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NS110調質高張力鋼ってチタン合金より性能良いんですか? また、NS110を使った潜水艦(おやしお級相当)は何メートルぐらい潜れるんですか? ガンヘッド |
引っ張り強度
調質高張力鋼:588〜981Mpa
α型チタン合金:850〜1000Mpa
β型チタン合金:1300Mpa程度
チタンがメチャクチャ高価なこと、加工しにくいこと
を考えると、費用対効果は圧倒的じゃないでしょうか?
taka
一般的なチタン合金である6Al-4V-Tiが焼き入れをして100kgf/mm^2だそうです。
この点では明らかに性能が「良い」といえるでしょう。
勿論、チタン合金も組成次第でもっと強力なものも作れますが、コストが馬鹿に
なりません。
PT
ガンヘッド
が最高でしょうか?でもこいつ沈んじゃってますね。(同型艦なし)
これに続くのはSierraI/II級の700m/800mか米シーウルフ級の安全潜入深度610mでしょうか?
PT
1000mですか!!深く潜れればいいってもんじゃないんでしょうが、すごいですね。
当時の魚雷では目標に届く前に圧壊するんじゃないですか?
NS110で潜水艦つくればそれくらい潜れるんでしょうか?
(そんな単純なものではないですね。)
ガンヘッド
同時期に配備が開始されたUSET-80型魚雷は最大運用可能深度1000mと言われております。
ソ連はアメリカのMk48ADCAPやMK50よりも早く深深度運用可能な魚雷を配備していたわけですね。
なお、NS110を用いて1000m潜航可能な潜水艦を作れるか、と言われれば作れる、
と言えるでしょう。実際シーウルフのHY130より圧力降伏点の限界値は上ですからね。
もっとも、これは海自の潜水艦がそれだけ潜れる、と言うことは意味しませんけどね。
NS110を使用した「はるしお」「おやしお」型の最大安全深度の数値は各論ありますが、
海外の文献では概ね350m程度である、と評価されております。
大塚好古
海外の人って何を基準に350mとかいうのを推測するんでしょうね?
(特にジェーン年鑑書いてる人たち)
もしかしたらそういう情報がダダ漏れとか(怖)
ガンヘッド
日本ではNS鋼使ってましたっけ?HY100とかHY120は知ってるんだけど。
(後者は日米共同研究のアイテム)
>>PT氏
>勿論、チタン合金も組成次第でもっと強力なものも作れますが、コストが馬鹿に
>なりません。
基本はα相とβ相の組み合わせなり。
α相は引っ張り強度はまあまあだけど、伸びがある
β相は引っ張り強度高いけど、伸びがない(脆い)
単純に強度を上げるってことは、それは脆い相を多用することになってしまうわけで。
そんな材料を構造に用いるなんてことはできるのかな?(治金学的にという意味)
6アル4バナは確かに焼き入れある程度できるけど、問題が一つ。
焼き入れしても内面まで綺麗に調質できないのね。
厚板の熱処理はまず無理とおもってくらさい。
ウチでも耐弾チタンの研究したけど、それですげー苦労したよ。
結局ある強引な製造方法でなんとか目標を達成したなり。
研究した理由は比強度が高い。いつか誰かが使うだろう?ってくらい。
sorya
>焼き入れしても内面まで綺麗に調質できないのね。
チタン厚板一般のハナシね。
sorya
>海外の人って何を基準に350mとかいうのを推測するんでしょうね?
>(特にジェーン年鑑書いてる人たち)
あれは数値を見る限りではさる筋から漏れ伝わる潜航深度の数値から
逆算していると思われます。日本人は素直にあれを安全深度と受け取って
いるので日本の書籍と海外の書籍では随分と日本潜水艦の潜航能力値は
隔たりが生じております。知り合いの某アメリカ人の様に排水量トンと
使用鋼材の圧力降伏点数値から計算しようとして挫折したのも居ますけどね(笑)。
>Sorya殿
>日本ではNS鋼使ってましたっけ?HY100とかHY120は知ってるんだけど。
>(後者は日米共同研究のアイテム)
一般的に世界の艦船等で出てくる潜水艦用鋼材の名称はNS30/NS46/NS63/NS80/NS110
なんで、それを使っているのだろー、と解釈してましたが。
実は
「一般にはNS鋼を使っていると流布して性能を隠しております」
「ほほほ、海自屋、そちも悪よのう」
つー事があるんでしょうか(^-^;。
大塚好古