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392 日本の駆逐艦の50口径12.7cm砲より米軍の38口径12.7cm両用砲(Mk7?)のほうが射程が長いのはなぜでしょうか?また38口径という単砲身で弾道は安定したのでしょうか?
あと両用砲と高角砲の違いはなんですか?
日本の駆逐艦は主砲を高角砲に換装することはできなかったのでしょうか?
いろいろありますが宜しくお願いします
taka

  1. まず、駆逐艦級の12.7cm程度の小口径砲では遠距離戦は余り考えられておらず、むしろ近距離での速射性の方が重視されていたことがあげられましょう。よって38口径砲についても、弾道のブレはあまり問題にならない距離での戦闘が想定されていたものと思います。
    両用砲と高角砲の違いですが、基本的には同じものです。高角砲はすなわちカノン砲であり、水平目標への転用も容易なのです。
    しかし、日本駆逐艦の主砲は平射砲であり、仰角を大きくとる必要がないため、機構が簡単で重量も比較的軽量でした。よって高角砲への換装は重量バランスが崩れ、困難だったものと思います。門数をかなり減少すれば換装も可能でしょうが、それに伴う水平攻撃力の減少は看過し得ない問題となったでしょう。
    勝井

  2. いや、そうでもないと思います。
    日本駆逐艦の連装砲室(砲塔ではない)の重量は、八九式12.7センチ高角砲の連装砲架よりも明らかに重いです。
    駆逐艦の備砲はどうしてもエンクローズしなければならない性質のものではありませんし、丁型では実際に装備されていますから、できないという性質のものではなかったと思います。
    ただ、同じ50口径砲でも初速は三年式平射砲の方が速く、射程も優っています。
    意外かもしれませんが、実のところ、半自動装填の八九式高角砲(毎分14発)よりも、装填角度が低い場合は三年式平射砲の方が発射速度も速い(毎分20発!)のです。(持続性はないでしょうが)
    対水上用の砲としては三年式の方が格段に優秀であり、日本の艦隊駆逐艦の任務が敵水上艦艇に対する雷撃である以上、相手駆逐艦に優る砲戦力で突撃路を開くことは至上命題なのです。

    本題に戻ると、米軍の12.7センチ両用砲(Mk.12)よりも三年式平射砲は長射程ですよ。Mk.12は15800メートルに対し、三年式平射砲は18500メートルの最大射程を有しています。もっとも、駆逐艦の砲戦は長距離砲戦になることはあまりないのですが。
    短砲身なのは、発射速度の維持もありますが、おそらく砲身命数の維持を図ったものと思われます。初速もやや低めに押さえてあります。(792メートル/秒)
    発射速度はバーストで毎分22発、維持射撃では毎分15発ほどになります。
    両用砲と高角砲の違いは…俯角の大きさでしょうね。
    高角砲は飛行機を撃つことしか念頭にないので、仰角は大きいですが、俯角はほとんど取れません。


    まなかじ

  3. 射程関係はもう触れられてますか

    弾道の安定性と砲身の長さは、あんまり関係無いです
    実際問題として、高初速とか長砲身だと弾道が悪くなることもあります
    長いパイプは曲がり易く、砲弾が中を走るときにぶれたりするのです
    勿論、設計や構造で変るんで、長い=精度が良いではないです
    つまり、反対に短い=精度が悪いでも無いのです

    また精度に影響を与える初速の大きさも
    弾頭重量や空力特性とかと合わせて考えるべき事柄ですから
    それほど問題視するような事でもないと思います
    どっちにしても遠距離で戦闘するとは思えないですし

    また、50口径12.7cm砲の射撃速度は10発でしょ?
    2門で20発だと想像します、分離弾薬の嚢砲で20は無茶でしょう

    両用砲と高角砲の違いは、呼び方と任務です
    水上戦闘も重視されていると両用砲>場合によっては対水上が主体です
    対空戦闘を第一義にしているのが高角砲です
    仰角や俯角はその砲架によって異なる物で
    両用砲と高角砲で異なるというわけでは有りません
    米国の5インチ両用砲は-15まで向けられますが
    6インチ両用砲は-5で、殆どの国の殆どの砲はこの範囲で
    名称や目的で異なるという傾向は感じられませんね

    高角砲への換装ですが、場合によっては可能です
    軽巡五十鈴の第一砲塔の食ってるスペースを見ると
    艦首に連装は駆逐艦には難しいと思います、松型の配置と同様になるでしょう
    換装がされなかったのは、諸配置の問題と
    砲生産の問題があったのではないかと思われます

    SUDO

  4. しくじりましたm(_ _)m
    発射速度はSUDOさんご指摘の通りです。
    バーストで10発、持続で5発というところですね。
    単位時間あたりにぶち込める弾数では米駆逐艦が優位にあります。
    まなかじ

  5. 追加で聞きたいんですが、平射砲と高射砲では砲架以外の違いってどこなんですか?基本的な事で吸いません
    taka

  6. 砲そのものは基本的に同じです

    ただ、一般的に高角砲は高い仰角で連続装填出来るように
    半自動とかの装填装置を備えたり
    射撃速度向上の為に水平式鎖栓を備えたりしています

    また航空機を追尾するために俯仰旋回速度も重視されていますが
    まあ、これは砲架の問題でしょう

    あとは時限信管の調停装置とかが付属したり近所に置かれたり
    高い射撃速度ゆえに揚弾エレベ−タの能力も大きくなり
    砲塔や近所に即応弾の準備がされたりすることも有ります

    ですから、基本性能の高い砲を
    高角砲・高射砲・両用砲として利用することも多いのです
    その時に、どれだけ、こうした支援機材を揃えることが出来るかが
    高角砲としての性能に影響を与えます

    SUDO

  7. 日本の駆逐艦の砲の対空能力が低いのは砲そのものに問題があるんではなくて、装填機構とかに問題があったわけですね。
    では換装するのではなく既存の平射砲を改良したりして高角砲にするのは難しかったんでしょうか

    taka

  8. 尾栓形式と機力装填装置が有れば、仰角さえ取れれば簡単です
    仰角には後座長をクリア出来るだけの余裕があるかが鍵です

    よって、そういった余裕があれば問題ありません
    あとは、俯仰旋回速度なんかの問題でしょうね

    SUDO


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