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ちょっと古い話になるのですが、タイタニックの映画を見て疑問に思った事を質問します。 映画の中で氷山に衝突しそうになったとき、舵を切ると共にスクリューをリバースにしていますが、そうすると舵付近の水流は相対的に遅くなって舵が利きにくくなりそうに思います。本当にああいう場合にはリバースに入れて舵を切るものなのでしょうか?その事が気になって映画に集中できませんでした。 bluefish |
リバースは有り得るでしょう。
1.船の設計時にプロペラ後流の影響はかなり調査する筈。
2.より低速の方が転進は速い。
3.片舷後進全速では?
特に舵の位置はバフェットを起こしたり無効化を引き起こしたり(大和型の二枚舵
何かが有名)するので設定は慎重になされ模型による確認などもされていた筈です。
速度が遅い方が転進が速いと言っても程度問題ですよ。停止寸前ではbluefishさん
の言われる通り舵なんてほとんど効かないでしょうけど、巡航時より速度を下げた
方が慣性力も小さくなり効果は大きくなると思います。
最後に可及的速やかなる転進に対しては船体軸線の半舷毎にプロペラを反転させて
転進する荒業も有りますのでご質問のバックワード(リバース?)の使用は有った
と思います。
それより沈没時の機関室から吹き出す爆発と引込み渦の描写が過小評価されて描か
れていたのが気になりました。
Sq
もうちょっとだけこだわりを許してください。
舵が利くというのは、原理的には舵を切った場合に水流に対して表になる部分の水流が速く(圧力増)なり、逆サイドは流速が遅くなって(圧力減)、舵が引っ張られる力が発生して転針するものだと思ってました。これって正しいですか?
#飛行機の翼の浮力と同じに考えて、こう思っているんです...
だから、原則として舵に当たる水流が速い程舵に加わる横向きの力が増すと思ってて、船の船速が速い場合には舵を切れば確かに大きな力が発生するが、それにも増して船体の慣性と、船体が首を振る事による抵抗(舵と同じで、回ろうとする方が圧力上がって、逆側が下がるので、回るのを妨げる力が発生)が増大するので結果的に舵が利き難くなってるのかなと思ってます(これも想像の域ですが)
で、本題に戻って、リバースをかけると舵に対して水流の圧力を下げる効果を発するのではないかなぁと思ったわけです。突き詰めてゆくと、スクリューが掻く水流が勝れば、そのままの舵の向きでは逆向きに舵が切れちゃうわけですよね?だから、中途半端な状態では、舵が無効化するのはないかと思ったわけです。
何か思考実験的に漏れがあるんでしょうかね?
話題は変わって、半舷毎に逆回転ですか。この点は思いもしませんでした。
もしかしたら、映画の中でも片舷だけ逆転しているかもしれませんね。ビデオでチェックしてみなければ。
映画の中で機関室から噴出す爆発ってありましたっけ?沈むにあたって舷側が吹き飛んでいるのは、空気が押し出されて舷側を破っているのとばかり思ってました。もしかしたら、あれが水没する際にボイラーとかが水蒸気爆発しているシーンだったのですかね?確かにあれだと、ちょっと弱すぎのような気がしますね。
最後の引き込み渦の描写は同感です。浮き上がったシーンでもまるで熱帯魚水槽の泡が出てるようなのが違和感でした。あんなに泡が噴出していあたら浮力が確保できなくて浮いてられないだろうに。とか。
まぁそういう目で見るのもなんなのですが、気になってしょうがないので、また書いてしまいました。
bluefish
ささき
舵の理屈についてはかなりの専門書を見てみないとこだわった解答は無いのではないでしょうか?
ある意味で船は水線面形状は流線形をして翼のようになりますが、舵の効能が航空機の操縦舵面と同じ
とは言えないでしょう。もし揚力によって旋回するほどの力を得ていれば急旋回する時の船は凄く内傾
しないとおかしいですが、そうはなりません。もちろんメタセンターからのモーメント腕長さの差により
その様な形に平衡すると言われればその通りですが、その程度のモーメントの揚力で旋回できるのでしょうか?
あの舵は航空機に喩えるなら推力偏向パッドのような物ではないでしょうか?スクリューによる推進力の
方向を偏流する事で旋回力を得ているものも有るようです。ただし軍艦や多軸艦に多い一枚舵の場合、
翼面に当たる動圧により旋回力を得ているとしか思えません。前回のコメントで書きたかったのはこの
2種類の異なったセオリーの舵が有る事を思考実験の中で考えて見て下さい。
色々なスクリューと舵の配置が有ると思います。
一つ誤解を生んでしまったようで、僕も言葉が足りなかった事を反省してますがバックワードの状態で
舵の効果は同じか?と言えばこれは否ですね!確かにこの時には動圧が無茶苦茶ですから下がるでしょう。
ただこの動作により船体の運動エネルギーを押さえられるなら、その後の対処(再度前進にするなど)が
有効になると言いたかったのですが申し訳有りません。
多くの先人のたくさんの試みの結末が一つのタイプだけじゃないのは当たり前ですよね。
ちなみにbluefishさんの思考実験はかなり成功していると思います!
タイタニックの様な単軸、直後舵面の船はポートサイドへの接岸は得意ですがスターボードサイドへの
接岸は不得意です(^^;)
Sq
なお、艦の舵の効き方は飛行機と同じです。水上艦艇の場合余りそうは見えませんが、潜水艦の場合
「速度を上げると艦は浮くから艦が下向きになるように舵を取るのだ」と口を酸っぱくして
教え込んでいるのが米海軍の艦隊型潜水艦の乗員用教育ビデオで見ることが出来ます。
大塚好古
大塚様のおっしゃるのはごもっともと理解します。ですが舵の効きが飛行機本当に同じでしょうか?
例えば簡略化して全長300mの船で翼弦長5mの舵を付けた船が有った場合、飛行機で言えばタブの
翼弦比率以下になりませんか?つまり直進志向翼弦長が旋回志向翼弦長に対して大きすぎ飛行機と同じ
理屈でつまり揚力の変化で旋回しているとは思えないのです。
確かに300mの半分150m位置に軸方向重心が有ってモーメントレバーが145mとしてもやはり
小さくないでしょうか。
潜水艦の速度と姿勢の変化は良く判りませんが上部構造物の抵抗が速度の二乗で増える事により、艦首が
上がり結果上昇する事によるのではないでしょうか?あのソーセージに揚力発生は難しいかと..。
Sq
SUDO
確かにレイノルズ数を揃えないと意味も無いし直接、航空機の翼と艦艇の船型を
同時に論じるのは無理が有ると思います。そこでこれを同じ土俵で比べるのは
無理が有るのではと言うのが僕の考えなんです。
Sq
結構な浮力/沈降力が発生するのです。艦首潜舵を上げ位置、艦尾横舵を下げ位置にして艦の
頭を上げてやると
水流によって船体から浮力が発生する様になります(ある程度の速度があると縦舵を動かしただけで艦尾が上がり、
ツリムが狂って船体による沈降力が加わるので横舵で制御しろと教育ビデオにありました)。
大塚好古
なるほどその様な挙動なら理解できますね。つまり縦舵の面積中心位置が艦体の
浮力重心位置より上についてる訳ですよね。だから縦舵を切るとそのモーメントが
艦首上げの力を生み、前面投影面積が増大して前進ベクトルが下がる一方、推力ベクトルも下向きになり結果としてツリムが崩れたように上昇する?揚力を持ち出さなくても説明できそうです。でもこの仮説の無理の一つは、だとしたら!そのぐらいの原因なら改修しそうな物だとも思えるのですけどね。その方がエキスパートのイルカさん達を育てるよりお金が掛からないと思うのです。それとお話の内容からするとそのビデオでは潜水艦の特色として指導されているのでしょうか?それとも
個艦の特色として説明されているのでしょうか?
Sq
恐らくGuppy改装艦が就役して以降水中高速航行時の問題が発生し、アメリカさんは今後の建造艦は
船体設計を根本的に改める事にして、既存の改装艦は運用制限と乗組員各員の技量に任せて
なんとか運用した、という所ではないでしょうか?
大塚好古
(N)