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メンフィス・ベルを観てて思ったのですが、B-17等の射手っていうのは現実的に射撃のチャンスというのは一体どれほどあったのでしょうか?(敵戦闘機が突入して来てから通り越すその一瞬で) 何でも「敵戦闘機を落とすには、気流の影響を受けない後部銃座でもよっぽどの腕が必要だ!」と言うのを聞いたことがありまして。。。。 鳥避け |
- 爆撃機の防御銃座の目的は敵機の攻撃を失敗させることにあるのであって、敵機を撃墜するためにあるものではありません。
まなかじ
- 簡単な算数で考察してみましょう。B-17 の巡航速度を 220〜240Km/h くらい、突っ込んでくるドイツ戦闘機を 500〜600Km/h くらいと仮定すると
前方攻撃なら相対速度 720〜840Km/h, 秒速にして 200〜233m/sec。
後方攻撃なら相対速度 480〜620Km/h, 秒速にして 133〜172m/sec。
前方攻撃時、敵機の攻撃方向を視認してその未来位置に照準を据え、500m から撃ち始めて敵機がすり抜けるまで追従射撃し続けたとして射撃時間約 2〜2.5 秒。その間有効
後方攻撃で敵機が距離 100m で離脱すると仮定すると、500m から撃ち始めて射撃時間 2.3〜3 秒。
敵機が急降下の余勢を駆って 700〜800Km/h で突っ込んできた場合は、更に 2〜3 割短くなります。時速 1000Km/h に達する Me163 や Me262 が相手だと、後方銃座でも約 1 秒の射撃時間しかありません。しかも 12.7mm 機銃で有効弾を送れる距離を 250m と仮定すると、射撃時間のうち効果を期待できるのは約半分です。
米軍が B-29 の尾部銃座に AN-M2 20mm を載せ、B-36 では全銃座を M24 20mm とした理由がわかるような気がしますね。
ささき
- うにゃ、どーもおかしいと思った。後方攻撃時の相対速度おもいっきり間違ってます(^_^;)
後方攻撃時相対速度 260〜380Km/h, 秒速 72〜105m/sec。
500-100m 間の射撃時間 3.8〜5.5 秒。
240Km/h 巡航時に 1000Km/h の Me262 に後方から襲撃された場合、相対速度 760Km/h = 211m/sec、500-100m 間の射撃時間 1.9 秒。
となります。
ささき
- マイケル アルース、Bー17尾部銃座で17機撃墜のエース。 すごいな!
他にも名前を忘れましたが、側面銃座で5機落としたエースもいたはずです。
意外に撃つチャンスはあるのではないでしょうか。
む
- >4. 旋回銃手が過酷な状況で奮戦敢闘したことは確かであり敬意を表すべきものだとは思いますが、しかし撃墜報告の信憑性はかなり低いと思いますよ。
ささき
- >5 はい、私もそう思います。
む
- 皆さんありがとう御座います。
>爆撃機の防御銃座の目的は敵機の攻撃を失敗させることに・・・
まなかじさんのおっしゃられる定義を忘れておりました。そういえば別の掲示板にB-17に護衛していったP-38のパイロットの回想記録が紹介されていましたが、そのパイロットも「我々の任務は爆撃機への攻撃を阻止するものなので、無理に急降下して離脱するBf109を追う必要は無い。」っと言っていました。
ん〜・・・にしてもやっぱり攻撃のチャンスなんて一瞬なんですね。それで敵機を落とすなんていうのはやはりマグレに近いものなんですかね?
鳥避け
- >7
いや・・・実際問題として、爆撃機の機銃は結構な戦果を上げてます。
射撃時間が数秒あれば、よく訓練された銃手が真っ直ぐ飛ぶ飛行機に命中弾を送り込むことは決してまぐれでも何でもなく、必然です。
強力な防御砲火の存在は、敵機をして真っ直ぐに楽な攻撃をさせないと言うところにあるのです。
楽だからと後ろから真っ直ぐ接近したら蜂の巣にされる。それだけの可能性を爆撃機の防御砲火は潜在的に持っているということが重要なのです。
結果的に、敵機は、安全だけど攻撃しづらい角度方位からの襲撃を強いられ、それが爆撃機の身の安全を保障するのです。
SUDO
- >8 SUDOさんありがとう御座います。
でも12.7mmの機関銃なんて反動がもの凄いだろうし、ましてやそれを時速300kmほどで進む飛行機から撃つ訳ですから(相手もかなりのスピードで突っ込んでくるし、気流もハンパな速さじゃないだろうし・・・)たった数秒で意図して命中弾を与えられるもんなんでしょうか?2.3発撃てば銃が反動でどんどん上を向きそうだし・・・。その状況下で命中させられる腕になるまで訓練しようと思ったら今の特殊部隊並の訓練時間と経費がかかりそうな気がするんですけど・・・。
SUDOさんのおっしゃる 【爆撃機の機銃は結構な戦果を上げてます】っていうのも事実として残っているのは解ってるんですが、コンバット・ボックス(でしたっけ?)の中に入ってしまった戦闘機なのかな〜と思いまして・・・。それなら四方八方から弾がとんで来る訳ですし・・・。意図していなくても当たりそうな気がします。 どうなんでしょう? ドイツ爆撃初期の頃はかなりの損害を被ってますし・・・。
何か反論しちゃってスイマセン(汗 SUDOさん・・・怒らないで下さいね。
鳥避け
- >9
であるから多くの爆撃機は動力銃座を設けているのです。
また米国は爆撃機銃手の射撃訓練のために防弾改造戦闘機に模擬弾機銃を使って射撃訓練をやっています(ホンモノの戦闘機の襲撃運動に模擬弾を発射する機銃で応戦するのです)
つまり、凄いお金と手間をかけて要員を育てていますし、それ以上に優れた銃座にもお金をかけています(勿論対処の度合いは人員の訓練や装備(照準機や機銃の性能)で実に色々な物がありますので一概には言い切れません)
ですが、それなりにバランスされて強固な台に置かれた機関銃は、歩兵が手で持つ自動小銃とは別次元の安定性を持ちますし、動力銃座ならば更に安定してるんです。
特に米重爆に用いられた銃座の凄さは中々のものですよ(勿論だからといって敵機を容易に撃ち落せるものでもありませんが)
近代的な照準理論と機材は、本当に恐ろしいほど効率的に正確な照準を可能にしてしまうんです。
SUDO
- >10.
なるほどありがとう御座います。しかしいくら模擬弾とはいえ同僚に弾ぶち込ませて訓練をさせるとは・・・。そこまですれば腕も上がるな・・・うん。 でも逆に言えば米重爆のあの360度を守らせる重武装といい、同僚に弾ぶち込むほどの徹底した訓練メニューといい、陸軍航空隊をある意味そこまで追い詰めたドイツ空軍も凄いもんですね。なんか他では「ドイツ空軍は実はかなり弱い!!ヒトラーもバカにしてたし。ハハハ・・・」なんてことも言われてるけど・・・・。ヒトラーは気分屋だっちゅーの!!!
鳥避け
- >11.
>しかしいくら模擬弾とはいえ同僚に弾ぶち込ませて訓練をさせるとは・・・標的に用いられたのは P-63 キングコブラの改造機です。それ以前は、走るトラックの上からショットガンでクレー射撃(粘土の皿を空に投げて撃つ)させて偏差射撃のカンを掴ませようとしていました。
旋回機銃手の問題は「目標を照準器の真ん中に捉えて撃っても当たらない」という事です。敵が真正面あるいは真後ろから真っ直ぐ突っ込んで来ない限り、敵機の進行方向未来位置に向かって撃たなければ弾道は「後ろに流れて」しまいます。しかも目標距離と相対角が逐一変化するので、それに応じて微調整し続けなければなりません。
正確な距離と偏差角の算定(優れた照準器)、銃口を迅速かつ正確に指向する機構(優れた動力銃座)、限られた射撃時間になるべく多くの弾を注ぎ込める機銃(連装機銃)、そしてそれを適確に扱える銃手。一つ一つは当たり前のことですが、米軍はこの全てに対し最善を尽くそうと努力していたわけですね。米軍の「贅沢ぶり」は、B-17 胴体側面の単装銃にまで風速補正表示ダイヤルのついた K-13 反射照準器を備えていることからも伺えます。
B-17G 胴体側面銃座と、その照準器操作部の拡大。
http://www.warbirds.jp/crazy/images/jpeg/cf_0013.jpg
http://www.warbirds.jp/crazy/images/jpeg/cf_0014.jpg
B-17G 機首前方銃座。
http://www.warbirds.jp/crazy/images/jpeg/cf_0009.jpg
これらの人力銃座には装甲板が殆ど装備されていないことにも注目してください。特に機首銃座では、突っ込んでくるドイツ機と自分を隔てるものはプレキシガラス一枚しかありません。乗員はフラックジャケットと称される防弾チョッキを着てはいますが、20mm や 30mm の機関砲弾が直撃すれば物の役には立ちません。銃手が「過酷な状況で奮戦敢闘したことは確かであり敬意を表すべきものだ」と書いたのは、B-17 に体験試乗した時の実感です。
ささき
- まぁやはり当てる人もいれば当てれない人もいるんですね〜・・・。↑の写真を見ましたがなんともラグジュアリーなブローニングですね(笑
あんなデカイ銃を電熱服やらフライトジャケットやらを着込んで雪ダルマみたいになっても使えるだけの訓練を実施した米国はやはり凄いもんですね。
>銃手が「過酷な状況で奮戦敢闘したことは確かであり敬意を表すべきものだ」
下面旋回銃座や上面旋回銃座なんてロボットの中に入って2連装の銃を撃つ訳ですし・・・。 精神病になってしまったクルーの気持ちもわかります。
しかしささきさん! B-17に乗ったことあるんですか!? ささきさんはパイロットの免許も持っているみたいですし。うらやましい・・・。僕はまだ19歳ですが昨年9月にハワイでセスナの体験操縦をして以来、よけい空に惚れ込んでしまいました。早く免許が欲しいものです・・・・。それに今まで航空ショーに行ったことも無いんですよね〜(大戦機好きの癖して)。今まで買った大戦機関係の本に載ってる写真を見ながら連日「頭の中の妄想航空ショー」を開催しております。(笑 一度でいいからダックスフォードに行ってみたいものです・・・ハイ・・・。
鳥避け
- 変に続いてしまって申し訳ないんですが、ささきさんの提供してもらった写真に写ってる爆撃手右側の操縦桿みたいなものは何なんでしょう?(>13.に書き込もうと思ったら忘れちゃった)
確かB-17って自動操縦に入ってからはある程度爆撃手が機体を操縦出来るんですよね?もしかしてその為のものなのかな?でも確かノルデン照準器にそのユニットが組み込まれていたような記憶が・・・・。 どうなんでしょう?
鳥避け
- >14. 私も昔は爆撃手用の操縦桿だと思っていましたが、どうやら機首下面銃座(アゴ銃座)の射撃装置のようです。手元に(何でそんな物が)ある B-29 のマニュアルにも、同一ではないですが類似の装置が「爆撃手用射撃装置」として掲載されていました。
>しかしささきさん! B-17に乗ったことあるんですか!?
2000 年 5 月のワトソンビル・エアショーで、CAF の「センチメンタル・ジャーニー号」に $400 で乗せてもらいました。飛行中の機内は電車が通過中のガード下みたいな騒々しさで、相手の耳元に口を寄せて叫ばないと通じません(ちなみに飛行中の P-51 はモーターボートのエンジンルームに頭を突っ込んでいるような騒音で、ヘッドセットを外すと叫ぼうが喚こうが自分の声が聞こえません ^^;)
乗ってみた感想は「外が意外に見えない」でした。特に側面銃座の視界は機銃を構えている前方 30 度くらいで、上下も左右も見えません。無線手席や航法席には申し訳程度の窓があるだけで、回りで何が起こっているのか殆どわからないでしょう。
逆に爆撃照準席は前方 180 度が丸見えで、見晴らしは良いのですが両翼から閃光を噴きながら突っ込んでくる敵機もよーく見えるわけで…。装甲板も何もないので撃ちかえすしかありませんが、E 型では前方火力 7.62mm 機銃一挺きりなのでさぞ心細かったでしょう。
>昨年9月にハワイでセスナの体験操縦をして以来、よけい空に惚れ込んでしまいました。早く免許が欲しいものです・・・・
飛行機仲間が増えるのは嬉しいことです(^^)。アメリカに来るおつもりでしたら連絡くださいね。
ささき
- >10
ああ、ここは心情吐露の場ではなく、AnsQです。
気持ちとして、楽しい会話(書き込み)をしたいというのは判ります。
ですが、AnsQはちと違う場ですので、BIRDS-TOWN等でやりませんか?
http://www.warbirds.jp/town/town.cgi
ここから色んな人の部屋にいけますので、なんか適当に相手してくれそうな人のところを探すか(とりあえず各部屋の掲示板を見れば凡その傾向はつかめるでしょう)
もしくは思い切って、ご自身の部屋を開設したら如何でしょう。
SUDO
- >15.
あれがアゴ銃座の操作ユニットなんですか。なしてあないに大きくしたんですかね〜。もっと小型化出来るやろ!! (笑
でもまぁ爆撃手にとっては大きいほうが装甲板の代わりで内心嬉しかったりして(笑
>16.
SUDOさん ゴメンナサイ(汗
この掲示板の意味を忘れておりました。以後気を付けます。。。
鳥避け
- B-36以降の新型機は皆20・を使っているのに、何故B-52だけ12.7・にしたのでしょうか。
にも。
- B-36以降の新型機はB-47、A3D/B-66、B-58、皆尾部の旋回機銃に20・を使っているのに、
何故B-52だけ12.7・にしたのでしょうか。
にも。
- >18&19
20mmですよ。
SUDO
- >20
おおいけね、G型の途中まで12.7でしたね。失礼。
SUDO
- >2 で狙える時間が非常に短いので旋回機銃は一発当たりの威力を重視しなければならない、と云っていたので、なおさら不思議に思った次第です。
にも。
- >22
射撃時間が限られる場合、威力を稼ぐには、一発の威力を狙って大口径にするか、機銃の射撃速度を稼ぐかという事になります(それと射程を伸ばして射撃時間を稼ぐ)
B-52の尾部銃座は12.7mm4連装ですので、B-47やA3Dの20mm連装との優劣は難しいのではないでしょうか(というか、B-29でも20mmは故障が多かったし、A3Dの尾部銃座は撤去されたし、あの世代の米20mmの信頼性実用性に疑念があったのかもしれません)B-58はバルカン砲完成があったから20mmになったとも言えます。
年々高速化するジェット戦闘機を追いかけて命中させるには手数も重要だったのではなかろうかとも考えられます。
SUDO
- B-45も12.7・でしたね。
B-52の旋回機銃の場合、照準レーダーが旋回する機銃の側に同軸で固定され機銃と一緒に旋回する、のが肝では無いかと。
にも。