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430  架空艦の性能を問うような話ですので、お気軽に回答下さい。

戦艦扶桑型、伊勢型は、欠陥艦だったと言われる一方、
それより古い金剛型はバランスが良く役立ったと言われております。
扶桑・伊勢の主砲配置と速力に問題があるなら、
主砲塔を2基撤去し、機関を強力にする事で、金剛とほぼ同性能となる気がします。
そういった改造を施し「使える」艦にしようという試みは無かったのでしょうか?
それとも、扶桑型、伊勢型は設計段階で致命的欠陥があり、
いじりようのない物だったのでしょうか?
どんべ

  1. 金剛が役に立つ、と「判明」したのは開戦後だったことに注目しなければなりません。
    それまでは扶桑、伊勢共に十分な砲力と米艦以上の速力をもつ、
    一定水準の有力艦とみなされていました。

    いざ開戦となると、ドックは優先順位の高い艦種の建造におわれ、伊勢や扶桑の改造など手が回らないわけです。
    加えておそらく件の改装は1年位は優にかかるため、戦機を逃す可能性を恐れて改装に踏み切れなかったでしょう。
    無論、鉄砲屋の反対も考慮に入れなくてはならないでしょう。

    個人的には、開戦がもう数年遅れればこの話、持ち上がった可能性有りとも思います(かなり希望的観測)。
    その頃にはこれら4姉妹がいなくても、新たな大和級4姉妹が誕生してますから。

    勝井

  2. 扶桑や伊勢のカウンターパートはネヴァダ・ペンシルヴェニア・ミシシッピといったクラスの戦艦で、これらに対し、主砲火力で1門、副砲口径は1ランク上、速力で2ノット強から3ノットの優位を保っており、とても欠陥艦とは申せません。
    居住性が悪いというのは、トラックを出てマーシャルで決戦するのですから(予定)あまり気にしなくてよい部分。

    太平洋戦争になってみて初めて、どうも使う場所がない…(というか、ホントはあったのだけれども)という話になったわけで。

    となれば、戦時中にそんな大改装をやるわけにはいかんでしょう。航空戦艦に改造するのは上構を増築すれば済みますが、缶の増設、機関換装となると、容易じゃないですよ。
    工廠は損傷艦の修理やら新造艦やらで大忙しですし、手をつけたはいいが、できあがるまでに戦争が終わってしまいかねない。
    まなかじ

  3. うわ、ほとんど同時。内容も完全にかぶっとる…。
    まなかじ

  4. 私も同じ事を考えたことがあります。イタリアが船体中央の主砲塔1基を撤去して機関を増強していますから。
     ただ、当時の日本は速力よりも火力に重点を置いていましたから、主砲の3分の1を撤去するというようなことはしなかったと思います。なによりもお金と工期がかかりますから。
     藤本造船官がご存命で、戦前船舶研究会の描くような人物でしたら可能性は多少あったのかもしれませんがね。
    tomo

  5. しかも間違えとる。
    >主砲火力で1門
    2門〜同等ですね。
    まなかじ

  6. 金剛型が高速戦艦になったのは
    条約で新造できなかったのと、改装前は物凄く弱体化旧式化していたからです
    伊勢や扶桑を金剛と同時期に同様の改装した場合
    その間、日本は長門級だけしか「使えない」状態になるのです
    だれが許容しますか?(金剛は旧式状態のままですから)

    金剛を改装した後に大規模改装するとなると
    既に金剛があるのですから
    高速戦艦がそれほど必要だとはいえないでしょう
    勿論、大和が完成した後なら、戦力全体を再整理することも可能で
    高速戦艦戦力の増強も視野に入れるべきなのですが
    それなら、新造したほうが有利なのです
    それなりに使える戦艦を暫く戦列から外すより影響は少ないですし
    新造する方が安かったりする場合も有るし
    そして新造艦のほうが、たぶん高性能でしょう

    となると、もし行うならば
    1930あたりから始まった大改装に組み込むしかないのですが
    極めて困難なスケジュール管理が必要になります

    1924/03:榛名、第一次改装着手 稼動9隻
    1927/05:霧島、第一次改装着手 稼動8隻
    1928/07:榛名、第一次改装終了 稼動9隻
    1928/11:金剛、第一次改装着手 稼動8隻
    1929/09:比叡、練習戦艦に改装 稼動7隻
    1930/04:霧島、第一次改装終了 稼動8隻
    1930/04:扶桑、第一次改装着手 稼動7隻
    1930/12:山城、第一次改装着手 稼動6隻
    1931/09:金剛、第一次改装終了 稼動7隻
    1933/05:扶桑、第一次改装終了 稼動8隻
    1933/11:榛名、第二次改装着手 稼動7隻
    1934/04:長門、近代化改装着手 稼動6隻
    1934/09:榛名、第二次改装終了 稼動7隻
    1934/09:陸奥、近代化改装着手 稼動6隻
    1934/11:山城、第一次改装終了 稼動7隻
    1934/11:霧島、第二次改装着手 稼動6隻
    1934/11:日向、大改装着手   稼動5隻
    1935/06:金剛、第二次改装着手 稼動4隻
    1935/08:伊勢、大改装着手   稼動3隻!
    1936/01:長門、近代化改装終了 稼動4隻
    1936/06:霧島、第二次改装終了 稼動5隻
    1936/09:日向、大改装終了   稼動6隻
    1936/09:陸奥、近代化改装終了 稼動7隻
    1936/11:比叡、大改装着手   稼動7隻
    1937/01:金剛、第二次改装終了 稼動8隻
    1937/02:扶桑、第二次改装着手 稼動7隻
    1937/05:伊勢、大改装終了   稼動8隻
    1937/06:山城、第二次改装着手 稼動7隻
    1937/11:大和、起工
    1938/03:扶桑、第二次改装終了 稼動8隻
    1938/03:武蔵、起工
    1938/03:山城、第二次改装終了 稼動9隻
    1940/01:比叡、大改装終了   稼動10隻

    見てのとおり、瞬間的にですが稼動戦艦は3隻にまでなってるのです
    改装中の戦艦の何割かは直にでも戦列復帰が可能な状態で行われていますが
    その場合、造り替えに近いような改装は困難です

    その観点から言うと、いじりようが無かったとも言えますね

    SUDO

  7. ↑うを、すげぇ、さすがSUDO記者。
    取材が緻密ですね。

    ↑↑まなかじさん、四股300回位でいかがですか?(笑)
    最近、稽古量、増えてません?(爆)
    勝井

  8. このスケジュールは、モデルアート増刊の
    日本海軍艦艇図面集の各戦艦の改装スケジュールを書き出して
    時間軸に並べなおしただけなんです>だから別に苦労はしていない

    でもって、稼動3隻の内訳は、高速戦艦になった榛名と
    「扶桑」と「山城」です>これはちょっと驚いた
    漫然と長門と陸奥だろうと思ってた>自分で書いてて気がつけっての

    長門、霧島、日向、陸奥が戻ってくるまで
    扶桑級は、十分な改装も出来ず、戦列に留まりつづけたのです
    これら、復帰戦艦が練度を取り戻すまで待って、残工事に入ったのです

    勿論、この残工事を高速化大改装に回すのもありですが
    扶桑級が工事に入って数ヵ月後、大和が起工するのです
    大改装するお金が有れば大和級に回すでしょう(;_;)
    いや、そうだったから、軽い残工事で留めたのかもしれません
    大和の犠牲者だな、そして、大和の為にスリガオ海峡で沈む
    扶桑は大和の為か・・・逆だろ(ぉぃ

    いやあ、やっぱり大型艦の一生てドラマだわ
    今回、調べるまで、扶桑級がどれほど『重たい』艦なのか知らなかった

    取りあえず、3隻で日本を守ったんです
    旧式だとか、役立たずだとか、欠陥戦艦だなんてのは無しにしましょ

    SUDO

  9.  うわぁ〜、レスが早い!

     なるほど、弟の学費を兄が働いて稼いだというような話です。
    いろいろやりくりした上で、開戦時にあれだけの戦力があったと
    考えなければいけないのですね。

     尚、質問文中にある「欠陥艦」という表現は事実誤認であり、
    撤回するとともに、帝国海軍ならびに連合艦隊に対し、陳謝いたします。
    どんべ

  10. ↑撤回しなくてもいいんじゃないですか?
    「言われて」いるのは確かですし。
    ただ、少なくともここに集う我々は、
    そういう認識を持ってはいけないですね。
    ましてSUDO記者の重い記事を読んでしまった今では…
    勝井

  11. >9&10

    そんな厳粛に受け止めなくても良いんですよ
    ただ、あの戦争で一番可哀相だったあの姉妹を
    ちょっとだけ評価してあげれば、それで十分だと思います

    SUDO

  12.  気を使わせてしまってすみません。
    あの謝罪文は「認識を改めた」という意味の大袈裟な表現と
    ご理解下さい。(洒落なのです。)

     で、こんな事を書くとまた論争の火種になってしまうのかもしれませんが、
    扶桑「姉妹」という表現を見た時、
    彼女達の容姿に対する差別もあるんだろうな、と思ってしまいました。
     あの外観形状に対し、「主砲配置が悪い」と言うキャプションは、
    必要以上の説得力があります。

     どなたか失念しましたが、議論ボードでシャルンホルスト級に対し、
    「芸術点を加味し、無罪」と書かれた方がておられます。
    無罪かどうかはともかく、芸術点が極めて高い事に異議はありません。

     零戦やスピットファイアも我々の知るあのデザインで無かったら、
    神話は生まれなかったかも知れません。

     扶桑姉妹に対しては、もっと客観的で冷静な考察が
    必要なのかも知れませんね。
    どんべ

  13. 「扶桑級」が欠陥艦だと言われているのですか?→10.
    それは初耳なので、どこの誰がどんな理由で欠陥艦だと言っているのかお教えください。ちょっと興味があります。
    (N)

  14. 防御が薄いので就役と同時に旧式艦に成り下がっただの、
    速力23ノット以下なんで2線級にしかならないだの、
    主砲配置が悪くて爆風問題で全門斉射が艦橋に悪影響だの、
    扶桑に至っては3番主砲塔わざわざ前向きにしてえぐれちゃった艦橋が
    見た目チョベリバ(死語、スマン)だの、
    とにかくひどい言われようです。

    「どこのだれが」…すいません、忘れた。
    ただ、主砲配置と艦橋云々については、確か世界の艦船でも語られてました。
    勝井

  15. ↑防御に関してはようするにジェットランド海戦の戦訓と照らし合わせてみるとイギリス艦と同様弾薬庫直撃などで爆沈する危険が大きかったってことです。また伊勢型も基本的に同じ短所(欠陥と言いたくないんで)を持ってるはずですが航空戦艦のインパクトが強すぎてあまり指摘されませんね。
    taka

  16. 扶桑級の防禦が拙いというのは、主砲を機関部を挟んで前後に振り分けているので、かけている重量の割に効率が悪い、ということかと思います。
    要するに、主砲配置の練り方が足りなかったということがすべての悪評のもとになっているようですね。

    まなかじ

  17. その辺を改善した伊勢級は、今度は上構容積が激減し、
    居住性最悪と評されてます。
    どんなに巧妙に設計を行っても、
    いざ実践となると必ず欠陥が指摘されちゃうもんですね。
    勝井

  18. 記憶モードですが
    扶桑は機関と弾薬庫の双方に装甲を追加してますから
    ジュトランド前の同世代の他国戦艦よりよほどマシな防御力です
    でもって、伊勢級は弾薬庫に「ダケ」増加装甲してます

    ですから、弾薬庫が分散していて被弾確率がたぶん多少高いことと
    その弾薬庫の防御が(日本戦艦としては)不十分なことは事実です

    ただ、それを言うなら、扶桑以前、いや下手すると条約型も含む
    殆ど全ての戦艦は「欠陥戦艦」でしょう

    SUDO

  19. 大東亜戦争時、伊勢と日向は25ノット弱を出せたのに対し、
    扶桑山城は22ノットちょいでしかなかったようですが、
    その辺も扶桑駄作論の一助になってるんですか?
    勝井

  20. 扶桑、山城は改装の結果、40000馬力→75000馬力、艦尾延長の結果、24.7kntを発揮できました。
    主砲の仰角増大もはたしていて対戦艦戦闘では伊勢、日向と同等です
    Navy

  21. >19

    伊勢と日向は航空戦艦改装後の公試で25ノット超を出してますから
    戦艦状態でも25前後は出せたでしょう

    なお、伊勢級と扶桑級で、船体サイズはほぼ同じで
    馬力が8万と7.5万、これを出力の三乗根で比較するなら
    抵抗等が同等だったとするなら
    伊勢が25超えるなら、扶桑は24.5ぐらいが出るはずです

    もし、22ちょいしか出ないとしたら
    発生出力が55,000前後しか無い事になります
    いくら他戦艦より5年古い主機・主缶であっても
    2/3にまで馬力が落ちるというのは考えにくく、24ぐらいは出ただろうと想像します
    もっとも、船体の抵抗が同レベルだったとしたらのハナシですが

    また、日本軍の基準速度は2ノット単位で切っていたようですから
    24が限界の扶桑の場合、使える基準速度は22までで、24は使いがたく
    25が出る伊勢や長門は基準24が可能ですから
    わずか1ノット弱の速度差が2ノットの運用速度差になった可能性は有ります


    SUDO

  22. 山城級の艦長をした人の話では26ノットは確実に出たそうですよ。伊勢級とも戦隊を組めたといっています。
    tomo

  23. 山城が26kntとは、、、重油、水が1/4で弾薬消耗品が無しの115%過負荷全力のときでしょうかぁ?3乗法則で造波抵抗が増すのを考えると22→24にくらべ24→26kntはとてつもなく馬力がいるような、、、、
    名無し

  24.  しかし、同時期の戦艦に比べて扶桑型の24kts+の速度が速いと思うのは私だけなのだろうか?
    ボードの「Bismarck」でイギリスのR級戦艦やネルソン級の余りの足の速さに落涙したのは私だけでは無いはづ、
    と思うのだがなぁ(QE改装艦級でも24ktsですからねぇ)。
    大塚好古

  25. かわりに日本戦艦、防御軽薄なるを指摘されてますよね。
    これは大和の例なんですが、
    最大速力を1.8ノットほど我慢すれば、
    舷側装甲を41cm→57cmにまで増厚できる、との試算を
    御田俊一という方が行ってます。
    これはいささか極端な例ですが。
    勝井

  26. 扶桑級や伊勢級における爆風や居住性の問題は確かに「世界の艦船」などでも指摘されていますが、それはより高い砲力を求められる戦艦に一般にありがちなことで、そのこと自体が欠陥とは言えないと思うし(欠点ではあるけど)、第二次大戦で活躍できなかった理由でもないと思います。24.にあるとおり、扶桑級、伊勢級は特に足が遅かったわけでもないと思います。
    (N)

  27. 26ノットの出典は「艦長たちの太平洋戦争」の中の鶴岡信道少将の証言です。戦闘運転の時に26ノットまでは出たと仰っています。
    tomo

  28. 防御ですが、言われてるほど弱いでしょうか?

    舷側装甲は並以下のように思われますが
    これは同時代の英国戦艦よりも厚いのです
    アイアンデュークとかと比べれば、火力の分強化されています

    さらに、甲板装甲の問題は、あの時代の全ての戦艦が内包していた問題で
    日本戦艦は事情の許す限り最大限に強化工事を行っているので
    防御力が無いとはとても言えない、っていうか、相当に強力です

    水中防御に関しても、やはり改装で強化されています
    勿論、不十分だという意見はわかりますが、同世代の艦を見てから比べるべきでしょう

    英米の同世代戦艦よりも(特に改装後は)強力だったのでは無いでしょうか?

    まあ、基準排水量で35,000tに達するのだから
    3万トン内外の他艦よりも強力なのはある意味当然ですが

    SUDO

  29. 今出典が思い出せないんですが、扶桑級戦艦は砲塔数に比べて動力源の水圧機構がパワー不足で斉発ができなかった。伊勢級はパワーアップしたが、やはり斉発は時間がかかりすぎて実戦では使えないと言われていた…という記述を読んだ記憶があります。
    ただ、よっぽどのことがない限り斉発なんてしないと思うので、これが欠陥と言えるかどうかは疑問ですが。
    imokenpi


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