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241 大和の医務室に手術設備が無かったというは本当ですか?かなり豪華に造られたのに医務室に手術設備が無いのは意外なのですが。
青星

  1. 「なかった」というのは、何に書いてあったのでしょうか?また、
    手術設備とは具体的に何を指すのでしょうか?

    職場なので大和の各甲板の平面図もないし、「手術設備」が定義
    されていないので断言断定は全然できませんが、たとえば児島「
    戦艦大和」にも、主砲方位盤射手村田中尉が艦内で手術を受けた
    ような記述があったりするので、当然ある程度の手術は可能だと
    思ってました。例の淵田中佐だって、ミッドウェイ作戦のとき、
    洋上で盲腸の手術を受けたように記憶しますし。

    ちなみに、多分戦隊内の軍医の専門に応じて、「細菌担当」とか
    艦に役割が与えられていて、緊急の手術が必要な場合は、その担
    当の艦に移されて手術を受ける、なんて風になっていたのだと、
    色々なものを読んで想像したりしているのですが、まだちゃんと
    調査したわけではないです。
    今泉 淳

  2. 淵田中佐の件は、もちろん「赤城」の話ですが、赤城で可能ならば
    大和でも可能であろう、ということです。

    今泉 淳

  3. あとですね、手術の内容にも依ると思うのですが、その気になれば
    やっちゃうもんですよ。例えば、潜水艦の中で盲腸の手術をやった
    りですね(いくつか例があると思います)。あと、軍艦であっても
    戦闘中はいわゆる医務室(でいいのかな)とかだけではなくて、別
    の場所も使って治療するんですよね。「戦時治療室」とか言うんだ
    ったかな。医務科の軍医数名(軍医長と数名の乗組軍医)が、艦内
    の治療室に分かれて治療にあたるはずで、例えば士官室を治療室に
    したりするような記述を戦記物で読んだ記憶がありますね。テーブ
    ルに白い布をかけて、治療台にするとか。

    今泉 淳


  4. ↑の記事化けてますが、盲腸の手術をやったのは潜水艦の中です。

    今泉 淳

  5. 船に装備される手術設備は簡易手術台と用具なので軍艦には必ずあったと思って良いのではないでしょうか。軍艦乗り組みの軍医=外科医ですから。戦闘時は浴室等を手術室に使用したはずですが、日常的な手術は寄港中でも行われていたようです。吉田満「戦艦大和の最期」にも出撃直前、確か盲腸手術のため最後の上陸の機会をのがす若い軍医のことが回想されていたはずです。
    BUN

  6. 軍艦ではないですが、北フランスBITCH近くのマジノ線遺構の医務室には歯科治療台と素人目には手術台と思われるものがありました。これは何ヶ月も篭る覚悟からかと思います。また、長期間孤立する環境の例では初期の(10次位)の南極昭和基地ではいざという時は撞球台を手術台にする予定だった由。軍艦は基本的に健康な人ばかりの集団なので、手術といっても切った縫ったの簡単なものか戦闘時の修羅場かで、豪華とはいえ基本的には狭いし、そう長期間孤立した環境にいるわけではないしで、病院にあるような設備をおくのは無意味だったのではないしょうか?
    SHI

  7. 要するに陸上の大病院と艦内の医務室とでは、おのずと設備や能力
    の違いがあるのは当然で、それが理由で手術の範囲も限定されるの
    はある意味で自然な話だと思います。ただ、これを「無かった」と
    表現して良いかについては、多少議論の余地がありそうです。

    「戦闘時に浴室を」は、確認する手段を得ませんのでなんとも言え
    ませんが、私が読んだことがある文献では、士官浴室を死体置き場
    にしたという記述もあったような気がします。もしかしたら、艦に
    よって違うかもしれませんが。また、「軍医=外科」についても、
    家に帰って調べて断定できるかどうか分かりませんが、軍医科士官
    が全員外科を専門にしていたかどうかはやや疑問があります。艦や
    隊に配員される軍医科士官と範囲を限定しても、まだ良く分かりま
    せん。この辺りは、自宅の資料で分かる範囲で調査、考察してみた
    いと思います。
    今泉 淳

  8. イギリスの巡洋艦ベルファストには手術設備はあったみたいです。
    でも展示だから事実かどうか?
    http://warship.simplenet.com/images/belfast/HMS%20Belfast%20Operating%20Theater.jpg

    本当に歯科治療設備もあったのかなあ?
    http://warship.simplenet.com/images/belfast/dentist.jpg

    うがんこ

  9. 軍医=外科医と言っているのではなく、戦闘時の軍艦での医療行為は極端な話、中世以来、破砕された手足を切り落とすことなのですから外科手術は不可避、と言いたかったのです。また、現在のベッド式の手術台と無影灯といった手術室のイメージで考えるのも間違いで、例えば氷川丸に保存されていた手術台は歯医者の椅子よりもずっと簡単な物でした。浴室の利用については回想にそうした描写があるものがありますが、確証を得られず、伝説の可能性もあり「はず、」としました。

    BUN

  10. ↑の件、了解です。すなわち、艦内の軍医ならば戦闘で負傷した兵員の
    外科的治療が主たる内容となろう、という意味でなら然りだと思います。
    というのも、軍医の場合は高等科があったかどうか調べないと分からな
    いのですが、結局なんでもやらされるんですが、やっぱり自分の専門っ
    てのがあるらしいんです。ただし、産婦人科と小児科って専門はなかっ
    たそうですが。

    今泉 淳

  11. 軍医が外科専門という事はないようです。軍医の任務というのは戦闘時だけではなく、平時の通常航海における病人の治療という方が比重が高かったようです。日露戦争当時までは脚気による大量の犠牲者が出て、これによる死亡者は戦死者より多かったという話もあるくらいですから。各種の治療の他に乗員の健康診断や乙飛受験者等の身体検査等の業務もありました。

    乗り組みの軍医の数は当然の事ながら艦の大きさ(乗員数)によって違い、大型艦では軍医長の下に内科、外科というように区分されていましたが、小型艦では1名だけでした。従って駆逐艦等で緊急手術を要する病人や怪我人が出た場合は大型艦に移送されて、手術なり治療なりを行いました。

    瑞鶴乗り組みの軍医の日記を読んでみると、瑞鶴はレントゲン室や手術設備も完備していて「これなら何の不足もない」と喜んだりしています。またこれによると乗員の包茎手術なんてのも行っていた記述もあります。
    itou

  12. 児島譲の「戦艦大和」を読むと,落下事故で頭部を打って意識不明で瀕死の兵を
    頭部外科手術を行って,血ペイを除いて一命を取り止めた。というように高度な手術も可能だったようです。
    Navy

  13. 巡洋艦程度の規模以上の軍艦であれば、恐らく軍医長(兼分隊長)と乗組
    の軍医科尉官1名以上が最低限の数でしょう。戦艦などだと、軍医長と
    分隊長が別々に配員されていたかもしれませんが、ちょっと調べたこと
    はありません。小型艦の場合、単艦行動の多い艦、特に潜水艦は尉官1名
    を軍医長として配員していましたが、駆逐艦などの場合は駆逐隊に対して
    隊軍医長1名に隊付尉官1名のようにな感じの配員だったようです。ただ、
    これとても戦争後半までそういう状態だったかは確認にいたっておりま
    せん。大型艦と小型艦という意味では、やはり大型艦のほうが設備が整っ
    ていたことは事実だと思いますし、大型艦であれば手術を行うことは十分
    に可能だったと認識しております。
    今泉 淳


  14. 今見てて気づきましたが、

    > 単艦行動の多い艦、特に潜水艦は尉官1名を軍医長として配員していましたが、

    これ、潜水隊付として発令されたものか(乗艦指定は司令の命課)、それと
    も乗組の辞令が海軍省から出ていたのか、ちょっと分かりません。んで、
    単艦戦闘航海中の潜水艦で盲腸の手術をやった例がある模様です。でも、
    潜水艦って麻酔がないらしいんですよね。麻酔無しの盲腸手術って、痛そー。
    今泉 淳


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