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ある本の写真で胴着したB25の左プロペラがフェザリングになっていました。左エンジンに被弾し停止したため、フェザリングにしたと思われる、と解説されていました。 一方、川崎の土井さんの手記に、ロッキードハドソン輸送機に乗客として乗っていた時、片側のエンジンが故障し、カウリングを突き破ってシリンダが上下している状態になってしまったが、フェザリング機構がなかったため、着陸までエンジンが回転し、その振動で空中分解するのではないかと気がきではなかった。と書かれています。 当時は双発以上でもフェザリング可能な機体は、一般的ではなかったのでしょうか。 また、単発機でフェザリングできる機体はあったのでしょうか(フェザリングにしても滑空距離が伸びるだけですが)。 ハ140 |
- そのハドソンの件はどこに載ってたんでしたっけ?
もうひとつ古いスーパーエレクトラじゃないのかなあ、と、ふと。
片
- P-51 のマニュアルには「他の単発機同様フェザリングはできない」と明記してありますね。
http://barella.en2.ehime-u.ac.jp/~kumac/P51/
ささき
- うろ覚えの駄レス
>川崎の土井さんの手記に、ロッキードハドソン輸送機に乗客として乗っていた時、片側のエンジンが故障し、カウリングを突き破ってシリンダが上下している状態になってしまったが、フェザリング機構がなかったため、着陸までエンジンが回転し、その振動で空中分解するのではないかと気がきではなかった。
この話は土井氏の手記ではなく、他の著書に引用されたものを読んだ覚えがありますが、何に書かれていたか思い出せません。
>当時は双発以上でもフェザリング可能な機体は、一般的ではなかったのでしょうか。
97式大艇もフェザリング機能がなかったため「一発停止すると翼全体が共振し、致命的なレベルの振動を発した」という記述を読んだ覚えがあります。
可変ピッチプロペラからして普及し始めたのはWW2直前ぐらいでしたよね?WW2を戦った日本機を扱った本で、油圧式を採用するか電気式を採用するか(どちらも外国製)検討が行われた旨、記載されていたものがありました。
ご質問の「当時」というのが具体的にどの時期を差すのか明確ではありませんが、回答としては「一般化しきってはいなかったが、普及しつつあった」というのが適当かと思われます。
おうる
- 「戦闘機「飛燕」技術開発の戦い」(光人社)のP79の記述によれば、キ56(ロッキード14スーパーエレクトラの胴体を延長し、貨物機としたもの)です。昭和15年11月に完成した1号機を立川へ空輸中に箱根上空で起こったトラブルです。ちなみに、土井氏はそのとき機内でダンスのステップを踏んでおり、「その罰があたった」と思ったそうです。
わいわいぎつね
- キ56は土井さん自身が主務として担当した機体ですね。
住友ハミルトンの定速プロペラ装備です。
ということで、出題への答えとしては、国産のものとしては、
「当時は双発以上でもフェザリング可能な機体は、一般的ではなかった」
ということになります。
VDM式の変節機構が導入されるようになって、フェザリングが可能となりました。
片
- ・・・・というのは日本のことで、アメリカではフル・フェザリング可能なハミルトンの高角プロペラが一般化されており、イギリスのデ・ハビランドなどでもライセンス生産されていました。日本はこれを売ってもらえなかったのです。またドイツにもVDMやユンカースのものがありましたが、日本にはこのうちVDMの生産権を獲得しましたが、実用化にあたって変節不良がなかなか解決せず、また生産数もなかなか伸びなかったので、むしろ単座戦闘機用に優先的に回されています。
片
- ご回答ありがとうございます。
ハドソンの件は私の勘違いで、よく調べ直したらキ56でした。申しわけありませんでした。
ついでにいろいろな資料を片っ端から見て言ったら、P38とモスキートのプロペラはフルフェザリング機構が有りました。
WW2での双発以上の機体では、「欧米では既に普及し始めていたが、日本ではまだ一般的でなかった」ということで、納得いたしました。
ハ140