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250 先日、古本屋で「世界の艦船」誌のバックナンバーを買ったのですが、その中でイギリスのネルソン級の16インチ主砲について、「主砲配置による爆風以外にも砲自体に欠陥が有り、就役後何回も改修を受けた」と有りました。また同じ記事の中でK・G・V世級の14インチ主砲についても触れていて、「イギリス海軍では16インチ砲に劣らぬ傑作と考えていたと有ります。」これだけ読めばネルソン級の主砲はあまり高性能じゃなかったからイギリスはK・G・V世級では16インチ砲を諦めて、軍縮会議では世界中を巻き込んで14インチ砲を普及させたかったように思えますが、K・G・V世級の次に計画されていたライオン級では、またまたネルソン級の16インチ主砲を改修した物を主砲にしています。それで皆さんにお聞きしたいのは、この二つの主砲についてです。「世界の艦船」誌の記事が本当ならK・G・V世級で新型14インチ砲を開発したのも頷けるのですが、そうでなければわざわざ14インチ砲を新規開発した訳が分かりません。あまりメジャーではないイギリス艦ですが皆さんの鋭い解説をよろしくお願いします。
ketzer

  1. するどい突っ込みですな
    これは、いくつかにわけて考察すべきでしょうね

    KG5の主砲が14だったのは
    16ではバランスの良い戦艦が作れないからだと愚考します
    ビッグセブンで最新のネルソンですら攻防重視の結果速度が貧弱です
    つまり英国では高速戦艦を35000t16インチでは不可能と判断したのでしょう
    実際に14インチでも、4連*3では収まらなかったので10門にしてますし

    次にネルソンの16が失敗だったかどうかですが
    馴れない3連装が原因だったのではないかと愚考します
    条約の絡みで早期にでっち上げる必要性があったので
    十分な検証を行わずに建造された可能性も高いので初期故障が多かったのでしょう
    メリーランド級が、既に3連装を経験しながらも連装で済ませています
    かなりの無理がそこに有ったのだと想像できますね
    そして、実用性は度重なる改良の結果、充分な物になったのでは無いかと
    ライオンに採用されたのは、実用性があると言う証拠とも言えます

    次にKG5の14インチが成功作なのか、ですが
    伝え聞く性能は金剛のと変わりません
    14インチ45口径で普通に作ればああなるって性能です
    射撃速度も普通ですし、ビスマルク戦で故障多発したことを考えると
    4連装の無理も相当有ったと思います

    QE級、R級、巡戦が装備した15インチ砲と比べて
    射撃速度、射程距離等で勝るので
    「15インチに匹敵する」と豪語したのは知ってますが
    16インチに匹敵するほどの性能だとはとても思えません
    お得意の大言壮語の宣伝だと思います

    英国艦の概要と開発の流れには、世界の艦船の別冊の
    イギリス戦艦史、イギリス巡洋艦史、イギリス駆逐艦史の3冊をお薦めします
    WW1近辺から急速に設計思想を含めたイニシチブを失っていく有様が判ります

    14インチのごり押しと失敗は
    彼らの帝国が失われつつ有るのを如実に証明しているようにも思えます

    SUDO

  2. ゴミレスです;英国戦艦の14インチ多連装砲塔と英軍戦闘機の7.7mm多連装主翼機銃に共通点を感じてしまうのは私だけでしょうか?坂井三郎氏は零戦に比較して英軍機の武装コンセプトを誉めていましたが、英軍パイロット達には「当てても当ててもぜんぜん効かない」と極めて不評だったようです。
    ささき

  3. ゴミレスですその2;
    ただあの7.7ミリ多銃装備は、対爆撃機戦において一回の射撃時間あたりに、爆撃機に対して効果的なダメージを与えうるには何丁の7,7ミリが必要であるか、を(彼らなりに)慎重に検討して生まれたものです。威力を上げるために7,7ミリの炸裂弾を開発した、と言う話もあるんですが、果たして本当でしょうか。


  4. 英艦の4連装は、仏ダンケルク級の影響も有ると思います

    そいや、ノースカロライナ級の原案は4連装*3でした
    エスカレータ条項で速やかに16インチに換装出来ることを狙ったと言われてます
    実際にそうなったワケだし
    この場合3連装*4→連装*4よりも
     換装後の火力が大きい
     砲塔数が少ない方がバイタルパートは短く済む
    ってのがかなりの無茶な4連装*3になったのでしょう
     余談ですが
     メリーランド級が、3連装14インチを連装16インチに変更した例です
     長門対抗として急遽作られた物ですが
     このような設計変更が可能なのかどうかも注目すべきトコロでしょう

    KG5は4連と2連の混載で、速やかな砲塔変更も出来ず
    連装を別に用意せざるを得なかった事から完成も遅れ
    故障問題から戦力化も遅れました

    「もし」は禁物ですが、素直に14インチ3連*3乃至4で作成したなら
    ビスマルク追撃戦に2隻以上を投入出来
    フッドの悲劇は避けられた可能性も有ります

    やっぱり失敗作だな>KG5級

    SUDO

  5. ↑2 レン・デイトンの「戦闘機」に英空軍は7mm7用焼夷実包としてベルギー製の
    デ・ウィルド弾を改修して使ったとありますが、このことですかね?
    大塚好古

  6. 英軍7.7mmには1917年採用の"Pomeroy Mk.2"炸裂弾と1918年採用の"RTS Mk.2"炸裂/焼夷弾がありましたが、どちらも第二次大戦では使われていないようです。第二次大戦ではMk.VII通常弾とMk.VI曳光弾、Mk.I徹甲弾、Mk.IVz焼夷弾の組み合わせが使われていたようです。
    ささき

  7. 英軍が7.7mmに固執した理由は1929年に行われたテストで「多連装小口径機銃は少連装大口径機銃に総合火力で優る」という結論が出ていたためですが、このテストというのが1929年当時の戦闘機の搭載武装量(12.7mmならせいぜい二連装が上限)を前提にしたものでした。当時英国製の12.7mm機銃にはロクなものがなかった実状もあります。問題はその決定が航空機の発展目覚しい十数年もの間再検討されなかったこと。英国でブローニングM2のライセンス生産が始まったのは1945年のことです。もしイスパノ20mmがなかったら英国戦闘機はずっと7.7mmで通さねばならず、苦戦を強いられたでしょうね。
    ささき


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