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391 列強がそれぞれ最後に計画(夢想)した未成戦艦群のことを教えて下さい。
米モンタナとか、仏クレマンソーとか、結構資料ありますが、さらにその次の艦となると…
勝井

  1. ドイツのH級、起工1939、常備6万トン、40.6cm砲8門、30ノット
    まあ、ビスの大型版ですな、開戦に伴い建造中止
    以降も諦めずに色々夢想していたようで
    H42(42年計画H級)では50.8cm8門、どんどん大型化して
    H44計画では満載14万トン、ディーゼル4軸30ノット・・・

    ソ連のソビエツキーソユーズ、6万トン、40.6cm9門
    伊から導入したプリエーゼ式水中防御が特徴
    独ソ開戦で建造中止、結構船体出来上がっていたみたいですな

    それ以降の戦艦建造計画は不明ですね

    SUDO

  2. 多少、質問の主旨を補足します。
    とあるHPで仏製18in砲艦の計画について語られており、これについて知りたく思ったことと、そのついでに日本のE計画戦艦、米ポスト“モンタナ”級、英改“ライオン”級、ソビエトの“ソビエツキー・ソユーズ”改型など、現存資料の少ない艦についての情報をご存知の方がおられないか、と思った次第です。
    勝井

  3. 米海軍はモンタナ以降真剣に戦艦の研究をしていないようですが(出典はU.S.Batleships)。それ以降で名前が上がるのは
    1944デザインの改アイオワ級(太平洋艦隊の要望による改設計艦)だけですね。同書に改ライオン級の話が
    ちょっとだけ載ってますが、それによるとデザインBとして満載69,140tの大型戦艦案があったようです。
    後は実家に埋もれた資料を掘り返さないと解りません(爆)

    大塚好古

  4. ライオン級補足:
    戦時中設計が継続されていたライオン級は1945年案まで改設計がなされ、ライオンと
    テメレアの両艦は1946年起工、1952年就工の予定であったとされる。
    その計画案(A?)では排水量56,500t、16in/45口径砲3連装3基、砲の斉射間隔は20秒
    という新型砲が搭載される予定であった。副砲は4.5in45口径砲(連装)一二基、
    対空機関砲は40mmボフォース砲の6連装砲架10基の搭載が予定されていた。
    (なお、より大型のB案では16in/45口径砲3連装4基を搭載する予定であった)。
    魚雷防御は900kgのTNTの爆発に耐えることを目標とされており、水平防御は
    徹甲爆弾防御として12in装甲板の使用が考慮されていた。

    おフランスの最後の戦艦:

     リシュリュー級の四番艦として計画されたガスコーニュは主砲の配置が根本的に
    変更され、前後に一基づつの装備とされた。その他の概要は三番艦クレマンソーに
    準ずるものであり、同艦同様に新型の6in両用砲が搭載され、また航空兵装は撤去される
    予定であった。なお、これの姉妹艦二隻も計画されたが、これは設計を根本的に改める
    予定であったとされる。但し、その設計は開始されなかった。

    以上、Conway's All the World's Fighting Ships 1922-1946より。
    大塚好古

  5. ソビエト最後の戦艦:

     プロジェクト24として1941年から設計が行われた戦艦は406mm三連装砲三基、
    152mm連装砲6基、100mm砲(高角砲か?)16門装備とされ、航空兵装としては
    カタパルト二基に航空機4-6機の搭載を予定していた。その後1944年の改案では
    副砲を130mm両用砲24門に変更し、更に45mm機銃48-60門の搭載が予定されており、
    またこの他に最終案では25mm機銃130門の装備が予定されていた。
    本級の排水量は75,000t、最高速度は30ktsとされ、巡航速度24ktsで8000nmの航続力が
    予定されていた。防御は40cm砲弾に対する完全な防御力を持つものとされ、また5000m
    の高度から投下される1000kg徹甲爆弾に耐える水平防御を持つこととされていた。
     本設計案は1950年まで研究が続けられたが、同年にプロジェクトが廃案となったため
    中止となった。

    ソビエト最後の巡洋戦艦:

     プロジェクト82として設計が行われたスターリングラード級巡洋戦艦の予定要目は
    下記の通りであった。

    排水量36,500t(満載42,300t)、全長273.6mx全幅32.1mx喫水9.2m、
    兵装:305mm三連装砲三基、130mm連装両用砲六基、45mm四連装機銃六基、
       25mm四連装機銃十基、37mm単装砲十二基
    防御:水線部180mm(終端150mm)、上甲板50mm、中甲板70mm(三層併せて135mm)、
       砲塔部225-240mm、バーベット260mm。全装甲重量は10,400t。
    機関:四基四軸280,000馬力(汽罐12)、最大速度35kts、航続力18kts/5000nm。

     一番艦スターリングラードは1949年起工、1954年に進水後工事中断。後に標的目標
    として処分。二番艦モスクワ、三番艦アルハンゲリスクは1951年に起工(?)、
    1953年工事中止、船台上で解体された。
    なお、本級の装備予定であった主砲は旧イタリア戦艦ノボロシスクの再装備に使用されて
    いる。


    蛇足:
     ソビエツキー・ソユーズは船台を開けるため戦後工事が再開され、1949年6月16日に
    進水、以後放置された。その後1956年にミサイルの標的として使用された後に解体されて
    いる。
    大塚好古


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