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「大和」と「アイオワ」が真昼に2万メートルの距離で1対1で戦うとどっちが勝つ可能性が高いのでしょうか? K.K |
1)主砲貫徹力:大和有利(運動エネルギーで1.25倍)
2)発射弾数 :アイオワ有利(1.33倍)
3)砲弾の性能:アイオワ有利
4)射撃精度 :昼間なら大同小異
5)耐弾防御 :大和有利(特に水平装甲と機関部)
6)予備浮力 :大和有利(推定2倍)
7)復元力 :大和有利
8)ダメコン :耐砲弾なら顕著な差なし
9)速 力 :逃げるのでなければ無関係
で,大和が有利だと思います(特に防御力)。
砲弾威力と防御力から,16in砲弾が大和に命中しても致命傷にはなりにくく,一方46cm砲弾がアイオワに命中すれば致命傷となる確率が高いでしょう。主砲口径と排水量の差がかなりストレートに反映されると思います。
isi
BUN
SUDO
かなり濃い内容のモノが多かったと記憶してるんですが・・・・(;_;)
SUDO
BUN
ハヤブサ
防御力について言えば、砲撃戦で勝負が付くのは弾火薬庫直撃ぐらい。となるとやはりアイオワ。
ハヤブサ
2.高速を利して距離を取り続ける消極的戦法を採用する艦長は開戦後、査問される可能性大。
3.アイオワの防御力は水平、垂直とも自艦の砲弾にも耐えず、問題あり。かえって近接する必要あり。
4.機動の激しい単艦同士の砲戦で、照準修正を考慮すると、発射速度の差は問題にならない。
といった内容でアイオワ不利、に私は今年も一票なのです。
BUN
記事の紹介があります。これはレイテ作戦で栗田艦隊とTF34が遭遇していた場合
どうなったか、という検証でしたが、それに対する投稿で下記のようなのが
あります。
筆者:ロイド・M・マスティン海軍中将(退役)
(大戦中のウィリス・M・リー中将の参謀<砲術/レーダー/情報センター担当>)
米戦艦に搭載されていたMk-8射撃指揮レーダーの判別能力は非常に高かった。
縦の判別能力は30ヤードであり、横解像度1400ヤード以内に大和と長門が
居たとしてもこの両艦を判別することは容易であった。またMk-8は弾着を
観測できる高い能力があり、現に私は暗黒の夜に80斉射を日本艦に浴びせて
延々と炎上させた事がある。
上記の点から、もしアイオワが大和と対戦したのであれば、アイオワは距離
40000ヤードの第一斉射で大和を直径300ヤードの主砲砲弾の散布界に収め、
これにより大和は避退行動に移らざるを得ず、このため大和の主砲の命中率は
格段に低下する一方、米側は前述のMk-8の能力により目標が頻繁にコースを
変更しても依然として高い命中率を持続するので日米の勝敗はおのずから
明白である。
大塚好古
本当にそれが実戦性能だったのか、よく考えるべきではないでしょうか
ええ、レーダーの性能も含めてですよ
よく日本の遠距離戦闘能力が怪しいと言われますが
スラバヤでもアッツでも命中率で勝ったのは日本軍の方です
確かに当初予想された数値からは凄まじく悪いですが
サマール沖の米軍艦艇の被弾報告を見れば
日本軍の2万前後での射撃能力は大体想像できます
スコール・煙幕・空襲という悪条件で出した数字は十分に立派です
反対にレイテ戦で米軍の射撃能力はかなり怪しい物でした
大抵の場合、一方的に攻撃していたのにです
米軍が活躍した事例は
一方的な射撃、出来れば雷撃等で相手が混乱しているときに
これを米軍の「平均的数値」と見なすのは危険です
マトモに応戦された戦闘で米軍の射撃能力は
はたして日本軍のそれよりも勝っていたのでしょうか?
SUDO
思い切って議論ボード2に行きませんか?
SUDO
議論で気を付ける必要があるのは
●多くの要因の中で「特定の要因を過大視,他を過小視」すると間違った結論(または望みの結論)を合理的に導いてしまう。
恐縮ですが,ハヤブサさんの意見も大塚さん引用のレポートも「照準精度」という1要素を徹底的に重視し,他の要素を軽視しているように思えます。
●さらに重要なのが「程度」の問題(定量性)で「AがBに勝る」というとき「どの程度」勝るかが問題です。
照準能力が違うと言っても「アイオワだけが命中弾を得られ,大和は無し」か「アイオワは大和の3割り増し」かでは全く話が違います。
●また「言葉では論理的に聞こえるが,物理的に間違い」という事態があります。
「アイオワの16in砲は長砲身50口径なので,大和の46cm 45口径砲に匹敵」というのは一見論理的ですが,運動エネルギーを計算すると両者には歴然とした差があります。
ハヤブサさん:
「日本側が勝ると考えられるのは散布界の小ささのみ」
1弾の威力(運動エネルギー)は明白に大和が上回ります。しかも装甲の薄いアイオワでは命中時のダメージはより深刻です。
「測的能力と発射速度では米海軍の勝ち」
測的能力が勝っていても,大和の測的能力が0というわけではなく,どの程度の差かが問題です。
発射速度が3割高いのは「有利」ですが「決定的」ではありません。また1弾の威力で大和が勝るため「1弾の威力×発射速度」は両艦とも同等です。
「絶対不利」
攻撃力・防御力とも大和が上と私は考えますが,それでも「有利」なだけで「絶対」ではありません。有利さが「どの程度」かが問題です。
「防御力について言えば、砲撃戦で勝負が付くのは弾火薬庫直撃ぐらい」
“弾火薬庫に命中しなければ関係ない”とはなりません。主砲弾を受ければ双方とも相当のダメージを受けます。ダメージの累積が先に限界に達した方が戦闘不能になるでしょう。この点アイオワは
1)装甲が薄いので1被弾でのダメージが大きい
2)予備浮力・復元力が小さいので,より小さなダメージで傾斜限界に
達しやすい
3)傾斜すると水平装甲が敵弾に打ち抜かれやすくなる
といった点で不利です。
大塚さん(の米軍レポート):
「アイオワは距離40000ヤードの第一斉射で大和を直径300ヤードの主砲砲弾の散布界に収め」
着弾修正なしで第1斉射から挟夾できるとは思えませんし,36,000mで散布界が300m未満とも思えません。この数字は物理的に疑問を感じます。現実問題として30,000m以上で有効な砲撃戦が成立するとは思えません。
「大和は避退行動に移らざるを得ず、このため大和の主砲の命中率は格段に低下する」
防御力に自信があれば避退しない可能性もあります(もちろん避退する可能性もあり)。「格段」という表現も曖昧です。望みの結論を導くための理想を述べているようにも読めます。
このレポートは照準以外の要素を全く検討していませんし,内容の客観性にも疑問を感じます。
書いておいてなんですが,この議論は簡単に結論が出るとは思えず,要するエネルギーを考えると議論ボードは遠慮したいと思います。
isi
「特定の要因」は一般論のつもりでした。アイオワの議論でレーダー射撃の精度が強調され過ぎる印象がありましたので。
isi
1分当たりの発射砲弾重量はほぼ同じになります。91式徹甲弾の突入角は2万mでかなり浅くなるので、うまく水中弾効果を発揮できること、15.5cm砲弾を毎分45発発射できることで、アイオワの上部構造への破壊効果など非防御部に著しい被害をあたえられると考えられます。すなわち、アイオワの射撃管制は間断のない中口径砲弾によりカタログ性能通りに発揮できるのは疑わしいといえます。
2万m、昼間並行航砲戦では、大和が絶対有利です
Navy
傍観者
(N)