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996 例えば、戦艦大和の主砲は46センチ45口径ですが、この口径とはいったいどういう事でしょうか?また、この口径をワンランク上げるとどのような効果を生み出すのでしょうか?最後に、太平洋戦争中の日本戦艦のすべてが、主砲に45口径を採用していますがこれはなぜなのでしょうか?大変長い質問文になりましたが、よろしくお願いします。
戦艦紀伊

  1. 口径とは砲身長を砲口直径で割った数です。つまり、46cm砲の場合46cm÷砲身長20.70m=45口径となります。
    砲身は口径が大きくなるほど、つまり砲身が長くなるほど寿命が短くなると聞いていますが、これは国本さんの専門なので、詳しくは国本さんお願いします。
    GO

  2.  通常、口径といえば、銃砲身の内径のサイズを意味しますが、この場合の『口径』は、【その砲の口径寸法の倍数】という意味で、砲身の長さを示す表記法として使われています。
     設問の『46cm45口径』の場合、46cm×45(口径)=2070で、砲身長2,070cm(20.7m)ということになります(実際の大和の46cm砲の砲身長は知らない(;^_^A 多分多少誤差がある)。

     この『口径』をワンランク上げるということは、即ち砲身長を長くするということです。銃砲身は長い方が射程距離等が向上します。
    ブラック・タロン

  3. うあ、先越された(;^_^A
    ブラック・タロン

  4. 確かアメリカのアイオワ級は、40センチ50口径。46センチの大和級の方が射程距離が長い、ということになっているが、アイオワ級の方が弾丸速度が早いので、射程距離はほとんど同じようなものらしい。
    benben

  5. ちなみにピストルやマシンガンで「30口径」「45口径」「50口径」という場合は銃身の長さではなく、文字通り口径をインチ単位であらわしたものです(50口径=0.5インチ=12.7mm)。昔はこれがわからずワケワカメだったなー。
    ささき

  6. >benbenさん

    45口径でも大和の46サンチ砲の初速は780m/秒、射程41400m
    50口径でもアイオワの40.6センチ砲は762m/秒、射程38000m

    だったように記憶しています。ただしアイオワやサウスダコダなどの米国の新戦艦は
    諸外国の40センチ砲弾が1000kgのところを1225kgというスーパーヘビィシェルを使用しているので
    同じ発射薬量でも初速・射程は減少しているようです。このへんはSUDO氏が詳しい出したね。
    Navy

  7. おせっかいな補足。
    巷では、銃身(砲身)が長くなると、射程が伸びる。命中精度が向上すると思われています。
    この件、間違いとは言いませんが、それは2次的結果です。

    1次的結果: 銃身(砲身)が長くなると、弾丸の銃口(砲口)初速が増加する。弾丸エネルギー増加。
    2次的結果: 初速が増加するので、飛翔距離も増加。
         : 初速が増加するので、低伸弾道になり。命中精度が向上。

    銃、砲屋さん達は 色々な計算式を活用している様ですが、初速に関しての簡易式を示します。
     (摩擦損失や熱損失,効率を無視した大概算理論値)
       
     弾丸初速 V(m/s)=全体√2gPAL/W    力学得意な人ならこの式の理由、すぐ解るはず。
     
     P:平均腔圧(kg/m2){最大腔圧ではない}  A:砲腔(口)断面積(m2)  
     L:銃身(砲身)長(m)   W:弾丸重量(kgf)  g:地球=9.8

    この式の意味するところは、
     ”初速に関して、銃身(砲身)長の増加分は√で、比例増加する。”です。 
     ”初速に関して、弾丸重量増加は、同様逆比例する。” です。

    軌跡の発動機?誉

  8. >6
    あれ?、アイオワ級の砲の方が初速が遅かったとは・・・意外
    benben

  9. >8 参考までに、初速だけなら、長門とアイオワはほとんど同じだったはずです。
    taka

  10. 日本海軍が45口径砲ばかりを採用していたのには訳が有ります。50口径砲は
    日本の砲身作成技術の問題から、費用がかかる事や弾着に大きな
    ばらつきがでてしまうことから避けていました。大和型も当初50口径46cm
    砲を搭載する予定でしたが、前述した理由と重量過大の問題から45口径
    となったはずです。

    伊達邦彦

  11. 米の新戦艦には従来のもに比べ、重い砲弾が用意されていました。
    (N)

  12. まあ、大体の事は皆さんが書いてるので

    物凄く単純に言うと
    口径比を大きくすると、発射時のエネルギーを大きくする事が可能です
    一般には、その大きなエネルギーは速い初速という形で現れますが
    米国の場合は軽量高速型よりは大重量低速の方が
    同一砲口エネルギーならば砲身命数が大幅に伸び
    同一距離ならば残存エネルギーが大きい(つまり威力が多く残っている)事から
    大重量砲弾に走りました
    マイナス要素もあります
    初速が低いので、最大射程距離が短くなる
    初速が低いので、着弾までの時間が長くなり予測精度が問題になる
    初速が低いので、直射距離が短くなる
    初速が低いので、同一距離における落角が大きく直撃発生確率が低下する

    つまり総合的な射撃精度は悪化します

    また、初速向上の場合は
    上で上げた問題は解決しますが
    砲弾が軽いので、中遠距離での貫徹威力が小さい
    砲弾が軽いので、中遠距離で弾道がばらつき易い
    砲弾が軽いので、船体に対する破壊効果が小さい
    等の問題があります

    特殊な条件としては
    大型戦闘艦の通常戦闘距離では高速型の砲弾は
    あまり美味しくない角度で敵艦に当たり、威力を充分に発揮できません
    また初速が速いと一般に命数は悪化します

    大重量砲弾だけでは射程に、高速型では中距離以上の威力にそれぞれ問題を抱え
    ベストでは有りません

    こういった研究やそれに対する見解は戦前の日本海軍の飼料にも多く見受けられます
    日本軍の最終解答は、大口径は従来型の延長で、中以下では初速向上型が
    様々な条件から考えても無難ではないかというものでした

    また日本戦艦の主砲の問題ですが
    金剛の発注時に12インチ50口径と14インチ45口径を比較検討した結果
    14インチ45口径が総合的に有利であると判断した経緯があります
    これは当時世界最大口径の巨砲で
    以降の日本では、従来型の口径で砲身を伸ばす物を開発するよりは
    より大口径のものを造るほうが良いと判断しているように思われます
    例えば15インチ50口径を造るより16インチ45口径の方が有利だと言う事で
    16インチ50を造るぐらいなら18インチ45の方が良いのです

    これは、長砲身16インチにSHSを使ったアイオワ級のMk7砲が
    大和の46サンチに全然叶わない威力であることを見れば判るかと思います

    SUDO


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