1110 |
天城型巡洋戦艦にはなんの意味があったのでしょうか。 VV |
たった0.25knの速力のためになぜ装甲を削ったのか、という意味です。
VV
天城があって紀伊があるんです。
勝井
VV
それに、天城の装甲って、薄いですか?
254mmで12°の傾斜装甲は、加賀には劣るものの、長門に匹敵するくらいの重防御ですよ。
甲板装甲に至っては95mmで、長門の76mmを大きく上回っています。
巡洋戦艦としては、必要十分なんですよ。
勝井
計画基準排水量、機関出力、船体サイズはほぼ同じようです。それなのに
装甲厚が増してるって事は、ヴァイタルパートを減らしたと考えられます。
これは巡洋艦妙高型と高雄型の関係とほぼ同じ関係なのでは無いかと思います。
つまり紀伊型は勝井さんの言われる通り、改天城型戦艦と言えると思います。
taka
実際にワシントン条約締結時には部材の発注が開始されていたようで、かなり建造を急いだようです。
DIG
VV
天城は八八艦隊計画最初の巡戦で、長門や加賀とは隔絶した機動力を望んだ船です
必要充分な防御力に、少しでも速い速度ってのが基本的なコンセプトです
また紀伊と天城では排水量が違うのに船体は基本的に同じです
紀伊では吃水も増大しているでしょうし、船体が同じですから乾舷も減少します
これは運用面の制限のみならず荒天下での戦力発揮にもマイナスで
0.25ktの差以上に外洋での高速作戦能力は異なった可能性も有るでしょう
もし天城でそれをやったら各方面から不満が出ます、過剰な防御力の為に機動力を犠牲にしたと言われますね
また防御力も上がっているのでしょうか?
線図が同じなのですから、増大した吃水、低下した乾舷は「舷側装甲の水線上高さ」の低下になり
額面ほど強力だとは言えない可能性も有るのです
言い換えるなら、紀伊はそういったマイナス面に目を瞑ったのです
勿論、それで建造が承認されているのですから、必要充分な機動力も防御力もあったのでしょうが
それは天城の持っていた余裕を削る事で成立した物でしょう
実際の各艦艇を見てみれば判るように、建造当初からギリギリの設計をする艦は稀でして
天城の船体には、あの天城の性能を与えるのが丁度無難なレベルであったと思えます
SUDO
天城はレキシントンに対抗するため、35ノットもの超高速を要求されています。
まぁあまりに高くつくんで、30ノットで妥協したんですね。
勝井
さすがSUDOさん。
ちなみに、天城で31フィート、紀伊で31フィート10インチ。
10インチ=約25センチですから、確かに下がってるし、
さりながら実用上特に問題なしとされただろうというのも
うなずける話です。
勝井
これを見ると、意外に内部構造が変化しているのが分かります。
勝井
VV
装甲厚は主直防御も水平防御も強化されて、艦の全長も違う。これからいくと天城を
ベースにしたとはいえ、かなりの改設計をしているのではないかな?
あと、実際に建造された場合紀伊と天城の排水量の差はあの程度では収まらないと思います。
敵国艦船研究家
というよりも,天城は巡洋戦艦,紀伊は戦艦として建造されたというのが大きいのでは?
巡洋戦艦とは,主力部隊の前衛もしくは遊撃を努める艦種であり,
いかなる状況でも万全の機動性能を発揮する必要がある.
一方戦艦は戦場に到着しさえすれば,後は相手に振り回されないだけの機動性があればよく,
それ以外のリソースは全て攻防につぎ込んだ方が良い.
同じ基本設計から異なるコンセプトに分化した結果が
天城と紀伊なのでは?
もしかすると,紀伊の構想段階である12門艦は,
長門や加賀と戦列を組める27ノット程度で良しとされていたのかも.
勝井