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大淀やリシリュー型、ダンケルク型の様な主砲全門を前方に指向出来る艦は、砲撃しながら後進で退避する戦術はどの、程度想定されていたのでしょうか? 高速で後進出来る船体形状に設計されていたとか、後進で操艦訓練をしていたりしたんでしょうか? また実際に後進で戦闘、退避が行われた例は涼風以外にも有るのでしょうか? しゃるほ |
失礼、涼月です。扇風機じゃないんだから。
しゃるほ
後進状態のドン亀モードでは、的にしてくれと言っているようなものでしょう。
退避するなら、潔く背を向けて全速で逃げるのが当然と思いますが。
涼月の例は、艦首がちぎれて前進では隔壁が水圧に保たないための
止むを得ない処置だったと思います。
勝井
あと、アウトレンジを実践する場合は、接近を図る相手に対して前進、後進のどち
らで距離を保つものなのでしょうか?
>後進状態のドン亀モード
実際のところ、どれくらいの速度なんでしょう?
最大船速は前進の半分くらいなんでしょうか?
しゃるほ
これが、仮に「前進原速」と同じスピードとしても12ノットにしかなりません。
護衛艦に多用されているガスタービンやディーゼルエンジンは「理論上」は後進時も前進時と同じ馬力を発生できる可能性がありますが、戦前、戦中に多用された蒸気タービンは、専用の低出力後進用タービンを使用します(前進時にはデットウエイトになるので小型低出力のものを装備)ので現在のガスタービン護衛艦より前進と後進のスピードの差が大きかった可能性が高いと思われます。
実際の運用上も、艦隊運動中に後進をかけた場合には、後続艦との衝突の危険がありますし、「敵前一斉回頭」ならず「敵前一斉大停止」になる危険性(特に蒸気タービンは応答性が悪いので停止状態が長くなる危険大)があるために実用的ではありません。
だいたい、数万トンの戦艦だったら後進一杯をかけても停止するだけでも、かなりの距離や時間が空費されるでしょう。
撤退時の戦闘ですが、日本海軍の駆逐艦が、敵艦隊から待避中に最小限度だけ変針して魚雷を発射した事例がありますので(当然前進時)、前方に砲装を集中した軍艦の撤退時の戦闘も同様なものになった可能性が高いと思われます。
以上の事情から、軍艦が戦闘時に後進を掛けるのは、艦首を損傷した場合か、僚艦との衝突を避ける場合に限られる場合が多いと思われます。
BAR
白露型駆逐艦の1隻として、第二次大戦に参加しているようです。
後進により敵から待避
きわめて薄い記憶ながら、日本本土に艦砲射撃に来航した敵艦隊から待避するために海防艦が後進を掛けた例が「艦長たちの太平洋戦争」に掲載されていたような気がするのですが、この本が手元にありませんので確認できません。
ただ、この例も単艦行動(あるいはそれに近い状態)の海防艦という小型艦艦長がとっさにとった行動であり、マニュアルで決まっていた訳ではなく、例外的事例と見るべきでしょう。
アウトレンジ時の操艦
海軍士官(たぶん商船士官も)は他船と自船の進行方向から、ある程度までは暗算でも接近率を知るテクニックをもっているようですので、戦闘時にも前進状態で敵艦との距離を保ったものと思われます。
BAR
知りませんでした。ご教示有難うございます。
リシリュー型、ダンケルク型は1、2番砲塔の配置が離れていて死角が少なそうな
ので(全周旋回可能?)、前進しながら1番砲塔だけで砲撃してアウトレンジする
事になるんでしょうね。
しゃるほ
の角度まで後方に射撃することが可能です(写真なんかで見ると、殆ど真後ろ
まで射撃可能)。なので、普通は前進で非敵方向に走ったのではないかと思い
ます。大淀なんかも同様ではないでしょうか??
仏艦、フィヨルド、、、判りません・・・
あと、「アウトレンジ」ですが、我が海軍では決戦時に「相手の手の届かな
いところから一方的に殴る」といった戦法は潔しとしていなかった様ですから、
その辺の艦の操艦方法も判りません・・・
tackow
後方左右30度ずつのみであると
以前読んだ記憶があります。
勝井