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先日、古本屋で「世界の艦船」誌のバックナンバーを買ったのですが、その中でイギリスのネルソン級の16インチ主砲について、「主砲配置による爆風以外にも砲自体に欠陥が有り、就役後何回も改修を受けた」と有りました。また同じ記事の中でK・G・V世級の14インチ主砲についても触れていて、「イギリス海軍では16インチ砲に劣らぬ傑作と考えていたと有ります。」これだけ読めばネルソン級の主砲はあまり高性能じゃなかったからイギリスはK・G・V世級では16インチ砲を諦めて、軍縮会議では世界中を巻き込んで14インチ砲を普及させたかったように思えますが、K・G・V世級の次に計画されていたライオン級では、またまたネルソン級の16インチ主砲を改修した物を主砲にしています。それで皆さんにお聞きしたいのは、この二つの主砲についてです。「世界の艦船」誌の記事が本当ならK・G・V世級で新型14インチ砲を開発したのも頷けるのですが、そうでなければわざわざ14インチ砲を新規開発した訳が分かりません。あまりメジャーではないイギリス艦ですが皆さんの鋭い解説をよろしくお願いします。 ketzer |
これは、いくつかにわけて考察すべきでしょうね
KG5の主砲が14だったのは
16ではバランスの良い戦艦が作れないからだと愚考します
ビッグセブンで最新のネルソンですら攻防重視の結果速度が貧弱です
つまり英国では高速戦艦を35000t16インチでは不可能と判断したのでしょう
実際に14インチでも、4連*3では収まらなかったので10門にしてますし
次にネルソンの16が失敗だったかどうかですが
馴れない3連装が原因だったのではないかと愚考します
条約の絡みで早期にでっち上げる必要性があったので
十分な検証を行わずに建造された可能性も高いので初期故障が多かったのでしょう
メリーランド級が、既に3連装を経験しながらも連装で済ませています
かなりの無理がそこに有ったのだと想像できますね
そして、実用性は度重なる改良の結果、充分な物になったのでは無いかと
ライオンに採用されたのは、実用性があると言う証拠とも言えます
次にKG5の14インチが成功作なのか、ですが
伝え聞く性能は金剛のと変わりません
14インチ45口径で普通に作ればああなるって性能です
射撃速度も普通ですし、ビスマルク戦で故障多発したことを考えると
4連装の無理も相当有ったと思います
QE級、R級、巡戦が装備した15インチ砲と比べて
射撃速度、射程距離等で勝るので
「15インチに匹敵する」と豪語したのは知ってますが
16インチに匹敵するほどの性能だとはとても思えません
お得意の大言壮語の宣伝だと思います
英国艦の概要と開発の流れには、世界の艦船の別冊の
イギリス戦艦史、イギリス巡洋艦史、イギリス駆逐艦史の3冊をお薦めします
WW1近辺から急速に設計思想を含めたイニシチブを失っていく有様が判ります
14インチのごり押しと失敗は
彼らの帝国が失われつつ有るのを如実に証明しているようにも思えます
SUDO
ささき
ただあの7.7ミリ多銃装備は、対爆撃機戦において一回の射撃時間あたりに、爆撃機に対して効果的なダメージを与えうるには何丁の7,7ミリが必要であるか、を(彼らなりに)慎重に検討して生まれたものです。威力を上げるために7,7ミリの炸裂弾を開発した、と言う話もあるんですが、果たして本当でしょうか。
R
そいや、ノースカロライナ級の原案は4連装*3でした
エスカレータ条項で速やかに16インチに換装出来ることを狙ったと言われてます
実際にそうなったワケだし
この場合3連装*4→連装*4よりも
換装後の火力が大きい
砲塔数が少ない方がバイタルパートは短く済む
ってのがかなりの無茶な4連装*3になったのでしょう
余談ですが
メリーランド級が、3連装14インチを連装16インチに変更した例です
長門対抗として急遽作られた物ですが
このような設計変更が可能なのかどうかも注目すべきトコロでしょう
KG5は4連と2連の混載で、速やかな砲塔変更も出来ず
連装を別に用意せざるを得なかった事から完成も遅れ
故障問題から戦力化も遅れました
「もし」は禁物ですが、素直に14インチ3連*3乃至4で作成したなら
ビスマルク追撃戦に2隻以上を投入出来
フッドの悲劇は避けられた可能性も有ります
やっぱり失敗作だな>KG5級
SUDO
デ・ウィルド弾を改修して使ったとありますが、このことですかね?
大塚好古
ささき
ささき