QQCCMMVVGGTT
3670 現在の戦闘機パイロットはどの程度までGに耐えられるのでしょうか?
Hellcat

  1.  少し古い例ですが、F-16は9G荷重で旋回を維持する能力を持っています。
     この事から考えて、現在のパイロットは少なくとも9Gまでの荷重には耐えられると見てよいと思います。
     なお、岩崎貴弘著「最強の戦闘機パイロット」には、パイロットなら7〜8G位までなら大丈夫だが、それを超えると失神することもある。また、G-LOCで墜落しかかったパイロットが途中で意識が回復し、急な引起しを行った際、最大14〜16Gの荷重がかかっていた、との記述があります。
    人見 忍

  2.  耐えられるGという点では、10Gまでは可能です。また、性別でみると、男より女性のほうがGに対して強いという結果が、USAFの実験で出ています。(どの程度強いかは、報告書になかった)
     なお、G事態は、機体の色々なところで計測されているので、最大Gが14Gだったからといって、乗員にそのGがそのままかかっているとは言い切れません。
     Gの計測は、機体の色々な部位で行われております。例えば、WINGのGが12Gだったとしても、その他の部位のGがそこまでいっていないケースがあります。(このオーバーGを新製機でやられた) この体験から、乗員が、1.のケースのGを、そのまま体験しているかは、言い切れないのです。
     また、-Gでは、3G以上かけると、脳内出血を起こすと言われています。
     
    PRCA

  3. >2.の追記
     戦闘機乗りの中には、Gのかけすぎにより、背骨にダメージの出ている人間もいます。これは、オーバーGによるものではなく、頻繁にGをかける為に起こる職業病のようなものです。ベテランの方に聞いた話では、昔、歩くこともままならず、機体まで行くのに、列線の人間の手を借りなければならないくせに、機体に乗り込むと、「シャン」としたというパイロットもいたそうです。(もちろん支障なくACMをこなす)
     また、感覚的な話ですが、戦闘機乗りの方の平均寿命は短いような気がします。
    PRCA

  4.  ある番組によると、戦闘機パイロットには小柄な人物の方が向いているようです。これは頭と心臓との距離が近く、なおかつ足の先と心臓との距離も比較的近いためで、高G状態でも頭に血を送りやすくなり、結果としてG-LOCに陥りにくいということなのだそうです。全体的に女性は男性よりも小柄なのが耐G能力の高さの原因なんだそうです。
     
     ところで、超音速実験機のベルX−1はなんと±18Gまで耐えられたそうです。もっとも、これは当時まだ未知の超音速領域での安全性を考慮したためで、過剰設計といえるものですが。
    YF−23A

  5.  人間では、持続的に加わる場合と瞬間的に加わる場合とで、耐えられるGの大きさが違います
     数十秒連続でかかる状態では、6〜7Gがせいぜいなのではないでしょうか
     瞬間的にかかる場合は、#1で述べられているように、10G以上でも大丈夫のようです

     > #2 PRCAさん

     F-4では、前席と後席とで、Gメーターの示度が違うそうです(後ろの方がやや大きい)
    セミララ

  6. >5.
     瞬間的にかかるGとは、衝撃Gのことで、文字通り衝突によりかかるGです。これは、千分の何秒という時間にかかるGで、このGの場合は、30Gでも大丈夫だったはずです。
     機動飛行により生じるGは、当然、こんな短時間のものではありません。
     また、脳に血流が全くなくなった状態が3秒以上続いた場合、脳は酸欠となり脳死となるそうです。G-LOCKの状態は、これと全く同じ、もしくは非常に近い状態となります。ただ、G-LOCKを起こすと、普通は気を失いスティックから手が離れるので、この状態からは開放されます。(そして別の危険と遭遇することになる)
     このため、数秒程度でも過大なGは、乗員の命を危険に晒します。(骨が耐えられず、座屈骨折する可能性も考えられる。)
     G-LOCK事態は、その時の乗員の体調にも左右されるので、4G程度でも、G-LOCKする時もあります。(Gスーツ着用でもね)
     なお、F-15では、地上機材により、各計測部(翼とかパイロンとか色々)に記録された、そのフライトの最大Gを読み取ることができます。これは、MPCDでも表示可能だったはずです。
    PRCA

  7. 旧名F-22用として最大12Gに耐えられるという新型パイロットスーツの試験映像を見たことがあります。
    パイロットがその新型スーツを着て遠心装置に乗って試験してましたけど・・・幾度も失神して何回目かにやっと12Gまで耐える事ができてました(汗)。
    ガンヘッド507

  8. >7.
     パイロットスーツというより、多分Gスーツでしょうね。
     12Gともなると、背骨の割れるパイロットが増えるだろうなぁ。
     現在のGスーツは、ズボンのような形をしており、あるG以上になると、機体につないだホースから圧縮空気の供給を受け、下半身を締め上げて、下半身に血液が流れにくくするようにし、頭部の血流を確保するものですが、その新型のシステムがどうやっているか、ちょっと気になりますね。
     なお、Gに耐えるには、Gスーツだけではだめで、独特の呼吸法が併用されています。(ラマーズ法じゃないよ)
    PRCA

  9. 新型のGスーツですが、Combat Edge(CE)システムでしょうか?アメリカ空軍では15や16のパイロットには
    既に一般的に使われています。今までのGスーツ(下半身)に加え、上半身にもベスト状のスーツを着用し、
    ヘルメットの後頭部にやはりGを感知して膨らむ袋が入っています。上半身のベストは下半身同様に
    空気圧で血液の流れを変えることで耐Gを高め、ヘルメットの袋は高G機動でヘルメットと酸素マスク
    がずれて酸素の吸入が難しくなるのを、袋を膨らませることで酸素マスクを密着させ防ぐようになっています。
    ヘルメットのシステムは旧ソ連が先に使っていたのを90年代に入って米軍が真似して開発しました。
    従来のGスーツでの効果は耐Gが+1〜1.5高くなる程度と聞いていますので、このシステムではもう少し
    高くなっていると思われます。それでも基本は個人差がやはり一番多きいようですね。パイロット訓練の中で
    16搭乗員になるには9Gのテストを耐えられないと不合格になると、TV番組で紹介されていました。

    先日交換士官として海軍のF/A-18Eに搭乗している空軍の16パイロットと話をする機会がありましたが、
    彼はベスト状のGスーツは効果も??で好きでは無いと言ってました。ヘルメットのシステムはかなり
    効果が大きいとのこと。まだ海軍では普及しておらず、早く導入して欲しいと言ってました。



    9C1

  10. そうです、Gスーツでした。
    詳細な説明等がなされてなかったのですが、覚えてる範囲ではスーツを造るにあたってパイロットの全身をレーザースキャンして、完璧にフィットした全身スーツを造っていました。
    ガンヘッド507


Back