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大仰角で打ち出されたライフル砲弾は、やはり弾頭を上に向けたまま落下、着弾するのでしょうか? 例えば40度上向きの砲弾が50度の角度で落下すれば、進行方向に対して90度横向きとなるので、砲弾が自転していると変化球と同様の効果が生まれて、弾道を曲げてしまいませんか? この様な効果は弾道計算に盛り込まれているのでしょうか? ライフルの回転方向は各国単位で統一されているのでしょうか? しゃるほ |
空気抵抗がなければそうなるでしょうが、現実にはもっとも空気抵抗が小さく
なる向きになるはずです。例として間違ってるかもかもしれませんが飛行機が
失速しても機首から落ちるのを想像してみてください。
>砲弾が自転していると変化球と同様の効果
変化球のばあいと砲弾ではだいたいの場合、回転方向が違います。
砲弾は進行方向に対し垂直な平面で回転しますが、変化球(カーブ、
シュートなど)は進行方向に平行な平面で回転します。
文章では説明しにくいんで、野球の本とか参照してみてください。
taka
ガンヘッド
滑腔砲弾になってしまいます。
古典力学に造詣の深い方はご存知かと思いますが、自転している物体に偶力を与え
て、自転軸の方向を曲げようとすると、味噌すり運動してしまい、素直に言う事を
聞いてくれないのです。(つまり弾頭方向安定スピンが仇になる?)
なので艦載砲がライフリングされていると知った時は大変驚き、なぜそうなのかが
未だに理解出来ない次第です。(小仰角なら確かに有効なのですが)
しゃるほ
はたして、30度以上もの大仰角で発射されたライフル砲の砲弾は、ちゃんと先端から着弾するのでしょうか。
ライフル効果が不充分な場合、日露戦争での28センチ榴弾砲のように、空中で姿勢を失い、ふらふらと不規則な回転をしながら落ちてくるでしょう。
ライフルが効きすぎていれば、上を向いた砲弾はそのまま腹から落ちてきます。(フリスビーを見れば判ります)
これは質問者のおっしゃるように、カーブ・ボールのような効果を生み出しますので、砲術関係の書では、その補正について触れられていました。
つまり、飛行方向と砲弾軸線が完全には一致しないと、砲術家が認識しているわけです。
問題は程度だと思われますが、データを見たことはありません。どなたか、ご存知でしょうか。もっとも、これを確認するのは至難とも思うのですが。
志郎
155榴なんかの弾速測定したとき、RCSの変化はほとんどござんせんでした。
sorya
http://www.warships1.com/W-Tech/tech-043.htm
http://www.warships1.com/W-Tech/tech-073.htm
TO
真空中の場合は弾の旋転の有無、弾の形状にかかわらずこの様な結果で落下、着弾します。
空気中の場合は、1.旋転有りの物は、弾の先端より落下、着弾します。(流線形、劣頭弾の場合)
2.旋転無し、又は極端に低回転、或いは極端に長胴、否流線形、平頭弾の物は、
底というより弾全体が反転(転倒)し、結果は神のみぞ知る。と言う事になります。
・流線形の形状が空気中で進行方向に安定させる作用を作ります。
・一般的に、弾の重心位地は前方より40%位の位置を狙って設計、製作されており、
これも旋転と補って、進行方向(旋転軸方向)に安定させる作用をはたらきます。
>.砲弾が自転していると変化球と同様の効果が生まれて、弾道を曲げてしまいませんか?
これは、定偏、とか偏流と言われている現象です。 過去ログ見てください。
>.ライフルの回転方向は各国単位で統一されているのでしょうか?
例えば S&Wの銃のライフリングは右回転、コルトの銃は左回転、という事が現実に有ります。
>3.〜味噌すり運動
これは、歳差運動と言われている現象です。 過去ログ見てください。
軌跡の発動機?誉
進行方向に対して弾丸は仰角をとるので、空気との摩擦を生じて進行方向横向きの力が加わります。空力的作用中心と弾丸の重心はずれているように
設計されているので、弾丸を横向きにしようとする力が働きますが、弾丸は旋転しており大きな回転モーメントがかかっているため、横向きに働く力は
そのために弾丸を下に向けるよう作用します。したがって、上手く旋転速度、弾丸の空力的形状、重心位置を設計しておけば、弾道にそって
少し仰角を持ちながら弾丸が目標へ向かって逝くのだと思います。
Navy
適当なことを言ってしまい恥ずかしい限りです。(^^;)
taka
おぉー。なるほど、なるほど。
確かに空力的作用中心の前方に重心が位置していれば、弾頭を右に向けようとする
力が加わるので、下向きに回転しますね。
ブーメランが戻ってくる原理によく似てます。
味噌すり運動を逆手に取るとは、ライフルの発明者はきっと天才です。
(ライフルさんが発明したのだろうか?人名?)
>7.
見た記憶が有るのですが、マシンをリニューアルしたので行方不明です。
探し出して、必ず見ます。
皆様、素晴らしい回答を、どうも有難うございました。
おかげで長年の謎が、完全に解明できました。
って、勝手に終わらせちゃって良いでしょうか?志郎様。
しゃるほ
私もこの問題については、一時期眠れないだけ悩んだんですが(笑)専門家
の方に説明していただいて解消しました・・・・
端的に言うと、砲弾に与える旋転力の「加減」が問題な様です。
つまり、4番で指摘されている
>ライフル効果が不充分な場合、日露戦争での28センチ榴弾砲のように、空中で姿勢を失い、ふらふらと不規則な回転をしながら落ちてくるでしょう。
ライフルが効きすぎていれば、上を向いた砲弾はそのまま腹から落ちてきます。(フリスビーを見れば判ります)
という事が実際に起きてしまうらしいのです。
すなわち、(繰り返しになりますが)旋転力が強いと、砲弾軸線を一定に保
つ力が強すぎて砲弾軸線と弾道線とが為す角度が大きくなってしまい(空気抵
抗が大きくなって)安定が損なわれるし。逆に旋転力が弱いと、歳差運動が発
生し易くなり(弾丸がふらついて空気抵抗の為に)弾の安定が損なわれる、と
いった具合です。
つまり、旋転を与えるのは空気抵抗により乱される砲弾の姿勢を一定に保ち、
弾道を保持する。というのが目的であるようです。
但し、実際には、射程一杯といった局面では無い限りは旋転により砲弾の安
定は保たれておるようで、ちゃんとアタマから着弾するみたいです。
この辺は、砲と砲弾の設計者さん次第なんでしょうけども・・・いずれにし
ても大丈夫、心配要らないようです(笑)
また、旋転力が強いとそれだけ回転方向に「ずれ」を生じますが、実際にど
の程度の「ずれ(定偏)」があるかはわかりません。
ただ、これは、計算でも求めることが出来るみたいですし、なにより実際に
撃ってみれば判りますから大問題ではない様です。
>7
>真空中の場合は弾の旋転の有無、弾の形状にかかわらずこの様な結果で落下、着弾します。
よく判らないのですが、真空中でも重力によって弾の姿勢は変化するのでは
ないでしょうか??
tackow
なるほど、巧妙なものなのですね。
これで安心して眠れます。
志郎
剛体の運動は、重心の運動と、重心周りの回転運動より成ります。
この内、重力が関与するのは重心の運動だけで、弾の姿勢変化は歳差運動と空力作用のみによります。(重心周りの回転運動には自転運動も有ります)
私ばかり納得出来ている様な気がして申し訳無いので、10.について補足します。
自転運動していなければ、砲弾の向きは、右に向けようとすれば偶力に従い、素直
に右を向きます。その他の方向についても同様です。
ところが高速で自転運動をしていると、不条理にもそうはなりません。
進行方向に向かって時計周りに自転している場合、
右に向けようとすれば下、下に向けようとすれば左、
左に向けようとすれば上、上に向けようとすれば右
に向きが変わります。
反時計周りなら逆に
右に向けようとすれば上、上に向けようとすれば左、
左に向けようとすれば下、下に向けようとすれば右
に向きが変わります。
これは真空中でも同様で、空力的作用とは関係有りません。
これが味噌すり運動の原因となります。
高速で回転するこまが、下に向かって倒れず、横に向きを変えて首を振る、歳差
運動をするのもこの為で、勢いを付けて押し出した無人の自転車が倒れないで走る
のも、ブーメランが戻って来るのもこの効果によるものです。
船舶のジャイロ安定装置も、この原理を応用したものです。
そして上に向かって打ち出されたライフル砲弾も、落下時には下を向く様になります。
しゃるほ
>進行方向に向かって時計周りに自転している場合、
>右に向けようとすれば下、下に向けようとすれば左、
>左に向けようとすれば上、上に向けようとすれば右
>に向きが変わります
は「なんたら効果(すんません、名前が出てこない)」であり、その原因はベ
クトルの足し算であって、高速で回転するコマが倒れないのは「ジャイロ効果」
によるものですよね?
これって別のものだと思うのですが・・・
で、「味噌すり運動」とは、コマの回転数が少なくなるにつれてジャイロ効果
が少なくなり、そのためにふらつきはじめ(歳差運動=味噌すり運動)ると思っ
たのですけれども。
とはいっても、力学関係のハナシはてんで駄目なんで(笑)間違っている可能
性が大きいかなぁ、、
tackow
> これって別のものだと思うのですが・・・
検索掛けたらこんなのが有りました。
http://www.city.yokohama.jp/yhspot/ysc/ysc/noda/g3150.html
> で、「味噌すり運動」とは、コマの回転数が少なくなるにつれてジャイロ効果
>が少なくなり、そのためにふらつきはじめ(歳差運動=味噌すり運動)ると思っ
>たのですけれども。
こまが高速で回転している間、直立で安定し、低速になってからふらつく現象は、
回転軸の先端が太く丸い場合に起こります。
千枚通しの様に細く鋭い場合は、高速で回転していても直立せず、傾いたまま安定
して歳差運動します。棒状の物の先端に乗せれば、殆ど真横に寝かせても倒れません。
染の助、染太郎を見ることが有ればチェックしてみて下さい。
しゃるほ
13番にあるような回転運動体の向きが変わるのは「プレセッション効果」と
あったんですが・・違うのかな??なんせ、20年近く前のハナシなんで・・
tackow