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私が持っている本(ちょっとしたミスが大事故につながった事例を紹介しているものです)に、あるエピソードがありました。 要約しますと「第二次大戦中、米軍基地が日本軍の不意の空襲を受けた。あるP-47のパイロットが基地に配属されたばかりの機体に搭乗した所 操縦パネルのデザインが大幅に変更されており、離陸どころかエンジンを始動するのが精一杯でひたすら地上を滑走して逃げ回るハメになった。」というものなのですが、それを読んで疑問がわきました。 タイプが違ったとしても基本は同じ機体の中で、そこまで根本的に操縦パネルのデザインが変更されるという事が有り得るのでしょうか? エピソード中で零戦が「ゼロ式戦闘爆撃機」と書かれていたりやや信頼性が疑わしい本なのですが、どうも気になりますのでご存知の方がおられましたらご教授の程、よろしくお願いします。 かめ |
- あり得ます。P-39 エアラコブラもサブタイプごとに計器板配列が違ってパイロット泣かせだったと聞きます。また「配属されたばかり」のパイロットだと米国内で旧式の P-47B で訓練を受け、実戦量産型の P-47D への転換訓練を受けずに前線配備された可能性もあります。
当時は計器板に「標準配列」というものがなく(そういう物が必要だとすら認識されておらず、軍から仕様が提示されることもなかった)、メーカーの都合で好き勝手に作られていました。脚上げレバーの操作一つにしても上げるもの、押すもの、引くもの、倒すものなど色々あったそうです。
米陸/空軍については知らないのですが、米海軍においては戦後にグラマンの提案を受け入れる形でコクピットデザインの標準テンプレートが決まり、また速度計や回転計に白、緑、黄、赤のマーカーで運用域を表示するようになったのも戦後の話だそうです。
ささき
- 計器の配置も変わってるのですが、計器板右上部にあったスターター・スイッチの位置がD型の途中以降右下部に移っているようです。
片
- 下の2つの写真を見てください
計器の配列からして全然違います
P-47初期型
http://www.zenoswarbirdvideos.com/Images/P-47/47INSTPANELP-47B.jpg
P-47後期型
http://www.warbirdsresourcegroup.org/URG/images/p47-16.jpg
セミララ
- セミララさんの初期型の写真の8番がスタータースイッチです。
後期型で同じ場所を見ると・・・・。
片
- 初期型の13番がスタータースイッチのようにキャプションからは読み取れるのですが……
tac
- あ、ほんとだ。あれ?
片
- 失礼。老眼なもので(笑)。
13番のイグニッションとは別に、スターターのスイッチが10番のさらに右隣にあるはずなんです。陰に隠れてこの写真では見えていないのですが。
片
- http://www.zenoswarbirdvideos.com/Images/P-47/47IP.gif
セミララさんの初期型の同じHPの別ページのP-47C,D,Gのパネルでは見えてますね。まさに片さんのおっしゃる場所に。
D型の途中以前のものみたいですね。
jas1
- 皆さん、いつも丁寧な回答 ありがとうございます。
ホントに違うんですね・・。いきなり乗ってこれだけ違うと離陸して空戦なんて絶対無理ですね。米軍はなんでも標準化がすすんでいるというイメージがあったので意外です。日本軍の航空機だとどうたったんでしょうね。
かめ
- 計器板配列とは異なりますが、陸軍では信頼性の低い無線機の予備(あるいは無線封止中の編隊内連絡用?)に起倒式のマーカーを百式重爆撃機と九九式双発軽爆撃機が装備していました。
百式は編隊指揮器、九九式は編隊投下指揮信号装置と名称が違いますが、たった3本しかマーカーがないため、運用上の差別化は殆ど出来なかったはずです。
にもかかわらず、両者の間ではマーカーの配色も配列も異なるという状態でした。
まぁ、期待できないのではないでしょうか?
WC-Co
- 蛇足ですが・・。
エンジンコントロ−ルは普通、押す・・・パワー増大。。引く・・・パワー減少。
レーク・レネゲイド(水陸両用機)は上の反対になっていました。
普通、飛行機は着陸の時、接地寸前にパワー減少と同時に機首が下がるので
エレベェタ−にて支えてやります。
(昇降舵を若干・・滑走路端にあわせて・・引く)
咄嗟の時は潜在意識の方がでますので
思うようにならなくて冷や汗かきました。 ∧^o^;)
ひとつだけちがっても、このような有様です。
>地上を滑走して逃げ回るハメになった・・・充分ありえると思います。
sasanoha
- >11 加藤寛一郎氏の「生還への飛行」だったか、テストパイロットの談話に「F-111 の主翼操作レバーはパイロットの感覚と逆だ。前に押せば翼が前進し(低速飛行モード)、後ろに引けば後退(高速飛行モード)する。あれは自分で飛ばない人間が考えたに違いない」という意味の発言があったと記憶しています。
ささき
- ゴミかもしれませんが、こんな話もあるようです
http://www.ylw.mmtr.or.jp/~ynabe/fighter/taxi.htm
通りすがり
- そういえば松本零二さんの戦場まんがシリーズで日本軍も海軍機と陸軍機ではスロットルレバーだったか操縦竿だったかの操作が逆だったという内容がありました。ちらっとだけ書かれていました。本当かな?
かめ
- >14. 97 式戦闘機のスロットルは「引いてパワーアップ」だったようですが、隼以降では「押してパワーアップ」になっているようです。あと速度計の目盛り表示も陸軍が Km/h で海軍がノット、これは米軍も同じで陸軍がマイル/時で海軍がノットでした。今の飛行機は陸海軍民に関わらず原則として高度をフィート、速度をノットで記しています。
ささき
- >隼以降では「押してパワーアップ」
ちょっとフォロー。
同じ一式戦でも一型のスロットルは「引いてパワーアップ」だったのですが、二型以降は「押してパワーアップ」に変更されたそうです。
飛行第六四戦隊の安田義人氏は「一式戦が一型からに型になるとスロットルレバーが変更されて戸惑ったのの、大きな事故はなかった」と述べられていますが、九七戦から三式戦への機種変更訓練中、着陸中に増速するためにスロットルを開けようとして思わずレバーを引いてしまい失速・墜落してしまった、と言う話もありますからそれなりの混乱はあったようで、昭和18年夏頃に一式戦一型のスロットルレバーに二型と同じく「押してパワーアップ」にする改修が施されたそうです。
T216
- キ43のスロットルレバーは、増加試作の4号機の段階ですでに、それまでの「引いて開」から「押して開」に変更されています。「引いて開」で作られた1〜3号機も、事後改造で「押して開」に変更されます。つまり、ごく初期の時期を除き、キ43はすべて「押して開」式のスロットルレバーを持っていたことになります。
片
- >#12 ささきさん
F-14のVG翼では、レバーを前にした時、翼が前に出るか後ろに下がるか一時問題になったそうですが、結局はパイロットの直感に一致するよう、レバーを前に倒せば翼も前に出る、というようになったそうです
セミララ