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ソ連は、ドイツ軍の航空機をどう評価していたのでしょうか? ネコマタ |
- 本カテゴリの3560に関連情報の紹介があります。
私はその中の『航空ファン1993年12月号に「ソ連におけるドイツ機評価試験」』を読んだことが
あります。
大雑把に言って「Bf109は強敵、Fw190はたいしたことない」と言ったところでしょうか。
ただしスターリン体制下のソ連では敵国の兵器をうっかり高く評価して扇動罪などで逮捕
された事例もあるので、上記の評価試験レポートがどの程度の客観性を持って作成されたのか
知りたいとも思います。
内巻き
- Yakシリーズを作ったヤコブレフ氏が79年に出した著作(訳書題名「ソ連の航空機 その技術と設計思想」原書房 訳・遠藤浩)より。
「ドイツ機は戦争の始めから終わりまで型式は少しも変わらなかった。その飛行・戦術的性能が向上したのは、エンジン自体の馬力の増加、機体の空力形状の改善、装備と装甲の強化によるだけであって、その結果、機体重量の増加を招き、したがって速度と火力はいくらか増えたが、離着陸性能と運動性能が低下するのは避けられなかった。」
無理矢理悪し様に評価している内容ですが、ドイツに関しては総じてこんな感じでした。
他にも色々と仰っていますが、敢えて抜き書きしますと
「メッサーシュミト(Me109のこと)はYak型やLa型に比べてまさる点が何一つなかった。」
「ドイツのパイロットにとっては、この機体(Fw190のこと)を受け取っても、メッサーシュミットに比べて何の得にもならなかった。」等々です。
この本に関しては色々と思う所がありますが、内容を鵜呑みには出来ない本というのが一見した私の感想でした。
tomo
- 逆に、西側がおこなった、ソ連機評価に関して、ヤク9(?)だけは、P51に近似した評価を得たはずです。
あとは、おおむねカスですが。
だいいち、ソ連がMe263をはじめとする、ジェット機群に、どうケチつけられるんでしょうね。
ネコマタ
- 先の本では米英軍用機に関しては実際の航空戦の顛末を用いるなどして結構高い評価を書いています。
さて、Me262です。直接章を割いている訳ではありませんが、
「ドイツがこれらの最初のジェット機をマスターするのには、多くの惨事が伴った。この惨事はジェットによる飛行の新奇さだけでなく、ナチスの指導者が十分試験されていない、速成の航空機を量産にまわしたり、それらをできるだけ早く前線で使おうとした気違いじみた性急さが原因だった。このような状況下では避けることのできない事故が、パイロットの間にジェット機に対する不信感を産み付けた。」
とまず指導層をけなし、
「1945年12月末に、(ジェット機の分野での遅れを回避する)根本的対策を講ずる代わりに、分捕ったドイツのジェット機Me262の模倣品の量産によってすり替えようとする企てが不成功に終わった。Me262を量産化するのは誤りだった。第一にこのジェット機は操縦が難しく、飛行中は不安定な失敗作だった。第二にメッサーシュミットの模倣は人々の関心と物的資源をこの機体に引き付け、当時ソ連ではジェット機の設計の仕事がうまく行っていたというのに、その仕事に大きな打撃を与えることになりかねなかった。」
としています。
あながち間違っている内容ではないですが、わざわざあげつらう所に大いに毒を感じます。ジェット機開発段階の事故ならソ連だってそれなりに起こしてますしね。
ついでに言うと、戦後、ドイツから資料や技術者を分捕ってきたこととか、初期のソ連製ジェット戦闘機がどう見てもドイツの設計プランのパクリなのとかには一切触れられていなかったりもします。
tomo
- でも、Bf109は速度と火力が多少改善されただけで進歩は無かったというのは事実でしょう。
実際の戦場では109のKとかG10なんて出会うことは無かったでしょうし、見分けも付かないんじゃないでしょうか。
Bf109Fは42年には出現しており、大戦末期のG14まで、ソ連側の認識は当を得た物では無いでしょうか。
またFW190も、ドイツのエースが好んでBf109を選んだという話や、ソ連軍が遭遇したFW190の多くは対地攻撃任務のF型だったのではないかということも合わせて考えると、頷ける要素は多々あります。
ましてやYAKとP51が近い性能とするならば、P51に劣るドイツ戦闘機がYAKに比してどうって事は無いのも、また当然の帰結でしょう。
また、この手のもので、敵を貶し、自国を持ち上げるのは当たり前の記述でしょう。私には毒とは感じられません。極普通の評価だと思いますし、メッサーに関してなど、実に簡潔かつ的確なのではないでしょうか。
SUDO
- まさに仰る通りでして、内容に関してはひどく間違っているとは私も思っておりません。メッサーに関しても同意見です。
ただ、英米に対する書き方と対比すると明らかに温度差があるんです。素直に読むと、とてつもなく悪い性能のように思えてしまうんです。
1979年という戦後かなりたった時期の本でありながら、それがどうにも目に付いてしまって。
tomo
- 80年代のグラスノスチ政策以前におけるソ連の出版物って政府当局の厳しい検閲にかかってますから、ドイツなどの旧枢軸国を礼讃すると当局が受取るようなものは、ソ連国内における出版が難しかったという事情を考える必要があると思います。旧枢軸国の兵器の評価に関する出版物でも同様な事情では。
しかし、出版されることなく軍の書庫に研究用として眠っていたような資料には、こうした出版物と異なることが記載されているかもしれません。
ソ連崩壊後、ロシアの公文書館から冷戦当時には見ることもできなかった政治関連の秘密資料・文献が発掘されているわけで、そうしたことからの推測ですが。
アリエフ
- 以前知り合いが1941~2年頃のソ連空軍の対ドイツ空軍戦術教本を一部訳してwebに置いていたのですが・・・・・・見つけたらURL記します。
>第二にメッサーシュミットの模倣は人々の関心と物的資源をこの機体に引き
>付け、当時ソ連ではジェット機の設計の仕事がうまく行っていたというのに
>、その仕事に大きな打撃を与えることになりかねなかった。
に関してですが、ヤコブレフはラボーチキンを蹴落とすときに「ラボーチキンの案は仇敵ドイツのMe262の影響を受けすぎている」という告発を行ったと記憶しますので、それを指しているのだと思います。
レッド★こてらじ
- >8
数年前に、同じと思われる物を読んだ記憶が有ります。
個々の機体の特徴や、他の機種との編隊での連携(高度のとり方や役割分担)
又、I-15だかI-16の事を、あらゆる機体より優れた機動性を持っている
(機動性の概念が不明ですが)
っと言った記述を、おぼろげながら覚えています。
私も探してみます。
Scylla
- G−10は東部戦線でも広く使用されてます。ハルトマンもG−10を使用してました。K−4も西部戦線ほどではないだけです。見分けられないのは事実でしょうね、(正しく)見分けられるようになったのは、我々でも最近ですからね。見分けられない側の評価が的確とは思えません。
Fw190を使用したエースも大勢いるのも事実。エースだからといって機種は選べません、隊単位で同一機種を使用してましたから。
ギグ
- >9
http://www4.big.or.jp/〜dirac/Aceshigh/sft.html
これですかね。
La5やYak7などの「使える」戦力がでてきたころの話ですね。
読み直すと結構面白い。
こてらじ
- http://www4.big.or.jp/〜dirac/Aceshigh/sft.html
修正、、、できたかな?
こてらじ
- http://www4.big.or.jp/%7edirac/Aceshigh/sft.html
safariの馬鹿。。。
こてらじ