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260 潜水艦は水上より水中のほうが高速のものがありますが、なぜでしょうか。使用動力の違い(電池とディーゼル)だけで水の抵抗を超える?
また、艦隊編成で潜水艦は先頭を切りますが、10ノット以下(WW2時)で随伴できるものですか。
E太郎

  1. 水上航行すると「造波抵抗」というものが生じて、水中より抵抗が大きくなるものです。ですから同じ馬力なら水中の方が高速が出ます(まぁ、船体の形状にもよりますが)。ちなみに現代の通常動力型潜水艦だと大抵(水上航行用の)ディーゼルよりも水中航行用の電気モーターの方が最大出力は大きいです。
    (N)

  2. 船体形状についての補足です。
    WW2の潜水艦で代表的なドイツのVIIA型を例にとると(水上)16kt/2100馬力、(水中)
    8kt/750馬力で、仮にこいつの水中馬力を水上と同じ2100馬力にしても単純計算では
    約11.3ktしか出ずに水上速力に及びません。
    WW2中の「可潜艦」と呼ばれる潜水艦では、船体形状が水上航行をメインに作られ
    ているので、造波抵抗を考慮しても司令塔を含めて船体丸ごと水の抵抗を受ける水中
    では水上航走よりも推進抵抗は大きくなる・・・・がNさんが「船体形状にもよる」と言った
    件での私の補足です。(これが水中高速潜になると逆になる訳です)
    ついでに可潜艦と呼ばれた潜水艦では水中で使用するモーターより水上で使う主機の
    ディーゼルの方が高出力ですから、水中速力は水上速力のだいたい半分ぐらいが世界的
    に相場です。

    でもって太郎さん(丸数字は機種依存文字なので使わない方がいいですよ)ご質問の
    何故にこれが逆転するか?・・ですが、同じくドイツUボートで大戦末期に実用化され
    た水中高速型XXIを例にすると、(水上)14.4kt/4000馬力、(水中)17.2kt/5000馬力で
    水中と水上速力は逆転しています。
    もし上のVIIA型で水中馬力を同じ5000馬力にすると、単純計算では水中約15ktとなり
    大きさでVIIA型(750t級)の倍もあるXXI型(1600t級)が同馬力では水中で速いのです。
    その代わりXXI型では水上馬力を水中と同じ5000馬力にしても水上速力は約15.5ktで、
    今度は同馬力で水上速力が水中速力に及びません(VIIAとは逆)

    従ってご質問の水中高速潜では何故に水上よりも水中の方が速力が速くなるかは、
    水上航走時の抵抗増大を敢えて我慢して水中での抵抗減少を優先した船体形状を採用
    し、かつ、従来の倍近い馬力のモーターとそれを支える大容量の蓄電池を搭載した
    結果、水上よりも水中の方が速い真の「潜水艦」となった訳です。
    (水中速力の増大は水中馬力の増加よりも船体形状の改正の方がかなり大きなウエ
     イトを占めてます。空気と違って水の抵抗ってのはバカになりません)

    佐藤利行

  3. 艦隊編成には誰も答えてないので(笑)

    答え:水上航行するから

    日本の場合は最大速度23ノット、水上巡航は14前後ですから
    問題なく艦隊の行動に付いていけます

    そして戦闘時には共同行動しませんから問題はないのです
    あくまでも、予想会敵海面に同時期に展開するだけです
    真珠湾やミッドウェイでも、作戦参加して展開・交戦してますが
    その運行は共同ではなかったのに注意してください

    ちなみに、WW2の潜水艦の水中航行は
    3ノットで90海里とかですから>歩くような低速で丸一日って事です
    あくまでも戦闘時の緊急用と見て下さい

    SUDO

  4. 一度伊号のおなかまでついているプラモでも作って見ると(ニチモ200の乙型は勉強になりますよ)第一次大戦型の潜水艦が「水上艦」であることがはっきりと納得できます。ほんと、伊号の船体は日本刀のように美しい(ウオーターラインだとその船の本質も半分しか見えません)。
    また、23ノットで米戦艦部隊に対して自在に攻撃できるか、という点については戦前の演習で実際には困難であることが確認されています。高速潜水艦として甲標的が開発される背景にはこうした襲撃の困難性があるのでしょう。
    BUN

  5. そいや、水上30ノットとかの「潜水」艦って作ってませんよね?

    23ノットを達成した後、速度向上に向かわなかった事は
    潜水艦戦術や用法に変化があったって事なのでしょうか

    それとも搭載水偵による早期発見し長大な航続距離で
    長時間追撃で補足するつもりだったのかな

    わずかでも速ければ、いつかは追いつけると・・・無茶苦茶やな(^^;;

    SUDO

  6. そういうフネは、魚雷艇、水雷艇と呼ぶのではないでしょうか?(笑)。30ノット以上で波をけだてて疾走できる船が果たして潜水できるものかな。
    BUN

  7. 効率の悪化も含めて、馬力を4倍にすれば可能かと(笑)
    潜水装備一式に燃料、バッテリー、モーター・・・
    スペースが足りないな、武装を外すか(ぉぃ
    いや潜水能力を無くせば良いのか(爆)

    はい、水雷艇になりますね(笑)

    SUDO

  8. 主機をディーゼルにこだわるからいけないのです。
    ここは思い切って島風の高圧高温タービンの採用を!・・・・って英国の殺人潜水艦
    'K' クラスかいな(^^;

    でもってあれ以上の高速は主機の関係で技術的にも難しいでしょうね。
    23ktだって機関のトラブルやら騒音やら機関区の容積増大とか、潜水艦として
    不利な要素を一杯抱えながら、やっとの思いで達成した数値な訳でしょう?
    あれ以上だと瑞穂が積んだ例の大和用ディーゼル(艦本式11号8型)を4基を
    積んで25kt/15,200hpぐらいが当時の限界な気がします。
    (ちなみに乙型が水上2200tで23.6kt/12,400hp)
    それでも米新型戦艦の速力には及ばないし・・・日本の漸減作戦での潜水艦運用
    構想って、条約明けの米新型戦艦の速力が27ktになった時点で完全に破綻し
    ちゃってると思う私ですけど。
    (あの23ktって「米戦艦は21kt」を前提にした数値だった筈だし)

    水上速力の件は、いっそ水中翼潜水艇とかダメかなあ?
    潜舵を水上航走時には水中翼艇みたいに使って水上40kt、水中8kt(爆)
    誰が潜航するかい!
    ・・・・でも暴風雨の時とか空襲時とか水中に退避出来て意外と重宝したりして^^

    佐藤利行

  9. でも、太平洋では両軍の空母が結構潜水艦にやられてますよね
    最大速度30ノットを越える空母が食われるのだから
    早期に展開して待ち伏せすれば攻撃は可能では無いかと思うし
    それが水偵搭載等の捜索能力拡大だったのかも

    日本潜水艦の発展を見ると、23達成と共に航続距離の延伸が顕著ですが
    より遠くで展開して戦略的早期警戒能力を確保し
    先回りの時間を確保する狙いがあったのではないかと・・・・

    十分な数量を用意して、地雷のように展開させれば良く
    その為に必要だったのは数量で、量産性の良い中型潜水艦を中核に
    中距離迎撃に重点をおいた戦力整備に移行して行くべきだったのかも

    SUDO

  10. 地雷源のように展開させたくてもその地雷の数が少ないから、戦況の変化で頻繁に「あっちに動け」
    「こっちに行け」と指示されて、結果、水上での高速航行を余儀なくされてその途中で沈められちゃう。
    しかも配備の仕方も悪評高い「散開線」(参謀殿が海図に線を引いてその線上に等間隔に配備・・・図上
    演習感覚ですね)で芋づる式に撃沈されたり。
    なんか根本的に使い方がなってないと思います。

    佐藤利行

  11. 甲標的は数量問題への解答の一つだったみたいです

    例の散会線の問題はどーしょーも無いんですが
    大戦中盤以降の数量不足は仕方がないと思ってます
    艦型を多数用意したからとも言われますが
    実際には機関が不足して大量建造なんて無理だと思う

    私が問題としてる数量は開戦時で
    無条約時代突入から開戦までの時間に
    甲・乙・丙型と海大型の整備に走り、海中型の大量整備をしなかった事です

    SUDO

  12. 海中型は確かにもったいないですね、現場でも評判はよかったのに。

    あと、わたしがもったいないと思っているのは「71号艦」です。
    (あれなんで破棄したのかと思っていますが)
    実験艦なんで構造が複雑でトラブルが多かったりするのは仕方ないとしても、
    もう少しねばって開発続けて潜高小の早期実用化にでもつなげればなあ・・・・
    と思います。

    水中高速潜化も大馬力のモーターや大容量の蓄電池の問題があるんで波号クラス
    の小型じゃない量産は難しいと思うけど、それでも甲標的クラスのミゼット艇
    よりは使い勝手がいいと思うます。
    あれは建造時期を考えるともったいないなあ・・・・

    佐藤利行

  13. 最近どうも日本語が変(^^;、12番で打ち間違いです。
    「・・小型じゃない量産は・・」−>「・・小型じゃないと量産は・・」
    です。
            

    佐藤利行

  14. やっぱり旋回すると像が倒立してしまい、しかもコーティングが無い為に真っ暗な潜望鏡しか国産できないと潜水艦は量産できませんよね。船体の量産以前に隘路あったのだと思います。
    BUN

  15. どうも日本の潜水艦は実用性も生産性も低い艦を手間をかけて作りすぎたように思います。ドイツのUボートを参考にして静粛性、潜航深度、水中性能、急速潜航能力、生存性、生産性を高めた戊型の大量建造を計画したのが昭和18年になってから。それも第1艦が完成する前に白紙に戻されて水中高速潜のブロック建造計画に切り替えられ、それも途中で人間魚雷への転換。遅い、遅すぎる。全てが後手に回ってる。
    itou

  16. 苦労して世界有数の洋上航行能力を持つ大型潜水艦を作っておきながら、その用法はお粗末で泊地奇襲やモグラ輸送などに逐次投入されいたずらに消耗…(T_T) ないものづくしと上層部の無理解の狭間で、日本の潜水艦搭乗員は本当に善く闘ったと思います。
    ささき

  17. 「甲標的」みたいに本来は洋上襲撃の為の水中兵器を防潜網で固く守られた狭い港湾襲撃に
    そのまんま転用するんですもん。
    思いつきだけで戦争に勝てたら誰も苦労はしません、苦労するのは現場の人間だけです。
    (こんな例って多いでよね、日本の作戦指導ってT-T)
    佐藤利行

  18. 議論ボードの航空機開発計画でも主張したように
    日本にとって必要なのは、昭和18年までに用意できる戦力だと思う
    それ以降はアメリカの生産力の前に揉みつぶされるだけなので、大勢に影響は無い

    開戦前の建造計画が全ての元凶で
    条約関連で触れたように、昭和16年末から17年初頭に「戦闘」は始まり
    そして、日本が条約脱退を決めた瞬間から「戦争」は始まっていたのです

    私は昭和18年以降に完成する船が何であろうとも戦争に影響は無いと見ます
    何かを変えられたかもしれないのは18年迄に完成する船なのだと思う

    太平洋戦争の終わりの始まりはガダルカナルでした
    ソロモン諸島の戦闘が終わったときに、戦争は「終わった」のです

    SUDO


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