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昭和18年以降日本の潜水艦には防探塗料なる、敵レーダー波を吸収する塗料を塗ったそうですが、どれくらい効果があったんでしょう?
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- 防探塗料についてはよくわかりませんが、現代の技術でも塗装によるステルスは余り多くを期待できない事からして、あまり効果があったとは思えません。ドイツからの技術導入や戦訓の反映によって、昭和18年頃からようやく実戦に即した近代的な潜水艦が日本でも建造されるようになりましたが、ステルスという意味では潜補(伊351型)からはRCSの大きいセイルを鉢型(下にすぼまった形、外板を垂直にしない)にする事が行われ、次の潜輸大(伊361型)では更にセイル自体を小型化しています。
- 昭和19年5月に、改造した呂57を使って鉢型セイルと特殊ゴム板張り付けによるステルス効果の実験が行われましたが、前者はともかく後者の有効性ははっきり確認できなかったようです。またこの特殊ゴム板はアクティブソナー対策としての遮音タイルの意味もあったのですが、剥がれやすくて荒天ともなれば一斉に剥脱してしまう為、実用化はされませんでした(EOS)
- イ−400の写真には分厚いコーティングの塗り跡が明確に見えるので効果があったかどうかは別として、期待はされていたようですね。
- 潜水艦用防探塗料は2種類があって、まず対ソーナー用塗料は、19年の実験では3m長波に対して反射音圧22%減の効果があったそうで、第一線での使用は18年6月のキスカ撤退作戦で伊21などが防音塗料を塗って出撃したそうです(黒色塗料と木屑を混ぜ合わせた様なもので厚さ3cmにも及び、レイテ戦で防音塗料を塗った伊56では水上速度が17ktから16ktに低下したそうです)
- (続き)対レーダー塗料は四三化鉄に炭素の粉を混ぜゴム原料のラテックスで固めたものだそうですが、軽巡「酒匂」の22号電探(10cm波)での照射実験では6〜7千mの距離なら反射率20%減の効果があったそうです(ただ生産が間に合わず実用せずとあります)(元ネタは木俣滋朗著「幻の秘密兵器」歴史群像「伊号潜水艦」より)
- ↑xALL 質問者です。みなさん丁寧なレスありがとうございました。
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