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Q493に関連しますが、どうして高角砲(89式12.7cm高角砲と解釈しています)の方が3年式12.7cm砲より重いのでしょうか? K.K改め涼月 |
涼月
砲架は、仰角の大きい方が一般に大きく重たくなります
高い仰角で発射すると後座した時に床面に砲尾が接触してしまう
これを防ぐには
A:駐退復座装置の容量を大きくして、後座量を減らす
B:砲架を高くする
C:砲耳を(砲身の)後方にずらして、後座量を確保する
が一般的ですが
AとBはそのまま砲身以外の重量の増加に繋がります
またCは比較的簡単なんですが
砲の重心から離れたところに砲耳をつけると
俯仰等が困難になり、発砲時のぶれも大きく、射撃精度が低下します
よって、普通の高角砲は、平射砲よりも砲架重量が大きくなります
また、航空機の追尾のために、旋回俯仰を機力で行う事も多く
その場合、そういった関連機材が重量を喰います
更に、89式高角砲のように、半自動装填装置を備えた新世代の砲は
それが重量を盛大に喰います
また、3年式は螺栓式の尾栓ですが
一般的な高角砲は射撃速度重視の為、鎖栓式が多く
これは、一般的に、重量が嵩みます
以上が、高角砲にすると重たくなるって理由です
重心問題は、それを前提に設計すれば吸収は可能だと思います
駆逐艦の武装重量は、排水量の10%程度で
砲関係は、大体、その半分以下です(日本駆逐艦の場合)
よって、砲重量が倍になったら、武装重量は1.5倍になり
今までと同等の性能を維持しようとするなら
最終的に船体は1.5倍に肥大化します、つまり基準排水量3,000t♪
秋月や島風になるワケですな
SUDO
「秋月や島風よりも大きくなる」です
SUDO
taka
ソマーズ級の主砲は38口径です
つまり他の駆逐艦と同じです、仰角が35度まで制限されてるに過ぎません
また89式は40口径です
SUDO
我が特型のB型砲架が約31tですから結構な重量差があります。以上、御参考までに。
大塚好古
一方、3年式12糎7連装砲は最大仰角40度のA型砲塔が旋回部重量25.4トン。同じく75度のB型が31トン強。55度のC型、75度のD型は、すいません。手元に資料がないです。
多分、89式も完全砲塔型にしたら33トンを超えるでしょうね。松級の前部主砲は砲の後ろがむき出しのもの、後部主砲は裸のままで、完全砲塔型ではありませんが、設計する時間がなかったのと、砲の生産ラインをそのまま使うために決定されたのでしょう。海防艦共々、砲員は波に苦労したでしょうね。
主砲を取っ払って、その上に後ろの開いた高角砲を載せる分には、問題無いのではないでしょうか。ただ、高角砲の砲弾用の揚弾機構(薬莢式のため、薬嚢式の3年式よりも大型でしょう。)を組み込むのには少し時間がかかりそうです。戦争後期になっても89式に換装しなかった理由の一つに、この辺の事情があったのではないでしょうか。
tomo
12.7cm8門はポーター級とソマーズ級ですね、で口径はおっしゃるとおりのようです。で僕の疑問の本題は、大戦中に両用砲のMk32に換装してるようですが、重量増加の問題はなかったのかということです。この二つのクラスは重心が高いなど設計上のムリがあったようなのでMk32のほうが両用砲にも関わらず軽いのか、参考資料が間違っているのではと思った次第です。(出典:光文社駆逐艦入門P245)
taka
taka
換装したといっても、確か連装×2+単装×1にしたんじゃないでしょうか?
>9
そうだと思います。
が、やはり機構的に同じであれば口径の大小が問題なのでは?
takukou
どちらかというと、旋回俯仰の力量の問題が大きいのではないかと
でもって、高角砲だから射程が短いワケではないです
重量等を同等に収めるには、砲口径(直径)を小さくするとか
砲身長を短くする必要があるので、結果的に射程も短くなりますけどね
SUDO