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太平洋戦争中、日米間で昼間に戦艦同士の戦いが生起し た場合。その戦闘距離はいかほどのものになるのでしょ うか? 大戦初期の日本軍、大戦後期の米軍、共に超遠距離での 戦を意図している様に感じられるのですが。実際に大和 級が16インチ砲の有効射程外から一方的に命中弾を与 える事や、米側レーダー管制の16インチ砲が初弾から 30,000m彼方の目標を散布界に納める事は可能なのでし ょうか? 以前の論議ボードには「砲戦距離20,000m」というツリ ーがありましたが、やはりその程度に落ち着くのでしょ うか? Takukou |
- 気象条件や識別にかかる手間を考えると
戦闘距離は3万から2万に落ち着くのではないかと思います
また電探であろうと、初弾夾叉はかなり難しいと思います
観測精度以外にもパラメータは多数あります
風向・風力、未来位置予測は
結局撃ってから「思ってたのとどのぐらい違うか」を見るしかない
射撃電探は測距と方位の観測精度や結果算出速度に貢献するだけです
サマール沖海戦で米駆逐艦は
1万程度でも初弾は結構あさってに撃ってます
それを急速に修正して追尾するのが特徴ですが
初期観測精度なんてこんなものです
SUDO
- どうも、質問者です。
やはり、その程度の距離に落ち着くのでしょうか。
サマール沖での我が戦艦は、金剛を除き3万m以遠から砲撃を開始
した様ですが(金剛は2万4千m程度?)、かなりの精度で目標を捉
えていた様ですね。大和は練度?の関係からか、かなり成績は悪か
ったようですが。
米側がそのレーダー射撃に自信を持っていた、というのは例のプロシ
ーディング誌からの孫引きですが。彼らの射撃法というのは、数うち
ゃ当たる式の思想も感じられます。
我が方の水中弾-これは実戦で見るべき戦果は無いようですが-によ
る命中率の増大を考えるに。不利といわれる遠距離射撃でも意外と米
側のレーダー管制射撃にひけを取らない命中率/有効弾を達成出来た
可能性はあるかもしれません。
ちなみに、サマール沖(に限らず)戦場の風向、風速は既知として差
し支えないのではないでしょうか?勿論、上空のそれは未知であるか
もしれませんが。
また、敵の未来位置ですが、サマール沖の場合には5分程度は照準を
付けたままであったらしいので、ある程度は予測できたのでは?と考
えます。その結果上記の成績に繋がったとも言えそうですが。
Takukou
- サマール沖で金剛も3万-32000で一緒に撃ってます
5分程度で照準を失ったのは、スコールと煙幕で見えなくなったからです
見えていれば、ある程度の予想は可能です
勿論、これには、それなりの観察時間があってのことですが
タコ殴りにされた艦艇の多くは致命傷を負った結果煙幕内に戻れず
照準されつづけ、沈むまで射撃を受けつづける結果となりました
もっとも、駆逐艦の場合、戻る意思は無かった可能性が高いですが
ガンビアベイが煙幕から外れたのは
大口径の水中弾で機関に浸水したのがきっかけとも思われますので
水中弾はそれなりに効果を発揮しています
また風向きは、この煙幕等が発生してる場合は
ある程度の憶測も可能ですが、風力までは難しいでしょう
遠距離戦闘で問題となるのは目標の識別で
敵味方の識別も難しくなり、射撃開始が遅れることも有ります
最大射程に近い距離で撃った事例としては
プンタ・ステロのウォースパイトが26000、カタログ27000弱
友軍巡洋艦と伊戦艦の交戦に介入する形だったので
敵味方識別が比較的容易だったこと
既に僚艦のR級二隻を置き去りにして全速で突っ込んだ事からも
とにかく介入することを最大優先事項にしていたことが
最大射程での射撃開始に繋がったのでしょう
伊戦艦の射程が28000ちょいで、英戦艦の射撃が着てから応戦に入ってますが
やはり射程ギリギリなので、取りあえず、近くの巡洋艦を優先した
まさか戦艦だとは思わなかった、等が後回しにした原因として思いつきます
SUDO
- サマール沖での金剛は、確か2万4千m位で発砲したと
思ったのですが‥‥(海戦初期0700頃の話です)
目標は「ホワイトプレーンズ」だった筈ですが、14イ
ンチ砲?に3回夾叉されたらしいので。これは、金剛の
砲撃としても良いのでは‥‥記憶モード+余談でしたが。
「ガンビアベイ」に対して水中弾の命中があったのは確
かだと思うのですが、戦争期間中を通じて「見るべき戦
果がなかった」という意味でした(そういったら大和等
全く戦果を挙げ得なかった、と突っ込まれそうですが)。
ちなみに、最大射程付近では命中率等かなり悪化しそう
な感じはするのですが、実用上(対艦艇という意味で)
どの程度の射距離が「有効」であるのでしょうか?
最大射程の80%程度でしょうか?
Takukou
- 艦船の射撃は数キロ程度の至近距離を除けば全て「曲射」です。砲身の仰角を上げ、その角度から発射された砲弾が描く放物線を数学で計算し、相手の速度や方向、射撃艦との距離等で予測した未来位置に自艦の砲弾の「落下」位置を合わせるのです。あわせることができればその付近の海域に何発かの砲弾が落下してくるのでそのうちの何発かは当たるだろう・・・、という射撃方法なのです。戦艦の大口径砲も巡洋艦の中小口径砲も発射された砲弾の速度はあまり変わりませんので、最大射程の何%というより砲戦距離のほうが重要ではないでしょうか。
kazu
- ↑
最大射程といっても
仰角の制限が無かったと仮定して理論値を出した場合
恐らく、そのぐらいで見ても良いのではないかと思います
ただ、砲の設計等の優劣や
口径(サイズ)に伴う静的安定性によって多少の違いは有りそうです
SUDO
- どうも、質問者です。
>口径(サイズ)に伴う静的安定性によって多少の違いは有りそうです
なのですが、弾道の終末(には限らないか)における
安定性、と解釈して良いのでしょうか?
イメージ的には、大口径砲の方が外的な影響を受けづ
らいような感じはするのですが‥‥
最大射程の80%云々は、最大射程付近では弾道が一
定しない、というか「ふらふら」である。といった文
章を読んだ記憶があり、そこからの質問でした。
takukou
- ↑そうですね、一般に大口径ほど安定性は良いみたいです
面積は口径の二乗に比例するけど、体積(重量)は三乗に比例するので
相対的に、大口径のほうが風等の影響を受けにくいとは言えます
また、飛翔時間が長ければ、この優位も覆る可能性が有ります
弾道のばらつきはさまざまな要因が有るのですが
どれも弾丸の飛翔時間が延びるほど蓄積され大きくなる傾向が有り
たぶん飛翔時間の何乗かに比例するのではないかと思います
結果的に、最大射程付近では許容誤差を逸脱しやすく
また、射程が延びるほど、弾道は落角が大きくなり
許容誤差が小さくなるので「ばらつく」とされるのでは無いかと想像します
SUDO