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「未知の剣」という本では零戦と一式戦の戦技演習で、高名な樫村兵曹搭乗の機に対して一式戦が有利に戦えたとありました。 条件にもよるのでしょうが、当時(S15〜16)では格闘戦能力は、一式戦が世界一という解釈が成り立つと考えてよろしいのでしょうか。 ROGUON |
- 95戦とか97戦の方が格闘戦ではもっと強いと思います。
SUDO
- > 零戦と一式戦の戦技演習
昭和十六年一月に横須賀航空隊で開かれた陸海軍戦闘機性能比較については、堀越二郎・奥宮正武著「零戦」、小福田晧文著「零戦開発物語」、柳田邦男著「零式艦上戦闘機」等で取り上げられています。
これらの本は海軍側からの視点で書かれていますので、少し陸軍側に辛い評価が下されているように感じますが、海軍は「全般的に見て、重要な飛行性能全般的について零戦はキ43(後の一式戦)にやや勝り、キ43は格闘戦で零戦にかなわない」と判断していたようです(射撃のすわりについては一歩譲ると判断されていますが)。
ただし、この昭和十六年一月というのは、零戦が前年七月に最初の量産型である一一型が制式採用され実戦もくぐって完成度を高めていたと言う状況であったのに対し、キ43は試作段階でしかも前年夏からの数ヶ月に及ぶ放置に近い状態から本格的な実用性性能試験に移行した直後で未だ「未完成」であった(制式採用は昭和十六年五月)ことを考慮する必要があると思います。
なお、零戦、キ43ともに水平面の旋回ではキ27(九七戦)やその改良型に敵わなかったそうですし、後に一式戦がビルマで戦ったP-36モホークは旋回性能においてほぼ互角だったそうです。
T216
- > 2.に追加。
坂井三郎氏は昭和十五年十月頃に九六式艦戦から制式採用から間もない零戦一一型へ機種転換される数ヶ月前に横須賀航空隊で開かれた零戦の取扱講習会に参加されています。
その講習会の最後に九六式艦戦と模擬空戦を行われたそうですが、格闘戦(恐らく水平面での)において零戦は九六式艦戦に全く敵わず、坂井氏は「日本海軍はどうしてこんなに弱い戦闘機を作ったのだろう?」と嘆いたそうです。
零戦・九六式艦戦の格闘性能について、横須賀航空隊は「水平面の格闘戦では九六式艦戦の方に歩があるが、垂直面での旋回では零戦の方が有利」と判断していますが、これよりやや遅れて陸軍審査部もキ43とキ27の模擬空戦の結果からほぼ同じ判断を下しています。
T216
- > 2.
ちょっと誤解を与えそうな表現なので訂正。
誤:一式戦がビルマで戦ったP-36モホークは旋回性能においてほぼ互角だったそうです
↓
正:一式戦がビルマで戦ったP-36モホークの旋回性能は一式戦とほぼ互角だったそうです
T216