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皆さん、こんばんわ、質問にお答えしていただけませんでしょうか? 戦闘機(例としてF-15)や戦闘ヘリ(例としてAH64)の キャノピー部分の防弾ガラスはどの程度の防弾機能があるのでしょうか? (どのくらいの大きさの弾に何発程度耐えるのでしょうか?) ある解説本では、NATO 5.56mm弾まで耐えるみたいなことが書いてあったのですが、どうも信用できず、調べたりしてみたのですがわからないので質問してみました。 ただ、思うのですが、戦闘機や戦闘ヘリから撃ち出される機関砲の弾丸に たえるガラスというものがあるのでしょうかね? 聞いた話ではF-15戦闘機は20mm機関砲が胴体に3〜4発直撃したら こなごなになると聞いたのですが・・。 RealEmotion |
- F−15は、防弾ガラスではなくアクリルです。
さらに、ベイルアウト時のセカンダリーモードでは、エジェクションシートの突起(角と呼んだりしますが)で、キャノピーをぶち破ってベイルアウトしますので、あんまり強すぎると大変なことになってしまいます。
PRCA
- もう一点、ウィンドシールドもアクリルです。
もっともウィンドシールドもキャノピーも厚みは結構あるので、小銃弾に対する防弾性はあるかも知れませんが、無いかもしれません。(その辺りの話は聞かない)
20o砲弾に対する耐性は、少なくとも無いと思います。バードストライクでウィンドシールドを破られた事例が、米空軍にあるぐらいなので。
あと、「粉々になる」というのは、どこのことでしょう?。胴体のことだったら、20o砲弾3〜4発程度で胴体が粉々になる程、F-15はひ弱ではありません。
(キャノピーやウィンドシールドならいざ知らず)
PRCA
- アクリルということは、5.56mmや7.62mmでも貫通してしまいますよね?
そういえば、自分の親戚に米軍関係者の方がいるのですが、
知り合いの空軍パイロットが訓練中に故障がおきて、
非常脱出装置で脱出したのですが、
キャノピー粉砕時、首の保護が不十分だったようで、
首の骨が折れてなくなったそうです。
今思うと、キャノピーを座席で粉砕するのではなく、
キャノピーを根元からはずれるようにして脱出できる装置があれば
よいのではと・・。
RealEmotion
- >3.今思うと、キャノピーを座席で粉砕するのではなく、キャノピーを根元からはずれるようにして脱出できる装置があれば
F−15では、プライマリーモードは、キャノピーが吹っ飛んでから、シートが射出されます。(キャノピーそのものが外れる形)
キャノピーを突き破るのは、あくまでセカンダリー(キャノピーが飛ばなかったときのバックアップ)の時となります。
T−4では、火薬により、キャノピーのアクリル部分を破壊して、シートを射出するそうです。
また、F−15では、キャノピーを単体で飛ばすこともできるので、この操作を行ってから、エジェクションハンドルを操作することが推奨していると、今は無き、高千穂の飛行隊の元ラインチーフから聞いております。(この手順に関し、操縦指令書には記載が無かったと思う)
射出座席の冗長化改修(先ほどのセカンダリーモードを付加させる改修)の話を聞いたときは、まさに、RealEmotionさんの御話の事例を心配しました。「仮に首は大丈夫でも、ただではすまないだろうな」と仲間と話をしておりました。
なお、首の骨を折ることに関しては、射出座席の制限速度を超えて、ベイルアウトした時にも起こる現象で、これは、胴体と、頭、腕、足の形状が異なるために、受ける空気抵抗の違いから、体の各パーツが受ける力が異なる為、頭や腕等が激しく振られるために起こる現象です。(現象の名前を忘れてしまいました。)
そして、我々も、これによりパイロットを1名失っております。ベイルアウトしていただけに、やりきれない気持ちに今でもなります。
PRCA
- 現用戦闘機の風防や天蓋に防弾能力があるかないかということですが、軍用機の主要な脅威となる20mm以上の機関砲弾やAAM/SAMの弾片に対する防御能力を与えるのが極めて難しい以上、5〜7mmクラスの小銃弾に対する半端な防御能力を与える意味は薄い、ということなのでしょう。
ヴェトナム戦争などでは歩兵小火器によるチープキルはかなりの問題となり、その結果として地上攻撃機(A-10など)には充実した防弾能力が求められましたが、米空軍全般の方向性としてのチープキルへの対処は、精密誘導兵器によるスタンドオフ攻撃により、チープキルの脅威が顕著な低空飛行を回避する方向に進んでいます(訓練では低空攻撃もやっていますが)。
通りすがり
- 3>アクリルということは、5.56mmや7.62mmでも貫通してしまいますよね?
同じ厚さのアクリル板と比べれば、キャノピーは丸みを帯びているので、避弾経始性があり、防弾性が向上しているという可能性もあります。
またF−15は、より防弾性を期待できそうなポリカーボネイト製のキャノピーを視界性の悪さから、アクリル製に変えたぐらいなので、防弾性はあまり重視されてないようですね。
zeek
- そういうアクリルは若干特殊ですぜ。(MIL-STDにも規定されているけど)
可塑剤の配合により、より延性的に破壊されるよう材料が設計されています。
少なくともガラス転移点は一般的な配合のアクリルよりもかなり低いです。
なお、最近はこんなのもあります。
http://www.agc.co.jp/polycarbonate/rg.html
sorya
- あ。↑のはレキザン(ポリカーボの商品名)積層板の紹介ページですが、そこで示されている構造にアクリルがあることに注目してください。あれは、透明性を増すためだけにアクリルを使用しているのではなく、特定の脅威範囲ならばアクリルであっても止められる(コスト的な要因が主)事を示しています。
元々アクリル板というのは、アニーリング処理(ピンの分野では高分子材料であってもアニーリング処理は必須項目です)を施さないと可塑剤が揮発した場合、ちょっとした熱衝撃で細かなひび割れが一気に生じるため(強化ガラスの破壊と似ています)安定剤および可塑剤の配合によりより耐久性のある板材が求められました。そして、現在では破壊時の伸びが20%越えるようなアクリルプレートが市販品であっても出つつあるわけです。
もっとも強度だけを考えれば、無可塑剤アクリルを用いたほうが良いのですが、残念ながら重合過程における反応ムラによって、強度勾配や内部残留応力が内在するためどうしても強度に欠く材料しか手に入りませんでした(アニーリング処理はそれを出来る限り無くするために用いる)。ちょっとした圧力容器に用いる事ができるようになったのは、本当につい最近の事です。数年前かな。キャノピーが総アクリルの潜水艇が製造されたのは。それもこれも、極めて高品質なアクリル製造方法が確立(但し、量産性は最悪)されたがための事です。
sorya
- 3>アクリルということは、5.56mmや7.62mmでも貫通してしまいますよね?
これらの弾丸が持つエネルギーを考えてみる必要もあるかと。
5.56mmが有効なエネルギーを持つ有効射程は数百メートルですから、対空火器としては?でしょうか。
dago