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3733 第二次大戦直前辺りに世界的に双発長距離戦闘機が流行ったようですが機体のサイズをたいして変えずに双発にしても燃費二倍(?)でかえって航続力が落ちそうな気がするのですが・・・双発だと生存性があがるのが魅力?双発の力で燃料搭載量をうんと増加する気?どうか答えをください。
砲身

  1. エンジンがまだ 1000馬力に届くかどうかの時期なので、双発にしたら単純に出力二倍の強い機体ができるのではないか……というのが一番大きいかと。
    燃料をたくさん積むためには重くなる。重くなると非力なエンジンでは機動性が悪い。エンジンをもう一基積んで、燃費や重量が悪くなっても、出力がそれを上回る向上を見せれば成功なのです。
    tac

  2. http://www.warbirds.jp/ansq/11/A2002480.html
    をどうぞ。
    レギオン

  3. 単純に、当時の新型爆撃機の巡航速度では、これまた当時の単発機で長距離戦闘機を作ると置いていかれてしまうからではないでしょうか。
    まなかじ

  4. たしか双発戦闘機は長距離爆撃機の護衛として考えていたらしい
    理由 大量に動力機関砲などが搭載できるから.らしい
    p-61ブラックウインドウがその例
    しかしこの考えは第二次大戦に間違えと分る
    なぜならそれを護衛する単発機が必要だった
    その証拠に月光も戦闘機からB-29迎撃ように斜銃を搭載した
    ・・・・えらそうに書いてすいません
    第八艦隊司令

  5.  P-61は、夜間迎撃専用機として設計されたもので、爆撃機を援護する用途としては、それほど考えられていないのでは?
    セミララ

  6. 4<
    月光も屠龍もBf110も当初は昼間戦闘機として開発され、それが挫折してから夜間戦闘機に転用されたのではなかったですか?
    ぽぷら

  7. >4
    >双発戦闘機は長距離爆撃機の護衛として考えていた
    >しかしこの考えは第二次大戦に間違えと分る
    この二つは、多少の例外はあるものの大筋としてほぼ間違っていません。
    しかし、理由とその例となる証拠はいずれも適切でないようです。
    また、間違っていないその結論も題意に対する回答としては適切でないみたいですね。
    えらそうに書くのはまったくかまわないのですが、質問に対して答えになっていないというのはちょっと困ります。
    数学の試験で言えば、ある文章題に対して正しくない式を書き、その式の解の数値は合っていても式の展開は間違っているという具合で、部分点ももらえないペケです。
    まなかじ

  8. 1930年代に流行ったのは「戦略戦闘機」という発想です。高速で敵地の奥深く侵攻する爆撃機隊の露払いと護衛をするため、長距離を高速で飛んで行ってなおかつ重武装、あわよくば爆撃やら地上攻撃までやっちゃおうってムシのいい発想です。当時は爆撃機の方が単発戦闘機より速いご時世ですし、長距離を飛ぶには無線やら航法やら忙しいので二人以上は乗せなきゃなりません。しかも20ミリ砲に爆弾に燃料もたっぷり…などと欲張った結果、1000馬力に届かない発動機一機では全然パワーが足らないのですよ。
    つまり「単発機よりも性能が向上するから双発にしよう!」ではなく「最初っから双発以外考えてなかった」訳です。
    もちろんこんな幻想は、ロンドン上空でスピットファイヤとハリケーンによって粉々に粉砕されてしまう訳ですが、それまでは誰も幻想だとは思っていなかったのですよ(イギリス人ですら!)


    品場

  9. 「戦略戦闘機」? 意味がわかりません。
    一連の双発戦は双発高速爆撃機の後を追って登場していますから、やはり「単発機より性能が向上するから」という理由は捨てられないでしょう。
    BUN

  10. >9
    「戦略戦闘機」という言葉は何も私が創作した言葉では有りませんよ。この時代を語るのには普通使いますが…
    あと、「当時の単発機の速力では双発爆撃機を護衛出来なかった」と言う意味の文章を書いたつもりでしたが、読みとれませんでしたか…
    品場

  11. あと、今回の質問に有る「双発長距離戦闘機(つまり戦略戦闘機)」は双発迎撃機や地上攻撃機とは全く違う思想の機種なのでゴッチャにしてはいけません。もちろん役立たずだった戦略戦闘機はほとんどがそれらの任務に転用されましたが、あくまでも設計時は「護衛戦闘機」なのです。
    品場

  12. >10
    わたくし、その用語を使って書いている物書きの人は一人しか知りません。
    普通に使われる言葉ではないと思います。
    まなかじ

  13. >12
    ネットとかでも結構見る単語なので(零戦とかP−51とか、最近のアメリカのジェット戦闘機とか) 割と普及してるかと思ったらそうでもないんですね(汗 まあ戦術と戦略の意味の違いが判っていれば、読んで字のごとくの意味ですのでご勘弁下さい。

    >8
    この答えはあくまでも「第二次大戦直前辺りに世界的に流行った双発長距離戦闘機」限定のものです。設計時期や使用目的の違う双発機には当てはまりませんので、その辺理解してください。
    品場

  14.  排気タービンの有無が異なるので比較対象として適切ではないでしょうが、たまたま詳細なデータが入手しやすかった(j.baugher 氏のサイト http://home.att.net/~jbaugher/usfighters.html から引用)P-38J と P-40N のカタログスペックを比較してみます。

    カーチス P-40N-15
    重量(乾燥/全備/最大)2812/3787/5170 Kg
    主翼面積 21.9m^2
    発動機 アリソン V-1710-81 1200hp
    燃料搭載量 内部 462 リッター(236 リッター増槽 x1 搭載可能)
    航続距離 公称 1207km (高度 3000m 速度不明)
    航続距離 増槽使用時 1738km (高度 3000m 速度不明)

    ロッキード P-38J
    重量(乾燥/全備/最大) 5797/7938/9798 Kg
    主翼面積 32.4m^2
    発動機 アリソン V-1710-89/91 1425hp x 2
    燃料搭載量 内部 1552 リッター(946 リッター増槽 x 2 搭載可能)
    航続距離 公称 1891km(高度 3000m 速度 314Km/h)
    航続距離 増槽使用時 3637km(高度 3000m 速度 300Km/h)

    これらの数字から P-38 は P-40 に対し

    ・出力は 2.39 倍
    ・主翼面積は 1.43 倍
    ・重量は乾燥 2.06, 全備 2.09, 最大 1.89 倍
    ・燃料搭載量は標準 3.4 倍、増槽使用時 4.9 倍
    ・航続距離は標準 1.6 倍、増槽使用時 2.1 倍

    となっている事がわかります。2基のエンジンを積んだ P-38 の燃費は P-40 の2倍以上悪いのですが、燃費の不利を上回る量の燃料を積んで航続距離を稼いでいるのですね。

    もう少しデータを読み解くと次のような数字が得られます。

    P-40N
    翼面荷重 128(乾燥) 173(全備) 236(最大) Kg/m^2
    馬力荷重 2.34(乾燥) 3.15(全備) 4.31(最大)Kg/hp
    全備重量あたり燃料 0.122 (増槽使用時/最大重量 0.135)リッター/Kg
    出力あたり燃料 0.385 (増槽使用時 0.581)リッター/hp
    距離あたり燃料 0.383 (増槽使用時 0.402)リッター/Km

    P-38J
    翼面荷重 179(乾燥) 245(全備) 302(最大)Kg/m^2
    馬力荷重 2.03(乾燥) 2.79(全備) 3.44(最大) Kg/hp
    全備重量あたり燃料 0.195 (増槽使用時/最大重量 0.351)リッター/Kg
    出力あたり燃料 0.545 (増槽使用時 1.208)リッター/hp
    距離あたり燃料 0.821 (増槽使用時 1.056)リッター/Km

    P-38 は P-40 より重く(翼面荷重が高い)燃費が悪い(距離当たり倍以上の燃料を使う)飛行機ですが重量当たり・出力当たりとも多くの燃料を積んでおり、また馬力荷重では常に P-40 を上回っている(離陸、上昇時に有利)なことがわかります。


    P-51 や零戦など単発の長航続距離との比較や、Bf109 vs Bf110 などの比較を行うともっと色々見えてくるかも知れませんが、今回はとりあえずこの辺で。


    ささき

  15.  双発戦闘機ブームの先駈けとして、単発複座戦闘機の開発ブームがありました。代表的なものとしてホーカー・デモン、ブラックバーン・ロック、ボールトン・ポール・デファイアント(英)、DIシリーズ(ソ)、ロッキードYP-24、セバスキー2PA(米)、キ‐8(日)などがありますが、これらは重武装の操作員(後方銃座、爆弾)、爆撃機護衛等のための長距離航法、偵察兼用等のために「もう一人」を必要としたものですが、結局、増えた装備(特に燃料)を運ぶのにエンジンが1基では足りないということで、双発化に進み、あるいは装備面で妥協(旋回銃座をやめるとか)したうえで大出力エンジンの単発単座機に移行します。
     これとは別に、最終的に高出力単発単座機によって代替されたという点では同じなのですが、グラマンXF5Fとかウェストランド・ホワールウインドといった、高速大上昇力+重武装を実現する=高出力化のための双発単座戦闘機の流れもあります。P-38は後に航続力増大のほうに進みますが、当初の要求が迎撃機であったことから考えて、こちらのグループに入れるべきでしょう。

     さて、レシプロ双発戦闘機がコンセプトとして放棄されたということはなく、航続力や搭載量(による多用途化)、機首集中武装といったメリットはやはり魅力的だったようです。実際、DHホーネット(英)やグラマンF7F、マクダネルXP-76、P-82(米)、天雷、キ-83、キ-96(日)といった機体が大戦中から大戦後にかけて開発・実戦配備に至っています。これらは後方機銃をやめるとか単座運用を基本とするという単発戦闘機的な要素を取り入れて戦前型の双発戦闘機の欠点を解消しようとしています(その点、Me210/410は後進的か)。もっとも、ジェット機の進出で夜戦・攻撃機化の途をたどるのですが。
     …しかし、スピットやヴァンパイアと模擬空戦して勝ったホーネットって何なのよw
    Schump

  16. 皆さん、膨大な量の回答ありがとうございます。いろいろ参考になりました。
    砲身


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