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地球温暖化やら資源枯渇で何かと肩身の狭い化石燃料交通機関ですが、飛行機の場合は『燃料電池車』みたいな構想はあるんですか? 液体水素を使ったスクラムジェットなんてのは知ってますけど、今のターボファンやターボプロップにとって代わる物なんでしょうか。 ちょっと気になった物で、よろしかったら教えて下さい。 魚人間 |
- ターボファンやターボプロップをジェット燃料でなく水素で動かす計画もあります。かつてソ連は実験機Tu155をつくりましたし、最近はエアバス社などが取り組んでいるようです。最大の問題点は、液体水素がジェット燃料に比べて遙かに嵩張るため、巨大な燃料タンクが必要になるという点です。
カンタニャック
- 早速のレスありがとうございます(^^)
液体水素というと、比推力がいいという利点と、超低温だから扱いが難しいというマイナスもありますよね。
液体水素っていうと現在でもロケットで結構つかわれてますけど、将来性はどんなもんでしょう。ちょっと、「将来石油が枯渇すれば飛行機はなくなるー」みたいなのを見て気になったんですけど。
魚人間
- 燃料電池で飛行機をとばそうという計画は、実際に存在します。
Foundation for Advancing Science and Technology Education (FASTec)という団体(基金)が、フランスDynAero社のLafayette III型軽飛行機を燃料電池推進にコンバートして飛行させる構想とのことです。
この団体のHP http://www.fastecfund.org/ をのぞいてみるといいかもしれません。ただ、このホームページは更新されていないようなので、実際にこの「燃料電池飛行機」が飛んだかどうかまでは確認できませんでした。
純粋な燃料電池ではなく、二次電池らしいバッテリを併用しているので、「ハイブリッド」と呼んでいます。
ネコ丸
- NASAの研究している無人機「ヘリオス」は翼全体をソーラーパネルとし、その電力でプロペラを回して飛行します。飛行高度20000mという世界記録(無人機)を樹立し、その長大な航続距離と低速飛行性能から、環境観測機として研究されています。理論上は航続距離無限、排出物なし、燃料不要という優れものですが、この方式で旅客機などはちょっと難しいでしょう。
YF−23A
- 太陽電池(+蓄電池)を使って航空機を飛ばす研究としては、シュトゥットガルト大学の「イカレ」というモーターグライダー改造の実験機もあります。
http://www.ifb.uni-stuttgart.de/icare/icare.html
NASAのパスファインダー/ヘリオスが軽量化と低酸素環境(高々度)での長時間巡航という特殊な仕様の解であるのに対し、こちらは化石燃料代替動力としての性格が前面にあるようです。
Schump
- レスありがとうございます。
結構電動飛行機っていうのも研究されてるんですね。
ただ電気飛行機だと、現在のジェット機の後継にはなりえない(大量輸送や高速輸送には対処しきれない)と思うのですが、そういうのは考えられていないんでしょうか。やはり、液体水素でターボファンエンジンを回すあたりが次世代飛行機の主力構想なんですか?
魚人間
- ゴミですが。
燃料電池に使う水素は自然界には存在しないので、化石燃料から作らねばなりません。(石炭とか)水電解でつくるにしても、その電力は化石燃料から得ねばなりません。(ま、原子力・水力発電てのもありますが)
ですから「燃料電池はクリーンだ!」という話は半分はウソ・・・!
ぽぷら
- 普通考えるなら、アルコール系、またはメタン系の合成燃料が一番簡単な選択でしょう。
青江
- ゴミ
NASAが原子力飛行機を造って飛ばしたことありましたね。
ケネディ大統領によって開発中止においこまれましたが
おうる
- 石油は無くなりません。30年で無くなると喧伝されているのは、現時点に於ける技術で採掘して採算が取れる石油です。
30年前から「石油は30年で無くなる」と言われていますが、無くなるとされているのはそう主張した時点に於ける技術で採掘して採算が取れる石油です。
温暖化対策の為、現在より炭素分の少ない(理想は炭素分が無い)燃料に切り替り得るでしょうが、その新燃料は石油からの合成によって賄われるかもしれません。
ケロシンを水素に換えて得られる比推力の向上は、飛行する速度や飛行形態、エンジンの構造によってどのくらい有意になるのか、数値を出してくれる方がいれば有難いです。HST/スペースプレーンの場合、比推力もさる事ながら液体水素の冷熱を機体の冷却に使えるという事が、大きいのではないでしょうか。
液体水素を燃料として積載する場合、断熱の為燃料タンクの表面積の割合を小さくしなければならない為、翼の内部を密閉してそこに流し込めば良くそのことで荷重も均等になる常温で液体の燃料に比べ、大きなハンディを負う筈です。
内燃機関を燃料電池に替えるのは、有意義で在り為されると思います。船や自動車の方が先でしょうが。
にも。
- > NASAが原子力飛行機を造って飛ばしたことありましたね。
> ケネディ大統領によって開発中止においこまれましたが
NASAの原子力飛行機?
アメリカ空軍の原子力飛行機計画と、NASAの原子力ロケット計画あたりがごっちゃになっているんじゃありませんか?
どちらにしても実際に原子動力で飛んだ飛行機はなかったと思いますが。
便利少尉
- http://www.warbirds.jp/BBS/c-board/c-board.cgi?cmd=ntr;tree=2421;id=
にも。
- >>12
面白い話になってますね。参考になります。
ところでこれ、『戦闘機』っていうのが前提条件ですよね。貨物機や輸送機を想定した場合は戦闘機とはだいぶ条件が違って来ると思うのですがどうでしょう。
例えば超大型の次世代旅客機が普及すると想定すれば、2乗3乗の法則によって『水素はかさ張る』という問題はかなり緩和されると思うのですが。また、これは『超伝導が一般化する』より少しはマシだと思うのですが(笑)、将来燃料電池車が一般化した時代、水素を扱う事のコストは相当押さえられると考えられるので、そうした他分野からの波及効果も期待できるんじゃないでしょうか。
しかしまぁ、天然ガスが一番有望な気は自分もします。液化天然ガスはマイナス162度だから水素よりはマシだし、比推力は比較的大きいし密度も高いし。しかも資源量が豊富で安いし既に大量に出回ってるしCO2排出量も比較的少ないみたいだし……。
魚人間
- >>12は移った方が良いかも知れませんという提案です。検討してください
それから天然ガスは絶対駄目。必ず洩れる(無視し得る程洩れないタンクを作り搭載するのは現実的では無い)ので。
にも。
- >>10番に予め答を書いたのですが。常温で液体なら「隙間」に詰められる、という絶対的なメリットが在る事は強調します。 >>13
そのことで荷重も均等になる常温で液体の燃料
訂正
そのことで翼に懸かる荷重も均等になる常温で液体の燃料
にも。
- >14 天然ガスが洩れる心配をするなら水素はなおのこと洩れやすいですよぉ。水素はもっとも洩れやすい物質です。
ぽぷら
- いや、水素は洩れていいんです。引火すると言っていないでしょ
にも。
- ヒント
70年代にジャンボの四倍の大きさのLNG輸送機が計画されたが、数パーセントのLNGが洩れる事は織り込み済みだった
LNG輸送船では洩れるLNGを燃料にしている
にも。
- ジェット機とロケットでは単純比較はできないんでしょうけど、次世代ロケットとしてLNGロケットは開発中です。
http://www.nasda.go.jp/lib/nasda-news/2000/12/shourai_j.html
これ見て単純に、飛行機にも使えるんではなかろうかと思い込んだのですが(汗)
魚人間
- はっきり言わなくて申し訳ないのですが、運行上の安全性を損なわない洩れを、終止問題にしています、だってLNGは洩れたら絶対駄目、水素は洩れても問題ない、ですよ。
LNGロケット、見て思わず「マジかよ?」と呟きましたが、ロケットから洩れるメタンなど、知れていますね
にも。
- 水素は天然ガスより遥かに危険な物質です。
http://www1.fuji-tokoha-u.ac.jp/~kihara/chem/fire/genkai.html
漏れやすさも漏れた時の危険性も水素>>>LNG。
取扱を考えれば水素は断じて扱いたくありません。LNGもCNGも嫌。
常温で液体、燃焼範囲が狭い、飽和蒸気が燃焼範囲外、人体に毒性が無い。これが必須。
飛行機用燃料ですからエネルギーの缶詰であれば充分。燃料製造コストは軽視します。
ベストは人造石油、次善はバイオマス起源のエタノール。
ガスは絶対に駄目。圧力容器、冷却・断熱に重量容積を食われる上簡単に漏れます。
飽和蒸気が燃焼範囲外でなければ、燃料タンクへの不活性ガス充填設備が必須。
>にも様
タンク内の沸騰とタンク壁面からの漏洩を混同しておられませんか?
LNG船が燃料にするのはタンク内で沸騰したガスです。
タンク壁面から漏れにくいが故にタンク内圧が上昇し、放置すると危険なので圧力を逃す。
沸騰ガスは高濃度なので燃料に使えるし、漏れにくいからガス配管でエンジンまで送れると。
AI
- >>21
なるほど。とすると、もし将来温暖化物質の排出がフロンガスのように全面禁止されるような時代が来たら(本当に来るかどうかはしりませんが)、最善はエタノールですかね? バイオマス起原なので植林なんかを適切に行えば、空気中の炭素を固定したエネルギーって事で環境への影響はゼロに近いですから。
エタノールはラジコン飛行機にはもう使われてるし、こっちの方が現実的っぽいですね。
魚人間
- 訂正。ラジコンのはエタノールじゃなくてメタノールでしたね(^^;
魚人間
- 韜晦してはっきり書かなくて恥をかいてしまいました、すみません。
航空機に低温液化燃料を搭載する場合、タンク壁面からの漏洩は避けられない、そしてメタンはCO2の何十倍もの温室効果を齎す物質であり
HST/スペースプレーンのように技術上の理由が在り且つ需要が限られるものは兎も角、一般の航空機に搭載する事など考えられない、です。
にも。
- 航空機に低温液化燃料を搭載する場合、タンク壁面からの漏洩は避けられない、そしてメタンはCO2の何十倍もの温室効果を齎す物質であり
ロケットやHST/スペースプレーンのように技術上の理由が在り且つ需要が限られる、則ち漏洩の絶対量が許容し得る場合は兎も角、
大需要の航空機に搭載する事などナンセンス、です。
メタノール、天然ガスや石油から合成したエタノール、その他の炭素分の少ない液体燃料は駄目ですか?
排気の改善は何よりも自動車が先、次に船舶や非電化鉄道車両で、技術的にシビアな航空機が後回しになるのも止む無し。
にも。
- 訂正
排気の改善は地上を走る乗り物(自動車や船舶や非電化鉄道車両)からで、技術的にシビアな航空機が後回しになるのも止む無し。
にも。
- >>22様
メタノール燃料はラジコンに使われていますが、ラジコンで使われている理由としてはグロープラグによる点火システム(船舶で使う焼き玉エンジンに近い方法)が使える為、点火用バッテリなどが不要で機体を軽くできるからです。デメリットとしては、ガソリンエンジンでは燃料自体が潤滑作用を持ちますが、メタノールではそれが期待できない為、ガソリンよりも混合するオイルの比率が高くなってしまうことです(模型用エンジンは2ストローク、4ストロークを問わずオイル混合燃料を使います)。また、燃料の重量に対するエネルギー量がガソリンよりも少ない為、燃費が悪くなります。また、燃焼促進剤としてニトロメタンを使用する為、大気や土壌に対する汚染が問題となっています。なお、模型の世界では動力源はリチウムポリマーバッテリなどの普及により、急速に電力に移行しつつあります。
また、車の話になってしまいますが、インディカーはメタノール燃料を使用しますが、ここで使用されている理由は「水で消火できるから」で、環境問題とは関係ありません。
ネコ丸