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もし核兵器を搭載した艦船が直撃を食らったらどうなるのでしょうか? やっぱり当たり所が悪いと艦隊は一発で全滅するのでしょうか? ぱるぱる |
火薬と違って核兵器を起爆するには臨界に持ち込まねばなりませんが、ミサイル等で破壊されて放射性物質がばら撒かれる事はあっても臨界に達して核爆発する事はないと思います。そこが火薬と使った爆弾とは違った点だと思います。
破壊すると核爆発するようなシロモノでは恐ろしくて迎撃ミサイル等で核ミサイルを迎撃できなくなりますしね。
bluefish
アリエフ
原子爆弾の構造は,中心にプルトニウムなどの核分裂物質の球があり,外側を同心球状に火薬が覆い,その表面に十数カ所の点火装置があります。点火装置で火薬を爆発させると外側から核物質を圧縮して超高圧の臨界に達して核分裂が起きます。
しかしアメリカの開発段階では臨界になりませんでした。爆発による衝撃波は火薬を燃焼させつつ(デトネーション)表面の点火栓から球面状に内部に進行しますが,点火栓と爆弾中心を結ぶ線上で最初に核物質表面に到達し,横へずれたところへは遅れて到達するので,最初に達した衝撃波に押されて核物質が遅れた所へ押しやられ,コンペイトウ状に飛び散ってしまうためです。このため燃焼速度の違う2種類の火薬を組み合わせた火薬レンズを使い,衝撃波が核物質球の表面に同時に達するようにして初めて核爆発が可能となりました。これを実現するための点火栓の個数は当初最高機密だったそうです。
つまり原子爆弾を爆発させるには,「点火栓の位置で」「1箇所も欠損なく」「完全に同時に火薬を点火」するという条件を満たす必要があります。横で他の爆弾が爆発しても,この条件は満たされませんから,核物質は吹き飛ばされるだけで臨界に達しません。水素爆弾も点火には小型原子爆弾を使うので同様です。ただし広島に投下されたような,核物質を2分割して一方を火薬の爆発で他方にぶつけて臨界にする,という構造の原子爆弾では誘爆の危険はあるかも知れません。(この方式は核物質の衝突面以外のほとんどは核分裂を起こさず非効率なので現在は使われていません。長崎に投下されたのは前述の同心球型です)
isi