母の全力攻撃は2度に分けて発進するのも、この同時発進数の制限が根底に有ります

    一度に出せる数が2/3になったのなら、3度にわけて出撃させるという手もありますが
    完璧に準備を整えていた状況下の真珠湾攻撃の事例でも
    第一次と第二次の発艦には45分ほど離れていますし
    待機態勢を見ると帰還した部隊を再出撃させるには2時間程度がかかります
    よって3隊編成で用いる場合
    第一次攻撃隊発進から90分以上後に発進となり(常識的には2時間以上後と見ても良いでしょう)
    下手すると発進中に第一次攻撃隊が帰ってきます、つまり3隊編成はあまり現実的ではない
    敵が空母だと第三次攻撃隊の準備中に空襲も来そうですしね

    結論として、一度に並べられる数の倍が搭載というよりは運用できる限界となります
    BUNさんが再三、飛行甲板延長等で同時発進数を確保すると述べていた事が
    搭載数の増大(正確には運用可能数の増大)に繋がると言う事が理解できるでしょう

    つまり、搭載数の減少問題は、飛行機の大型化で場所を食うというよりは
    大型化で発進性能が低下した事が原因であり
    それへの対策が、空母の場合は飛行甲板延長やカタパルトであり
    機体の方では発進促進用ロケットの搭載という形になるのです
    SUDO

  87. >84.
    過積載状態でノルウェーから本国に帰投中、シャルンホルスト、グナイゼナウに遭
    遇し、為す術無く砲撃で沈められた英空母グローリアスの例が有ったのを、思い出
    しました。(相手が悪かった。速力で振り切れない。)

    >86.
    空母航空戦は時間との戦いなのですね。

    でも発艦回数が2回から3回になっても総機数が同じなら、総発艦所要時間は
    1.5倍にもならないのでは???

    カタパルトの無い軽空母なんて、ク○ープを入れないコーヒーみたいなものなのですね。

    帝国海軍が商船改装護衛空母でガトー級の猛威を押さえ込もうとしなかったのも、
    火薬式カタパルトでは無理が有ったからなのかなあ?
    しゃるほ

  88. >87
     「帝国海軍が商船改装護衛空母でガトー級の猛威を押さえ込もうとしなかったのも」
     してますね、現場サイドではかなり心強かったみたいですよ。カタパルトが無かった事はさほど問題ではなかったようです。
    tackow

  89. >87
    帝国海軍の『鷹』な空母たちについては、深雪さんのサイト「東江戸川工廠」の第四船渠にすばらしい考察があります。
    当ページ、または「真実一路」のリンクから飛べます。
    まなかじ

  90. 総発艦時間ですが
    確かに機材の準備というか並べる時間は短縮するでしょう
    真珠湾の事例ですと、並べはじめから発進開始に30分程度を見ていますから
    機数が減れば25分ぐらいになるかもしれません
    発進時間は元々大して長くないのですが
    こちらは滑走距離の延長から前の機体が飛び上がる時間がどうなるかもあるので
    上記の場合ですと実際上は変わらないと思います

    となると、2/3に減らした場合、45分間隔が35分間隔になるかもしれません
    2回発進で全力出撃に発進45分、空中集合15分まで含めると60分
    3回ですと発進70分、集合85分

    結局1.5倍ですね

    これには途中で風条件の変化(空母の変針や速度変化)は入れていませんし
    整備員の疲労に伴う作業速度の低下
    戦術状況変化に伴う予定変更(搭乗員ブリーフィング時間の変化)は入っていません
    こういった物は時間が長くなれば発生確率が増えますので
    最終的には1.5倍以上の時間がかかると思います

    SUDO

  91. ↑あ!ズルだ。初回発艦準備時間が抜いてある。

    でも納得は出来ました。
    やっぱり落ち着いてやらないとダメですね。

    そう言えば、脆弱性の問題も「伊勢」「日向」航空戦艦化とか出て来なかったし、
    ヒートすると視野が狭くなるのが良く解ります。

    でも、これやるくらいなら米英並みに簡素で良いから商船改装護衛空母1隻でも
    作ってほしかったぞ、帝国海軍。
    しゃるほ

  92. おっと失礼。お礼を忘れてました。
    ご教示有り難うございます。
    しゃるほ

  93. >商船改装護衛空母
     戦標船の最後の計画に空母への改造を視野に入れた物がありましたが、
     それ以外の船では致命的に速力が不足しているような感じですね。
     昭和17年〜18年の計画だと9〜14ノットぐらいですし。
    ルージュ

  94. 14ノット出れば十分使えると思うけど、不足なら商船構造護衛空母を1からでも作るべし。

    適当な母船が無いのだからガトーにやられっぱなしでもしょうがないというのでは、責任放棄です。

    日本の改装空母は敵潜対策というより条約保有制限対策が主で、後は申し訳程度。

    米英のは対戦中期になってからUボート潰しの為、大量建造し、航空機搭載対潜
    レーダーとの組み合わせで夜間でも水上航行を不可能にして、水上高速艦形Uボー
    トを全面敗北に追いやっています。

    造りも大掛かりながら改装の範疇を逸脱していません。日本のは改造ですね。
    しゃるほ


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