3709 |
ご無沙汰しております。2年ぶり位の投稿になります。 さて、先日近くのAirMuseumに行った際、展示されているF−14を観察しました。その際思い出した疑問です。以前F−14のプラモを製作中にも思っていたことなのですが、エンジンの下に左右それぞれ付いているフィン(安定板?)の前方に向かって左側に空気取り入れ口のようなものがありますが、 1.この空気取り入れ口のようなものは何のためのものでしょう? 2.なぜ左右対称の位置(両方内側または両方外側)ではなく、両方とも左 側に付いているのでしょう? 3.このフィン自体にはどの様な効果があるのでしょう? 以上どなたかお答えお願いいたします。 Hawkeye |
- #インテイク
位置からしてエンジン本体中央部にある補機類(発電機、燃料ポンプ、潤滑油系統等)への冷却空気取入口だと考えられます。TF30エンジンが製造元のP&W社サイトからもカタログ落ちしているため、はっきりと分かる写真がなかったのですが、TF30エンジンの補機類はエンジン下部の左側に寄せてとりつけられているようですので、冷却空気取入口もそちらに寄せてあるのでしょう。
#フィン
戦闘機が離着艦や空戦機動時に大きな迎角(進行方向に対して大きく機種を上げる)姿勢になったとき、垂直尾翼が胴体の影に入ってしまってうまく気流があたらない状態になることがあります。このときに不足する方向安定を補うため、機体下面にフィン(ベントラルフィン)を設けるわけです。
ベントラルフィン以外に大迎角時の方向安定を確保する手段にはカナードや主翼付根ストレーキから発生させた渦を機体上面にまとわりつかせ、ここに気流を引き込んで垂直尾翼に当てる手法もありますが(F-16、F/A-18等)、F-14の場合は高速と収納性を狙って垂直尾翼を低めに作った(胴体の影に入りやすい)こと、離着艦時には主翼後退角が小さくなって方向安定が低下すること、そして渦を利用する方式がいまいち確立されていなかったことからベントラルフィンを採用したのでしょう。
Schump
- 古い資料ですが、航空ジャーナル別冊の資料ではエンジン滑油冷却機のインテークになってます。
ベントラルフィンについては、Schump氏の書かれているとおり、
高迎角時の方向安定性を補う為かつて盛んに使われた手法ですが、
ステルス時代に入ってからはすっかり下火ですね。
グリーネマイヤ智久
- ↓恐らくこの事だと思いますが(但し英語です・・・・)
http://www.anft.net/f-14/f14-detail-event.htm
Pukin'Dog
- 皆さん、とても分かりやすい解説、どうもお答え有難うございました。
すっきりしました。
Schump様の解説は2年ほど前、ここを良く訪れていた頃もたびたびお見かけしましたがいつも分かりやすいです。有難うございます。
Pukin'Dog様が貼ってくださったリンク先の図をみますと、インテークは
Engine/Oil dg Heat Exchanger なるものに繋がっているようです。これがグリーネマイヤ智久様のおっしゃる滑油冷却機というわけですね。
皆さんのおかげでよく分かりました。有難うございました。
Hawkeye
- >4
「Engine/Oil dg Heat Exchange」ではなく「Engine Oil / IDG HeatExchange」と書いてあるようですね。
IDGとはIntegrated Driven Generatorの略でエンジン回転数にかかわらず定速回転する発電機の事です。
IDGもエンジンとは別系統の滑油で冷却されてますので、このインテークはエンジン滑油&IDG滑油冷却機用と思われます。
jas1
- >5 レス有難うございます。ご指摘のおかげで、インテークの役割をより理解することができました。有難うございます。
hawkeye