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時々、大和級は主砲を前方集中配置にしたら史実よりずっと活躍できた、 なんてヘンな意見を見ることがあります。 そりゃ違うだろ、っていいたいのですが、力量不足で論破できません。 どなたか、僕に代わって徹底的にブチ砕いて下さい。お願いします。 勝井 |
まあ、前方集中配置にしても、
例えばサマール沖で有利に立てるかといえば、スコール、空襲、駆逐艦の逆襲といった戦術的状況からいって不可。
例えば菊水一号作戦で沖縄までたどり着けるかといえば…絶対不可。
大和は、鉄底海峡に投入することが今次大戦で活躍させる唯一最大の方途であり、それは元設計のままでも何ら問題ないと。
そもそも、主砲群の前方集中配置の利点とは何ぞや?と問えば、主要防禦区画の短縮以外には何もないのです。
あれ以上大和をずンぐりむッくりにしてどうしようというのでしょうか?
幅は、あれ以上細くはできないのですから。
イギリスもフランスも最終的には主砲の前方集中配置を捨ててます。失敗とわかっている配置を推奨するなんて、どうかしているとしか思えませんが。
まなかじ
ひもと
発見と同時に全速力で距離を詰めつつ全主砲が撃てる配置は全く合理的です。
本場、老舗の英国海軍は理論はともかく実戦では高速の巡洋戦艦から低速のロドネーまで、
敵発見とともに、あれよあれよと言う間に距離を詰めてしまい舷側装甲貫徹による撃沈を狙い、ロドネー等は信じ難い話ですが雷撃を試みたと言われています。
その結果被害も多少発生したようですが、戦闘に被害はつきものですから問題ではありません。
論破できなくて当然、それは正論なのです。
ネルソン級を前にすると、私には前方に4門しか指向できない長門等は前ド級艦の如く見えます。
え?夕べ?はい、寝てません。
BUN
そういえば、SUDOさんがフランス艦に推薦されてた、「後部」集中配置はどうでしょうか?
アウトレンジに徹するには最適、あまり勇敢ともいえない帝国海軍の指揮官にもぴったりと、非常に我が海軍の実情に即した配置法ではないかと。
まなかじ
戦艦の数で劣るフランス海軍は敵艦隊がT字戦法を指向することを当然予測しており、その為に後部集中配置の可能性を早くから検討しています。
T字を狙う敵艦隊に対して逃走しつつ主砲全門を指向する戦術はフランス海軍ではT−バック戦術と呼ばれ、とりあえず眼福、眼福であったとのことです。
BUN
やはり、何事も中庸を持ってよしとするわが国場合は
前1、後2の配置にするほうが良かったのでは無いでしょうか(笑)
駆逐艦なんかにも例があるのですから
前例の有る配置として納得されて・・・
SUDO
初心マン
上の、ひもと氏の発言を参照してください
なお船体の幅は3連装を採用した時点で
あんまし小さく出来ないと思いますね
SUDO
で、前1、後2の主砲配置は、架空戦記では実現してます。
学研の「黎明の艦隊」です。
この本、要目は結構マシなんですが、長門の改装で3連装砲塔をのっけるという無茶をやってます(^^;)
勝井
しかし、結果として捨てられるという経緯があるますが・・・
(相変わらずまともな回答になってないな)
ぺんぎん
の「伝承戦艦大和」に牧野茂氏が前方集中配置の損得を論じてい
る一文があり。また、連装2基+三連装2基の計10門装備案と
の比較もされています。
前部に主砲を集中装備しても、結局重量の削減にはそんなに繋が
らない、らしいです。
まぁ、「ヘンな意見」という訳ではないようです。
この本で、福井静夫氏と遠藤氏が隣り合わせというのには驚きま
したが。
takukou
最近はまともな文章書いてるんでしょうか?
勝井
防ぐために充分な距離が取られた為、防御区画短縮というメリットはほとんど
ありません。
ダンケルク級の運用が開始された直後に計画されたガスコーニュからは砲塔を
前後に振り分けたデザインになってる事からみて、よほど使いにくかったので
しょう。
きしもと
それによると追撃しながら全門指向できるように、前方集中配置を採用したといいます。
この説が正しいと仮定すると、リシュリュー級3隻が前方集中なのは、ダンケルクと同じく今度はシャルンホルスト級対策なのかもしれません。
だとするとリシュリュー級3隻、1個戦隊分でこの配置を終了した説明も、一応つくのですが(次の1個戦隊3隻はイタリアのリットリオ級対策)。
勝井
ほら、エミールベルタンのお国ですから。
きしもと
あと、リシュリュー級後期型はリットリオ対策という考え、少々改めました。
ドイツ大海艦隊の急速な成長に、もう通商破壊艦専門の艦これ以上つくってもしかたがなくなったのでは?と今は思ってます。この先ドイツ戦艦が単独行動する可能性は低かろう、と。
つまり、「正統派戦艦」が必要になってきたからではないでしょうか。
勝井
速力は、ドイツ艦対策というよりは通商破壊艦なのではないかという気がします。
高速戦艦やら空母の大量投入やらが構想される以前の艦ですから、31ノットで
逃げて水上機(と水上捜索レーダー)で索敵するって思想だったのだろうなぁ、と。
セットで建造されてるラ・ガリソニエール級が実質航空軽巡なのが傍証かな。
その場合仮想敵は英国ですね。WWI後の独英どっちがフランスにとって有害か
考えりゃそりゃ英国でしょうから。特に海軍にとっては。
リシュリュー級はね〜、何考えてたのかよくわかんネーすよ。
#完成時のジャンバールなんて完全に別物だし。俺的にはアイオワ級に次ぐ
#強力艦なんですが。
きしもと
通商破壊任務には通常、軽巡か、仮装巡洋艦をあてるのが第一次大戦より常識でしょう。他に戦術が無い場合、または敵主力の誘出、分割を狙っての出撃であれば大型艦も有り得ますが、それは運用上の問題で、建造当初から通商破壊艦である大型艦というものは存在しません。当然一番望ましいのは潜水艦ですが。
BUN
私も思います。しかしポケット戦艦を実際に産み出してしまった時期の
艦ですから、妄想としてはありえないでもないかな、と。
ま、どちらにせよ前の私の記事は正当な資料に基づいていない点で
どう足掻いても妄想の範囲を抜けることはできません。
ダンケルクの建造背景に関する詳細な資料が入手できればいいんですが…
#「Le Cuirasse Dunkerque et Strasbourg」とかが入手できれば
#いいんでしょうけど…版元品切れらしいのが泣けて来ます。
#仏語なのがもっと泣けますが。
きしもと
だから、第一次大戦時の通商破壊に軽巡をって思想は違うんでは?
第一次大戦までの通商破壊には大型巡洋艦を使う事が一般的でしたし
無制限潜水艦戦がWW1後には禁止された事も合わせて考えると
ダンケルクやポケ戦が通商破壊に適した艦艇だった事は想像が付きます
SUDO
今日び(?)仮装巡洋艦だって軽巡並の武装積んでますよ。
そりゃ違うだろ、っていいたい(笑)
まあ「仮装」なら相手騙してなんとかなるかもしれんが、
正規の軽巡には荷が重過ぎる仕事じゃないかなあ。
勝井
また、第一次大戦中に無かったのは「軽巡」ではなくて20センチ砲搭載の「重巡」です。
こうした見解は以前、議論ボードで紹介した独海軍の「世界大戦より見たる海上作戦の教条」軍令部訳によります。
ここからは、戦後の日本でのイメージに反して独海軍が第一次大戦中の戦訓から、通商破壊戦に対して半ば否定的な見解を持っていたことが読みとれます。もちろん、エムデン等の戦果を高く評価していますが、シュペー艦隊の行動に合わせて本国の主力艦隊が行動を起こさなかったこと(地方艦隊の役目である敵艦隊分割の役割を果たした好機を逃した)、海外拠点が無い為に運行を中止した民間船を仮想巡洋艦として出撃させるべきであったと反省される点等が記されています。
そして、近代戦に於いては帆船時代と異なり航路が一定で集中しており、商船攻撃にも都合が良い反面、防御もし易く、いきおい通商破壊作戦も防御側艦艇を避けて遠洋作戦にならざるを得ず、効率が大幅に低下するであろうことも予測されています。
こうした認識を既に持っていた独海軍が、ドイッチュラント級28センチ砲搭載戦艦の代艦としてポケット戦艦を建造したからといってそれが通商破壊艦である可能性は費用対効果の点から見てもまず、あり得ないことでしょう。また、本来エムデンの伝統を継ぐべきドイツ軽巡洋艦の航続距離が意外と短い点等、あえて目をつぶられてきた事実に注目すべきかも知れません。
勝井さんの意見は率直な疑問だとは思いますが、ゲームならともかく、海戦の実相からはかけ離れた認識です。
仮装巡洋艦の戦いは、独航船を求めて果てもなく続く見張りと敵艦艇からの逃避に明け暮れる地味なものでした。武装を施した敵と戦闘を交えられる軍艦を通商破壊に回すことは算盤に合わない下策なのです。
少なくともドイツ海軍はそう認識していたと考察できます。
BUN
さて、エムデンの喪失が
一定の強力な艦を必要とするって方針になった可能性は無いでしょうか?
既に19世紀末から大型巡洋艦がその任務に投入されていましたし
(主として航続距離の関係も有るのですが、大きな巡洋艦です)
また、破壊効果よりも、護衛兵力を吸引することを見れば
ある程度有力な艦艇が遊弋するだけで効果は十分だったでしょう
艦艇による通商破壊の効率は既に日露戦争で見えていたはずですし
BUNさんが言うように
連携不十分で巡戦分派を有効活用できなかった事や
英国が対応に殿程度の兵力をそれに浪費したかを検討した場合
大型艦による通商破壊というか戦力吸引は
欧州戦域では有効施策だったのではないかと想像します
何度も言うけど
無制限潜水艦戦が法的に実質不可能だった事を忘れてはいけません
公には水上艦でしか出来なかった以上
それに合致した艦艇を投入する方向になるのは正しいのでは?
それと、軽巡は、存在してましたが、数量的には防護巡洋艦の方が多数派です
現に英独以外の保有数は、イタリア0、日本3、フランス0、アメリカ3
英独は大戦直前くらいから拡大競争で大量建造を始めていますが
それ以外の列強では軽巡洋艦なんぞ無いんです
防護巡洋艦は日清戦争で限界を露呈して、新規建造も少なく
装甲巡洋艦は巡戦に置き換えられつつあり、二線級に格下げされ始めてます
この第一次大戦は、まともな巡洋艦が消えつつあった時代なんです
対抗艦が少ないから独軽巡はそれなりに活躍しましたが
あくまでもヒエラルキーの隙間に偶々合致したに過ぎない
基本的は大型巡洋艦が、長い航続力と、優れた速度で襲撃することでした
これは帆船時代の大型フリゲートからそうだったのでは?
SUDO
通商破壊戦に大型艦を投入することの無駄を良く示しています。
巡洋艦の艦種ですが、原語でどうなっているのか不明ですし、当時一般に考えられていた「巡洋艦」が防護巡洋艦を指すのか、あるいはこの本の書かれた1920年代後半に、その後継者として考えたであろう軽巡洋艦を指すのかは本質には関わり無いのではありませんか?
常時給炭を必要とした旧式艦に比較すれば重油専焼艦ははるかに機動力に富んでいたのですから。
BUN
航続力も10-12ノットで4000-5000浬で長いとはとてもいえません
一般的に通商破壊用と言われる19世紀末から20世紀初頭の奴は
常備8,000t近くあって
航続力は10ノットぐらいで25,000-16,000浬有るんです
給炭作業の労力は兎も角、その頻度は少ないんです
確かに、この時代の一般的な巡洋艦は
基準速度次第ですが、5,000浬程度の航続距離しかなく
頻繁な補給を必要としますが、それは独軽巡も同じなのです
各国が遠洋艦を、他とは別に持っていた事を注目するべきです
並みの艦の数倍の航続力を備え、そのために戦闘能力すら犠牲にしている
これが通商破壊戦目的としか言いようが無いのでは?
>軽巡洋艦を指すのかは本質には関わり無いのではありませんか?
そう、本質的なところは、中規模巡洋艦として見るべきなのでしょう
軽巡だろうが防護巡洋艦だろうが、構造と性能が違うだけで、役割は同じです
ただ、それらの艦艇の航続距離は、長くないのです
エムデンは途中で補給所を襲撃して燃料を確保しましたが
それが常に出来ると想定するのは間違いでしょう
独軽巡が活動できたのは、偶々世代交代の時期に先んじて軽巡を投入できたので
速度と戦闘能力の違いで数量の少ない巡戦と軽巡以外からは逃げられたからです
実際にエムデンは軽巡シドニーに掴まるまでは無敵でした
戦艦や装甲巡洋艦がうろついてるのにです
これは、ポケット戦艦と同じ「隙間」だったんです
エムデンで足りなかった物は
航続力と、同種艦に負けてしまう戦闘能力でしょうか
巡戦に勝つことは望まなくても、単独軽巡に負けるのは困りますね
ポケ戦は数隻の巡洋艦と渡り合えて、十分な外洋航続能力を持っています
まさにエムデンの教訓から生み出されたとも言えます
米や仏の『通商破壊用』と思われる巡洋艦の整備状況を見ると
それが大型高価である事もあってか、比較的少数の配備に留まっています
通商ルートを完全に遮断するつもりなら数量も必要です
つまりは遮断を狙っていないのではとも見受けられます
そう、有力な通商破壊艦が遊弋しているという政治的効果でしょう
日露戦争では、大して沈められたわけでもないのに国内で大騒ぎになりましたよね
そして、それを始末するのにかかった手間を考えると
通商破壊艦という存在は航空機登場以前は一定の効用が有ったのではないでしょうか?
勿論、第一次大戦以降の総力戦の時代には、時代遅れに近い発想ですが
どうもドイツやフランスはそういった所が保守的というか
そういった幻想を未だ強く抱えている、国内向けの施策的な要素を感じさせます
SUDO
投入する事の無駄も示している様に思うのですが…
#そろそろ本題からずれて来ているので議論の方へ行った方がいいような。
きしもと
BUN