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ドイチュラントってどんな船だったんですか?なんかでかい砲を積んでるようなことが漫画かなんかにかいてあったんですが 紅葉饅頭 |
重巡程度の船体に、シャルンホルスト型と同じ三連装28cm砲を二基搭載
速力は28ktぐらいでしたっけ?
第二次大戦初頭ではこの艦を補足撃破できる艦は少なくイギリスはかなり
てこずったそうです。
なお、途中でグラーフ・シュペー(?)に改名しました。
ちょっと不確実なとこが多くすいません
taka
>なお、途中でグラーフ・シュペー(?)に改名しました。
ドイッチュラントはリュッツオウに改名です。
アドミラル・グラフ・シュペーは同級艦です。
masa
taka
>重巡程度の船体に、シャルンホルスト型と同じ三連装28cm砲を二基搭載
シャルンホルスト型は当初38cm砲を搭載する計画でしたが砲の生産が間に合わず28cm砲で忍ぶ事になったのですが、長砲身化されているので全く同じものでは有りません。
しゃるほ
@従来のリベット工法ではなく全面的に溶接工法を採用
A機関にスチームタービンではなくディーゼルを採用
という新機軸を採っています。
特にAは燃料消費が少ない為、10ノットの低速ならば地球を5/6周出来る程の
長大な航続性能の実現に貢献しており、単艦で外洋に出て敵方輸送船団を攻撃する
通商破壊戦活動に極めて有利となっています。
そもそもこの装甲艦(通称ポケット戦艦)という艦種はドイツが加盟していない
ワシントン条約で巡洋艦の主砲口径が20.3cmに制限された為に生まれた構想を
ベルサイユ条約の範囲内(多少のズルはお約束)で実現させた神業的なもので
すなわち、条約制限一杯の28cm砲装備して敵巡洋艦を砲力で撃破し、敵戦艦は
速力で振り切って通商破壊戦活動を有利に遂行する。このような要求をわずか
1万トンの船体に詰め込んだという代物です。
建造当時の仮想敵国フランスはこの様な艦に対抗出来る船をもっていなかったので
やや小型高速の戦艦ダンケルク型を起工、これに対抗してドイツはポケ戦建造を
中止して巡洋戦艦シャルンホルスト型建造という具合に事態は推移します。
が結局ドイツ艦はフランス艦とやりあうことなく終わりますが。
しゃるほ
BUN
元々フランス戦を想定していたので...
イギリスでなければ出来ない芸当です。
ポケ戦は3隻とも単艦で(もしくは補給艦のみを引き連れて)果敢に
外洋に繰り出して通商破壊で戦果を挙げてますよ。
シェーアなんて希望岬を廻ってインド洋まで脱出して追跡を振り切り
商船17隻撃沈です。
イギリスが相手なら立派なものなのではないでしょうか?
しゃるほ
tackow
戦果の大半を外洋での単艦行動(もしくは補給艦1隻のみ随伴)で挙げています。
しかもその内容は殆どが商船撃沈です。
グラフ・シュペーは数にものを言わされて追い込まれ、半ば自滅的に最期を迎え
ましたが、あとの2隻は長大な航続力を活かして追手の裏をかき、終戦間際まで
生き残びてますよ。
ただし本格的な外洋行動は各1回くらいしか無かったですが。
アドミラル・シェーアはホーン岬を廻ってインド洋にまで逃れながら商船17隻
を撃沈してます。
やはり根っからの通商破壊艦と呼ぶべきではないでしょうか?
しゃるほ
ごめんなさい。ごめんなさい。
2重書き込みしちゃいました。
くどいですがお気を悪くしないで下さい。
すみません。
しゃるほ
もともと水上艦艇それも大型艦で通商破壊活動が続けられるという見通しは第一次大戦の戦訓から否定されています。そもそもフランスの港湾が使用できる見通しもなく大型水上艦艇が遠洋に継続的に出撃できるとの発想が不自然な物です。「ポケット戦艦」は伝説の産物なんですよ。
BUN
レーダーが書いた(?)「巡洋艦作戦論」ってどんな内容でしょう?
豆戦艦ファン
また世界の艦船1978/6月号にフジ出版の社刊「呪われた海」のそれを元にしたZ計画での就役艦艇数表が掲載されているのですが、これによればO級巡洋戦艦は1948年まで継続的に建造され最終的に12隻が整備されるようになっていたようなのですが、ドイチュラント級と同じく艦隊決戦に用いるにはいささか非力な本級を大量整備しようとしたのはいかなる理由があったのでしょうか。本題とは離れてしまいましたがどなたかお答え願えれば幸いです。
ヴェトミン
ですが、その前に改ドイチュラント級とでもいうべき装甲艦の大量建造が予定され、
O級はその替わりの存在なんです。
そのせいか、O級12隻説以外にも、装甲艦+O級並行建造とか、
かなり混乱した文献がたまに見かけられます。
勝井
>正しい所だと考えます。
この場合、どうしてドイツが「海防戦艦」のような
艦種を建造しなかったのかご教示願えれば幸いです。
RM
装甲艦は実質上旧ドイッチュランド級の代艦である訳ですが、ワイマール海軍時代に
旧ドイッチュランド級が帯びていた祖国水域の防衛に対し、仮想敵である赤旗勲章授与に輝く
ソビエトバルト海艦隊の艦艇やフランス艦隊の艦艇に対抗するには海防戦艦では能力的に
不充分だと判断されたため、装甲艦が建造されたような気がしますが。高火力かつ高速な
装甲巡洋艦が低速な戦艦に対してなんとか対抗できるのは日露戦争で証明されていますしね。
…まあ、装甲艦が通商破壊作戦に従事する事を念頭に入れて設計された事は確かだと
思いますけど(元来装甲巡洋艦は任務として通商破壊にあたる事は想定していますし)、
それが第一義であったとは個人的には思い難いです。
大塚好古
BUN
BUN
この艦の計画時に同時に検討された案として、38センチ4門/18ノット案と30センチ6門/18〜20ノット案がありますが、これはこの艦が孤立した東プロイセンとの海上交通路の確保等の任務につく海防戦艦的な本質を持つことを証明していると言って良いのではないでしょうか。小型強力なディーゼル機関もヴェルサイユ条約下のトン数制限によって必然的に搭載される方向にあったものです。
ただ、このクラスがポケット戦艦を名乗り通商破壊艦としての可能性を検討され得る状況が唯一想定されており、それは宿敵であるフランス一国のみとの戦争においてのことです。地中海と大西洋に艦隊を分割せざるを得ないフランス海軍の弱みを突き、海外植民地との連絡を脅かす可能性が検討されています。
ただ、ここで重要なのは、こうしたドイッチュラント型を投入した通商破壊作戦が有効と考えられるのは、イギリス海軍が二国間の戦争を傍観し、参戦はおろか100%干渉しないとの、まるで僥倖の如き状況を想定した場合のみだったことでしょう。
対イギリス戦までも考慮していたフランスは最悪の事態に備えてダンケルク型の戦艦を建造することになりますが、当のドイツ海軍としては、そうした僥倖を当てにした軍備は当然のことながら余り本気で行っていません。
無理に例えれば、比較的高速ながら本来無害な海防戦艦に着せた「狼の皮」がポケット戦艦の宣伝であろうということです。プロパガンダによってフランスの本気の対応を引き出し有効な抑止力を構成し得たドイツ海軍の知恵の象徴がドイッチュラントだと言えるのではないでしょうか。
BUN
突破してシュペーは南、ドイッチュラントは北大西洋で開戦を迎え、そのまま
行動を開始して商船撃沈の戦果を挙げています。
しかもドイチュラントは5隻撃沈を達成した時点で戦闘行動を切り上げ、再び
哨戒線を突破して整備の為、本国港湾へまんまと帰到せしめています。
これはフランスが陸からドイツに侵攻される以前の出来事であり、この結果を
見る限り、たとえフランスの港湾を利用出来なかったとしても、装甲艦が通商
破壊艦としての本領を発揮する機会を全く失うとは思えません。
また危険を顧みずこの様な作戦行動を遂行させたというのは、装甲艦が通商破壊
戦に於ける主戦力と位置付けられていた証と考えます。
ドイチュラント起工当時のドイツが政治的な目的で何らかの行動を採るならば、
狙いは当然ベルサイユ条約撤廃のはずであり、強力な通商破壊艦を建造して仮想
敵国の建艦意欲を刺激するなど政治的にはまるで逆効果です。
通商破壊活動に非常に適した艦がある程度の大型艦であり、大海軍国を相手に
通商破壊戦以外望み様も無い弱小海軍国家があるならば、たとえ高価であっても
大型艦を通商破壊目的で建造するというのは極めて有り得る事だと思います。
シャルンホルスト型巡戦やビスマルク型が通商破壊を第1目的としてはいないと
いうのは確かにその通りだと思いますが、1万トンの艦がそんなに大きいと言え
るでしょうか?
しゃるほ
まさにそのように造られたと思います。海軍の重要な任務のひとつに、Show The Flag があります。新造艦を外国へ持っていっても、仮に海防戦艦であれば「それで何がしたいわけ?」で、ナメられて終わりです。
「どうだい、こいつにはチット困るだろ」の性能ですから、外国に一目置かせられるわけで。実際に巡洋艦で取り囲めばやっつけられるとしても、できるのはイギリスだけでしょうし、平時にそういう理論は通りません。ちゃんと国民に説明できる形の対抗戦力が必要になりますから、フランスはああいうものを造らなければならなかったのでしょう。
>18
仰る通りで、イギリス海軍相手にこんな採算の合わない作戦はありません。出撃した高価な軍艦は、戦果を上げれば上げるほど、まず確実に捕まります。ですからドイッチュラントの性能は紙の上のものなのであって、実際にそういう用法に使ってはいけなかったのです。
軍艦が実戦に役立つに越したことはないのですが、相手がそれに対策を講じられないが故に抑止になる、もしくは対抗するために非常な努力をしなければならないのならば、それはそれで十分に有効なのです。ただ、戦争が始まってしまえば、そういうものでも戦力ではあるので使われます。結果は多く悲劇ですが。
志郎
回線劈頭にポケット戦艦が通商破壊戦に投入されたのは、それしか手持ちのフネ
が無かったからではないでしょうか?
それも、結構場当たり的に投入された感じもするし・・・
その後の大型艦を用いた通商破壊も正面から対英戦を実施できない「結果」であ
って。本来であれば雌雄を決する海戦をもって北大西洋の制海権を奪取し、通商を
分断する、というのが最終的な独海軍水上艦の存在目的ではないかと思うんです
が?
tackow
全くその通りですが、その手持ちの艦が外洋単艦行動に不適であれば、わざわざ
通商破壊戦には投入せず、北海、バルト海での戦闘に備えて温存するより手は
有りません。
だからこそドイツは貴重な工業力を割いて、通商破壊に適した本級を誕生させた
訳です。
3隻の同型艦同士では1度も艦隊を組まなかったというのも、装甲艦が生粋の
通商破壊艦であることを物語っていると思います。
しゃるほ
BUN
そろそろ弾切れです。ご期待にお応えできず申し訳ない。
しゃるほ
また、通商破壊戦自体が「敵国港湾から遠く離れた場所で実施される」ことに関しては疑問を挟む必要はないと思います。喜望峰周りのルートと大西洋横断ルートを遮断するのは、必ずしもイギリス近海である必要はありませんから。
>21 この場合の「採算」とは、1〜2隻の巡洋艦とポケット戦艦を交換(エクスチェンジ)するのはドイツ海軍にとって採算が合わない、ということだと思います。しかし、1隻の軍艦が洋上で活動しているというだけで、イギリス海軍はすべての船団に護衛戦力を割り振らなくてはならなくなります。本来ならば対潜水艦用のスループがいれば済むケースであっても、ポケット戦艦に対抗するには複数の巡洋艦か戦艦の随伴が必要になります。もちろん、単艦の水上艦に対しては、船団方式をやめて独行艦中心とすれば海上交通戦を維持できますが、独行艦は潜水艦にとっては与し易い標的となります。実際、シャルンホルスト、グナイゼナウ、ビスマルクが健在であった、1隻でも本国艦隊に戦艦が必要な時期にも戦艦による船団護衛が行われていました。基本的にはランドパワーであるドイツの海軍としては、直接商船を撃沈するだけでなく、このような事態に陥らせてイギリスの海上交通の効率を落とさせるだけでも十分採算のとれる戦果であったと思います。
sharman
sharman
sharman
そうでしょうか?
12ノットなら、カイザー級で7900浬、ケーニヒ級、バイエルン級が8000浬、ヴェストファーレン級は10ノットで9400浬走ります。
これは、実は同時期の英戦艦を軒並み上回る航続力です。
アイアンデューク級が10ノットで7780浬走りますが、旧キングジョージ5世級10ノットで6730浬を代表に、英海軍のド級艦・超ド級艦は7000海里走りません。油焚き75000馬力の高速戦艦QE級ともなれば、巡洋戦艦なみに10ノットで4500海里しか走れません。(第一次大戦頃の巡洋戦艦というのは、名前から受けるイメージとは違って、航続力はさほど大きくありません)
まなかじ
うーん、ドイッチュラント級のディーゼル機関搭載は、あくまで機関の重量とスペースの節減を目的としていたのだと思います。
20ノット巡航では、航続力は1万浬を割り、18ノットでも1万浬強です。
燃料搭載量約3000トンから考えると、18ノットでの燃費は我が利根級とあまり変わりません。(利根は2650トンの重油に対し18ノットで8000浬強)
北海やバルト海で巡洋艦が行動する場合、これら海域の特徴として霧や雨、雪が多く、近距離でのいきなりの会敵がしばしば起こるので、低速での航行は危険です。持ち前の速度を活かす前に、立ち上りで命中弾を受けてやられてしまいかねません。
したがって、ドイツ海軍ではドイッチュラント級の計画も航続力は20ノットを基準にしてなされており、航続力は実質9000浬強と想定しています。
また、ドイッチュラント、シェーア、シュペーと建造されていくうちに、燃料搭載量は逐次減らされており、その分(?)防御力を少しづつ向上させています。
2万浬に迫る大航続距離は、ディーゼルの低速時の効率のよさによる余禄、と考えてよいのではないでしょうか。
まなかじ
未だダンケルク級を持たず、イタリア海軍に対抗しつつ、イギリスを横目で見ながらのフランス海軍にとっては、ドイッチュラント級は相当うるさげな存在になったでしょう。
イギリスは、とりあえず眼中になかったのではないでしょうか。
英海軍にフッド、レナウン、レパルスがある限り、ドイッチュラント級は英海軍に対しては切り札にはなり得ませんし、そもそもイギリスと戦えば、当時のドイツ海軍では対抗不能も同然です。
とりあえず、だとしても、イギリスとは戦争しない、という選択以外は当時のドイツ海軍には取れるものではなかったと思いますが。
まなかじ
sharman
なんで乗員を1600人も乗せなければならないのか、14000トンもの排水量を何に使っているのか。
航続力は大きくないし、缶の信頼性はまるでなし、攻撃力も8インチ砲としては長射程大威力とはいえ8門装備でたいしたことがなく、防御力は悪くないが堅艦というほどでもない。
欧州系の重巡としては重雷装なのが特徴といえば特徴ですが、どちらかというとふやけた造りの駄作艦という印象があります。
何をやらせるための艦なのでしょう。
まなかじ
対軽巡用の艦と想定してみてみると、
英の大型軽巡にも十分対抗できる強力艦、ということになりませんか?
勝井
実際、活躍してないですよね、独重巡
ブリュッヘルに至ってはいきなり沈没、しかも陸上固定魚雷発射装置なんかに
生き残っても活躍の場があったとは思えませんが
なにか、価値見出せます艦ですかね?
失敗作?
星芋
ドイッチュラントの航続距離が長いのはディーゼル機関の採用により、思わぬ長さが達成できてしまったという側面もありますが、基本的には、フランス植民地のあるアフリカ沿岸まで進出して通商破壊戦を戦う為のスペックです。ドイッチュラントの航続距離はこのように建造時からの通商破壊艦として計画されたものなのです。
しかし、だからといってドイッチュラントの戦時の任務は通商破壊等では全く無く、東プロシアとの交通確保とバルト海、北海作戦以外のものではありません。ドイッチュラントは通商破壊艦では全くないのです。通商破壊艦としてのスペックを持ちながらも、通商破壊艦などという艦では全くない。それがドイッチュラントという艦の勘所です。
スペック上からその艦の本質を云々しても全く役に立たない好例がこの艦ではないでしょうか。
BUN
勘違いなさらぬよう。
ブリュッヘル沈没の根本的な原因は、
ろくに身動きとれぬフィヨルドで、タコ殴りにあったためです。
作戦上の必要あっての行動なのかも知れませんが、やはり運用に問題があります。
それと、ヒッパー級を本質大型軽巡として見るならば、
短い航続距離も納得できる気がいたします。
通商破壊戦を挑もうにも、護衛側の仮想巡洋艦クラスでさえ、
自艦と同大(計画段階で)の6インチ級砲数門を装備しています。
となれば、ポケット戦艦や巡洋戦艦のような圧倒的な優位は存在しません。
相対的には有利とはいえ、撃ちあいになれば自艦が傷つく可能性は前者に対して
はるかに高く、そう見れば長い航続力を与えても早々に損傷してしまい、
無駄なものとなってしまうでしょう。
ヒッパー級は本国海域での対補助艦戦を想定した、
純然たる対艦戦闘艦なのではないでしょうか?
勝井
砲力を比較するのは間違い。
そうでなければ多くの補助巡洋艦が大西洋に出撃した事実が理解できなくなります。カタログデータのみで、艦の建造意図や本質を云々するのは、もう止めましょう。恥をかくだけです。
BUN
>しかし、だからといってドイッチュラントの戦時の任務は通商破壊等では全く無く、
???
すいません、よく理解できません(^^;
「通商破壊」って、戦時以外には全く意味のない言葉なのでは?
「平時に砲艦外交、戦時に通商破壊」くらいなら理解できるんですが…。
satoski
攻撃力に関しては、20.3cm/60口径SK C/34砲は初速925mps・実用上の最大射程が33kmという20cmクラスでは世界最高性能の砲で、イギリス海軍の重巡を5000mアウトレンジで攻撃することができます(もちろん、最大射程で撃って沈めることなどできませんが)。 門数的にも8門はイギリスの重巡と比較して同等の数です。
星芋氏のおっしゃるブリュッヘルのケースは、主砲の試射さえ行っていない状態で実戦投入(ノルウェー作戦での輸送任務)されたためで、不可抗力という気がします。少なくともA.ヒッパーとP.オイゲンは、主にノルウェーを基地とした船団攻撃においてそれなりに活躍しています。ドイツ海軍としては、これらの艦艇の直接あげた戦果よりも、ムルマンスク航路に対して圧力を加え得る水上艦を擁していたということ自体が戦略的イニシアチブを維持する上で重要だったのだと思いますけれど。PQ船団の中には、「ティルピッツが出撃した」という誤報のみで護衛艦隊を引き上げてしまい、大損害を被ったケースもあります。
勝井氏のおっしゃる仮装巡洋艦の砲戦力についてですが、これらの装備している15cm砲は単装で統合的射撃指揮装置を有しませんから、日露戦争時代と大差ありません。よほど接近しない限り、近代的な軍艦と互角に撃ち合うことは無理なのではないでしょうか。これらは、浮上潜水艦と仮装巡洋艦に対抗するためなのだと思います。
A.ヒッパー級はシルエットがシャルンホルストやビスマルクと酷似しており、艦隊戦において敵側の測距を間接的に妨害するという、顔の大きな人が一歩下がって集合写真を撮るがごとくの、嘘のような効果もあったようです。このあたりからしてドイチュラントはからきし違うので、彼の艦は本当にA.ヒッパーやシャルンホルスト、ビスマルクなどと艦隊を組んで戦う気があったのでしょうかねぇ……。最高速力も違うので、艦隊運動もやりにくいだろうし。
sharman
sharman
半分だけ訂正させて下さい。
> その後の大型艦を用いた通商破壊も正面から対英戦を実施できない「結果」であ
>って。本来であれば雌雄を決する海戦をもって北大西洋の制海権を奪取し、通商を
>分断する、というのが最終的な独海軍水上艦の存在目的ではないかと思うんです
>が?
第一次大戦ではドイツ大海艦隊は近海域に終始封じ込められたままで、ユトランド
を演出する以外何も出来ませんでした。
「外洋に出る手段を失えば、対英6割ですら全くの不足」
世界第2位の大艦隊に対して絶大な期待をよせていたドイツ国民が、一体どれほど
失望させられたかを考えれば、この第一次大戦でのドイツ最大の戦訓が、国家全体
の共通認識にまでなっていたであろうことは想像に難くありません。
6割で駄目なら今度は8割といった方針で海軍再建を目論んでいたというのなら
話も違いますが、自国の工業力ではそれはとても望めないというのに造るでしょ
うか?近海域のみでの戦闘を想定した1万トンの艦を。貴重な代艦枠、工業力を
使って。外洋活動可能な艦の建造を全国民から支持される恵まれた状況の中で。
ベルサイユ条約により規模縮小を余儀なくされ、冷遇されながらも残る事を自ら
選んだ軍人魂の塊のような海の男達が。
それは有り得ないと私は思います。
しゃるほ
ポケ戦が北海、バルト海での高速巡航を基準にしていたという意見には異存が
有ります。
シャルンホルスト型巡戦の艦首形状は当初アトランティック型でしたが、同様に
アトランティック型であり艦齢のより古いドイチュラントを差し置いて、高速
航行に適したクリッパー型に改装されています。
ポケ戦は最期までアトランティックのままでしたから、やはり航続能力自体が
売りだったのではないでしょうか?
しゃるほ
といって、シャルンホルスト型に搭載する予定だった38cm砲の生産が間に合わな
いというのに建造を中止するというのも不可解です。
計画通り、シャルンホルスト、グナイゼナウを4番艦、5番艦として完成させて
いれば、北海、バルト海を5隻で組んで行動出来、ダンケルク型2隻までなら
何とか対抗可能だったと考えます。
その後でおもむろに38cm砲搭載高速戦艦を建造した方が、中途半端な要目の艦が
出来上がる事もなく、好ましいのではないでしょうか?
しゃるほ
シャルンホルストの主砲射程が小口径に似合わずかなり長いとは認識していま
したが、こんなに差が有るんですか?
最大仰角は同じなのでしょうか?
しゃるほ
1920年の米英海軍共同による巡洋艦の研究で、「6in砲装備の仮装巡洋艦に対抗する通商保護に
あたる艦艇は8in砲を搭載し、6in砲防御を持った長大な航続力を持つ巡洋艦が望ましい」という
のがあります。この研究ではWWIの戦訓で軽巡洋艦では仮装巡洋艦に返り討ちにされる危険性が多い、
と評価されたのですが、これの結果として後に計画された英海軍の条約型は日本の8in巡洋艦への
対抗と言う面より、この研究の結果に基づいて計画されたフシが強いです。
まあ確かに仮装巡洋艦はWW2においては余り活躍せずに終わっていますが、大戦初期においては
英海軍が多数の仮装巡洋艦を就役させており、当時彼等が仮装巡洋艦を相応に評価していたことを
忘れてはいけないでしょう。
…う〜む、完全に話の論旨から脱線している気がするのう(-_-;)
大塚好古
だからこそ、ドイッチュラントはああいう艦なのです。
ベルサイユ条約の枷の中で、どれだけのことを海軍がやってのけられるか、その最大限を追求したのが、あのクラスではありませんか?
ドイッチュラント級は、十分な外洋行動能力を備えているけれども、近海作戦用に建造されているのです。
これは、当時最大の仮想敵国たるフランスに対するハッタリなのです。
もし、独仏間で戦争になり、英が模様眺めに終始する場合(つまり、ドイツに好意的な中立の立場を取る場合)ドイッチュラントは「その気になれば」ビスケー湾から西アフリカあたりでフランスの通商路を荒らしまわることも「できるよ」という含みが、あの性能にはあります。
『戦艦より優速で、巡洋艦より強力』というポケット戦艦の売り文句も、巡洋戦艦3隻を擁し、膨大な巡洋艦戦力を保持するイギリスには通用しませんが、第一次大戦型の旧式戦艦と、ようやく建造をはじめたばかりの新世代巡洋艦、しかもイタリア海軍にも対抗しなければならないフランスにとっては、実に頭の痛い話です。
しかし、実際にそうした行動ができるか、といえば、なによりも兵力不足でできません。新型1万トン艦と前ド級戦艦合計6隻以外は、ドイツ海軍には6000トン以下の軽巡、800トン以下の水雷艇、あとは練習艦、全部合わせて10万トンしか保有が許されていないのですから。
海軍の存在価値は、あくまで自国の海上交通路を保持することにあります。
敵国海上通商路を脅かし、敵国経済に打撃を与え、敵海軍戦力を拘束すること、あるいは艦隊決戦で敵海軍力を撃滅すること、全て、この第一目的を達成するための手段にすぎません。
ドイツがベルサイユ条約下に戦争状態に陥るとすれば、ドイツ海軍は兵力差で圧倒的不利ななか、近海面での、特に飛地であるオストプロイセンとの交通の確保に全力を挙げなければなりません。
まなかじ
えーと、そのクリッパー型の艦首を「アトランティック・バウ」と称するのですが。
また、シェーアはクリッパー型とまでは行かないものの、改装時に艦首の傾斜をきつくしています。
というのは瑣末な問題でして、
とにかく、計画時の航続力基準が20ノット/1万浬なんですよ。
シャルンホルスト級がアトランティック・バウに改装したのは、アトランティック・バウにするとスピードが出るから、ではありませんね。スピードを出すと(または時化の海面では)前甲板に波をかぶり、特に一番主砲塔にもろに波がぶつかって都合が悪いから、です。
ドイッチュラント級は、高速を出しても、そうした不都合が少なかった(シェーアが多少なりとも改めているのは、ある程度不満があったのでしょう)から、直さなかった、直したとしてもほんのちょっとだった、のではないでしょうか。
>44
2対5ではポケット戦艦に勝ち目はありません。
ダンケルク級は、大威力・高発射速度・長射程の33センチ主砲8門の火力と、充実した防御力、そしてポケット戦艦より2〜3ノット優速な速力を持っています。
それに、大型駆逐艦や軽巡を引きつれてくるのもまちがいないところです。
まなかじ
sharman
sharman
ただ、さすがにベルサイユ条約下の軍備のままイギリスやフランスに喧嘩を売るのは無理だと思います。というか、ベルサイユ体制下のドイツの軍備というのはすべて後々への布石であって、本気で戦争をする計画ではないのではないでしょうか。本気でフランスとやり合うと仮定した場合、ドイチュラント級がリヨン級やプロヴァンス級を擁するフランス海軍と海上決戦を行い、勝つ見込みはある……のでしょうか。通商破壊戦ならば優速を生かして待避という選択肢もありますが、逃げてばかりいては制海権を得ることはおぼつかないでしょう。
まなかじ氏の仰られる「あくまで自国の海上交通路を保持すること」を第一義とする海軍とは、イギリスや日本といった海上交通路に大きく依存した国家のケースであって、ドイツやソ連といった国家の場合は多少事情が異なるのでは?と私は愚考いたします。
sharman
ありゃ!?何か変な事書いちゃいました?
垂直型艦首=アトランティックバウだとばかり思ってましたが勘違いでしょうか?
クリッパーバウというのは側面からの艦首垂線のシルエットが抉れたようにカーブ
して水中で後退おらず、バルバスバウに次いで高速発揮に有利な艦首形状と大雑把
に理解していたのですが違うんでしょうか?
単にフレアーが付いただけではクリッパーバウではないですよね。
日本の駆逐艦に採用されている日本刀の切っ先のような形状は、機雷の係維索を
起爆させずに乗り切る為のもので、スプーン型とかダブルカーブドバウとか言うら
しいんですが、この2つが同じ物なのか私には見分けが付きません。日本駆逐艦で
クリッパーバウなのは島風1隻のはずだったと思いますが、そういえばどうして
バルバスバウにしなかったんでしょうか?
本題とかけ離れてしまいますが、艦首形状について詳しい方。
どうなのか教えて下さい。
しゃるほ
BUN
しゃるほ
リナウンは、間接的にシュペーを撃沈していますが。
ラングスドルフ艦長がモンテビデオ脱出をあきらめたのは、港外にリナウンが待ちうけている、との虚報によるものでした。
そこにいないのに『いる』という情報が流れただけで、シュペーを自沈させてしまうのですから、英巡戦の実力は侮れませんし、ドイツ諜報機関の実力も過大評価はできません。
ドイツもソ連も、海上交通に極めて大きく依存していますよね。
ムルマンスクに入る船団がなければ、ソ連は1942年の冬には手を挙げていたかもしれません。
あまり知られていませんが、ノルウェー海域ではドイツ海軍は激しい海上護衛戦を戦っており、英海軍の巡洋艦や潜水艦による「通商破壊戦」に悩まされどおしでした。主力艦が寝ていたことばかり強調されていますが、ドイツの小型艦艇は海上交通路の確保のために日夜激闘を繰り広げていたのです。
また、バルト海でのスウェーデンやフィンランドとの通商路、オストプロイセンとの交通路、戦争が進んでは北方軍集団への補給、末期のクールラント戦線への補給、また撤退など、不活発とはいえソ連バルト海艦隊の潜水艦や、こちらは盛大に敷設される機雷に悩まされながらも地道に続けられています。
このように、近海に限っても海上交通路は重要なものばかりです。
それに、ドイツでは鉄と石炭と塩しか大量には出ないのですから、それ以外の鉱産資源は海を渡って入ってきます。ハンブルクやブレーメンといった大貿易港は、何のために存在するのでしょうか。
ドイツ海軍にはイギリス海軍の封鎖を解くだけの力はもちろんありませんが、それでドイツが如何に困ったかは多言を要さないでしょう。
海上通商路を封じられて困らない国などありませんし、大陸国といえどもそれは変わりません。
ベルサイユ体制下のドイツは、喧嘩を売ることなんてこれっぽっちも考えていません。
売られた喧嘩をいかにしてさばくか、そのことだけを考えています。
ワイマール海軍は、イギリスに売られたらあきらめるしかないと割り切って、フランス一国にターゲットを絞って軍備をしています。
もちろん、後への布石は練習艦の(比較的)多数建造や、フィンランド向け潜水艦の受注などで着々と打ってはいますが、何よりも、今そこにある脅威に備えることが必要です。ルール占拠みたいなことをやってくるフランスですから、なにをするかわからない、という思いはあったと思います。
機雷と水雷艇隊と高速海防戦艦(ドイッチュラント級)で、最低限、できるかどうかわからないけれどもバルト海の制海権だけは保持したいというのがワイマール海軍の本音でしょう。
ドイッチュラント級は、それを目的に作られているのですから、イギリスとの交戦ははなっから考えに入れていないし、入れていたら設計が破綻していること疑いなしです。
むしろ、イギリスが味方についてくれることを期待している設計ですらあります。
イギリスが手出ししないでいてくれれば、一部兵力(2隻が限度かなあ)を割いて西アフリカ沖に出動してフランス海軍を牽制することもできる。
イギリスと戦えば、デンマーク海峡に巡洋艦を貼りつけておいて、ポケット戦艦を発見し次第巡戦がスカパフローからスクランブルすれば、それで話が終わってしまいます。
実際には何度となくドイツ艦はデンマーク海峡をすり抜けましたが、果たして、図演でそうした結果は出たでしょうか。
まなかじ
レナウンを誤認したのはG.シュペー側であって、諜報の成果ではないのでは? ラングスドルフ大佐が非常に弱気になっていたのは、彼個人の資質もさることながら、前日の砲戦で負傷していたせいもあるでしょう。もし、この時、出撃していたら、戦力の低下したG部隊だけではG.シュペーを阻止し得なかったと思います。もっとも、G.シュペー然り、ビスマルク然り、シャルンホルスト然り、悲劇的な自滅に自ら向かっていってしまうのはゲルマン気質とでもいうべきもので、いったんその思考に捕らわれるとどうしようもなくなってしまうのかもしれませんね。
51で提示したソ連とは、冷戦期の潜水艦を戦略の主軸に据えたソ連海軍のことだったのですが、第2次世界大戦のソ連海軍についても考察する意義はあります。ただ、ムルマンスク船団は通商保護とは直接関係ない要素ではないでしょうか。ソ連海軍が初めから通商保護戦略に組み込んでいたわけではありませんし、独ソ戦という国内での激戦を遂行していなければムルマンスクルートが無くてもそれほど問題にはならなかったでしょう。提示されているドイツの例も同様です。北欧からの物資の輸入はドイツにとっても重要ですが、その依存度はイギリスや日本が海上輸送に頼る度合いと比較すれば格段に低いものとなります。これがシーパワー国家に対するランドパワー国家の強みでしょう。でなければ、レーダー提督以降のドイツ海軍が潜水艦による通商破壊戦に力点を置く意味がありません。もし、自国の通商保護こそが海軍の第一義ならば、なぜドイツ海軍はイギリスの通商破壊戦に直接対抗するよりもイギリスに対して通商破壊戦を行う潜水艦の建造を重視したのでしょうか?
で、本題に戻りますが、フランスに対抗してバルト海の制海権を保持するべく作るとしたら、BUN氏が19番で仰られている北欧海軍にありがちなタイプの低速・重武装の海防戦艦の方が遙かに適していると思われます。しかし、ドイチュラント級には、後々の戦績が証明するように、長距離の通商破壊任務に適した(あるいは適する可能性を残した)構造という一面があり、純粋な海防戦艦と評するには無理があるでしょう。
イギリス海軍によるデンマーク海峡の封鎖に関しては、ドイツ海軍も十分に考慮していたと思います。というか、ヴィルヘルムスハーフェンから出撃すればよいのでは? ちなみに、実際には、ドイツ海軍は戦争が始まる前から、ドイチュラント級を交互に洋上待機させてイギリスの封鎖に対抗していました。
sharman
>諜報の成果
ドイツ側がレナウンの正確な位置をつかんでいなかった。
という意味でしょう。
英巡洋戦艦3隻の位置がわかっていれば
誤認しようがないのですから。
>フランスに対抗してバルト海の制海権を保持するべく作るとしたら、
>BUN氏が19番で仰られている北欧海軍にありがちなタイプの低速・
>重武装の海防戦艦の方が遙かに適していると思われます。
低速の戦艦は、敵と戦うときイニシアチブを取りにくいのです。
退くか、攻めるかを自分で選ぶことが出来ませんから。
数が揃えられるならそれもありかも知れませんが
ベルサイユ体制では無理ですね。
高速艦なら態勢が明かに不利な時は退くことも出来ますが
低速艦ではフクロにされてそれで終りです。
>なぜドイツ海軍はイギリスの通商破壊戦に直接対抗するよりもイギリスに対して
>通商破壊戦を行う潜水艦の建造を重視したのでしょうか?
攻撃していれば、相手は自国の船団を守るためそちらに戦力をむける必要があります。
また、どの船団が襲われるか分からない以上、可能な限り多数の船団に護衛を
張りつける必要があります。
つまり、攻撃しなければ、その分の戦力がドイツへの通商破壊にむけられるわけです。
なお破壊戦の対抗策として、Tボート、Sボート等も用いて直接船団を護衛しています。
間接的には、ティルピッツ等の有力艦をノルウェーに張りつけることで
牽制としています。
>ヴィルヘルムスハーフェンから出撃すればよいのでは?
位置を考えると濃密な航空偵察を受けそうな気がしますが…。
>悲劇的な自滅に自ら向かっていってしまうのはゲルマン気質
優勢な相手に囲まれた結末であって気質とは、関係ないのでは?
木
>ドイツ側がレナウンの正確な位置をつかんでいなかった…………
それも然り。しかし、現場が「見た」と言っているものを後方の司令部で「諜報によるとそんなはずはないはずだ」と言い切るのは難しいことではないですか。特に、抑留の危険が数時間後に差し迫っていた時は。
>低速の戦艦は、敵と戦うときイニシアチブを取りにくいのです…………
もちろん、高速であるのに越したことはありませんね。しかし、それは砲戦力が拮抗している場合のお話なのではないでしょうか。イニシアチブをとっても仮想敵のフランス戦艦にまったく歯が立たないというのではあまり意味がないような気がします。
>攻撃しなければ、その分の戦力がドイツへの通商破壊にむけられるわけです…………
ドイツ通商破壊戦はイギリスの通商破壊戦能力を減殺するため、ということですか。興味深い論ですが、それが主目的ならばむしろ護衛兵力の増強に力を入れるべきなのでは? ティルピッツを筆頭とする大型水上艦はムルマンスク航路を攻撃するためにノルウェーに配置されていたのであって、バルト海水域の間接護衛のためではないと思います。後者の目的でしたら、むしろドイツ本国にいて直接護衛を行った方が効率はよいでしょう。
>位置を考えると濃密な航空偵察を受けそうな気がしますが…。
北海への突破作戦は、概ね天候の悪い時期(特に霧)を選んで行われていたようです。
>優勢な相手に囲まれた結末であって気質とは、関係ないのでは?
ビスマルクに関して言えば、舵を破壊された後は距離を開くことを放棄し、むしろイギリス艦隊に接近するような行動をとっています。
sharman
>と言い切るのは難しいことではないですか。
シュペー側が受けたレナウン接近の情報は無線傍受、伝聞等の間接的なモノ
だけで直接確認はなかったはずでは…。
>イニシアチブをとっても仮想敵のフランス戦艦にまったく歯が
>立たないというのではあまり意味がないような気がします
はい、相手がドイツと同じような通商破壊をしかけた場合はその通りです。
しかし、ルートが陸に近く短いドイツ側の場合、航空偵察などで
『航行中に敵(特に低速の戦艦)が出没するかも』
という危険性は小さくすることが可能です。
(ドイチュランド建造時は海軍航空隊も健在でしたし)
そうなると、海域に戦隊を張りつけてルートそのものを塞ぐことになりますが
その場合は話が変わります。
平たく言うと高速艦に選択の自由が増えます。
敵国の港に船を入れないように封鎖を行うには、かなりの数の
軍艦が必要となります。数が足りたとしても、船に燃料の補給を
する必要がありますから、その分の余裕も考えなければなりません。
そうなると、どうしても弱い箇所が出てくる羽目になります。
逆にその補給船団に攻撃を仕掛けることで封鎖網を崩す
という手も考えられます。
ただ、封鎖戦に慣れたイギリス相手にこれをやるのは
結構苦しいと思いますが。
>それが主目的ならばむしろ護衛兵力の増強に力を入れるべきなのでは?
守るべきルートが限定されている以上、最終的には投入できる予備兵力がモノを言います。
それに57で言った様にこの手の戦いでは攻撃側に攻撃箇所選択の自由がありますから、
(独海軍全力でも)中途半端な増強では各個撃破で終るだけでしょう。
それからドイツ船団は夜間沿岸を航行しているので、喫水の深い
船で襲撃した場合、座礁の心配も…。
>ムルマンスク航路を攻撃するためにノルウェーに配置されていた
ハイおっしゃる通りです。ただ、イギリス海軍が総力を挙げてやっと撃沈できた、
ビスマルクと同級の船が存在する以上、それが出撃した時の用意としてある程度の戦力を
手元(スカパフロー近辺)に保持しておく必要があります。
間接護衛と書きましたが、どちらかといえば『限定攻勢による敵戦力の誘引』といったほうが
正しいですね。
>北海への突破作戦は、概ね天候の悪い時期(特に霧)を選んで行われていたようです。
ブレスト程爆撃を受けやすいわけでもなく、河川をさかのぼるわけでもないから
閉塞作戦を仕掛けにくい・・・。
そうなるとなかなか有効ですね。
>ビスマルクに関して言えば、舵を破壊された後は距離を開くことを放棄し、
>むしろイギリス艦隊に接近するような行動をとっています。
敵から退避できない以上、大落角弾による沈没より接近戦を選んだということですね。
そう言えばスカパフローで大海艦隊を自沈させてますね。
うーん、確かに敵に背を見せたがらない性分ですね。
木