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架空艦の性能を問うような話ですので、お気軽に回答下さい。 戦艦扶桑型、伊勢型は、欠陥艦だったと言われる一方、 それより古い金剛型はバランスが良く役立ったと言われております。 扶桑・伊勢の主砲配置と速力に問題があるなら、 主砲塔を2基撤去し、機関を強力にする事で、金剛とほぼ同性能となる気がします。 そういった改造を施し「使える」艦にしようという試みは無かったのでしょうか? それとも、扶桑型、伊勢型は設計段階で致命的欠陥があり、 いじりようのない物だったのでしょうか? どんべ |
それまでは扶桑、伊勢共に十分な砲力と米艦以上の速力をもつ、
一定水準の有力艦とみなされていました。
いざ開戦となると、ドックは優先順位の高い艦種の建造におわれ、伊勢や扶桑の改造など手が回らないわけです。
加えておそらく件の改装は1年位は優にかかるため、戦機を逃す可能性を恐れて改装に踏み切れなかったでしょう。
無論、鉄砲屋の反対も考慮に入れなくてはならないでしょう。
個人的には、開戦がもう数年遅れればこの話、持ち上がった可能性有りとも思います(かなり希望的観測)。
その頃にはこれら4姉妹がいなくても、新たな大和級4姉妹が誕生してますから。
勝井
居住性が悪いというのは、トラックを出てマーシャルで決戦するのですから(予定)あまり気にしなくてよい部分。
太平洋戦争になってみて初めて、どうも使う場所がない…(というか、ホントはあったのだけれども)という話になったわけで。
となれば、戦時中にそんな大改装をやるわけにはいかんでしょう。航空戦艦に改造するのは上構を増築すれば済みますが、缶の増設、機関換装となると、容易じゃないですよ。
工廠は損傷艦の修理やら新造艦やらで大忙しですし、手をつけたはいいが、できあがるまでに戦争が終わってしまいかねない。
まなかじ
まなかじ
ただ、当時の日本は速力よりも火力に重点を置いていましたから、主砲の3分の1を撤去するというようなことはしなかったと思います。なによりもお金と工期がかかりますから。
藤本造船官がご存命で、戦前船舶研究会の描くような人物でしたら可能性は多少あったのかもしれませんがね。
tomo
>主砲火力で1門
2門〜同等ですね。
まなかじ
条約で新造できなかったのと、改装前は物凄く弱体化旧式化していたからです
伊勢や扶桑を金剛と同時期に同様の改装した場合
その間、日本は長門級だけしか「使えない」状態になるのです
だれが許容しますか?(金剛は旧式状態のままですから)
金剛を改装した後に大規模改装するとなると
既に金剛があるのですから
高速戦艦がそれほど必要だとはいえないでしょう
勿論、大和が完成した後なら、戦力全体を再整理することも可能で
高速戦艦戦力の増強も視野に入れるべきなのですが
それなら、新造したほうが有利なのです
それなりに使える戦艦を暫く戦列から外すより影響は少ないですし
新造する方が安かったりする場合も有るし
そして新造艦のほうが、たぶん高性能でしょう
となると、もし行うならば
1930あたりから始まった大改装に組み込むしかないのですが
極めて困難なスケジュール管理が必要になります
1924/03:榛名、第一次改装着手 稼動9隻
1927/05:霧島、第一次改装着手 稼動8隻
1928/07:榛名、第一次改装終了 稼動9隻
1928/11:金剛、第一次改装着手 稼動8隻
1929/09:比叡、練習戦艦に改装 稼動7隻
1930/04:霧島、第一次改装終了 稼動8隻
1930/04:扶桑、第一次改装着手 稼動7隻
1930/12:山城、第一次改装着手 稼動6隻
1931/09:金剛、第一次改装終了 稼動7隻
1933/05:扶桑、第一次改装終了 稼動8隻
1933/11:榛名、第二次改装着手 稼動7隻
1934/04:長門、近代化改装着手 稼動6隻
1934/09:榛名、第二次改装終了 稼動7隻
1934/09:陸奥、近代化改装着手 稼動6隻
1934/11:山城、第一次改装終了 稼動7隻
1934/11:霧島、第二次改装着手 稼動6隻
1934/11:日向、大改装着手 稼動5隻
1935/06:金剛、第二次改装着手 稼動4隻
1935/08:伊勢、大改装着手 稼動3隻!
1936/01:長門、近代化改装終了 稼動4隻
1936/06:霧島、第二次改装終了 稼動5隻
1936/09:日向、大改装終了 稼動6隻
1936/09:陸奥、近代化改装終了 稼動7隻
1936/11:比叡、大改装着手 稼動7隻
1937/01:金剛、第二次改装終了 稼動8隻
1937/02:扶桑、第二次改装着手 稼動7隻
1937/05:伊勢、大改装終了 稼動8隻
1937/06:山城、第二次改装着手 稼動7隻
1937/11:大和、起工
1938/03:扶桑、第二次改装終了 稼動8隻
1938/03:武蔵、起工
1938/03:山城、第二次改装終了 稼動9隻
1940/01:比叡、大改装終了 稼動10隻
見てのとおり、瞬間的にですが稼動戦艦は3隻にまでなってるのです
改装中の戦艦の何割かは直にでも戦列復帰が可能な状態で行われていますが
その場合、造り替えに近いような改装は困難です
その観点から言うと、いじりようが無かったとも言えますね
SUDO
取材が緻密ですね。
↑↑まなかじさん、四股300回位でいかがですか?(笑)
最近、稽古量、増えてません?(爆)
勝井
日本海軍艦艇図面集の各戦艦の改装スケジュールを書き出して
時間軸に並べなおしただけなんです>だから別に苦労はしていない
でもって、稼動3隻の内訳は、高速戦艦になった榛名と
「扶桑」と「山城」です>これはちょっと驚いた
漫然と長門と陸奥だろうと思ってた>自分で書いてて気がつけっての
長門、霧島、日向、陸奥が戻ってくるまで
扶桑級は、十分な改装も出来ず、戦列に留まりつづけたのです
これら、復帰戦艦が練度を取り戻すまで待って、残工事に入ったのです
勿論、この残工事を高速化大改装に回すのもありですが
扶桑級が工事に入って数ヵ月後、大和が起工するのです
大改装するお金が有れば大和級に回すでしょう(;_;)
いや、そうだったから、軽い残工事で留めたのかもしれません
大和の犠牲者だな、そして、大和の為にスリガオ海峡で沈む
扶桑は大和の為か・・・逆だろ(ぉぃ
いやあ、やっぱり大型艦の一生てドラマだわ
今回、調べるまで、扶桑級がどれほど『重たい』艦なのか知らなかった
取りあえず、3隻で日本を守ったんです
旧式だとか、役立たずだとか、欠陥戦艦だなんてのは無しにしましょ
SUDO
なるほど、弟の学費を兄が働いて稼いだというような話です。
いろいろやりくりした上で、開戦時にあれだけの戦力があったと
考えなければいけないのですね。
尚、質問文中にある「欠陥艦」という表現は事実誤認であり、
撤回するとともに、帝国海軍ならびに連合艦隊に対し、陳謝いたします。
どんべ
「言われて」いるのは確かですし。
ただ、少なくともここに集う我々は、
そういう認識を持ってはいけないですね。
ましてSUDO記者の重い記事を読んでしまった今では…
勝井
そんな厳粛に受け止めなくても良いんですよ
ただ、あの戦争で一番可哀相だったあの姉妹を
ちょっとだけ評価してあげれば、それで十分だと思います
SUDO
あの謝罪文は「認識を改めた」という意味の大袈裟な表現と
ご理解下さい。(洒落なのです。)
で、こんな事を書くとまた論争の火種になってしまうのかもしれませんが、
扶桑「姉妹」という表現を見た時、
彼女達の容姿に対する差別もあるんだろうな、と思ってしまいました。
あの外観形状に対し、「主砲配置が悪い」と言うキャプションは、
必要以上の説得力があります。
どなたか失念しましたが、議論ボードでシャルンホルスト級に対し、
「芸術点を加味し、無罪」と書かれた方がておられます。
無罪かどうかはともかく、芸術点が極めて高い事に異議はありません。
零戦やスピットファイアも我々の知るあのデザインで無かったら、
神話は生まれなかったかも知れません。
扶桑姉妹に対しては、もっと客観的で冷静な考察が
必要なのかも知れませんね。
どんべ
それは初耳なので、どこの誰がどんな理由で欠陥艦だと言っているのかお教えください。ちょっと興味があります。
(N)
速力23ノット以下なんで2線級にしかならないだの、
主砲配置が悪くて爆風問題で全門斉射が艦橋に悪影響だの、
扶桑に至っては3番主砲塔わざわざ前向きにしてえぐれちゃった艦橋が
見た目チョベリバ(死語、スマン)だの、
とにかくひどい言われようです。
「どこのだれが」…すいません、忘れた。
ただ、主砲配置と艦橋云々については、確か世界の艦船でも語られてました。
勝井
taka
要するに、主砲配置の練り方が足りなかったということがすべての悪評のもとになっているようですね。
まなかじ
居住性最悪と評されてます。
どんなに巧妙に設計を行っても、
いざ実践となると必ず欠陥が指摘されちゃうもんですね。
勝井
扶桑は機関と弾薬庫の双方に装甲を追加してますから
ジュトランド前の同世代の他国戦艦よりよほどマシな防御力です
でもって、伊勢級は弾薬庫に「ダケ」増加装甲してます
ですから、弾薬庫が分散していて被弾確率がたぶん多少高いことと
その弾薬庫の防御が(日本戦艦としては)不十分なことは事実です
ただ、それを言うなら、扶桑以前、いや下手すると条約型も含む
殆ど全ての戦艦は「欠陥戦艦」でしょう
SUDO
扶桑山城は22ノットちょいでしかなかったようですが、
その辺も扶桑駄作論の一助になってるんですか?
勝井
主砲の仰角増大もはたしていて対戦艦戦闘では伊勢、日向と同等です
Navy
伊勢と日向は航空戦艦改装後の公試で25ノット超を出してますから
戦艦状態でも25前後は出せたでしょう
なお、伊勢級と扶桑級で、船体サイズはほぼ同じで
馬力が8万と7.5万、これを出力の三乗根で比較するなら
抵抗等が同等だったとするなら
伊勢が25超えるなら、扶桑は24.5ぐらいが出るはずです
もし、22ちょいしか出ないとしたら
発生出力が55,000前後しか無い事になります
いくら他戦艦より5年古い主機・主缶であっても
2/3にまで馬力が落ちるというのは考えにくく、24ぐらいは出ただろうと想像します
もっとも、船体の抵抗が同レベルだったとしたらのハナシですが
また、日本軍の基準速度は2ノット単位で切っていたようですから
24が限界の扶桑の場合、使える基準速度は22までで、24は使いがたく
25が出る伊勢や長門は基準24が可能ですから
わずか1ノット弱の速度差が2ノットの運用速度差になった可能性は有ります
SUDO
tomo
名無し
ボードの「Bismarck」でイギリスのR級戦艦やネルソン級の余りの足の速さに落涙したのは私だけでは無いはづ、
と思うのだがなぁ(QE改装艦級でも24ktsですからねぇ)。
大塚好古
これは大和の例なんですが、
最大速力を1.8ノットほど我慢すれば、
舷側装甲を41cm→57cmにまで増厚できる、との試算を
御田俊一という方が行ってます。
これはいささか極端な例ですが。
勝井
(N)
tomo
舷側装甲は並以下のように思われますが
これは同時代の英国戦艦よりも厚いのです
アイアンデュークとかと比べれば、火力の分強化されています
さらに、甲板装甲の問題は、あの時代の全ての戦艦が内包していた問題で
日本戦艦は事情の許す限り最大限に強化工事を行っているので
防御力が無いとはとても言えない、っていうか、相当に強力です
水中防御に関しても、やはり改装で強化されています
勿論、不十分だという意見はわかりますが、同世代の艦を見てから比べるべきでしょう
英米の同世代戦艦よりも(特に改装後は)強力だったのでは無いでしょうか?
まあ、基準排水量で35,000tに達するのだから
3万トン内外の他艦よりも強力なのはある意味当然ですが
SUDO
ただ、よっぽどのことがない限り斉発なんてしないと思うので、これが欠陥と言えるかどうかは疑問ですが。
imokenpi